比の今月のカメラ 2008年 3月号 Pentax SPF


Pentax SPFです

仕様や時代背景などは、いろいろなwebページに詳しいところがありますので、先月のSPと同じく省略します。

この写真のSPFも、先月号のSPと同じくジャンクで購入したものです。東京に行ったとき、中古屋さんのジャンクが並んでいたところから買ってきました。かなり安い価格でした。SPFのジャンクは人気がないのでしょうか。レンズはボディーとは別にジャンクとして手に入れた、55mm/F1.8を付けてみました。この組み合わせで、何度か使用しています。特に問題なく使っています。ただし、このレンズは、SPFの仕様である開放測光ができるようになっていない、SP時代のレンズだと思います。記憶では、SPFには、ローレットがゴムになっているSMC タクマーがついていたように思います。

私がOlympus M-1を買った頃、みなさんが使っていたのは、SPFでした。高校時代には、同じクラスにも、SPFを使っているやつがいて、使わせてもらったことがありました。なつかしい機種です。




SPOTMATIC F
SPが、絞込み測光だったのを、他社がもう開放測光になっていたため、スクリューのマウントで、なんとか開放測光にしたてあげた機種です。確かに、絞込み測光より、開放測光のほうが、便利に違いありませんから。でも、不思議なのは、開放測光を嫌がった人が多くて、結局、絞込み測光のSPIIを、SPFのあとに発売したのは、有名な話です。
富士のスクリューマウントの、開放測光のレンズは持っていますが、あれは、ねじ込んで、止まる位置を決めるキーがあって、まるでバヨネットマウントの場合の開放F値の伝達機能のようにしてあるため、SPFの伝達方法とは違いますので、SPFでは開放測光できません。各社苦労したのですね。

55mm/F1.8は、悪い評判は聞きません。使ってみても、問題はありません。よく撮れます。55mm/F1.8は、ジャンクで2本買いました。どちらも、掃除して、問題なく使えます。この写真のやつは、外観がきれいなほうですが、外観がよろしくない、塗装がはがれているやつでも、まったく同じく使えます。なんで、2本買ったか、覚えていませんが、2台のSPのうち、あとで買ったほうが、レンズ付だったのかもしれません。




このSPFは、レストアをしていません
露出計用の水銀電池の接点部分が、液漏れの腐食で壊れていて、簡単に直せると思ったのですが、分解したら、もうすでにどなたかが分解してレストアに挑戦したあとがあり、外から見たより、ひどいありさまになっていました。やればレストアは不可能ではなかったのですが、そこまでがんばって、内蔵露出計を修理しても、結局は、内蔵露出計を使って撮影しないだろうと考えてやめました。いまでも、開放測光対応のレンズは手持ちでは存在しませんしね。掃除とモルトプレーンの貼り換えのみ行いました。
普通の撮影には問題ありません。これで何度か撮影しましたが、ちゃんと撮れています。

高校のクラスメートのある方は、SPFにタムロンのズームレンズを付けていました。当時ズームレンズは、価格が高いので、ふつうの高校生は持っていませんでした。とてもめずらしいことでした。その方のズーム付SPFを見せていただいたとき、びっくりしました。声も出ないというのが正直なところでした。レンズについている、絞り動作のピン。スクリューマウント、今風に言えばM42マウントについている、自動絞り用の押し込むピンが、根元から曲がっていて、押し込めません。Aの設定だと、必ず開放で撮影していることになります。Mだと、絞り込んでの撮影になって、せっかくの開放測光なのに、測光して、ピント合わせまでは、開放で、撮影する直前にMにして絞りを動作させてレリーズという手順になるはずです。でも、ほんとうにそうして使っていたのでしょうか。ピン曲がりは気がついていないのでしょうか。声も出ないので、そのままそっと返しました。どういう使い方すると曲がるのでしょうか。このころ、私は、M-1に50mm/F1.8だけつけていて、それが宝物でした。SPFにズームレンズ付は価格としては、それよりはるかに高いもので、当時の高校生には、宝物として使うに値するものだと思いますが、その方にとっては、安物扱いだったのでしょうか。結局、そのことについては、なにも聞かないままに、卒業して、その後一度も話したことはありません。




アクセサリーシュー

というより、X接点のホットシューになって固定でついています。この時代らしい仕様としては、ホットシューがあるのに、別にX接点と、FP接点の差込はあります。しかも、X接点とFP接点の切り替えではなく、丁寧に、それぞれ別についています。私のM-1での失敗のひとつで、スピードライトを使ったのに、シンクロの切り替えがFPになっていて、スピードライトはシンクロせずに、写らなかったというのがあります。まあ、よく確認すればわかることなのですが、このSPFのように、X接点とFP接点が別なら、間違えることは少ないのではないかなと思ったものです。






開放測光
のかぎは、マウント内部の、片方が欠けた前歯のような、この写真にある機構です。これで開放F値を伝達していたのですね。でも手持ちで、これに対応したレンズがありません。どういう動きをするのかもわかりません。そのうち、ジャンクレンズに出くわすかもしれません。できたら、28mmあたりか、50mmマクロあたりが希望です。もし、手に入れたら、露出計をレストアしてみましょうか。CdSがやられていたときのために、CdSの新品は、すでに購入してあります。







【雑談】
CanonのA4サイズフラットベッドスキャナーのフィルムスキャニング機能付のものを買って、3年くらいたったかもしれません。先週、あるネガをスキャンしていて、「キーッ」と切れてしまいました。まったくうまくいきません。今まで何本もフィルムスキャンしたのにこんなはずではという状況です。モノクロフィルムは、難しいということで、うまくいかないのは、それはそれであきらめましたが、今回は、カラーネガです。「いったいどうしたことだ」。うまくいくコマと、まったくだめなコマがある。
一週間考えました。頭の中で、ハードとソフトのエンジニアになったつもりで。フィルムスキャナーのハードとソフト開発するとき、どんな機能をどんなふうにコントロールするだろうか。一週間考えて、それでは、こうかなと、設定したら、なるほど、そうでした。いったいいままで、何本とりこんで、こんなことを知らないでスキャンしたのだろう。今まではそこそこまともに取れていたのですね。はずかしいので、詳しくは書けません。こんどモノクロのスキャンのときは、この設定でやってみようと思いました。
A4フラットベッドスキャナーのおまけ機能のようなフィルムスキャンでも、ある程度はとれます。もうちょっと、上位機種のスキャナーをそのうち購入すべきかなと考えてきました。フラットベッドにこだわっているのではなく、120フィルムをスキャンできるフィルムスキャナーは、高くてとても買えないからです。
(2008. 3. 14)




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