今月のカメラとレンズ | 2011年 10月号 | Nikon NIKKOR-Q.C Auto 135mm F2.8 |
|
高校生の時に 一眼レフを買った。高校の入学祝をほぼ全部つぎ込んで買った。レンズは50mm F1.8付きだった。それ以上のものは買えなかった。添付されてきた交換レンズの読本を「穴の開くほど」という表現が使えるほど読んだ、眺めた、みつめた。 レンズが交換できるというのは、夢のような話だった。ズームレンズは、世の中に存在したが、高価で、単焦点レンズよりも、もっと遠い存在だった。 そのころの高校生が、まず欲しいのは、望遠レンズだった。「のぞき趣味」とは言わないで欲しい。遠くのものを大きく写すことが感動だった。 あるときクラスメートが、父親のカメラとレンズを借りてきた。それぞれに特徴があるので、忘れない。Nikon F Photomicに、Nikkor 135mm F2.8がついていた。 使わせてもらった。 |
Fの本体は 良い感じがしなかった。値段が高いプロ仕様とは知っていたが、プリズム部が異様にでかいし、まず、レリーズボタンを押せなかった。「なんで、こんなに手前にあるの???」あせると、とっさには押せなかった。 しかし、レンズはみごとだった。ファインダーが良いこともあるのだろうが、135mmのF2.8というのは、こういうものかと、感動した。 まず、望遠レンズは135mm F2.8が欲しいと思った。 |
その NIIKKOR 135mm F2.8ですが。 出会ってから、30年以上経過してから、とある中古カメラ店で見つけた。正確には135mm F2.8としては、二世代目のC付きのものだったが。ジャンク扱いで、格安で置いてあった。カニ爪のネジが片方無い。Nikonのネジはしっかりきつく締めこんであるので、自然にとれたのではないだろう。部品取りされたか? 組み込みのフードの内側にある植毛が剥がされている。または、剥がれてしまったのか? 形跡しか無い。 全体的に傷が多い。 でも、安かったので買った。 Nikon F は、今もって、持っていない。しかし、まあこれに合いそうな、Nikomat ELがあるから、買ってみるかと、すんなりと買った。使ってみても特に問題は無い。古いレンズだからこんなものだろう。高校時代を少し思い出すのには、これで十分だ。 |
黒と銀の コントラストが美しいと思いました。同時代の135mm F3.5のほうは、もっと銀の部分が多くて、安っぽく見えました。もちろん、気持ちの問題でしょうけれど。 センター位置の黒いラインの隣の、この画像で左の緑のラインの下の見える、赤点は、昔からカメラをやっているひとには、常識な、赤外マークです。赤外線フィルムを使う場合、屈折が可視光線と違うので、この位置まで自分でずらさないとピントが合いません。この説明で理解不能な場合は、Google検索でも試してみてください。 資料を見たら、このAuto Nikkor 135mm F2.8C と俗に呼ばれているものは、1974年発売で、翌1975年にNew Nikkorがぞろぞろ発売されるときにNew Nikkor 135mm F2.8が出たため、実質1年間の生産だったのですね。高校時代に使わせてもらったのは、このF2.8Cなのか、C無しの初代なのか、今となってはわかりません。 |
ついていなかった カニ爪のネジはホームセンターから買ってきてつけたが、ネジの太さとピッチをあわせると、頭が違うので良く見ると違和感があるが、使う分には問題ない。これはNikomat ELにつけているところだが、これで問題なく使える。 Ai化していないので、物理的に取り付けられないカメラがある。例としては、New FM2とか、Aiの開放F値読み取りの爪が折りたためないカメラは、物理的に取り付けられない。 自力で、絞りリングを削ってAi化を考えたこともあるが、まあこのNikomat ELで良いし、露出計動作しないのを承知でNikon FEの爪折りたたんで取り付けることもできる。 |
【雑談】50mmクラスの、昔で言う「標準レンズ」ばかり続けてきたので、ここらで違うやつにします。望遠レンズでまず気になったのは135mmでした。それは友人の父親のものを使わせてもらったときの感動によるものです。ほかの友人に聞くと、どうも私と同世代のみなさまは、まず200mmというのが多いようで、比較的買えるような価格で、いちばん長いのが200mmだったというのが、その皆様の共通認識のようです。中古市場でも、以前は、200mm/F4というのが、ゴロゴロしていたような感じがします。 (2011.10.8 ) |