GMのこぼれ話:裏切りの使徒編


 天使戦争編・第2話で、ついに天界へと足を踏み入れたナイトウィザードたち! そして、その天界での彼らの活躍はいかがでしたか? 天使やら魔王やらが前の話以上に出てきてるうえに、私独自の設定が入り混じって。読んでる方にはけっこうな負担かもしれませんが、御了承下さい。足りない分の解説については、ここでやりますので参考にして下さい。

 この話で、ようやく使徒ハーフ(ミカエルの娘)の美架と、“暗き天使”の継承者である美架が繋がりましたね。この設定が思いつくまで、マジで大変でした。一時は天使戦争編止めちゃおうとさえ考えました(^^;) この設定が余分なものか、はたまた前よりも良いものになったのか……その評価は、リプレイを読んでくださった方々にお任せします。私としては、一つの形に収まってくれたので満足ですから。

 ちなみに、サンダルフォン=美架になる前は、サンダルフォンはメタトロンの偽名で、その名を利用してメタトロンが浄化派天使を動かしていた、という設定でした。冬弥の考えていた事は、前の設定だったら合ってたんですね(苦笑) さらに新設定では、サンダルフォンの力と魂を受け継ぐ事によって、美架が魔物使いとして覚醒した、という解釈をしています。つまり、彼女の魔物セラフィーネとは、守護天使サンダルフォンの変形したものだったんですね(後づけ設定だろ、と言われてしまえばそれだけの話ですが……)

 その美架ですが、前回黒天使(これは美架の人間としての欲望、感情などの負の部分が具現化したもの)な彼女が分離され、白天使(こっちは使徒としての善性、理性などの正の部分が具現化したもの)となってました。メタトロン作の人工聖霊に憑かれていた時は、白の部分が暴走し、正義のためならば、何をするのも躊躇わない危険な存在になっていましたが。では、その人工聖霊が抜けるとどうなるのか……という答えが、冬弥イベントシーンでの彼女です。善に近い存在だけど、感情にとぼしい、という要素を考えたら、ああいう某綾波的なキャラになってしまいました(^^;) ……え、お前の趣味だろうって? まぁ、否定はしませんよ………(爆)

 しかし、メタトロンとサンダルフォンは双子だと言ってるくせに(実際、聖書でもそうなってる模様)、今の七大天使たちは三代目とか、無茶苦茶な設定を出してしまいました(爆) そうしなきゃ、現ミカエルが女性である説明がつかないとラファエルにも言わせましたが、この時、セッションを見学していた一人が、「天使に性別なんて関係ないんじゃない?」と言われました。 確かにそういう解釈もあるようです(笑) でも、ガブリエルは女性であった(または女性ではないか、という推測)もまた事実のようですし………古い物語ですから、そういう矛盾や曖昧な個所があっても、おかしくはないですがね。

 聖書の記述の曖昧さに触れたので、ついでに七大天使の設定の曖昧さにも触れたいと思います。天使たちの中でも、特に力と権能に秀でた者達が七大天使と呼ばれますが、この七大天使に属する天使というのが、どうも曖昧なのです。四大天使こと、ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルはほぼ確実に七大天使の一員のようですが(それでも、中世の一時期には、女性とされたガブリエルは七大天使から外された、という話もある)、それ以外の三体については、時代や各聖書によって微妙に違うのです。しかしこのままでは話にならないので、私は勝手に、“天の大天使”はメタトロン“冥の大天使”はアズラエル(アズラエルはイスラム教の天使ですが、他に冥のイメージに合う天使が見つからなかったので)、そして“虚の大天使”はレミエル、としました。 あるいは、さっき述べた世代交代制では、四大天使以外のものは、名前までは継承しないとしても良かったのかもしれません(笑) ああ、結局私の設定も曖昧じゃないか!(爆)

 今回の大成功は、何と言っても、大天使レミエルですね(笑) いやはや、あんなに面白いキャラになるなんて予想外でした。良い意味で化けたキャラって、こういうのを言うんですね! なんであんな性格にしてしまったのか、今思うと非常に疑問なんですが(マテ) “虚”属性の、とらえどころのないというイメージが、あの性格に繋がったのかもしれません。確か、セブン=フォートレスの幻の守護者(名前忘れた)も、あんな感じの性格だったような気がするし…… ともあれ、最後に二人の大天使の設定を述べて、終わりとしたいと思います。

※“天の大天使“メタトロン

 七大天使の一人にして、全ての天使たちの頂点に立つ天使長たる存在。天使長として、神に代わり、あらゆる天使に指示を行い、下界の人間達の守護し、見守る存在……のはずだが、信仰を失い、神への愛を忘れ、堕落した人間達を憎むようになり、ついには自らハルマゲドンを起こし、人類を断罪しようとした(これじゃあ某カルト宗教の教祖と、あんまり変わらないじゃないか。キリスト教信者の皆さん、どうもすいません…) しかしその能力は天使長たるに相応しく、彼の魔力に勝てる者はいないとすら言われる。彼の魔導書である『セーフル・ハ・ゾハル』(光輝の書)は、カバラ思想の根本経典の原本となったとされている。

※“虚の大天使”レミエル

 七大天使の一人だが、指揮するべき天使の部隊を持たず、常に自由気ままに天界や下界をさすらう変わり者の天使。あまつさえ女好きで、天使、人間に関わらずナンパする性質が、彼を一層、理解不能な存在にしている(笑) だがその能力は確かで、特に夢使いとしての能力において右に出る天使はいない。その能力を生かし、下界にいる使徒や聖職者に対して、夢という形で啓示を行ったり、彼ら天使にとって、不都合な他人の記憶の操作・消去などを行う。だが、天界を不在にしていて捕まらなかったり、気に入らない命令に従わなかったりと、一筋縄では行かない人物。しかし、その性格はレミエル自身の演技である、というまことしやかな噂もある。


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