仕事における報告・連絡・相談は、
「主語」と「述語」と「数字」で語れ。
 

 上司は「ほうれんそうが肝心。ほうれんそうをしっかり。」と言うし、若手は「きちんとほうれんそうしてるのに、いったい何?!」って言う。「なんでそんなギャップがあるんだ?」と思ったワタシは一昨年、あるレポートで仕事の上での報告(ほう)連絡(れん)相談(そう)について次のように書きました。(詳しいレポートはここをクリック。) 

4 学校の活力を引き出す総務部

(3)組織での「ほう」「れん」「そう」の意味 

 具体的に、どんなことを「ほう」告し、なにを「れん」絡するか、どんなときに「そう」談するのか、共通理解がありますか。チームワークがよく、ざっくばらんに何でも話ができる雰囲気があれば、「ほう・れん・そう」にこだわらなくても、組織は円滑に動くでしょう。しかし、人柄やチームワークに頼っていたのでは、メンバーの交替とともに、ぎくしゃくする恐れもあり、組織としては感心できないと思います。 

例えばこんな「ほう」「れん」「そう」 

  結果がどうなったか注目されているとき・・終了したことを報告する

  皆の動きにかかわりのあることを・・・タイミングを逃さず連絡する

  予想していた方向とずれを察知したら・・・すぐに相談する

 組織としての理念があいまいな「学校」では、共通目標さえも建前主義であいまいだったりします。そんな中では、報告したはずのことを管理職がそれを組織上の報告と認識していなくて同じ報告を何度も求めたり、相談しているのに世間話・一般論で返ってきてしまい解決の方向が閉じてしまったり…という笑うに笑えない話ばかり。そんな中で、無用なストレスを生じさせず、円滑に自分の仕事を進めるためにはどういうタイミングで「報告・連絡・相談」したら上手くいくか、普段自分が心がけていることを書いたものです。 

 しかし、「ほう・れん・そう」はタイミングばかりじゃない、ってことに気づきました。「この人はいったい何を相談したいのか連絡したいのか報告したいのか?」というくらい、報告(ほう)連絡(れん)相談(そう)する側に主体性がない。判断を丸投げしてるのです。

  そうなるまでの状況を説明せず目の前のトラブルに「どうしたらいいですか?」

  方向性も説明しないで「いいアイディアはありませんか?」

てめえいったい、何の仕事を任されたのだぁ〜っっ!子どもの遣いかぁ〜?!
そんな具合に、「
いったい、報告・連絡・相談すべきか?」をほうれんそうする側に、ビジョンがないのです…。ビジョンのないほう・れん・そうは、主語があいまい注意して聞くと、すぐにわかります。 

ちょっとここから引用 

言葉は大切である。いやその「言葉の表現方法」は本当に大切である。
その表現方法と言う事で、営業部会で今まで注意してきた事を、もう一度確認しようと思う。

「競合店の状況は?」「かなり入っています」

「昨対割れの要因は」「『宴会がかなり減ってきている様に思います」

「店の状況は?」「だいぶ良くなって来ました」

「ドリンク券の戻り状況は?」「あまり戻っていません」

以上の会話は私と店長との実際の会話である。

「かなり」ってどのくらい? 「あまり」ってどのくらい?

「減っている様に思う」って思うだけで確かめなくて心配ではないのか?

「だいぶ良くなってきた」、あなたにとっての「だいぶ」と私の
「だいぶ』」は違う。

今、ここで改めて言う。

仕事においての報告・連絡・相談は「主語と述語と数字で」語れ。

「競合店の入店状況は?」

「毎週水曜日8時に定点観測をしていますが、和民と比較して客数でほぼ同数、満席率で80%が、競合店の状況です」

「昨対割れの要因は」

「昨年同月比、宴会の売上高が、50万円減となっています。フリーの客数は昨年同月日105%で、フリーの客単価50円ダウンの影響もありましたが、102.5%だったため、宴会の売上高減が昨年対比割れの要因です」

「店の状況は?」

「サービス最低基準達成率が、前月と比較して60%から80%へと上昇しています」

「ドリンク券の戻り状況は?」

「一ヶ月だって3949枚の配布を行いました。そのうち1212枚がレジ際、2137枚が駅頭です。レジ際の戻り率が3%で、駅頭が3%です。よって計378枚が一ヶ月で戻りました」

こんな報告を聞かせてもらいたい。 

引用終り

  だいぶ長く引用しちゃったけど、居酒屋チェーン和民の社長渡邊美樹さんはその著書で、さらに次のように言っています。

 「すべての事を、数字で考える習慣を身につけなさい。『だいたい』、『おおよそ』、『とても』、『少し』、『いっぱい』等という形容詞は、ビジネスには邪魔である。形容詞は恋愛の時に使いなさい。」

 ビジネスっていうのは、単純に金儲けじゃなくて、仕事をするっていうこと。ハイクオリティな仕事をめざしていれば、たとえ学校だろうが公務員だろうが、こういう習慣は必ず役に立つはず。アナタも心がけてみよう!

 

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