前髪
突然のさよならは あたたかい風にちる
薄紅の花びらのはかなさにもにて音もたてず
ゆっくりと浮かぶのはいくつもの過ぎた日々
切り過ぎた髪を押さえ 風の中を走った遠い日々
思い出にしがみつくだけじゃ駄目ね
もう切らなきゃ 笑いながらかきあげてた
長過ぎる前髪でよかった
涙でふくらんだまぶたを見られずにすんでよかった
わけなんて言わないで 春だから それでいい
あなたから背を向けて 傷つかずに始まるものは無い
思い出をいつか力に変えよう
もう切れよと 笑ってかきあげてくれた
前髪の向こうの後ろ姿
思っていたよりも大きな背中に気付けてよかった
春が来たら短く切ろうと決めてた
長過ぎる前髪でよかった
涙でくもってる瞳を見られずにすんでよかった
あなたの手がときおりかきあげてくれた
前髪を切らなくてよかった
涙をこらえてる瞳を見られずにすんでよかった
涙があふれてる私を見られずにすんでよかった
この曲以外に、いかにも篠原美也子さんらしい曲、というのは他にもたくさんありますが
私は前髪が好きです。風の中を走った遠い日々。
私の場合はだいたいかたちはきれいに終わった(つもり)ですが、心はどろどろでした。
だからこの歌の引きずる気持ちを受け止めつつ消化する強さとか回想の仕方とかがうらやましいのかもしれません。
昨日だろうがおとといだろうが戻ってこない日々は遠い日々なのだ。
思い返すも自由、前向きに生きるも自由、どちらも過去は来ません。明日しかない。あさってしかない、とか思います。
戻ります