==★★★《南オーヴェルニュの田舎ぐらし》★★★==

        
        【フランス中央山塊オーヴェルニュ地方:St.Flourは南オーヴェルニュに位置する】

  St.Flour はフランス中央山塊の中心都市、Clermont Ferrand から更に約80Km南に位置する中世の
 雰囲気が漂う町である。この田舎町の近くに2人の知人が住んでいる。地図左上の Latga村にはMme.Michele、
 左下のRochegonde村にはM.Sauret がいる。その2人はお互いに知り合いではない。わたしの知人で、
 全く偶然に近くに住んでいた。しかも、2人とも同じように
19世紀に建てられた農家を買って、20年以上も
 前からそこにいるのだ。昨年(2007年)の夏、私たち夫婦は彼らの家を訪ね、すばらしい時を過ごした。その
 時のことをご紹介しよう。題して、
《南オーヴェルニュの田舎ぐらし》 
 フランス人の考え方、彼らの生き方をそこに見た。

      
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 (1) Mme. Michele (マダム ミッシェル)
     ミッシェルと最初に出会ったのは、かれこれ15年も前のことである。私たち夫婦が、豊橋技術科学大学の学生だった
    イヴ・マニエットのお兄さん宅(ナンシー)でのクリスマスパーテイに招かれた時、彼女は、遠くオーヴェルニュのサン・フロー
    から数時間掛けて車でやって来た。私たちは家族の仲間入りをさせてもらって、夜中まで楽しい一時を過ごした。
     その後、イヴの薦めもあって、平成10年の夏、フランスのすばらしい中世の町サン・フローを訪ね、彼女宅にホームステイ
    をさせてもらった。その時の感動が忘れられず、昨年(平成19年)夏、再び訪ねた。彼女の住むラトガ村はサン・フローの町
    から車で20分位の、お店もない15戸程の本当に小さな村である。主に牧畜を営んでいる村人は、みな素朴な人柄の人たち
    である。ミッシェルは今から約20年前に古い農家を買い取り、それを改造しながら、二人の子供と暮らしている。

 ← 《100年も前からチクタク、チクタク》 
    おじいさんの時計、今も現役で動いている
    古いものも大事に使って生活を楽しむ

オーヴェルニュの夏はほんの短い間だけ
8ヶ月は暖炉が必要

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食卓は木製の頑丈な大テーブル

"JE NE SUIS PAS D'ACCORD AVEC CE QUE VOUR DITES, MAIS JE ME BATTRAI POUR QUE VOUS PUISSIEZ LE DIRE." (VOLTAIRE)
《わたしはあなたの言うことを承知しているのではなく、あなたがそのことを言うからには戦うつもりだ。》思想家ヴォルテールの言葉
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ミッシェルの娘さんのメラニーが、自分の部屋の敷居にマジックで長々と紙に書いて張り付けていた。
彼女の好きな言葉なのだろう。
フランスの高校では【哲学】を重要科目として教えており、
考え方を鍛えたり、表現の仕方を徹底的に訓練する。
大学入試では【哲学】は最重要科目である。

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【中世巡礼の町 St.Flour( サン・フロー):SNCF駅前広場から丘の上の旧市街地を望む】

 (2) M. Sauret (ムッシュ ソゥレ)

【旧Hotel Slavia】

    ソゥレさんはパリの中心部にあるミニホテルのオーナーであった。
  私たち夫婦は、1987年(昭和62年)から9回に亘り、このホテルに延べ
  55泊している。Hotel Slaviaは私たちの常宿であった。13区、地下鉄7号線
  ゴブラン駅から徒歩5分。市内中心部へは地下鉄で10分、バス91番に乗れば、
  リヨン駅、オステルリッツ駅、モンパルナス駅などSNCFの主要駅にも10分以内
  で行くことができる。誠に便利な所に位置していた。。また、ホテルはソゥレさんの
  おじいさんの時代からミシュラン赤本に載っていた老舗で、個人経営の良さで
  家族的な雰囲気があり、いつも常連客で賑わっていた。
    ところがである。3年前、友人にこのホテルを紹介しようと思い連絡を取った
  ところ、どうも様子がおかしい。よく聞けば、「経営者が変わった。」ということ
  であった。
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    そこで私たち夫婦は、昨年(平成19年)1月ソゥレさんご夫妻を探す旅
  出掛けた。名前も経営者も変わってしまったホテルを訪ねると、フロントの若い
  お兄ちゃんが親切に応対してくれて、ご夫妻のお宅の住所を教えてくれた。
  そして、4年半ぶりに再会することができた。
   話してみると、事情があってホテルは売ってしまい、冬場の半年はパリに暮らし、夏の半年はサン・フローの
  近くのロシュゴンという小さな村に古い農家を買って住んでいると言う。ムムム・・・どこかで聞いた話
  何と、ミッシェルの家から数キロしか離れていない。 《夏には是非サン・フローに来てください》という暖かい
  お誘いの言葉をいただいた。

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約20年前、1827年に建てられた農家を買って、夏は毎年ここで過ごす マダム・ソゥレ手作りのキッシュで歓迎してくれた
20戸程の村の中心広場には石造りの磔刑があった 村の共同パン焼き小屋