東フランスの街歩き(2)~エピナル・ベルフォート 2015.2.19~3.2
【今回の旅のルート:黒実線】
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2月22日(日)曇り NANCY10h05----(TER)----11h02EPINAL EPINAL
泊
エピナルは私たち夫婦にとっては初めての町である。半年前に私たちの
友人がエピナルの日本企業に赴任したのを良い機会として、一度訪ねて
みようと思ったのだ。
ナンシーからの各駅停車の電車はゆっくり山間の村々を抜けてエピナルに
着いた。ここは県庁所在地と言っても小さな町である。ただ、田舎だけに緑に
恵まれ、町の中心を流れるモゼル河畔は大変美しい景観であった。
友人は私たちを駅前のホテルまで迎えに来てくれた。そして、彼が良く行く
レストランで昼食を取った後、版画工場へ案内してくれた。エピナルは版画
で有名な町である。その分野に全く不案内の私にとっては少しばかり衝撃的
であった。《版画》=《木》という誠にお粗末な先入観に捉われていた。実際
には銅版画であったり、石版画であった。その精巧さに驚きを禁じ得なか
った。
工場には博物館もあり、版画を刷る行程を分かりやすく、また、ユーモアを
交えながら解説してくれた。
左の絵は工場で働く人の一齣を銅版画で描いたもので、微に入り細に亘る
その様は『版画でここまで表現ができるのか』との驚きを感じた。
2月23日(月) 小雨 EPINAL9h57---(TER)---11h28BELFORT BELFORT 泊
朝からまた雨。大きなバゲージをゴロゴロ引きながら駅に向かう。腱鞘炎を起こした右手の肘が痛い。なかなか治らない
のも年齢の為か?普通電車は定刻通り出た。2~3分もすると町を抜け、雑木林の中を行く。冬の景色が広がる。エピナ
ルの友人が、《丁度、奥三河の東栄町のような景色》が続く。《本当にその通りだ。》と思った。
ベルフォートについても雨は降っていた。予約してあるホテルは街の中心にある。バスで行こうと思い、どのバスに乗った
ら良いのか聞いてみてもなかなか要領を得ない。言葉の問題。(´Д`) 3人目のマドモアゼルが丁寧に教えてくれた。教え
られたバスに乗って運転手に、『町の中心まで行きたい。いくらか?』と尋ねると、彼は『・・・・』考えていたが、『只でいいよ!』
とのこと。『????』解らぬままにバスの人となり、約10分。丁寧にお礼を言ってバスを降りた。
後で解ったことなのだが、《バスに乗るには、駅などでカードを買って乗らなければならないことになっているらしい。》運転
手は現金を扱わないというシステムなのだ。《多分その時の運転手は、私たちが外国人旅行者ということで、難しい説明を
避け、その時は只にしてくれたのだと思う。》
町の中心の旧市街地も雨のためか、人がほとんど出ていない。寂しい町を歩くのも何となく気が進まない。家内は部屋で
持ってきた小説を読み、私は数独をやったり、友人に絵葉書を書いたりして過ごした。3時半頃になり雨が少し小ぶりになっ
たところを見計らって近くのスーパーマーケットに行き、夕食の食材を買ってきて、ホテルの部屋でピクニックをすることにした。
旨そうな《チョリソー》があったので買ってきて、いざ食べようとして包装袋を見ると、賞味期限が1週間も過ぎている。保存食
だから1週間位は大丈夫だろうとは思ったが、雨も降ってないし、時間はたっぷりあるので、交換して貰おうとまた出かけた。
店員に『賞味期限が切れているので、替えてくれ。』<`ヘ´> というと、彼女はそそくさと売り場の方に行った。そして、暫くし
て戻ってくると『品切れだから交換できない。返金するからレジに来てくれ。』と言って、私たちをレジへと連れて行ってくれた。
3.2€の返金を受けた。応対した店員は、外国人の私たちに戸惑いを感じていたのか、『申し訳ない。』の一言もなく、事務的
に対応しただけであった。少しの寂しさを感じた。
【ホテルの窓から見た町の中心のアルム広場:雨の為か閑散としている】 【サン・クリストフ教会】
2月24日(火)
朝起きてみると雨は上がっていた。私は町のシンボルである、丘の上の《Le Lion》のところまで登ってみた。朝早いし、シ
ーズンオフのウイークデイということでか、見物客はほとんどいなかった。言われは良く解らないが石造りの大きなライオン
は近くで見ると圧巻であった。すぐ上にある博物館は工事中で閉館していた。また、そこからは素晴らしい街並みが一望で
きた。
ホテルに戻り昼近くになったので、二人でレストランに行ってみた。事前にPCで調べてみると《ポトフ》の美味しい店がある
という。ベルフォートでは是非行こうと楽しみにしていた。レストランはホテルから近くで直ぐに分かった。
『ボンジュール!予約はしていないのですが、2人良いですか?』『・・・・あいにく今日は一杯です。夜なら空いていますが。』
とのことであった。(>_<) 《小さな町だし、シーズンオフだから一杯になることはないだろう》と勝手に考えていたのがいけな
かった。朝にでも予約をしておくべきだった。諦めざるを得無かった。反省。
つづく