トップページへ              箱舞台・第六幕 ミニチュアワークの部屋

第一場

島根・松江 『ヘルン(小泉 八雲)旧居』

 
2010年(平成22年)の夏、松江のイングリッシュガーデン回廊で行なわれた「ドールハウス展〜ようこそ、小さな夢の世界へ〜」展へ出展するため依頼されて製作した作品です。老舗の和菓子屋等いくつかの候補の建物を見た内で、一番、感性を揺るがされた空間でした。そこは創作の主題である日本建築の「光と闇」の空間が存在していました。
島根県尋常中学校の英語教師として松江に赴任した八雲は約1年3ヶ月を松江で過ごしました。この地で小泉セツと結婚し、明治24年6月から5ヵ月半を暮らした屋敷です。
以前、東京での展覧会に「宇野千代生家」を初めて出展した時、ドールハウス界の重鎮でもある女性作家の方が、発した一声が「何もないじゃん!」でした。今回のヘルン旧居では、それ以上に、居間から書斎、庭と続く軸線上に殆どモノがありません。日頃、ミニチュアで表現したいのは空間で、モノは舞台や映画で言う小道具と考えている自分の創作コンセプトを象徴する作品になりました。

 『ヘルン旧居』

縮尺 1/20〜1/24

畳製作:舛田ゆか

435W×170H×456D