トップページへ         箱舞台・第二幕 ミニチュアワークの部屋

第一場

岩国・宇野千代生家「時計の間」

 
岩国出身の女流作家、故宇野千代の生家です。建物は明治初期の建物で、昭和49年(1974)千代が77歳の時、老朽がすすんだ生家を復元修理。その際、木部にベンガラを塗った、と著書にも書かれており、研究のためベンガラの街並みが保存されている岡山県の吹屋(高梁市)まで出張しました。奥の「時計の間」と呼ばれる部屋は父親の部屋で、彼女の『生きていく私』のなかでも「私の記憶の中の父は、いつでも、時計の間と呼ばれている、時計のかかっている部屋に座っていた。」と書いています。厳格な父親で千代は、この家を出る18歳まで、この部屋に足を踏み入れたことがなかったそうです。この作品から、奥行き感をより演出するため、透視図法での制作を始めました。

 『時計の間』

縮尺 1/20〜1/24

375W×195H×365D