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2石レフレックスラジオ 2022年製作品

感度がよい2石レフレックスラジオ

2022.1.3

#4 感度がよい2石レフレックスラジオでは、スイッチ付き平型ボリュームのB100kΩが使用されていました。これは形状・抵抗値ともに、現在では入手しにくい部品です。 このラジオの場合、5〜50kΩで代用しても体感上の違いはあまりありませんが、気持ち的に記事と同じ部品を使いたかったりします。

先日、秋月電子で基板実装型の平型スイッチ付きB100kΩが販売されていることを伺いまして、早速購入し組み立ててみました。ありがとうございました。


平型ボリューム

購入したS付き薄型ボリュームです。つまみ付きで税込150円です。記事掲載時の昭和51年当時とほとんど変わらないか、安いぐらいの価格でした。

基板実装型のため、左右のスイッチ端子はネジ留め穴ではなく、抵抗端子側に伸びていて直接基板に差し込むつくりです。ここを工夫すれば、大して苦もなく子供の科学のラジオに使えそうです。

ボリュームの脚を曲げる

直角に曲がっていたAの箇所を慎重に平らに伸ばし、次にBの箇所を直角に曲げました。これで、記事のように長いビスで基板から浮かせて留めるのと、あまり変わらない留め方になります。

向こう側の端子も同様ですが、伸ばした箇所が切れそうになってしまい、別の金属板を重ねてハンダ付けして補強しました。

抵抗端子も直角に曲げて基板にハンダ付けしました。ギリギリ届かない脚があったため、すずメッキ線でつなぎました。

3Dプリンターで製作したケースとバーアンテナホルダー

前回の製作から年月が経っており、ケースにする深い名刺入れも失っていました。代わりに3Dプリンターで外装を製作しました。

私が使っている光造形式3Dプリンター(Phrozen Sonic Mini 4K)は、あまり大きなものは造形できず、水平横置きで造形するとこれがほぼ最大のサイズです。

ついでにバーアンテナホルダーも造形しました。今では入手できないプラスチック製の部品を自由に作れるのは便利です。樹脂の物性が違うのでまったく同じものができるわけではありませんけども。

ケース裏側はデコボコしている

表側は結構きれいにできましたが、裏側(造形時の上面)にはレジンがすくい上げられたまま硬化してデコボコです。斜め造形できればレジンが流れていくのでだいぶましになるのですが、今回は外観を最優先して平らに造形しました。

1層1層の面積がベッタリと大きくなり、それが毎回造形面から引き剥がされるので、ステッピングモーターが剥離抵抗に負けて持ち上がらないのではとヒヤヒヤしていました。

サポートの付き方

こんな風に逆さ吊りで造形されていきますが、うっかりしてバリコンのつまみの穴の一辺を引き上げるサポートを忘れてしまい、そこだけ若干ダレた感じになってしまいました(次の写真でお分かりいただけると思います)。ダイヤルの操作に支障はないので再造形はせずに目をつぶりました。
図で赤く着色した3本のサポートは、その後仮に付けておいたものです。

製作したケース、プリント基板、部品を並べたところ

全部の部品が揃ったところです。昔のラジオキットの中身のようでちょっと楽しくなります。

プリント基板は、曲げたボリュームの脚の位置に合わせ、取り付け穴の位置を少々調整しました。

エッチングパターンの作成はテープとインレタではなく、フィルムを作って感光基板に焼き付けました。その先は同じです。

配線が終わったところ

あとは部品を差し込んでハンダ付けしていくだけなので、すぐできます。

何度作っても、電池をつないでスイッチを入れる瞬間はドキドキします。同時に一番楽しみな瞬間でもあります。

無事に鳴りました。

ケースに組み入れたところ

スピーカーはケースの爪にはめ込むようにして、取り付け金具とネジをなくしました。ケースは専用に作っているのですからプリント基板もはめ込みにできますが、手作り品としては昔の市販品の真似事がすぎるかなと思いましたので、一部ネジ留めを残しました。

光造形で作ったバーアンテナホルダーの脚は、ハンダごての熱で溶かし付けることはできず、基板に接着剤で接着しました。

完成

ようやく記事と同じS付きB100kΩを使うことができ気持ちがスッキリしました。

まだAM放送が続いているうちにできてよかったです。


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