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子供の科学のラジオ

ラジオ作例写真(リンクなし)
ラジオ作例写真(リンクなし)
ラジオ作例写真(リンクなし)

このページは、模型蒸気機関車のサイト「Nゲージ蒸気機関車」の中の1コーナーとして置かれております。検索エンジンなどからこのページを直接訪れてくださる人も多くなりましたので、模型ページとは切り離した内容で書き直しました。

大部分が、小・中学生の科学と趣味の雑誌「子供の科学」に掲載されていた、1970年前後のラジオ製作記事をもとに作ったものです。かつて部品を集めて工作に没頭したひとときを、思い起こしていただけましたら幸いです。

「子供の科学」編集部様のご厚意により、本サイトへの回路図とプリント基板パターンの掲載許可を頂くことができました(2007年12月21日許諾)。編集長様をはじめご協力いただいた方々に厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

#1 ウォームアップ-1石・トラ検 バラック・ラジオ

掲載:子供の科学 1976年2月号(泉 弘志氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回(推定)1976年2月失敗ハンダ付け不良
再挑戦2005年1月微妙※周波数の低い局が受信できず
1石バラック

30年前にこのラジオに挑戦した時点で、私が成功していたのは単純なゲルマラジオだけでした。
このラジオは同調コイルとして発振コイルのNo.88豆コイルを流用しており、外部アンテナ必須です。今住んでいる建物は鉄骨のため電波の入りが悪く、100pF(耐圧1,500V)のコンデンサを電源プラグにつないで電灯線アンテナにしました。
トランジスタ検波のためゲルマニウム・ダイオードはついていません。

本当に久しぶりに部品を集めましたが、必要なものは一応全部手に入り(2SC372は2SC1815に代替わりしてます)、昔の失敗がウソのように一発で鳴りました。
枕元ラジオとしてはまずまずの音量ですが、バリコンの容量とコイルのインダクタンスが合わないのか、当地で最も低い周波数の局が受信できません。
コアを調整したり、アンテナの形式を変えたりしても改善せず。素直に適合するバーアンテナに変更したほうがよかったかもしれません。

1石・トラ検 バラック・ラジオ回路図(子供の科学1976年2月号より許可を得て掲載)

●回路図
「子供の科学」編集部の許可を得て原図をトレスしました。クリックすると少し拡大します。

●おもな部品(他に木ネジ・ナット等)

  • トランジスタ…2SC372-O ※私は2SC1815で代用
  • VC…単連ポリバリコン(つまみも必要です)
  • No.88豆コイル
  • T…トランジスタ用トランス。12.5kΩ:50kΩ、サンスイのST-30など
  • C1…10μ・6〜16Vの電解コンデンサ
  • C2…0.001μ・50Vのセラミック・コンデンサ
  • R…100kΩ 1/4W固定抵抗
  • 電池…1.5V単三×1と電池ホルダー
  • クリスタル・イヤホン…プラグなし、ハンダ付け用のもの
  • 6Pの平ラグ板
  • ビニール線…配線とアンテナ用に2m
  • 木の板…10cm×6cm×厚さ1cmくらい

No.88豆コイルが少々入手しにくいですが、他は通信販売などで今でも比較的簡単に入手できます。No.88豆コイルは、秋葉原ではラジオデパートの「シオヤ無線」など数店で販売されていますが、いつもあるかどうかはわかりません。たまに通販の取扱店もあるようです。オークション等に出ていることもあります。
→そのシオヤ無線は2023年8月末日にて閉店してしまいました。寂しさを覚えます。

1石・トラ検 バラック・ラジオ配線例(子供の科学1976年2月号より許可を得て掲載)

●配線例 「子供の科学」編集部の許可を得て掲載
クリックすると拡大します。

木の板は手ごろなものが手元になくて買いに行ったのですが、長くてやや高価なものしかなく、加工済みの「飾り台」を買ってきました。この工作の趣旨に合わないような気もしますが、これがまた非常に安かったので複雑な気持ちです。

ラグ板は配線を終えてから木ねじで止めますが、木の板との間にナットを1個はさんで少し浮かせます。バリコンは合成ゴム系接着剤(ボンドGクリヤーなど)で接着するか、両面テープで貼り付けます。

アンテナ線は窓際などに張るか、コンセントに差し込んだ電気スタンドのコード等に5回くらい絡めて聞きますが(直接コンセントに差し込まないように)、私の家ではケーブルテレビのアンテナ線に絡めるとよく聞こえました。

◆気づいたこと◆

  • クリスタル・イヤホンも単連ポリバリコンも、昔売られていたものとは微妙に違います。昔の単連ポリバリコンは、透明なプラスチックケースで容量が300pFくらいでしたが(容量は何かでそのように読んだだけで怪しいですが)、今は2連バリコンのケースを流用したような格好で、容量も260pFとなっています。
    そういえば、何年か前に「国産の単連ポリバリコンの生産終了」という記事を新聞で見たように思います。
  • 当時の自分はなぜこんなものも作れなかったのかと考えますが、逆に当時失敗したから今は成功するようになったのでしょうね。

#2 1石・高1イヤホン豆ラジオ

掲載:子供の科学 1976年6月号(泉 弘志氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回(推定)1976年11月失敗当時の見解:バーアンテナが代替品(実際は結線が適当)
再挑戦2005年1月一応成功※局により受信感度の差が激しい
1石・高1イヤホン豆ラジオ

小さいプラケースに組み立てるもので、その昔はなかなか魅力的なラジオに思えて製作しました。
それまでに失敗していたラジオの部品を集めて、足りないものを買い足して作ったに違いありません。しかし無常にも、初回はまったく鳴りませんでした。

地方のため、当時でも記事とまったく同じ部品を揃えられることはまずありませんでした。
バーアンテナは指定の型番がたいてい買えず、結線もよくわからず想像でつないでいました(一応、テスターで調べてみるのですが、なぜかよくわからなかったのです)。

高周波チョーク高周波チョークなど、絹巻き線の糸巻きみたいなものしか売られておらず、線の先端もハンダめっきされていないことがあり、最初はどう使えばよいのかわかりませんでした。

というわけでラジオが鳴らなかったときは、いつも「同じ部品が買えなかったからだ」などと考えていました。

1石・高1イヤホン豆ラジオ裏側

時は流れて21世紀…今度は逆に、上の絵のような高周波チョークは入手難になっています。素直にモールド型の2.2mHのマイクロインダクタを買ってきました。
部品が少ないので特に難しいところがなく、あっさり鳴ってくれました。単純な割には結構感度がよく、電波の強い局は窓際ならバーアンテナだけで十分聞こえます。

ただ、選択度が低いというか何というか、比較的周波数の近い局同士の一方が、他方に飲み込まれてしまいます。この手のラジオに混信は当たり前ですが、完全に飲み込まれてしまい、混信していることすらわからない感じです。
また、音質は先ほどの1石バラックより悪く、ちょっと電波が強いとすぐ音が割れて聞き取りにくくなります。

1石・高1イヤホン豆ラジオ回路図(子供の科学1976年6月号より許可を得て掲載)

●回路図 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載

●おもな部品(他にビス・ナット等)

  • トランジスタ…2SC372-O ※私は2SC1815で代用
  • DET…ゲルマニウム・ダイオード SD46 ※1N60などゲルマラジオに使えるものなら何でも。
  • VC…単連ポリバリコン+つまみ
  • L…バーアンテナ SL-55GT
  • RFC…2mHコア入り高周波チョーク
  • C…0.002μ・50Vのセラミック・コンデンサ
  • R…50kΩ 1/4〜1/8W P型抵抗
  • 電池…1.5V単5×1と電池ホルダー
  • SW…3Pの超小型スライドスイッチ
  • クリスタル・イヤホン…プラグなし、ハンダ付け用のもの
  • 3P(6P)の平ラグ板
  • ビニール線…配線とアンテナ用に適宜
  • ケース…6.6cm×4.6cm×2.2cm以上の透明プラケース

2mHの高周波チョークは、マイクロインダクタとして売られているものが使えます。バーアンテナは他にPB-450、SL-45GT、SL-50GT、BA-200等も使えます。

1石・高1イヤホン豆ラジオ配線例(子供の科学1976年6月号より許可を得て掲載)

●配線例 「子供の科学」編集部の許可を得て掲載

ケースが小さいので、ラグ板の片側のラグ3個は90度上に折り曲げてから部品をハンダ付けします。

バーアンテナは、コアの端1cmほどの部分に厚紙かプラ板を張り重ね、ケース内側に接着します。ケースの穴あけを少なくするために、本誌ではバリコン・電池ボックス・スライドスイッチも接着剤にて取り付けられていますが、もちろん通常通り穴をあけてビス止めしても構いません。

◆気づいたこと◆

  • バーアンテナ「SL-55GT」の形が昔と変わっていますね。昔は平形の端子式でしたが、今はコアが細くなって棒型に近くなり、リード線式になっています。
  • ゲルマニウム・ダイオードは逆方向には等しく導通しないものと思っていましたが、その程度はバラバラなことに今頃気付きました。モノによっては性能に差が出そうです。

#3 2石レフ・ポケットラジオ

掲載:子供の科学 1976年3月号(奥澤 清吉氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回(推定)1976年5月成功その後バーアンテナのタップ線を切断してしまい自滅
再挑戦2005年1月成功やや音声以外の雑音多し
2石レフ・ポケットラジオ

その昔「失敗するのは同じ部品が買えないからだ」と固く信じていた私は、とにかく成功させたくて、このラジオの部品一式を、高円寺のエレックセンターというお店から通信販売で購入して作りました(残念ながらこのお店はすでに廃業しています)。
そして無事に成功したものですから、「失敗するのは同じ部品が買えないせい」という当時の自説を裏付けることになってしまいました。

ところがある日。バーアンテナの使われていない再生タップを、邪魔だと思って根元から切断したものですから、まったく鳴らなくなってしまいました。
鳴らなくなった理由に気付いた頃は、すでに関係ないところをいじっておかしくしたあとで、復活はできませんでした。外部アンテナなしに鳴る初めての実用的なラジオだっただけに無念でした。

2石レフ・ポケットラジオ裏側

30年近くたって、ようやく再挑戦の機会がやってきました。
いつもプリント基板を作る奥澤先生の記事にしては珍しく、ユニバーサル基板(今は少数派の4mmピッチ)に部品を差し込み、部品のリード線同士をハンダ付けする方法です。
Tr1,2(2SC372-Y)の代わりに2SC1815-Yを使いました。

幸い今回の再挑戦でも無事に鳴りました。昔聞いたとおりの高感度です。周波数の近い局同士が多少混信するのもそのままです。当時のラジオがそのまま蘇ったような不思議な感じです。

2石レフ・ポケットラジオ回路図(子供の科学1976年3月号より許可を得て掲載)

●回路図 「子供の科学」編集部の許可を得て掲載
クリックすると拡大します。拡大図は私のトレス作図ですが、この縮小図だけ誌面の雰囲気を思い出していただきたくて、オリジナル誌面のスキャンです。著作権の継承者様が不明なものがあるので、ほかは基本的に新しい作図で掲載します。

●おもな部品(他にビス・ナット・2mmラグ・配線用ビニルコード等)

  • トランジスタ…2SC372-Y ×2 ※私は2SC1815-Yで代用
  • 単連ポリバリコン+つまみ ×1
  • バーアンテナ PB-450 ※この作例はAP-50R。SL-55GT、BA-200、SL-45GT等が使えます。
  • ゲルマニウム・ダイオード 1N60,SD34など ×2 ※ゲルマラジオ用なら可
  • 高周波チョーク 4mH ※規格品では3.9mH。マイクロインダクタで可
  • セラミックコンデンサ 50V 100pF、0.01μF ×2
  • 電解コンデンサ 10V 47μF、25V 3.3μF
  • S付きボリウム 5kΩ平型+つまみ ※軸の出っ張ったボリウムでもできますが、ポケットラジオではなくなります。
  • 抵抗器 1/8P 1kΩ、8.2kΩ、10kΩ、20kΩ
  • クリスタルイヤホン(プラグなし)
  • 乾電池、スナップ端子
  • 4mmピッチユニバーサル基板
  • ケース(60×87×25mm)
2石レフ・ポケットラジオ基板配線図(子供の科学1976年3月号より許可を得て掲載)

●基板の配線 「子供の科学」編集部の許可を得て掲載
部品側から見た図です。赤い線を参考に裏側で部品のリード線を折り曲げて配線します。「※」の1箇所の結線は元図で抜けていたため補いました。この通り配線すれば鳴ると思います。
配線は裏側でやりますが、上部の2本の銅線と、左側の3本のリード線は表側に出しておきます。左のリード線は「3cmくらい」となっていますが、1番上の1本は4〜5cmにしておいたほうがよいと思います。

ケースの加工と組み立てなどを併せて別ページに記載しました。左の画像をクリックしてください。

◆気づいたこと◆

  • 雑誌の部品実装図などに誤りが2箇所あるので、その通り配線しても鳴りません。気付かず失敗した人もいるのではないかと思います。
  • 平形バーアンテナ「PB-450」が入手できなかったので、形の似ていた「AP-50R」を入手して使用。リード線の色分けまでPB-450と同じでした(バリコンに合えばバーアンテナは何でもいいんでしょうが、何となく同じものを使いたいでしょう)。
    バーアンテナホルダーも入手できないので、プラ板で自作しました。
  • 思いつきで、バーアンテナの2次巻線の2本の接続を入れ替えたところ(どちらをベースにつなぐかを入れ替える)、感度がアップしたうえ選択度が増し、混信しにくくなりました。これは嬉しいです。他のラジオでもやってみましたが、どちらかが良いというものでもなく、ラジオによって結果は様々でした。
  • このときはポケットラジオ用の平形ボリュームをどうしても入手できず、古いラジオから部品を外して使いました。

    平形ボリューム

    その後、「シオヤ無線」にスイッチ付きの5kΩ平型ボリュームが入荷するようになりました。しばらく切れていないので(2012年最終確認)、当分はありそうですが、保証はできませんので悪しからず…。
    →(2023年追記)惜しくも閉店されました。

その後

  • わざわざ2時間かけて、このラジオを最初に作ったときに住んでいた町まで出かけて聞いてみました。
    私がいた製鉄所の社宅街は広大な荒地に変わり果てていましたが、ラジオを通して聞く音は、30年前に私がここで聞いたのと同じ音です。当時の街の様子が目の前に蘇ってくるようでした。

#4 感度がよい2石レフレックスラジオ

掲載:子供の科学 1976年5月号(奥澤 清吉氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回(推定)1977年10月成功 
再挑戦2005年2月成功 
感度がよい2石レフレックスラジオ

やはりスピーカーを鳴らしたくなるものです。昔作ったときはプラ板を切り貼りしてケースを作りましたが、今回はちゃんと元の記事で指定されていた名刺ケースを使おうと思いました。

ところが、この30年の間に名刺の厚みはずいぶん薄くなったものですね。名刺ケースの深さも2/3くらいになっており、そのままでは浅くて電池が入らず使えません。仕方ないので2コをつなぎ合わせて深くしました。
スピーカーの穴をたくさん開けましたが、まっすぐに揃いませんし、あちこち割れていかにも手作り風になってしまいました。

回路は先ほどの2石レフ・ポケットラジオとほとんど変わりませんが、プリント基板を作るように指示されているので、基板工作キットを買ってきて作りました。一般的なポジ感光基板ではなく、銅箔面に直接テープやマジックでパターンを描いてエッチングするという、昔と同じ基板キット(サンハヤト PK-5)です。
昔作ったときは、エッチングが強すぎてパターンが切れてしまうなど色々失敗しましたが、そういうことはよく覚えているもので、今回は失敗はありませんでした。

2石レフレックスラジオ裏側

平形ボリュームは100kΩ(スイッチ付)が指定されていますが、どうしても入手できず、ダイソーの300円FMラジオに使われていた50kΩS付きを利用しました。スムーズに抵抗値が変化せず、途中でガクッと上がる点があったりしますがガマンします。

Tr1(2SC372-Y)の代わりに2SC1815-Yを、Tr2(2SC735-Y)の代わりに2SC1959-Yを使いました。

基板さえ作ってしまえばあとは簡単です。
これはバカに感度がよく、音質もまずまずで混信もほとんどありません。このページにあるラジオでこれより感度・分離のよいものは、次の4石スーパーしかありませんでした。

2石レフレックスラジオ回路図(子供の科学1976年5月号より許可を得て掲載)

●回路図 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載
ボリュームは発振対策も兼ねているのか、音声電圧を短絡する方式になっており、100kΩと大きいものが使われています。しかし、電波の強いところでは、5kΩや10kΩでも十分ではないかと思います。大きいものを使っても、電波の強いところではつまみをちょっと回しただけで最大音量になり、それ以上は変化がないためです。

●おもな部品(他にビス・ナット等)

  • トランジスタ 2SC372-Y、2SC735-Y 各1
  • 単連ポリバリコン+つまみ ×1
  • バーアンテナ PB-450 ※この作例はAP-50R。SL-55GT、BA-200、SL-45GT等が使えます。
  • トランス ST-81 ※ST-32も使えます。
  • ゲルマニウム・ダイオード 1N60 ×2 ※ゲルマラジオ用なら可
  • 高周波チョーク 4(3.9)mH ※マイクロインダクタで可
  • セラミックコンデンサ 50V 200pF、0.01μF ×2
  • 電解コンデンサ 10V 100μF、3.3μF、47μF 各1
  • S付きボリウム 100kΩ平型(B)+つまみ ※S付きの100kΩ平型は超難関です。
  • 抵抗器 1/8P 100Ω、4.7kΩ、10kΩ、20kΩ 各1
  • スピーカ 8Ω 5cm ×1、スピーカ止め金具(つめ)×3
  • 乾電池、スナップ端子(このラジオでは電池の置き方の都合で横型がよい)
  • プリント基板製作キット サンハヤトPK-5
  • 厚手名刺ケース(60×96×35mm)
2石レフレックスラジオ用プリント基板(子供の科学1976年5月号より許可を得て掲載)

●プリント基板パターン/組み立て方法 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載
拡大図に配線およびケースへの組み込み方法を記載しました。このとおりにプリント基板を作るか、ベーク板に同じように配線します。
昔の単連バリコンは左右の端に端子があったのですが、現在は中央と端なので、少しパターンを描き替えてあります(白い点線の丸がオリジナル記事の穴の位置です)。電解コンデンサの穴の間隔なども、実際に使用されるものに合わせたほうがきれいにできます。

バーアンテナの色分けはPB-450の場合です。赤リードはただ切ると鳴らなくなるので、そのままにします。
トランスST-81の1次側の赤リードも使いませんが、これは切っても大丈夫です。

電池スナップをハンダ付けするところは、オリジナルの記事では銅箔のはがれを防ぐため、一度はとめを打ってからハンダ付けしていますが、簡単に作るなら直接ハンダ付けしても構いません。

スチロール製の名刺ケースは穴あけのときに割れやすく、かなりの確率でどこかにひびが入ります。ドリルがケースを貫通するときは力を弱めて慎重にあけます。

部品のリード線で配線した例

●プリント基板を作らずに配線した例
本誌にはプリント基板を作らずに、ただのベーク板に組み立てる例も図示されているので、同様の方法でひとつ作ってみました。
VRには100kΩ平型(スイッチなし)を使い、別にスイッチを取り付けています。バーアンテナとバリコンは古いもので現在の市販品ではありません。

配線例

◆気づいたこと◆

  • ジャンクのポケットラジオをいくつも分解して100kΩの平型ボリュームを探したのですが、ほとんどが5kΩで、わずかに10kΩや50kΩがあるという感じでした。設計条件が大体決まれば定数も似てくるのですね。
  • その後さらに色々なラジオを何十台も組み立ててみましたが、このラジオの最初の作例の感度は特別に良く、2石レフの中ではずば抜けていました。しかし、同じ回路で組んでも必ずしも同じ感度は出ないことがあとでわかりました。バーアンテナのリード線が途中の信号を拾って、再生がかかったような状態になっていたようです。従ってバーアンテナのリード線の取り回し方で音量が大幅に変わります。むしろ回路が設計どおりに働いていれば、こんなに音量は大きくならないのかもしれません。

◆その後(2022.1.3)◆

秋月電子にて、記事と同じB100kΩのS付平型(薄型)ボリュームが売られていると教えていただき、購入して組み立ててみました。基板実装型なので取り付けに一部工夫が必要ですが、それほどの苦労はありませんでした。
感度がよい2石レフレックスラジオ 2022年製作品

#5 混信がなくて感度がよい4石スーパーラジオ

掲載:子供の科学 1974年12月号(奥澤 清吉氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回(推定)計画倒れ(資金難…) 
再挑戦2005年2月成功鳴るようになるまで2日かかった
4石スーパーラジオ

当初から作りたくて仕方なかったのですが、部品代だけで4000円近くになるため、資金難で中止していたものです。
すでに当時、ラジオは買ったほうが作るよりもずっと安く上がりました。翌年の1975年頃から、「子供の科学」の電子工作の記事は少しずつ減っていきます。

今回ようやく製作することができましたが、使ったケースの大きさの関係で、スピーカとボリュームの間に隙間がまったくありません。幅は逆に広すぎて、バリコンのダイヤルが外に出ず、少しケースの加工が必要でした。

最初にプリント基板を作りますが、使用するOSCによってはピンの割り当てが違うので、配線路を直さないと鳴りません。私はOSCとIFTを古いラジオから取り外したので、元のラジオの接続を見て配線路を直したのですが、なぜかそれが間違っていて丸一日原因がわかりませんでした。

4石スーパーラジオ裏側

実は雑誌記載の配線路にも間違いが2箇所あって、その通りに作っても鳴りません。原因があまり多くは考えられない場合、スイッチを入れてもうんともすんとも言わないというのは、本当に泣きたくなります。

Tr1,2(2SC924)の代替には2SC1815-Yを、Tr3(2SC372)にも2SC1815-Yを、Tr4(2SC735-Y)には2SC1959-Yを使いました。

スーパーラジオは調整が面白くて、配線の終わったラジオがどんどん高感度になっていく過程は楽しいものでした。
混信しませんし、感度もよく雑音も少ないので、これまで作った中では最も高性能です。スペースが許せばもっと大きいスピーカーにしたかったところです。

4石スーパーラジオ回路図(子供の科学1974年12月号より許可を得て掲載)

●回路図 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載

●おもな部品(他にビス・ナット等)

  • トランジスタ 2SC924×2、2SC372-Y・2SC735-Y 各1
  • スーパー用2連親子ポリバリコン+つまみ ×1
  • スーパー用バーアンテナ PB-450S ※現在はSL-55Xが入手できます。
  • 発振コイル 360μH
  • IFT 初段用(黄)・終段用(黒) 各1
  • S付きボリウム 5kΩ平型+つまみ
  • ゲルマニウム・ダイオード 1N60
  • トランス ST-81
  • 抵抗器 1/8P 100Ω、1kΩ、2kΩ 各1、 4.7kΩ、20kΩ 各3
  • セラミックコンデンサ 0.005μF ×2、0.01μF ×3
  • 電解コンデンサ 16V 3.3μF、6.3V 100μF、10V 100μF 各1
  • スピーカ 8Ω 5.7cm ×1、スピーカ止め金具(つめ)数個
  • 乾電池、スナップ端子(このラジオでは縦型が都合よい)
  • イヤホンジャック
  • プリント基板製作キット サンハヤトPK-5
  • 透明プラケース 75×114×30mm
4石スーパーラジオ用プリント基板(子供の科学1974年12月号より許可を得て掲載)

●プリント基板パターン 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載
拡大図に部品の配置方法を記載しました。

発振コイルは現在入手できるものならこのままのパターンでよいと思いますが、1970年代初めよりも前に発売されていたものは、ピンの配線がちょうどこの図の左右対称になっていたので注意が必要です。古いラジオから取り出して使うときは注意してください(例外としてその他のピン配置もありそうです)。

●調整
まずどれかの放送を受け、IFT(黄と黒)のコアを静かに左右に少し回して一番大きくなるようにします。
次に、その地域の一番低い周波数の局にダイヤルの目盛りを合わせ、その放送がその目盛りで受信できるようにOSC(赤)のコアを調整します。また、バーアンテナのコイルを左右に動かして、一番大きくなるようにします。
最後はその地域の一番高い周波数の局にダイヤルを合わせ、その放送が受信できるようにバリコンのトリマー(2個)を調整します。以上を何度か繰り返します。

◆気づいたこと◆

  • 記事にあるプリント基板のパターンには、Tr4のエミッタ付近とIFT3付近にミスプリントがありましたので、上の図では修正してあります。
    製作の際には念のため回路図をたどってチェックしてください。

    プリント基板

    ※この写真は配線路が間違ったままです。また、OSCのピン変更に対応するため、一部をパターンカットで対応できるよう変更してあります。

  • 感度がよいとは、本当はどういうことをいうのでしょう。
    高性能のアンテナで弱い電波もキャッチできるというのは、間違いなく感度がよいという意味だと思うのですが、十分にキャッチできなかった放送電波を、増幅を繰り返して大きく聞けるようになったものも、感度がよいと表現されているように思います。でも単にボリュームを上げて音量が大きくなった状態を「感度が上がった」という人はいませんよね。

#6 1石・バラック高1イヤホンラジオ

掲載:子供の科学 1975年2月号(泉 弘志氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回(推定)1975年2月失敗半田付け不良、TR熱破壊等とにかく実力不足!
再挑戦2005年2月成功 
1石バラック高1イヤホンラジオ

最初のバラックラジオと違い、バーアンテナ付きなので、補助アンテナなしでも強い局は受信できるはずでした。
しかし、最初に作ったときはまったく鳴らず。ラグ板に部品の足を絡ませてハンダ付けしたため、部品を外して調べようにも思うようにいかず、最後にトランジスタの足を根元から折るという大失敗をしました。
それでも当時はやっぱり、記事の指定したとおりの部品が揃わなかったせいで失敗したと思っていました。

今になって気づいたのですが、回路は既出の「1石高1イヤホン豆ラジオ」とほぼ同じで、高周波チョークのインダクタンスや実装方法が違うだけです。ただ、作った結果はこちらのほうがわずかに感度と音質が良くなりました。

1石バラック高1イヤホンラジオ回路図(子供の科学1975年2月号より許可を得て掲載)

●回路図 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載

●おもな部品(他に木ネジ・ナット・接着剤等)

  • トランジスタ…2SC372-O ※2SC1815で代用しました
  • ゲルマニウム・ダイオード SD46 ※1N60等、ゲルマ・ラジオ用なら何でもOK
  • 単連ポリバリコン+つまみ
  • バーアンテナ SL-45GT
  • RFC…4mHコア入り高周波チョーク
  • C…0.002μ・50Vのセラミック・コンデンサ
  • R…50kΩ 1/4W P型抵抗
  • 電池…1.5V単3×1と電池ホルダー
  • SW…6P、または3Pの豆スライドスイッチ
  • クリスタル・イヤホン…プラグなし、ハンダ付け用のもの
  • 4Pの平ラグ板
  • ビニール線…配線とアンテナ用に適宜
  • 木板(6×14cmくらい)、Z金具(バーアンテナ固定用)、L金具×2(スイッチ固定用)
1石バラック高1イヤホンラジオ配線図(子供の科学1975年2月号より許可を得て作図掲載)

●ラグ板配線図
拡大図に部品の配線例をお示ししました。
バーアンテナは、コアの端をZ金具に木綿糸でくくりつけ(難しいです)、木ネジで木板に取り付けます。スライドスイッチは2箇所のネジ穴にL金具をビスで止め、それを木ネジで木板に取り付けます。バリコンは接着取り付けとなっています。

●聞き方
電波の強いところならアンテナ線はなくても聞こえますが、弱いときは電灯線のまわりに5〜6回からませて聞きます(コンデンサが入っていないので、じかにコンセントに差し込まないでください)。

◆気づいたこと◆

  • 部品はすぐに集まりましたが、バーアンテナの固定に使っている「Z金具」のような部品も、地方では入手がしにくくなっています。
    東急ハンズで家具の固定用に売られているZ金具を使いましたが、大きくて立派すぎます。

#7 簡単な回路でやさしい-直結式2石イヤホン・ラジオ

掲載:子供の科学 1975年6月号(泉 弘志氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回(推定)1976年4月失敗当時の見解:TRが代替品のため(事実はたぶん違う)
再挑戦2005年3月成功枕元ラジオとして大変実用的
直結式2石イヤホン・ラジオ

簡単そうに見えたのに、30年前に挑戦したときはまったく鳴りませんでした。そのときは指定の2SC372が品切れで、代わりに2SC458を使ったため、それが失敗の原因だと思っていました。
単純な回路ですし、たぶん全然違う原因だったのでしょう。
失敗が連続したので友達にもからかわれました(といってもほかの友達が成功しているのもあまり見たことがありません)。

再挑戦の結果はちゃんと鳴りましたが、当初感度がとても悪く、先ほどの1石ラジオよりも悪いくらいで、補助アンテナなしではとても使えませんでした。
こんなものだったのかもしれませんが、前のほうの2石レフレックスラジオなどと比べると、あまりにも差が大きすぎます。

直結式2石イヤホンラジオ裏側

というわけで、完成したものの使われもせずにいたのですが、意外かつ情けない結末が。感度が悪いと思っていたのは、写真にも写っている単三電池が単に古かったせいでした。m(_ _)m
(未使用のまま工具箱の底から出てきたので、ラッキーと思って使っていたわけで…)
新品の電池と交換しただけで、十分な感度になりました。混信も雑音も少なく、急に使えるラジオに変身しました。

泉弘志氏の電子工作は食品入れをケースにするものが多く、そうしないと感じが出ないような気がしていますが、今回はありふれた透明ケースを使ったためちょっと味が出ていません。

直結式2石イヤホン・ラジオ回路図(子供の科学1975年6月号より許可を得て掲載)

●回路図 「子供の科学」編集部の許可を得て作図・掲載

●おもな部品(他にビス・ナット等)

  • Tr1、2…2SC372-O ×2 ※2SC1815で代用しました
  • VC…単連ポリバリコン+つまみ
  • L…バーアンテナ SL-45GT
  • T…12.5k:50kのトランジスタ用トランス サンスイST-30または相当品
  • C1…0.01μ・50Vのセラミック・コンデンサ
  • C2…0.002μ・50Vのセラミック・コンデンサ
  • クリスタル・イヤホン…プラグなし、ハンダ付け用のもの
  • R…1MΩ 1/4W P型抵抗
  • SW…2P、または3Pの超小型トグル・スイッチ
  • 電池…1.5V単3×1と電池ホルダー
  • 6Pの平ラグ板
  • 配線用ビニール線…30センチくらい
  • ケース…11.2cm×7.6cm×3.3cm程度の食品入れなど
直結式2石イヤホン・ラジオ配線図(子供の科学1975年6月号より許可を得て作図掲載)

●ラグ板配線図
拡大図に部品の配線例をお示ししました。
バーアンテナの固定のため、ラグ板の端のラグ2個を少し上に曲げ、そこにバーアンテナの端子2・4をハンダ付けします。バーアンテナの端子2には、バリコンのEと、Tr2のBから伸びるリード線が接続されることになります。詳しくは回路図を見て間違いのないようにつないでください。
トランスの足は左右のラグにハンダ付けして固定し、トランスの外装を通して右の1MΩと左の0.002μが接続するようにします。

◆気づいたこと◆

  • そのあと、バーアンテナをPB-450の丸コアタイプ(後述)に交換し、さらに感度がよくなりました。
    ケースなど作り直して、もっと格好のよいものにしようかと考えています。
  • 初回に代替品で使った2SC458は直方体の1辺を面取りしたような形だったと思いますが(下図)、今は普通の形になってしまいましたね。

    C458


久しぶりにラジオを作って一番驚いたのは、抵抗・コンデンサなどの受動部品が小さくなっていることでした。
抵抗器は昔の1/8Wよりも、現在の1/2Wのほうが小さいのではと思うくらいですし、セラミックコンデンサの直径も半分程度になっています。
電解コンデンサも、とても同じ電圧とは思えないほど細くなっていて、昔の設計の基板では穴の位置が合わず、ぴったり差し込めないほどでした。

市販のラジオが100円〜300円で買えるような時代に、明らかにラジオ工作にしか使えないようなパーツがまだ売られているというのも嬉しいことです。どこでどなたが作っているんでしょうね。

記事で紹介されている奥澤氏のプリント基板には、SR-18のように「SR」で始まる型番が付けられているものが多いのですが、これは「初歩のラジオ」の略でしょうか。初歩のラジオで掲載された回路が子供の科学でも紹介されたのかもしれませんね(私は当時、初歩のラジオを購読できなかったので残念ながら不明です)。中には「KO」で始まる基板もありましたが、これは「子供の科学」の略でしょう。


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