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その他の1〜3石ラジオ

「子供の科学のラジオ」以外に組み立てたラジオです。大昔、作ったラジオのイヤホンからかすかに放送が聞こえたときの驚きが忘れられず、未だに新しいラジオを組んで、スイッチを入れるときの「鳴るかな…?」というドキドキ感を味わいたくなります。

1石レフレックス・ラジオ

回路:WEBサイト「電子マスカット」さん
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2005年4月成功 
1石レフレックス・ラジオ

手元にたくさんある現在の薄型名刺ケースを使うため、イヤホン式の1石レフレックスラジオを作ろうと考えました。
しかし、手元に現存する1970年代の「子供の科学」には、なぜか1石レフの記事はとても少ないです(1石トラ検とか1石高1などはよくあるのですが)。たまにあっても、使用トランジスタが2SA100などのゲルマニウムトランジスタで、今となっては簡単に部品を集めることができません。
幸い、電子工作のWEBサイト「電子マスカット」さんで、2SC1815を使った1石レフの回路を見つけることができ、これを使わせていただきました(自分で設計できないのがなんとも情けないのですが)。

同サイトではラグ板を使った製作方法が詳しく紹介されていますが、自分でも少しは何か考えようと思い、プリント基板を作ってみることにしました。
紙に鉛筆でいくつか回路を描いて行き当たりばったりのパターンを考え、3時間ほどで無事にプリント基板ができました。

基板さえできれば、あとは部品を差し込んでハンダ付けするだけなので、1時間もかからずできてしまいます。

1石レフレックス・ラジオ裏側

基板にバリコンを取り付けたため、いつもは基板をケースから6mmほど浮かせ、ダイヤルをその間に入れるのですが、基板を浮かせるとトランスST−30がケースのフタにつかえてしまうことがわかりました。
仕方ないので、基板の回路面をケースにぴったりつけて取り付け、ダイヤルの軸にはプラ板をはさんでかさ上げし、ぎりぎりダイヤルを外から取り付けることができました。

感度がよく発振することもあるので、電波の強いところでは感度調節器を付けたほうがよいのかもしれません。

◆気づいたこと◆

3石レフレックス・スーパー・ラジオ

回路:「西田ラヂオ」さん
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2007年5月成功 
3石レフレックス・スーパー・ラジオ

私はレフレックスラジオが好きです。トランジスタが安くなった今でも、レフレックス方式ならさらにもう1段増幅できるのに…とついつい考えてしまいます(笑)。

さて、ちょうど3石くらいのラジオが作りたいと思っていたところに、WEB上で「西田ラヂオ」さんの3石レフレックス・スーパー・ラジオのキットを発見し、飛びつきました。2石レフや3石レフは感度はよいのですが、どうしても強い局同士が混信することがありますし、地域によっては強力な1局がすべてにかぶってしまうこともあります。それがこれらのラジオの味でもありますが、実用にするには混信がないスーパーヘテロダイン方式は魅力的です。それが3石で実現できるなんて素晴らしい…!

3石レフレックス・スーパー・ラジオ内部

このキットは、説明書付きのパーツセットというような構成です。プリント基板もちゃんと製作されていて、穴あけも済ませたものが同梱されているので、すぐに組立にかかれます。ケースは同梱されていないので、以前「子供の科学のラジオ」で使用した失敗ケースに少し穴を開け足して使いました。そのため、ちょっと余計な穴も空いていますが、がまんします。

キットには6.5cmのスピーカが付属していましたが、ケースの都合でどうしても実装できなかったため、仕方なく手持ちの5.7cmに替えました。同じ理由でボリュームも平型に替えました。あとはイヤホンジャックを付け足した程度で、キットをそのまま組んでいます。

バリコンとボリュームは基板に取り付けるのではなく、リード線で結ぶようになっています。場所の関係でケースの中身にすべてを取り付けることができなかったので、ボリュームとバリコンの配線を少し伸ばし、ケースのフタのほうに基板を取り付けました。ちょっと配線がごちゃごちゃしますが、見た目だけの問題で、特に支障はないようです。

配線自体は1時間少々で終わり、一発で鳴りました。混信しない3石ラジオというのは安心して聞いていられます。
暫定的な調整では、感度は大体3石高一くらいという感じになりました。4石スーパーに比べると体感で2〜3割低い感じですが、これからの調整が楽しみなところです。

4石スーパーと3石レフスーパー

左が子供の科学1974年12月号の4石スーパーの基板、右が今回組み立てた3石レフ・スーパーラジオの基板です。4石スーパーに比べてかなり少ない部品で済んでいます。

◆気づいたこと◆

  • 最初に、ケースにどう実装するかをよく考えてから配線に入ったほうがよいと思います。そうしないと、無駄にリード線を使ってしまったり、長さが足りなくて調整等でケースを開ける際に不便だったりします。基板に取り付けた部品の高さや、電池を置くスペースの考慮も忘れずに…。

  • バーアンテナは付属の銅線で基板にくくりつけますが、銅線の先が接触して輪になってしまうと感度が低下するので注意が必要です。また、スピーカーのマグネットとバーアンテナがくっついても感度が大幅に低下するので、配置に気をつけてください。

  • ひょっとして、最終段の電力増幅をやめて、イヤホン式で2石レフ・スーパーというのも可能なのでしょうか。回路がわからない私には見当もつきませんが…。

IC1石イヤホン豆ラジオ

回路:MITSUMI LMF501データシートを簡略化
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2007年6月成功 
IC1石イヤホン豆ラジオ

子供の科学のラジオのコーナーでご紹介した、#21石・高1イヤホン豆ラジオ(1976年6月号)は、小型で持ち運びに便利なラジオです。しかし、私の住んでいる地域では、補助アンテナなしでは感度が不足する局があるため、ラジオ用ICのLMF501を使って同じデザインのラジオを組み立ててみました。

作った理由のもうひとつは、AGCが欲しかったことです。音量調整がなくイヤホン式なので、選局のたびに大幅に音量が変わると、あまり快適ではないからです。

IC1石イヤホン豆ラジオ回路図

メーカーがWEBサイトでも公開しているデータシートには、このICを使ったラジオの応用回路図が載っています。それはICのほかにトランジスタ2石を使ってマグネチック・イヤホンを鳴らすものですが、私はクリスタル・イヤホンさえ鳴ればよかったので、低周波増幅は省略して左のようにしました。

電池と並列に入っている電解コンデンサはなくても鳴りましたが、ないと人体の影響を受けて発振するなど、やや不安定な感じでした。

IC1石イヤホン豆ラジオ内部

バーアンテナはコアに厚紙を巻きつけて、バリコンとケースの間にはめ込み、バリコン側に接着してあります(ケースの外側から接着剤が見えると見映えが悪いので)。

感度ですが、2石直結と2石レフの中間ぐらいという感じでした。大音量というわけではありませんが、鉄筋の建物の真ん中でも結構明瞭に聞こえます。廻りがあまりうるさいところならだめですが、散歩に持ち歩くくらいなら十分実用になります。強い局には音量調整が欲しくなるほどでした。

デザインを拝借した1石・高1イヤホン豆ラジオ(泉 弘志氏)と並べてみました。いずれも左側が1石高1、右側がこのIC1石ラジオです。

ラジオ外観:左が1石高1、右がIC ラジオ内部:左が1石高1、右がIC

◆気づいたこと◆

  • LMF501のINは当初バーアンテナの1に接続したのですが、強い局は激しく発振してまったく聞こえなくなることがあったので、このようにしました。
  • LMF501は外観がトランジスタに似ているうえ、検波回路も内蔵されているので、1石トラ検を作るような感じでかなり気軽に取り組めます(色々な方が様々な回路で作っていらっしゃいます)。IN端子がベースと同じ位置にあるのでなおさら…。でも、感度は1石トラ検の比ではありませんね。外部アンテナが要りませんから。

  • このICは私が購入したときは120円でしたが、ディスクリート品で構成されたダイソーの100円ラジオがそれより安いんですから実に不思議です。

PB−450の説明書の1石ラジオ

回路:バーアンテナPB-450の説明書をもとに作成
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2009年1月成功 
1石再生付ラジオ

お馴染みのバーアンテナPB-450の説明書には、「1石再生付配線図」としてPB-450の再生タップ(赤)を使用したラジオの例が載せられています。

回路自体はゲルマニウム・トランジスタを使用した普通の1石レフレックスで、部品も特別なものはないので、ひとつ作ってみました。 始めはSL−55GTの説明書の2石ラジオを作ろうと思ったのですが、手持ちの部品でまかないきれなかったので、こちらにしました。

1石再生付ラジオ内部

子供の科学風に、小型の食品入れにポケットラジオとして組んでみました。

回路図では、トランジスタの種類などが特定されているわけではないので、手持ちの2SA100を使い、他の部品や抵抗も適当に決めました。

私の家では再生タップを使わなくても十分でしたが、それでは説明書の回路の意図するものにならないので、一応接続しました。 30pFのトリマコンデンサで帰還量を調整するのですが、手持ちの部品がなかったため、自宅で一通りの放送が最も良く受信できる固定容量で組んでしまいました。ここでは3pFです。

1石再生付ラジオ回路図

●回路図 部品名や抵抗の定数などは、私が作ったものに合わせてあります。

●おもな部品

  • トランジスタ 2SA100
  • ダイオード 1N60 ×2
  • バーアンテナ PB-450
  • ポリバリコン+つまみ
  • トランス サンスイST-30
  • 高周波チョーク(マイクロインダクタ) 3.3mH
  • セラミック・コンデンサ 100pF×1、0.01μF×2
  • 半固定コンデンサ 30pF ※回路図の“(3pF)”の場所に本来配置されるものです。
  • 抵抗器 1/4W 1MΩ
  • 乾電池(006P)、スナップ端子
  • スライドスイッチ(3Pまたは6P)
  • クリスタル・イヤホン(プラグつき)+ジャック
  • 5Pラグ板
  • ケース 食品入れなど(作例は72W×97D×39H)
  • 配線用ビニールコード、2mm〜3mmビス・ナット、バーアンテナ固定用の配線止め、電池押さえのL金具など適宜
1石再生付ラジオ配線図

●配線例

ラグ板の配線は、無計画に端から行なったので、片側に部品が集中してあまり好ましくありません。スライド・スイッチの場所もラグ板に近すぎてしまい、一部接触しそうで絶縁テープをはさんでいます。

◆気づいたこと◆

  • 感度がとても良く、先にいくつか作った2石レフ式のイヤホンラジオよりも良いくらいです。また分離がとても良いです。実用にするなら音量調整を取り付けたほうがいいと思います。
  • 丸棒型コアに変身してここ数年頑張っていたPB-450ですが、次第に品切れになってきたような気がします。お住まいの地域ではどうでしょうか。

SL−55GTの説明書の2石ラジオ

回路:バーアンテナSL-55GTの説明書をもとに作成
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2009年2月成功 
2石トラ検ラジオ

バーアンテナのSL−55GTを買うと付いてくる説明書に載っている2石ラジオを組み立ててみました。「子供の科学」では、泉弘志氏がSL−55GTをよく使用されていました。同じ2石ラジオの回路図は、同一メーカーのSL−45GT、SL−41GT、SL−50GTのほか、BA−200の説明書にも載っています。

広く出回っている回路図ですが、使用されているトランジスタが2SA52と2SB56なので、現在同じものを作るのは困難です。幸い2SB56は1本だけ手元にあったのですが、2SA52がなく、ここでは2SA102を使いました。手持ちの2SAのゲルマニウム・トランジスタが2SA100と2SA102しかなかったためです。

2石トラ検ラジオ内部

トランジスタのほかは入手しにくい部品はありませんが、今は値段の高くなってしまったトランスが2個使われているため、新品で買い揃えるとそれだけで1000円を超えてしまいます。電池は4.5Vが指定されているので場所をとってしまい、少し深いケースを使いました。

バーアンテナだけでも鳴りましたが、音量的には通常の1石レフよりもやや小さめになりました。Tr1が違うので本来の性能が出ていないのかもしれません。割れんばかりに鳴るという局がなかったせいもありますが、混信はありませんでした。 ただちょっと「サー」という雑音が大きめに感じます。

2石トラ検ラジオ回路図

●回路図 部品名や定数は、実際の作例に合わせてあります。

●おもな部品

  • トランジスタ 2SA102(本来は2SA52)、2SB56 各1
  • バーアンテナ SL-55GT
  • ポリバリコン+つまみ
  • トランス サンスイST-20(10k:1k)、ST-30(12.5k:50k) 各1
  • コンデンサ 0.047μF、4.7μF(電解) 各1
  • 抵抗器 200kΩ
  • 単3乾電池×3、電池ホルダー(直列3本)×1、スナップ端子
  • スライドスイッチ(3Pまたは6P)
  • クリスタル・イヤホン(プラグつき)+ジャック
  • 6Pラグ板
  • ケース 食品入れなど(作例は外形の一番大きい部分で90W×90D×45H)
  • 配線用ビニールコード、2mm〜3mmビス・ナット、バーアンテナ固定用の配線止めなど適宜
2石トラ検ラジオ配線図

●配線例

電池ホルダーはふた側に固定しました。ラグ板左下の端子(バーアンテナ4)には本来アンテナ線も接続しますが、作例ではバーアンテナのみで受信しています。

バーアンテナの固定には樹脂製の配線留めを使いました。SL−45GTを使う場合は、もう少し長いラグ板を使えば、バーアンテナの端子をラグ板の端のラグにハンダ付けして固定することもできます。

もしこの回路図が、2SC372などが一般的な時代になってから作られていれば、ドライバートランスを使わない2石直結あたりが載っていたかもしれませんね。

◆気づいたこと◆

  • 2SA102の代わりに2SA100を使ってみたところ、音量は2割ほど小さくなりましたが、一応使えはします。ちなみによく手に入るシリコン型の2SA1015では、まったく鳴りませんでした。
  • 2SB56の代わりに2SA100でも鳴りましたが、音量は1割ほど小さくなり、チューニングに応じて「チュイーン」「ヒュイーン」という発振音が混じって快適に聞けません。頭では想像できていたつもりですが、なるほど実際の結果はこういう風に現れるのかと、ためになりました。
  • 電池を3Vにしても鳴りますが、体感的に音量は1〜2割減という感じでした(枕元用なら大丈夫です)。それなら9Vにしてみると…と思ってやってみましたが、4.5Vとの違いは感じませんでした。

専用ICでつくる 2ICラジオ

掲載:子供の科学 2009年5月号(伊藤 尚未氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2009年4月成功 
2ICラジオ

これは現在の「子供の科学」のラジオです。
お馴染みのラジオ用IC、LMF501と、アンプ用NJM2073が使用されています。2つのアンプ回路をBTL接続して使います。

本誌作例のセットは、2枚のアクリル板の間に部品を取り付けるしゃれたデザインですが、ここでは手元に余っていた透明プラケースに組みました。
基板の部品面にLEDがついているため、それが表から見えるように基板を取り付けます。基板の表にスペーサーを入れて、ケースにネジ止めしました。

回路図は載せていませんが、最近号なので置いている図書館も多いことと思います。

2ICラジオ内部

電源スイッチはトグルスイッチが使われていましたが、スイッチ付きボリュームとしました。ほかはなるべく本誌と似た感じになるように組み立てました。

ご覧の通りバーアンテナがありません。ロッドアンテナを伸ばして受信するようになっています。同調コイルは270μHのインダクターが使用されていますが、買いに行った店になく、330μHを使いました。

2ICラジオ基板

使ったコイルが大きかったため、周りの部品と干渉してしまい、足を少し片側に寄せて曲げて取り付けました。 あとはICをハンダ付けして完成という段になって、なんとNJM2073Dと間違えてNJM2072Dを買ったことに気付き、しばし中断…。

さて、アンプICで増幅するといっても、50センチ程度のロッドアンテナ(またはビニール線)だけで受信するため、当初感度についてはそれほど期待していませんでした。少し使ったらバーアンテナを取り付けようと思っていたのですが、完成してみるとその必要はまったくなく、想像よりずっと高感度でした。鉄筋の建物の中でも結構受信できますし、窓際ならアンテナを伸ばす必要もありません。体感的に5〜6石くらいの感じで、音質もなかなかよいです。チェリーの6石キット等と比べるとはるかによい音がします。主要局同士ならほとんど混信しませんでした。

ポータブル型のAMラジオを実用的に作るには、バーアンテナが必須と思い込んでいたため、今更ながら新たな発見でした。これだけよく入れば、かえって指向性がないだけ快適に使えます。

◆気づいたこと◆

  • 昔の子供の科学のトランジスタラジオと比べ、基板のピッチが小さく部品の密度も高いので、きれいに組み立てるのはなかなか大変でした。専用ICだからといって、部品をパチパチはめて終わりではなく、昔と同様きちんと工作する必要があります。変な言い方ですがちょっと安心しました。小中学生の読者の方も苦労して完成させた暁には、かなりの達成感があることと思います。
  • 電波の弱い地域でどうなるか試すため、車であちこちに持ち出してみたのですが、少なくとも2石レフが受信できる地域でなら、ちゃんと受信できました。さすがに電波が弱いとノイズが大きいですが、まだまだOKという感じです。普通にラジオが受信できる町なら十分実用になるのではないでしょうか。
  • インダクタの代わりにバーアンテナを取り付けて実験してみたところ、特に電波の強い局は常に音が割れた状態になったり、何も鳴らなくなったりしました。元通り、ロッドアンテナだけで受信する方式のほうが使いよいという結果になりました。
  • 現在の「子供の科学」は70年代とはずいぶん違って見えますが、読んでみるとやはり「子供の科学」です。一番違っているのは、文字がゴシック体になり、すべてにルビが振られていることで、ちょっとごちゃごちゃして見えるかもしれません。かつて多くの分量を占めていた工作の記事はほとんどありませんが、「よく飛ぶ紙飛行機」は健在です。切り抜くのがもったいないです。

◆その後◆

製作後1週間で、突然感度が大幅に低下して使い物にならなくなってしまいました。どこもいじっていません。最初はどこかのハンダが外れたかと思ったのですが、結局はなぜかLMF501が故障していました。新しいものに交換したところ直りました。製作のときに壊したのならわかるのですが、ある日突然というのはあまり経験がありませんでした。一体何が…。


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