2013年末に発表、その後2014年秋の予定で受注開始するものの、遅れに遅れた挙句全品キャンセルという苦難の末に発売されたC11です。
その間にKATOからC11のリニューアルまで発表されています。
このページは私がトラムウェイのC11を購入してからの感想の流れで、役に立つようなことはあまりありません。
普通の情報はありません(笑)。
タンクを外してみました。サイドタンクはそのまま側方に引けば外れます。
リアタンク/炭庫はまっすぐ後方に引けば外れます。内側の両側面にある細いツメがキャブ後方に差し込まれているので、ここを壊さぬよう注意。また一度外すと再度の取り付けが甘くなることがあるので、これも注意です。※そういう模型は色々あります
赤いリード線は従台車の集電シューからのものです。もう1本黒いリード線も来ています。
リード線の影で見えにくいですが、ライト基板は向こう側の脇にあり、ライトの導光材もそれに合わせてオフセットしています。
最初、基板はただそのへんにあるような感じと書きましたが、よく見ると一応基板をはめ込むための溝のようなものがモーター後部の床板にあります。はめ込んでも緩みがちのようです。
動輪押さえを外したところです。これどうなっているんだろう…この構造は初めて見ました。動輪には軸受けパーツがなく、直接ダイキャストブロックの溝にはめ込まれています。銅色の集電シューらしい部品が見えます。
集電シューを抜き取って裏返したところです。4本のベロがスポーク動輪のタイヤ裏あたりに接触し、前方の2枚が車体中央にある両面プリント基板を挟んで通電する仕組みのようです。
取り付けのときは、前方の接点が確実に基板を挟むように気をつけます(あんまり、外すような部品ではないでしょう)。
量産品では、台枠は左右のダイキャストブロックに分かれて、電気的に両者を絶縁したうえで集電を兼ねているものが多いですが、この模型は台枠が一塊のため、こんな構造を工夫したのでしょう。
ボイラーは、シリンダーの真下中央のネジと、サイドタンク内の上部にある左右2本のネジを外し、上側にこわごわ引いて外しました。キャブ下あたりに、動力側に残る床板のツメが引っかかっているので、ここも壊さぬよう注意です。
ボイラー内にはLED用の抵抗器やコンデンサーの付いた基板があります。前方ライトのLEDそのものは煙室内にあり、リード線で結ばれています。配線が非常に多い感じ。
ボイラー自体が金属製のため、ショートしにくいように構造を決めるのが難しいのかもしれません。
私が買ったものの走りは残念ながらよいとはいえませんでした。2両選んでよいほうを買ったので、満足しているわけではありませんが納得はしています。これがキット組立なら失敗レベルで、今夜は徹夜で頑張るか〜といった段階ですかね…。途中でいきなり止まったりするんですよね。
→ある程度直りました。動輪、バルブギヤー、床板、従台車を猛烈に調整しました。各可動部に余裕が全然ない状態で、エキセントリックロッドを初めとする各部の動きに動輪が引っ張られてしまい、回転のフレが発生。それが車体に直接伝わって車体が左右に揺れ、他の動輪も微妙に浮いて通電が途絶える、という感じでした。
ロッド類の取り付け位置や手曲げ具合の差、また床板のネジの締め具合まですぐ走りに現れるので、大変微妙で個体差も結構ありそうです。もしかしたら工場では正常でも、輸送中に色々ずれて不調になるものもあるかもしれませんし、その逆もあるかもしれません。 購入時には一にも二にも試走をお勧めします。ただKATOのC12のような、ものすごいものと比べることはできませんので、過度の期待は禁物です。私のはまだ少々のフレは残っていますが、スローもじっくり効くようになりました。
従台車はバネが強く、動輪が空転することがありましたので2巻ほどカットしました。また従台車から伸びているリード線の硬さで、従台車が負けてカーブで脱線しそうになることがあったため、少々中から引っ張り出して余裕を持たせました。ただ、それほど抜本的なことはできていません。
後部のハシゴを差し込む穴が、側面のプラ厚のためきちんと開いていないところがあり、浮いていましたので、穴を開け直して調整しました。
ここまで書くと、とても苦労しているように見えるかもしれませんが、実はそんな作業も面白く、今のところ大変楽しいです。
ようやくスタートラインに立ったので、大事な大事なナンバーを取り付けて機関車の姿にします。
左上の枠は増炭枠です。お好みに応じて接着取り付けします。
その下はつかみ棒です。1本多いのはメーカーの真心(注:2本多いのもありました)。ピンセットで押し込んでぴったり付きましたが、念のため接着剤もつけておきました。昨日、後部ステップが1個落ちてしまって探し回ったということもありまして。
中央のカプラーは重連用の前方カプラーです。ちなみに最初からついているものは、KATOカプラーやマグネ・マティックカプラーと連結もできるダミーカプラーです。
右側のはナンバープレートです。最初間違えてプラ板なんて書きましたが金属板です。エッチングで凹凸が付いているわけではなく、平面のままで、金色で文字が印刷されています。
取り付けは接着剤によります。
金属ナンバープレートは、ニッパーなどで少し離して切り離し、切り口をヤスリで整えますが、裏側も平ヤスリに載せて軽く平らにしておいたほうがよいです。切り口のカエリが後ろに出ていて、貼り付けのときに滑らせて位置を調整しようとすると、本体にキズをつけてしまうことがあるからです。
オリジナルのナンバープレートを貼ってみました。
文字が横長なので、ちょっと強面な感じですね。プレートの上下が狭いのはいいんですが、やや幅があります。十分役には立つと思いますけども。
手持ちのレボリューションファクトリーのナンバーに代えてみたところ。
書体もきれいで大変くっきりしており、板も薄いです。ただ残念ながらマイクロエースのC11のナンバーに貼り重ねることを想定した商品なので、一回り大きくてちょっと押しが強いですかね…。ハッキリ系がお好みの方にはよいと思います。
とりあえず、手持ちが一番多かった銀河モデルのにしました。
金色の紙とプリンターで作ってみようかと思ったら、なんと2003年に買ったプリンターが壊れていました(笑)。プリントヘッドがイカれたですって…。
このへんで一度走らせて遊んでいます。外観についてはほぼ満足していまして。全体の雰囲気がよく、モールドの具合もNゲージとして適度な感じで好感を持っています。あまり背伸びをせずに、確実にまとめたという感じです。
全体の立てつけなどは大手メーカーにはかなわず、少々ヨレた感じがするのは否定できませんが、ずいぶん前から出ていたサンプル写真のとおりなのでそれ以上悪いわけではありません(良くもなっていないと思いますが)。
3社並べました。大きさも形もそれぞれ本当に違います。
マイクロエース A7301 C11 171 すずらん号
(拡大写真)
長さはもともと1/150ぐらいですが、高さはKATOと同じぐらいありました。トラムウェイと同じく、従台車からはリード線で集電しています。
トラムウェイ TW-N-C11A 国鉄C11形 標準タイプ150W前灯
(拡大写真)
高さも1/150に抑えたプロポーション。どこを測っても1/150というわけではありませんヨ、9mmゲージですから(もちろん先日のC50だってそうです)。
車輪だけでなく、ロッド類もちゃんと黒色になっているので下廻りが大変落ち着いて見えます。16.5mmゲージではよくみられますが、国内の9mmゲージでは、車輪は黒でもロッドは銀色なのがほとんどです。
KATO 2002 C11
(拡大写真)
今年で45年目の、Nゲージ蒸気機関車ファンなら誰もが知っている姿。そろそろ後任も…。
すべて、 「TW-N-C11A 国鉄C11形 標準タイプ150W前灯」です。
(拡大写真)
拡大しているので小ささは伝わらないと思いますが、今までの製品を見慣れていると大変小さいです。
ランボード上には滑り止めの網目が表現されています。実はNゲージのC11では初。
KATOやトミックスの蒸機とは凹凸の表現が逆で、クロスする網線に囲われた菱形の部分が凸になっています。
ボイラーはダイキャストですが、モールドはゴテゴテしておらず、リベットなども繊細です。全体的に控えめでよい感じに見えました。
ちょっとメーカー別の前面比較を挟んでみます。
KATO(拡大写真) |
マイクロエース(拡大写真) |
トラムウェイ(拡大写真) |
それぞれ印象の違う前面ですが、トラムウェイにもトラムウェイのクセがあるのはご覧のとおりで、好き好きあるかと思います。
プラ製のデフにはある程度の厚みがあるため、前面が窮屈になりがちなものですが、トラムウェイの製品は結構C11らしくゆったりしているように見えます。
下廻りの幅が1.5mmほど広めにできていることにも関係しています(バルブギヤが他社に比べとても苦しい構造なので…)。結果的に悪くないデフォルメになっているような気がします。
比較的クセが大きいのはデフの形状かと思いました。
若干ランボードが高めに見えるのと(プラの厚みを上側に取るか、下側に取るかも難しいところでしょうが)、デフ上端がわずかに低いことも関係し、デフの上下幅が少し狭くなっています。
さらに前の斜めの切り取りが若干低め?なので、斜めの先端部の高さより、点検口の上端のほうがやや高いということになっています。
ランボードを実物とまったく同じ薄さで作れれば多少はデザインしやすいのでしょうが、プラ・ダイキャスト製品では難しいでしょう。
話があちこちに飛びますけれど、スポークはとてもきれいに抜けています。
ライトは前後とも点灯式です。
ライトの外形はまずまずですが、レンズ直径やフチの厚みなどの難しいところは先行メーカーにはかないません。
レンズは平面的で、光線の反射によってはただの透明プラ板が貼られているように見えます。天賞堂も当初そんな感じでしたね(あれは本当にプラ板でしたけど)。
パワーパック・スタンダードで、前部・後部とも明るく光ります。ゆっくり走らせても十分な明るさです。ただし基板がズレていたら別です(特に後部)。また後部は、車体下側から派手に光漏れするものもあるようです。中を見ると遮光テープのようなものが基板下側に貼り付けられていますが、基板があまり安定しないため、テープがずれているものがあるかもしれません。
前後の水タンクをつなぐ連通管は、後部の空気溜めの裏と、前方のサイドタンクの下に差し込まれています。
この前方のほうがとてもずれやすく、走行中にロッドに当たって1回転ごとにコトコトいうことがあるので、何とか正規の位置に収めておきたいです。
しかし私はそのへんを持つ癖があるようで、いくら自分に言い聞かせてもすぐズレてしまいます。
→その後、細いプラ帯を穴より少し車体内側寄りに貼り付けて、連通管が内側に寄らないようにしました。
なお1回転ごとにコトコトというのは、他にもいくつも原因がありますから、これ一つ直せば全部解決するような甘いものではないです(もちろん、個体にもよると思いますけど)。
公式サイトなどで試作品を見ると、キャブが前傾しているのがすぐ目に飛び込んできますが、このへんのたてつけの悪さは製品でも変わっていません。
ちょうど、リアル・ラインのたてつけの悪さに似ています。
キャブはダイキャストのボイラーの後ろに固定されているので、ダイキャストの冷却時の収縮などの変形により、取り付け位置が曲がっているのかもしれません。※注:ここは何も根拠がないです。
個体A
個体B
手持ち個体の2種でも、キャブ、後部タンク、床板あたりがガタガタでして、まっすぐなものをまっすぐに作るのはすごいことなんだな〜と改めて思ったりします。
このへんをきちんと直すことができれば、大変見栄えがする模型になりそうです。ただ私は目をつぶっています。すでにKATOの新しいC11が予告されているので、これには手をかけず、このままゆるく使うことにしています。そのKATOのC11がはたして何年後に出るかなど、まったくわかりませんけど。
と細かい残念さは色々ありますが、客車の先頭に立たせると、今まで見ることができなかった編成バランスになって大変うれしくなります。
●トラムウェイ
●KATO 今までの普通。
トラムウェイのC11を、初めての方を含む一般のファンに幅広くおすすめできるか否かについては、私の答えはひとつ決まっていますが、 おそらくこの商品がマッチする方は、すでに購入して折り合いを付けられているのではないかと思います。
個体によっては、走行上得意な周回方向もあったりします。うまく動かない時は逆回りにしてみては…?