2011.7.28
久々に9mmゲージのプラ蒸機です。1970年代のクラウン製の100円モデルです。
とにかく鉄道プラ模型というものは箱絵が立派なのが基本です(中にはちょっと毛色の変わったものもありますが、それはそのうちご紹介します)。
100円の9mmゲージ模型ということで箱は小さいです。縦12cm×横20cmくらいです。
このときのシリーズは、D51・C51・7100(弁慶号)です。基本は機関車のみで、フジミのような陳列ケースはついていません。レールは付いているものと付いていないものがありました。
このほかに「ボトルトレイン」というシリーズがあり、プラスチック製のビンの中に機関車を入れて底蓋を閉めるというキットがありました。中身の機関車はこの3種のほか外国型もありました。
私は機関車のみの100円キットでC51と7100を、ボトルトレインでD51を組み立てた覚えがあります。
黒1色のランナーが3枚と、チューブ入りの接着剤が1本入っています。 接着剤はまだ固まっておらず使えました。 |
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説明書は箱の裏側に印刷されています。部品の少ないキットではよくあったことです。 | |
しかし、日本人が「ち」と「さ」を間違えることはまずないような…。 |
40年ぶりに組み立ててみます。
バリは結構ありますし、樹脂がきちんと流れていないところもありますが、この手のキットととしてはこんなもんでしょう。 | |
先輪・従輪を組み合わせます。シャフトは一方の車輪と一体成型になっています。 | |
主台枠には先輪・従輪も含めてすべての車輪がはまります。 動輪のカウンターウェイトの大きさは全部同じです。 |
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これは従台車…。バリに埋もれているので掘り出します。この程度は昔のプラ模型では普通です。 | |
サイドロッドとメインロッドは一体で、第三動輪にピンで止めます。弁装置は省略されています。 | |
こんなにきれいで大きいバリは珍しいです(笑)。 キャブの前の銅矛みたいなのは、バリをまとった汽笛です。 |
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未塗装素組みなので、私は普通は合わせ目をいじりませんが、ずれが大きかったので少し削り合わせました。 削った部分だけ、あとで未塗装の黒色に似せた色で筆塗りしました。 |
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キャブ屋根はとても高いです。逆に窓が低く見えます。 部品の分割の事情と、窓が分割線をまたがないようにする配慮など、色々あるのかもしれません。 |
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ランボードも、そのままではかなり外側にはみ出します。内側をカットして調整しました。 ランボードの裏側にはエアタンクが平らにモールドされています。 |
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テンダーの下部は、床板の台枠に車輪をはめてふたをするだけです。 矢印の位置の出っ張りはカプラーらしいです。 |
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テンダー上部は一体成型の箱で、後部のハシゴだけが別パーツです。 これで組み立ては全部終わりです。 |
これは、いったい…。
いや、組み立ては面白かったですよ。
いろいろ比べてみましょう。
箱絵 |
完成品 箱絵はデフ付き、中身はデフなし。よくあることです(笑)。 |
無謀かもしれませんが
クラウン プラ模型 |
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マイクロエース 動輪ひとつとっても、鉄道模型がいかにコストをかけて作られているかわかります。値段が少し上がるとユーザーの要求もそれ以上に上がってしまうのですが。 |
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ワールド工芸 ワールド工芸のキットをデフなしとして組み立てたもの。ただし作例の下廻りはマイクロエース製品を使っています。 |
しかしこの謎のカプラー、高さもまるで違っていて重連できないですよね。 |
動力がないから本物そっくりに作られているだろうなどという楽観的な考えを、常に粉砕してくれるのが低価格プラ模型の豪快なところです。
それでもちょっとした実物の構造がわかったり、ちゃんと工作経験になったりしますし、100円でそれらが学べるとしたら安いものかも。
しかし今では中古店を回っても、こうしたキットはめったに出土しません。やっぱりいわゆるSLブームのときは各社の製品が豊富だったですね。その時期に居合わせたことを幸運に思います。
今度はモーターで動くやつをやりましょうか。