Nゲージ蒸気機関車>2006年のメモ>2006.11.30

KATOのDD51に消灯スイッチを付ける

トミックスのDD51(新)にはライト消灯スイッチがついているため、重連のときなどに便利に使えそうです。
トミックスのあとに発売されたKATOのDD51(新)には消灯スイッチがないので、同様の働きをするものを取り付けてみました。


材料はスライドスイッチひとつです。ただし、基板に直付けしない場合は、配線用の細いリード線も必要です。
これを試みて車両を壊した場合、誰も面倒を見てはくれませんから、そのつもりでご参照ください。

基板について

DD51のキャブの下側を少し開くようにして外し、緑色のカバーを取ると、ライト用のプリント基板が現れます。下の写真は機械室も真上に引いて取り外してあります。
DD51基板

基板の左端は左右のダイキャストフレームに挟まれています。車両が左側に走行する場合、上の写真のようなプラス、マイナスの極性になります。ここから取り入れた電気は上下2箇所の太いプリント配線パターンを伝わってモーターに流れます。ですからこの上下のフチのパターンさえ切断しなければ、あとはどういじっても(ショートさせれば別ですが)それまでどおり正常に走ります。

回路図

これは基板の配置と大体一致するように描いた回路図です。左下のマイナスからモーター(右側)に向かう配線は、途中で上方にも分岐し、560Ωの抵抗器を介して左右の発光ダイオードにつながっています。この抵抗器の直前でパターンをカットすれば、どちらの発光ダイオードにも電流が流れなくなります。カットしてもモーターには電流が通じますから、走行には影響ありません。

回路図+スイッチ

カットしただけでは永久に消灯したままですから、ここをスイッチにしておきます。

実際の加工

スイッチ

まずはスイッチが必要です。ここではスイッチを直接基板にハンダ付けし、キャブ内に設置することにしたので、できるだけ小型のものを探しました。試作で使ったのは右側のもので、千石電商で50円でした。本当はもっと小さいものもあるのですが、このときは同社のWEBサイトでも、直接お店に行っても品切れでした。

基板の加工要領

写真の1箇所のパターンを、カッターナイフやPカッターで削りとるようにカットします。カットしたら念のため線路に載せて走行させてみます。まだ点灯するようならカットが不十分で、どこかが接触しています。

次に、カットした両端にスライドスイッチの端子をハンダ付けします。端子は中央とどちらかの端(つまみの操作で導通するほう)の2本を使います。両切りスイッチならどちらの端でもOKです。

取り付けた様子

ハンダ付けした様子です。スイッチの下側は金属板になっており、基板の他のパターンに触れるとショートしますから、間に紙を挟んで絶縁してあります。線路に載せてスイッチを動かし、正常に点灯・消灯することを確かめます。

すぐそばにある黒い小さな部品は抵抗器ですから、熱ですぐ壊れるようなことはないと思いますが、ハンダ付けはなるべく手早く行います。

カバーの穴あけ

この上に緑色の運転室のカバーをはめ込みますが、上に穴をあけておくと、ここから細いピンセットなどを差し込んで切り替えができます。

このキャブは何度も着脱をすることは考慮されていないと思いますから、そのうちはめ込みがゆるくなってしまうかもしれません。また、工作の結果に責任を持つことができません。工作後にメーカーの修理・サービスは受けられなくなるかもしれません。


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