2008.3.29
昔の「新幹線大爆破」という映画の中で、新幹線に本当に爆弾を仕掛けたことを証明するため、同種の爆弾を仕掛けた9600(夕張線の貨物列車という役)を爆破するシーンがあります。
当時、実際に9600が木っ端微塵にされたように見え、仰天しました。
さて、今はDVDでそのシーンを見られます。爆発は大きく2回あります。まずテンダー後方連結器付近、もしくは貨車前方で爆発。炎が台車内側にも抜け、他の爆発カットを織り交ぜてあるので、テンダー全体が炎に包まれたかのように見えますが、次のカットでは火は消えています(各カットの撮影順は不明)。
次に96は(この時点でノーダメージ)そのまま前方の線路上にある小屋に突っ込みます。同時に爆発が起きて小屋が木っ端微塵。96はそこを潜り抜けるので機関車自体が大爆発しているように見えますが、爆発して吹き飛んだのはあくまで小屋です。その前に線路際の柵が次々となぎ倒されるような演出もあるため、いかにも最初の爆発で脱線して小屋に突っ込んだかのように見えますが、そうではなくて逆に小屋などを線路の上に置いて撮影したようです。草むらなどでレールが隠れているために、脱線しているのかしていないのか、気付きにくいようになっています。
その他、線路際で他の爆発を起こしたり、音響効果の演出を加えて大爆発に見せています。小屋を通過してきた96のナンバープレートが外れかかっており、カメラワークも機関車が爆発したかのように工夫されていますが、冷静に見ると演出以外で大きなダメージを受けているわけではないようです。 というわけで、実物の96が爆破シーンの撮影に使われたのは間違いありませんが、爆発で吹き飛んだのではないようです。そりゃそうですね…機関車が大破するような大爆発を、実際の線路(周りに道路も家も送電設備もある)で発生させようとしても、撮影の許可なんか下りないでしょう。ただ、あの機関車がその後運用に戻ったのかどうかは不明です。
以上が私の邪推です。編集でカットされた部分で、何か大ダメージを受けている可能性についてもわかりません。
ちなみに、爆破前の走行シーン(乗務員の飛び降りシーン)に使われている96と、爆破シーンに使われている96は別の機体です。テンダーが違いますし、エアタンクの位置とランボードも違います。爆破シーンではスノープロー昇降用のシリンダーがついています。煙突はどちらも化粧煙突です。