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KATO製コントローラーと常点灯車両

2006.1.20


はじめに

今はなきKATOの常点灯ユニット「KU-1」は、車両に何の加工もしなくても、通常のライトを停車時から点灯させることができるマジックのような装置でした。しかしほぼ同時期に登場したトミックスの常点灯基板には悪影響を及ぼしてしまい、車体の発熱・変形を引き起こすとされ、トミックスの対象車両の説明書には必ず「KU-1使用禁止」の注意書きがあります。KU-1は早期に発売終了となってしまいました。

さて、トミックスの注意書きで禁止されているのは「カトー製KU-1など」となっており、現行の「KC-1」(KM-1用コントローラー)は名指しされていません。が、KATOのカタログを見ますと、KC-1・KM-1で他社の専用照明ユニット搭載車両を使用すると、破損や発熱による変形の恐れがあるのでやめるよう書かれています。つまり、KATO側の表記では、「KM-1+KC-1で、トミックスの常点灯車両を走らせてはいけない」とハッキリ禁止していることになります。

KM-1+KC-1

ところがKM-1+KC-1は、ずば抜けてスロー運転が効き、トミックスのN-1000-CLに比べても運転に余裕があるため、私は蒸気機関車の運転では通常これを使用しています。特にコアレスモーター機によっては、N-1000-CLではスケールスピードに達しないことがあるからです(注:ちょっと逆行スイッチが操作しにくいですが、全般的にはN-1000-CLはよいパワーパックです)。うっかりKM-1+KC-1のまま、トミックスの常点灯車両を走らせてしまったことも何度もあります。私はあまり長時間車両を走らせたことはないので何のトラブルもなかったのですが、気付かぬまま長時間運転するとどうなってしまうのかは、ずっと気になっていました。

実験

そこで、思い切って実験することにしました。使用したのはトミックスのキハ56(M+T)です。これは常点灯ですが、LEDではなく電球が使用されています。

点灯開始 KC-1の調光ボリュームを上げ、停止時点灯状態にし、10分間放置します。これはすでに禁止事項です。
触って温度を確かめる ライトの付近に触ってみると、ほんのり温かくなっていますが、熱いということはありません。同じ条件で、KATOの旧キハ82+前照灯ユニットで試してみましたが、それより少し温かいかなという感じです。
出発進行 いよいよ出発です。スケールスピード+αで平坦なエンドレスを連続走行させます。
1時間後 1時間後
快調に走っています。手で触ってみてもそれほど温度が変わったようには感じません。よい温度計がないため、定量化できないのが苦しいところです。
走行中 1時間半ごろ、線路が汚れてきて動きが悪くなってきたので、線路をクリーニングしながら続行します。
路面電車 状態に変化なく飽きてきます。レイアウトの真ん中を走っている路面電車で遊んでみたり。よほど変化にとんだ大きいレイアウトでないと、何時間も連続走行させる前に飽きてしまうでしょうね。
2時間後 2時間後
依然快調で、ライトやモーターの温度に変化は感じません。自分の用途としては、こんなに長時間走らせることはないので、KM-1+KC-1でうっかりトミックスの車両(少なくともキハ56)を走らせたとしても、大事には至らない確信を得ました。
 
さて、よく子供が脱線ギリギリの速度で列車を大暴走させているのを見ますので、実験を止める前に速度を思い切り上げてしばらく走らせてみました。
ライトがまばゆく光って今にも切れそう!走行音もうるさくて、長時間の走行はガマンがなりません。
ライト切れる 開始から2時間30分後(最後の30分は暴走させた)
とうとう先頭車のライトが切れてしまいました。しかし、温度は別に上がった様子を感じません。
分解してライト基板を取り出しましたが、変形などはなく、もちろんボディ等にも何の影響もありませんでした。

まとめ

私の通常の使用では、1つの列車を10分以上走らせることはあり得ませんし、間違っても1時間を越えることはありません。この条件なら、KM-1+KC-1をつないだままうっかりトミックスの常点灯車両を走らせても、即座に大事故を招くことはなさそうです。
しかし、禁止されているものは禁止されていますし、寿命が短くなるなど何か影響があるのかもしれません。この使い方は真似しないでください。


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