Nゲージ蒸気機関車>2006年のメモ>2006.3.11(3軸テンダの中身)
9mmゲージの小型蒸機で実用的な模型を作るには、テンダーにモーターを積むことがよく行われます。モーターは動力源、テンダーも動力源といえば動力源ですから、似たようなものでしょう(←違うぞ)。
しかし、モーターだけ置けばよいテンダーモーター・エンジンドライブと違い、伝達ギヤ一式も置かなければならないテンダードライブは、スペース的にたいへん苦しくなります。ネルソンがあの小さい3軸テンダーでトコトコ走るのが不思議ですね。他の蒸機に応用はできないのでしょうか。
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上から9600(エンドウ)、C56(乗工社)、6250(JMRA)です。どれもテンダーモーターですが、C56だけエンジンドライブ、他はテンダードライブです。 6250(ネルソン)は、巨大な増炭覆いのウエイトが目立ってちょっと残念ですが、実はウエイトはこれだけで、テンダー内はモーターしか入っていません。私が持っているものはオハ31を6両引いて、平坦なR280をスケールスピードで回れます。でもそのへんがギリギリのようです。 |
スペースとの戦いです。
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エンドウの9600です。テンダーの上部はきつくはまっていますが、前方にポッチがあるのに気をつければ外すことができます。すると、写真のようにギッシリとウエイトが詰まっています。 |
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ウエイトは上部2箇所のネジをゆるめれば外れます。その中にはモーターがぴったり収まっています。テンダー内の空間はすべてウエイトです!しかも両軸モーターで、前後の2軸を駆動しています。 |
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次は超小型のネルソンのテンダーです。これはワールド工芸の製造です。キットを組み立てた方はおわかりでしょうが、床下4箇所のネジを外して台車枠を取り、さらにベースプレート後部の2箇所のネジを取れば分解できます。 出てくるのは例の、B20や南薩5号機などに使われている超小型モーターです。B20や南薩5号機に比べればずっと安定して走るので、同じモーターと知って驚かれる方もいるのではないでしょうか。 そして、テンダー内はがらんどうで、内部にはウエイトはありません。 |
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左は9600のウエイト、右はネルソンのウエイトです(赤い部分)。うまくやれば、ネルソンのテンダー内にびっしりウエイトを詰め、増炭覆いのないすっきりした姿にもできるかもしれません。どなたか試してみませんか。 |
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おまけとしてC56のテンダーです。エンジン駆動のため、テンダー内には普通のモーター(9600と同じものの片軸タイプ)が置かれているだけです。一見すると作りが一番単純に見えますが、実はテンダーからの集電の仕組みや、エンジン側の伝達ギヤなどにたくさん工夫がこらされており、全体としての仕組みは一番複雑に見えます。 |
ネルソンのテンダー動力は、一見南薩5号機と同じようなものに見えますが、もっと多くの車両を牽引することができます。ロッド類のように抵抗になる部分が少ないのと、補重の違いなのでしょうか。
もし、ワールド工芸が同じような構造の3軸テンダーで9600や8620、C56を作ったとしたら、ネルソンと同程度か、ちょっと弱いくらいの牽引力は何とか期待できるのかもしれませんね。だとすれば平坦線+R280で客車4〜5両といったところでしょうか。小さいレイアウトならまずまずかもしれません。
もちろんこれはまったくの想像です。