Nゲージ蒸気機関車2013年のメモ>2013.3.20

キット組み立て−なんでこうなるの

最近のキットはとてもよくできていますが、それでも私にとっては基本的な部分が難しかったりしまして、気をつけている点を適当にメモっておきます。
気をつけていてもできていない、というのは実力ということになるのでしょう。これは恥ずかしいですがしっかり受けとめるしかありません。

2013.3.20-21


困った状態がいくつか出てきますが、どれも非常に誇張して描いていますのでご了承ください。
それぞれは、見ただけではわからないものが多いです。しかし、そのわずかなズレがあとでじわじわ効いてきます。
なお、描かれている機関車の形式はどれも適当で、実際のキットとの関連はありません。

失敗した

細いディテールよりも細かいパーツよりも、とにかくフツーの部分が難しいです。

非公式側デフ 公式側デフ

間違いなくデフの取り付けは難しい箇所かと思います。しかも結果がもろに出ます。

非公式側のデフが、何とか直角に付いた。
公式側のデフも直角に付いた。やった!

なんじゃこりゃ

…なのにこれはないだろう。

そもそも、左右のランボードが水平についていなかったりするのですよね。
それを基準にしてデフを立てると当然曲がります。

さっきのようにならないように、デフとキャブ側面は特に注意してまっすぐにしますが、
公式側をきちんと揃えたつもりで非公式側を見ると、ありえないほどの傾きがあるということも。

こういうことが起きていたりします。
妻板も薄い真鍮板ですから、キャブの屋根に押し付けてぐいぐいハンダ付けしているうちに、不注意で曲げていることがあります。
床板を取り付けるときに、大きく削らなければ入らないようなら、こうなっているかもしれません。

ランボードを一直線に付け、キャブも直角についているはずなのに、何か変。

ランボードにひねりが入っていて、水平になっていなかったのですね。だからランボードを基準に見ると全体のシルエットが傾いていますし、ボイラーを基準に見るとランボードもキャブも曲がってしまいます。
この絵のようにめちゃくちゃになることは、キットの構造上、少ないとは思いますが…。

これがまた、なんとも言いがたい状況。
ケー100?

前 後

後ろの妻板が歪んでいるか、キャブの天井のプレス曲げを傷めてしまったかで、屋根の曲率が前後で変わったためのようですね。組み立てている途中は、こんなことをしているつもりはないのですが。

公式側 非公式側

フロントデッキの角度が左右で違うということも油断すれば起きまして、案外最後のほうまで気づかなかったりします。
この状態で色んな部品がそれなりにまっすぐ付けられていて、気づいたときにはどうしようもないことも。
「上からは、見ないようにしよう」

デフ付きの蒸機でも、「門鉄デフ」のときにはあり得ます。

相当情けなくなってきましたが、こういうことをわざわざ晒す人も少ないと思うので、耐えながら続けます。

ランボードが確かに同一平面上にあり、ボイラーの正しい位置に付いているようでも、何かボイラーが傾いて見えることがあります。
一見、理解に苦しむのですが。

前の方 後ろの方

ボイラーがまっすぐな円筒になっておらず、上下か左右に潰れているのかもしれませんね。
ランボードやキャブにボイラーを無理に合わせようとしたとき、こういうことが起きるかもしれません。

こりゃまた困った。
せっかくランボードが水平に付いたと思っていたのに、完成間近になってから、左右の高さが違うことに気付いたではありませんか。
「そんなのすぐわかるだろ」って…ランボード上に色々なディテールパーツが付いてしまうと、わずかなズレには案外気付かないことがあります。

キットによってはランボードの後端を、妻板のスリットに差し込む構造になっているものもあります。ただそういう設計上の配慮をも、下手な工作はやすやすとぶち壊します。

こうなってしまう理由は色々ありますが、簡単にはわかりにくいものとして、火室下部が曲がっているということがあります。
火室下部はこのようにボイラーの一部を切り開いた構造になっています。ここをまっすぐにしてからランボードやキャブに固定します。

このようになっていれば正解なのですが、

…こんなふうに角度がついていて、気付かないなど。そんなときはたいていランボードも傾いていて、一見すると直角になっているので始末が悪いです。

そのままキャブにはめ込むと、左右のランボードの高さにズレが出ます。
でもズレているのはランボードだけではありませんよね。

こちら 向こう

ただ、本当に左右のランボードの高さがずれることはもっと多く起こっていることと思います。
左右のランボードをつなぐブリッジが平行になっていないので、ボイラーの前後から内部を見透かすようにすれば発見しやすいです。

そのためにも、煙室扉やバックプレートは、あとのほうで取り付けたほうがよいようです。バックプレートも傾いて付きやすい部品なので、最初に傾いたまま付けてしまうと、それに惑わされてしまいます。

ランボードはボイラーの下部のくぼみやスリットにはめ込む構造が一般的ですが、その基準となるボイラーがまっすぐとは限らないので、取り付け前に確認と修正が必要です。
人が1枚1枚プレスしているのですから、もともとずれていることもありますし、輸送の途中や工作の途中でずれることもあります。それは、こういうキットの場合、そんなものです。

なお、新品で折り目が付くほど曲がっているときは、当然不良品なので交換してもらったほうがよいです。こういうキットの製品寿命は発売からせいぜい1年くらいと思いますので、それまでに連絡しないとパーツがなくなる可能性があります。オークションなどで古い物を買うとメーカー在庫がないので、自分で直すしかありません(きれいには直らないと思います)。覚悟がいります。

またデフの話です。最近はデフの寸法もぴったりに作られていることがあります。
公式側のデフは、取り付けステーの長さがぴったりだったのですが、

なんでこうなるの…。
非公式側が、どうやっても届きません。デフの寸法ミスではありません。

こんなことが起きていまして、薄いボイラーが片側に押されて変形しております。
メーカーでプレス済みの部品も、決して真円・水平・垂直が保証されているものではありませんし、工作中にいくらでも歪む要素があります。
たとえば、ひっくり返して煙突をハンダ付けしているときに、片側からぐいぐい押していたなど。

ボイラーが全体的に片側に寄って固定されていることもありますよ。

複合例です。
フロントデッキが傾いているうえ、端梁が逆補正されて取り付けられているので、一見水平に見える(デッキ上の箱だけ傾いているように見える)というものです。
何かが傾いていても、バッチリ曲がっていることは少なく、多くは板の厚さの半分にも満たないズレでしょう。それを無意識に他のパーツの取り付けで補正していたりします。

ちなみにこんなに曲がっていれば私でも気付きそうですが、問い詰められると自信はありません。

寸法の微妙なズレは単純な曲げでも簡単に起きますので、防ぎにくくもあります。なお、多少曲がっていても仕上がりに関係ない部分もあります。

たいていの部品は、折り線がエッチングによって溝になっており、溝を内側にして曲げる「谷折り」です。Nゲージの場合、普通の部品ならヤットコで簡単に曲げられるように配慮されています。

しかし、溝のどこから曲がるかによって、長さのズレが起きます。
ただ特別な場所を除き、そんなことをいちいち意識して曲げてはおりません(笑)。

きれいに曲げられても、小さい部品をまっすぐ組み立てるのは意外に難しいことがあります。
小さいオイルポンプ箱などが板を曲げて作られる場合、こんな感じになりやすかったのです。

では曲げの必要がないロストパーツなら簡単かといいますとそうではなく、取り付け足の周囲が隆起していたり、冷却時の収縮むらのような変形が起きていることもあり、削り合わせに時間がかかります。一概にどちらがよいとはいえません。

90度を超えて折り曲げるときは、溝を外側にする「山折り」が指示されていることが多いです(同じ板に配置されているパーツの関係などで、例外もあります)。

このときも長さのズレは発生します。また、キャブの窓周りなど、あらかじめ折り曲げられている部分が初めからずれていることもあるので、固定前に確認がいります。

全体的には車体の軸線をきちんと整えるのが難しいのですよね。
何か強固な背骨の構造を基本に、他の部品を取り付けていくのであれば楽なのでしょうが。
頑丈な主台枠とボイラーが、メーカーで組み付け済みになっているなど。

現実はそうではなく、互いにどれが基準ともいえないランボード・ボイラー・キャブなどを、危なっかしく並べて作り上げていく構造です。それぞれの誤差とその吸収努力によってやっと形がまとまっております。

車体側に背骨がないのであれば、「冶具」という形でそれを外部に求めるのが妥当な方法のひとつです。しかしその場合、工作上の問題は車体の製作から冶具の製作にまで展開しますから、それだけで別なまとめ記事になってしまいます。

とにかく、思ったよりも正確な形は作りにくいものです。

だからといってこれはないだろう…。

ところが作り手のクセというものがあり、このように歪んだ台枠が、同じ傾向で歪んだ上廻りに、案外ぴったり合ってしまうこともありそうです。

これにランボードのズレが複合していますと、もう何がなんだか。非常に怪しくなります。

上記に加えて煙突まで曲がっていると、上廻りだけで見ると正確に見えることがあり、油断してしまいます。
下廻りと組み合わせたとたん、首をかしげることになります。固定式車体傾斜装置です。

キャブ床が斜め

外から見分けにくいものとして、キャブの床を固定するときに、深さが一様になっていないということがあります。
左右どちらかが微妙に浮いたまま固定されており、床が傾いているというものです。
こうなると、なぜ下廻りを取り付けると傾くのか、容易にわからないことがあります。床は水平に付いているという思い込みがありますからね。

公式側から見るとキャブが後ろに傾いているのに、非公式側から見ると前に傾いているという場合は、こんな歪みが起きていることがあります。
この絵は極端すぎますけど…。

ほか、左右のランボードの高さがずれているために錯覚が起きるなど、さまざまです。

まっすぐにしたつもりでも、翌日見ると傾いているのがキャブ(笑)。

ワールド工芸のキットでは、ボイラーが前後2ピースに分かれているものがあり、この重ね合わせの微妙なズレで色々なことが起きます。
重なりの深さが少しずれると、それだけでキャブの傾きの範囲が変わります。

やえもんデザインの場合、ランボードが1枚の折り曲げになっているため、コンプレッサーの屈曲部の曲げ角度のズレによって、後端の位置が前後することがあります。それによってキャブの傾きの範囲が変わります。
これは左右それぞれに起きますから、キャブの取り付けの前に十分確認が必要です。私の場合、やえもんデザインのキットで最初に神経を使うのは、このランボードの一体曲げです。

くり返しになりますが、どの図もかなり誇張して描いています。

意外と正確な組み立ての妨げになるのが雨樋や手すりのたぐいでして、この絵では傾いている手すりに目が誘引されて、その後ろのテンダーまで傾いているというもの。

テンダーの傾きには、これはこれで色々なものがあり、それだけで同じぐらいの記事分量になるのでパスです…。

形式X

道具を使って直角を出すにしても、目力に頼るにしても、キャブにはそれらの妨害になる要素がたくさんあります。
・天窓のレールが傾いている…。
・窓のひさしが傾いている…。
・内張りが曲がっていて窓枠がズレている…。
・手すり・雨樋が傾いている…。

あと、キャブの前端と下端が直角にできていないということもありまして、何を基準に組み立てたかにより、形が変わってしまいます。

こんなことばかり気にしていては精神衛生上よくないので、こういうものなんだと割り切って、さっさと進むことも時には大切かと思います。
私は常にさっさと進んでしまいます(笑)。

Nゲージの金属キットは台枠も薄い金属でできているので、もともと歪みやすいです。
それを歪んだ上廻りに合わせて強引にネジ留めし、さらに手でひねって直したりすると、さらにイビツになってしまいます。

こうなってしまうと、うねうねと船酔いのような走り方になってしまいまして(というか、ろくに動輪が転がらないかもしれません)。

失敗した

かくして先頭に戻ります。
いつも、これらに当然のように注意して組み立ててはいるのです(注意していないことは、そもそも書けません)。ただ、注意しているだけです…。

もういいですよね(笑)。


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