Nゲージ蒸気機関車2013年のメモ>2013.5.18

ピニオン抜き≒動輪抜き

ギヤ軸に間違って圧入してしまった動輪を引き抜くとき、市販のピニオン抜きを使えば簡単に外れます。
しかし、台枠に組み込んでしまったものを分解するには条件が厳しいです。

2013.5.18


ピニオン抜き

Nゲージよりも、ミニ四駆やR/Cがお好きな方のほうがよくお持ちの道具かもしれません。
Gear puller→ギヤプラー・ギヤプーラー・ピニオンプーラー・ギヤ抜きなど色々に呼ばれています。ギヤ・ギアの揺らぎあり。

ユニバーサルギヤプーラー

モーター軸からピニオンギヤやウォームを引き抜くための工具ですが、HO用などの動輪抜きにも同じ構造のものがあります。
ギヤ自体をがっちりくわえて、中心のシャフトをネジで押し出して外します。

これはシャフトやギヤのサイズに汎用性を持たせているユニバーサルピニオン抜きです。シャフトを押し出す棒は太さの違う3種が付属しており、ギヤをホールドするサイズもある程度自由に変えられます。入手も容易です。

ウォームを外す

1.ギヤの付け根を挟み込む 2.ネジを回してシャフトを押し出す

このようにギヤを挟み込み、先端から細い棒を当ててネジで押し出して外します。

ただ、ギヤを挟み込む板の厚さが2mmくらいあるため、モーターとギヤの隙間がそれより狭いと使えません。
Nゲージではウォームとモーターに1mmの隙間もないこともあります。またギヤの長さが押し出し棒より長いと、一度で外れません。それで、今のところ本当に外したいギヤをこの道具で外せたことがありません。Nゲージは何をとっても小さいのですよね…。

サイズさえ適合すれば便利な道具です。

圧入後の動輪を分離する

台枠に組み込んでいない車輪なら、簡単に分離できます。

動輪を外す

仕組みが動輪抜きと同じですから、条件さえ合えばNゲージにも使用できます。

たとえばワールド工芸のキットを組み立てるときに、うっかり台枠に通さずに動輪を圧入してしまったなど(最近のクラウス10形ではそれでよいのですが)。
片方の車輪をピニオンギヤに見立ててセットします。

ネジを回して押し出す

ぎりぎりぎり…。

外れたところ

ポロッと取れます。簡単です。
なお、ネジを回しても押し出し棒は一緒に回転しないようにできています。押し出し棒がネジの先端で空回りするようになっています。

反対側も外す

反対側も同様に外します。

分離終了

ギヤ軸のダメージを最小限にして分解できます。使い捨てになることが多いギヤ軸も、再使用できる可能性が高まります。
無理やり引っ張ったり、こじ開けたりするのと違い、気持ち的にも楽です。

うまくいく話はここで終わってしまいます。すみません…。

残念ながら

一番分解に困る場面は、ワールド工芸の従来型キットなどのように、台枠の穴にギヤ軸を通してから車輪を圧入するタイプでしょう。
組み立て後にどれかの伝達ギヤのネジが緩んでしまうと、どうしても車輪を引き抜いて分解するしかなくなります。
本当はこういう場面でピニオン抜きが使えると便利です。

ワールド工芸の動輪抜きに使おうとすると… 台枠との間隔が狭い。隣の動輪との間隔が狭い。

Nゲージでは動輪と台枠との間隔が狭いので、ここで使ったピニオン抜きは厚すぎます。動輪同士の間隔も狭いので、幅も広すぎて入りません。

中にはうまく適合するピニオン抜きもあるかもしれませんが、ある程度強度が必要なこともあり、あまり薄くて小型のものはないかもしれません。
ぴったりのものを自作されている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ずさんすぎるのでおすすめしません

ぐっと野蛮になりますが、私が不要部品でこしらえたアホツール。
こじあけ式とシャフト押し出し式の2形態あります。
ギヤ軸の再使用は前提としていません。どなたにもお勧めできません。でも使っています(笑)。

使っていますと言いますか、いつも必要が生じたときに適当に作っているため、ちゃんとしたものが揃いません。


ゼンマイギヤボックスのピニオンを抜く

この先は惰性でだらだら書いております。
本来の「ピニオン抜き」として使ってみました。

ゼンマイギヤボックス

飾り用の車のプラモデルを、ゼンマイで走るようにしようと思いました。
まずはゼンマイを買ってきました。値段は安いのですがずいぶん長いこと売れている様子がなく、シャフトなどもサビだらけです。
比較的きれいなものを選んで買いました。

シャフトの交換

ギヤボックスに初めから付いているシャフトは少し短かったので、対象の車のプラモデルのシャフトに交換することにしました。
元のシャフトをゼンマイギヤボックスから取り外し、ピニオンギヤを外して移植します。

ふたを外す

ギヤボックスのふたを開けますが、このシャフト、どうやって組み込んだんだろう…?
一方の軸受けはただの丸穴、他方はΩ形の切り込みで、シャフトをがっちりくわえ込んでいます。

ペンチでこじ開けました

仕方なく、Ω形のほうをペンチで開き、そちら側からシャフトを持ち上げて外しました。

長すぎて外せない

しかし、ピニオンギヤがシャフトの中央付近にあるため、そのままではピニオン抜きにセットできません。

ペンチでずらす

仕方ないのでペンチで何とか端のほうに寄せました。それができるならピニオン抜きは要らないような気がしますが…。

ピニオン抜きにセット

最後の最後だけ。ピニオン抜きにセットします。

シャフトが抜けた

抜けました。やっと本来の用途で使いました。必須だったとはどうしても言えませんけど(笑)。

シャフト交換

新しいシャフトにピニオンギヤを取り付け、組み込み直すことができました。
シャフト径が同じなのでこれが可能でした。

カウンタックLP400

対象は何年か前に再販された車です。再販にあたってモーターライズではなくなってしまいました(ゼンマイである必要もないとは思います)。
ちなみに私は自動車は全然わかりません。動く模型は広く好きだというものです。

最近はタミヤから新しいモーターライズの戦車も発売されたので嬉しいです。ちょっと高いですがモーターライズの新製品が出ただけでもありがたいです。

次にピニオン抜きを使うのはいつになるのか…。でも使う場面が模型の故障や組み立て失敗によるものなら、なるべくないほうがいいのですよね。


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