Nゲージ蒸気機関車2018年のメモ>2018.2.14

トラムウェイC59戦後型(16.5mmゲージ)

C59

トラムウェイから発売された、プラスチック製のC59(16.5mmゲージ)です。
プラ製の普及品というジャンルは、何となく「大きいNゲージ」のように感じられ、自分に合っているような気がしています。


戦前型が先月、戦後型が今月発売されました。私が買ったのは戦後型です。
¥46,000(税別)という普及価格のため、取り扱いに過度に神経質になることなく、気楽に遊べるような気がします(もっとも模型ですから取り扱いに一定の注意は必要です)。

外観

価格に応じてそれなりの部分ももちろんありますが、C59として十分楽しく使える外観だと思います。

C59戦後型

C59戦後型

C59戦後型

C59戦後型

写真は付属パーツのうち、穴あけの必要ない基本的なものを取り付けた状態です(カプラー解放てこ、エアホース等)。
他にも次のようなパーツが付属しています。

付属パーツ

シンダー除け、清管剤挿入装置、オイルポンプ箱、ATS発電機と配管、ATS車上子、前・後部ライト、補助灯など。

エアホースは2本付属していますが、後期型の場合、テンダー側のエアホースは取り付けられないので余ります。

各部

ボイラー上

ボイラー上です。成型はきちんとしており、細かいリベットもすっきりと出ています。
ハンドレールや加減弁ロッドも樹脂製ですが、歪みはあまり目立ちません。

茶色で成型されている空気作用管は玩具的に見えるところですが、プラ製の16.5mm蒸機は大体こんな感じです。客層的に、気になる人は自分で金属線で作るなり、塗ったりするものなのかもしれません。

ランボードは側面に段差がなく真っ平です。上端のフチくらいは表現してほしかったのですが、廉価に白線を入れる都合だったのでしょうか。

ランボード網目
ランボードの網目模様は、ちょっと目が粗いような気がします。
この網目は一般に模型のお約束としての記号表現で、それほどスケール感は期待されませんが、同クラスの他の模型と比べても粗い感じでした。
8620ランボード網目
前作の8620はもっと細かい表現でした。個人的にはこの程度がよかったような気がします。
前面

前面は、せり出している煙室や、煙室扉の丸み具合がよく表現されていると思います。
(個人的に、最近のNゲージの蒸気機関車は、もう少し煙室扉のふくらみを出してもよいように感じています)

デフは下端に2本のピンがあり、ランボードの水平部と傾斜部に開いた穴に真上から差し込まれています。上側のステーは完全フリーになっています。ちょっと片側のデフが外側に離れ気味だったので、少量のゴム系接着剤で固定しました。
デフの裏側には補強リブなどのディテールがなく、前端の裏を斜めに削ぎ取った形態です。

16.5mmゲージの蒸気機関車は、前のカプラーも当たり前に連結可能です。

電気連結器

テンダーとカプラーの連結は、8ピンの電気コネクターによって行います。伸縮式の連結器のような動きをするようになっています。
機関部からの集電は、一度テンダーを介してから改めてモーターに送られるので、テンダーを連結しないと走りません。

コネクターを差し込むだけの連結ですから、機関部だけを持ってテンダーをぶら下げたりしないように要注意です。割と簡単に落っこちます。

キャブ内には簡単なバックプレートがあります。

テンダー上部

テンダーの外箱はダイカストのようです。内側から弾いてみると、カンカンと金属の音がしました。

上から見ると、外板がかなり分厚くなっているのが目立ってしまいますが、重量はあります。

テンダー内部

テンダー内には前後からの集電が集まるので、DCCデコーダーをテンダーに積めば配線は容易と思います(下側の基板には「DCC」の印刷表記もあります)。

基板の後ろ側には2連のディップスイッチがあります。前灯のON/OFFと、キャブライトのON/OFFを切り替えるスイッチです。

キャブライト基板

キャブライトの基板はそのままキャブの天井にあります。
1mm四方ぐらいのチップLEDが見えます。

キャブライト消灯
キャブライトの消灯状態です。
キャブライト点灯
こちらは点灯状態です。ほんのり照らします。

走り

ふだん9mmゲージばかり走らせている私にとっては、十分滑らかで実用的な走りだと思いました。モーター音も静かで、スケールスピードで聞こえるのはサラサラいう車輪とレールの音だけです。
トラムウェイのプラ製品も、天賞堂のプラ製品も低価格なのに静かなのですよね。昔からあるKATOのC56やD51(16.5mmゲージ)は、しっかりモーター音やギヤ音がしますが、現在の模型の中にあってはうるさいほうだと思います。

9mmゲージの機関車のように、動輪のひとつにゴムタイヤがついています。そこそこの牽引力はありそうですが、勾配や複雑なポイントの通過性能についてはわかりません。
推奨最小通過半径は600mmとされています(私はR550しか持っていなかったのですが一応走りました)。

同じトラムウェイでも、一昨年に出た9mmゲージのC11にはキビシイところもあったのですが、トラムウェイは16.5mmゲージぐらいの模型のほうがお得意なのかもしれません。

従台車

斜め上から見ると、従台車のバネと軸箱の左右への張り出しがやや大きく感じられます。
他のプラ製蒸機と比べると次のような感じです。
※従台車や台枠の構造は、実機によっても模型によっても異なりますので、一律に比較はできないかもしれません。
寸法は「だいたい」の数値です。種々の事情で正確に測れず(すみません)、少数点以下は四捨五入しました。

C59従台車
C59(トラムウェイ) 軸箱間35mm バネ間34mm

D51従台車
D51(KATO) 軸箱間31mm バネ間30mm

C55従台車
C55(天賞堂プラ) 軸箱間32mm バネ間31mm

C57従台車
C57(天賞堂プラ) 軸箱間32mm バネ間31mm

C58従台車
C58(天賞堂プラ) 軸箱間33mm バネ間32mm

9mmゲージと

トラムウェイのC59をしばらく見た後に、KATOのC59(9mm)を出してみますと、あまりに小さくて軽いので驚きます。
縮尺にして2倍ぐらい違うので当たり前かもしれませんが、縦・横・高さとも半分になるため、ボリュームはずいぶん小さく感じられます。

トラムウェイC59/KATOC59

9mmのC59(KATO)の写真を拡大して、同じくらいの大きさにしてみました。ピッタリにならずすみません(形が少し違うこともあり)。

トラムウェイ(1/80)
C59戦後型 トラムウェイ

KATO(1/150)
C59戦後形(呉線)KATO

しかし、大きさの違いを一番感じさせられたのは、箱でした。

トラムウェイC59の箱/KATOC59の箱

トラムウェイのC59の箱は、16.5mmのプラ製蒸機の中でも相当大きいほうだと思います。魔法瓶でも入っていそうな大きさです。
中身は普通の大きさなので、むしろ意外と小さく感じました。


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