「トミックス」ブランドの初期からあった「わらぶき農家」が、40年ぶりに成型色を変えて価格改定されました。
旧「わらぶき農家」(品番4006)は1978年からあった模型で、Nゲージの日本型家屋がほとんどなかった時代において画期的な製品でした。
完成品でありながら、カラフルに適度な色分けがなされた外観は、トミーの提案する新しいNゲージの製品群のコンセプトを印象付けました。
40年後の2018年になり、新たに「わらぶき農家(ブラック)」(品番4206)として再登場しました。事実上の価格改定製品だと思います。
従来品と新製品を並べてみました。
品番4006 わらぶき農家(従来品) (拡大写真)
こちらは従来品です。初期のトミックスの製品群に合わせた明るめの茶色が基本で、遠景としても目立ちすぎない外観です。
「わらぶき」とありますが茅葺きかもしれません。
最近の彩色済み模型に比べればシンプルな塗り分けですが、形といいディテールといい、今見ても最近のプラ製ストラクチャーに見劣りするところはありません。
品番4206 わらぶき農家(ブラック) (拡大写真)
新しい製品です。形や付属品はまったく同じですが、外壁の木部が黒色になり、価格が900円(+税)から1,300円(+税)にアップしました。40年の間に色々なものが上がっているんですから仕方ないでしょう。
わらぶき農家(従来品) (拡大写真)
裏側です。写真の製品は今年になってから買ったものです。
わらぶき農家(ブラック) (拡大写真)
壁の色以外、従来品と同じのようですね。
昔から印象的な製品ではありますが、実際にこれを使って農村風景のレイアウトを作った方はそれほど多くないのでは?と想像します。
農家って真面目に作ろうとすると結構色々なものを作らなくてはいけませんものね。ほかにも納屋や家畜小屋などもありますし、田畑をそれらしく作ることを考えると気が遠くなってしまって…。鉄道模型誌の素晴らしいご作品やカタログのサンプルレイアウトを見ては、ため息をつくばかりでした。
「ブラック」の外壁です。「時間が経過した家屋の木材を黒色で表現」とあります。
このように壁は真っ黒になりましたが、製品構造上、黒色プラスチックの成型色そのままです。屋根その他は従来品と同じ明るい色調です。従来品が長く続いたので、新しい配色にはまだ少々の見慣れなさはあります。
内部の木部は引き続きピカピカの茶色塗装です(40年前は、白と茶色の部分がきちんと塗り分けられていること自体に価値があったと思います)。
いずれにしても、固定レイアウトで目立つキーストラクチャーとして使うときは、好きな色に塗り直して使われることが多いでしょう。
もともとトミックス初期のストラクチャーは、ツメやビスで簡単に分解ができ、ユーザーの手による塗装がしやすいことが特長として挙げられていました。
薪の束も引き続き付属しています。室内に作られている、かまどや風呂の燃料ですね…。
これも塗ってやると大変引き立ちそうです。
かつては新築だったこの製品にも、
…40年の歳月が流れました。今は他にもプラ製の農家が発売されていますが、生き残ってくれて嬉しいです。