Nゲージ蒸気機関車2020年のメモ>2020.9.21

動輪駆動の6200形

6200形動輪駆動改造

これはTavata様による昨年のご作品で、以前に日本鉄道模型連合会から発売された6200形(恐らくワールド工芸製)を、実際に動輪を駆動するよう改造したものです。
ご解説とともに機構写真をご提供いただきました。誠にありがとうございました。

2020.9.21


6250形

未改造の6250形はこのような姿です(これは私所有のメーカー完成品です)。この6200・6250形はもともと小型モーターを搭載したテンダードライブ式で、ご覧のようにテンダーには増炭枠を兼ねた大きなウェイトが付いていました。
使用されていた当時のモーターも、鉄道模型に大変向いていたというわけではないようで、これまでも外観や走行性能を向上するための諸氏の試みが紹介されてきています。

ここからはTavata様のご作品です。キャブ内に動力機構が見えないように工夫したうえで、実際にエンジン側の動輪を駆動しています。

駆動機構

低速での持続的な安定性を実現するには、モーターの選定も外せない要素になります。テンダー内のスペースをいっぱいに活用し、低速高トルクを発揮する10mm角のSE10モーターを搭載して、エンジン側の動輪を駆動しています。いわゆるテンダーモーター・エンジンドライブ式です。モーターにはIMON製のフライホイールを装着しています。

このモーターはNゲージの蒸気機関車にはあまり使われませんが、もう少し大きな模型になりますと色々な使用例があります。

ギヤ部拡大

ギヤ部分です。大ギヤ2段で36:1に減速しています。元のテンダードライブは19:1で、これは動輪駆動に換算して直径差を考慮すると約35:1となり、改造前後の減速比に大きな違いはないそうです。

ある程度大きさが必要な高性能のモーターを積極的に使う目的で、テンダーモーターを採用するという選択は、他のテンダー機にも当てはめられるかもしれません。

集電機構

ワールド工芸のテンダードライブ機はテンダー車輪のみから集電されていますが、これは動輪にブラシを当ててエンジン側からも集電されています。

公式側外観

真横からの外観です。機炭間のシャフトは低い位置を通っているため、キャブの開放部分からは見えません。
特に斜め方向からはほぼ見えません。

以上、私には実力的にたぶんできない改造になりますが、大変参考になる機構で興味深く拝見させていただきました。ご紹介ありがとうございました。

私は6200・6250形には特に詳しくありませんが、形態的に何となく好きで、模型もたまに走らせたくなります。
ただ、やはり元の小型モーター特有の走りは今となっては物足りない気もしまして、製品のリニューアルもないものかなと思ったりします。

なおこのキットは、今も日本鉄道模型協会のWEBサイトの特製品コーナーに掲載されており、少なくとも昨年(2019年)の時点では実際に購入できたという方がいらっしゃいました。もしかしたらまだ手に入るかもしれません。


「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る