Nゲージ蒸気機関車2020年のメモ>2020.10.3

8620のツナギ板を取る


8620の板

ツナギ板と書いたものは、KATOの8620の煙室下をふさいでいるこの板のことです。
アゴ?の下の板です。

これはこの模型のパーツ構成において、煙室枠・デフ・フロントデッキを一体化させている大事な板のようです。が、ないほうが8620に似るのではと想像します(特にデフなしなら)。

2020.10.6追記 少なくとも花輪線の38698号機に、一時期この板が付いているように見える写真があることを教えていただきました。もしかしたら、この模型はそんな姿を選んで作ったのかもしれません。いずれにしても切ります(笑)。

必要なものを取ってしまうため、強度上の難など問題が出てくるでしょうが、自分ひとりしか使いませんから構わないということで、カットしてみることにしました。

最初は代わりの補強をどうしようかと、あれこれ考えましたが、ただ切ります。それが一番楽そうなので…。やってみたら大して効果がないということもあり得ます。

切る前に試したいことがありました。


塗りで目立たなくする

真っ黒な塗料でツナギ板を塗って目立たなくすることができないか、というメールを頂いたので、切る前にやってみました。
もしこれがデフなしなら、そもそも板が横から見えてしまうので効果のほどはわかりませんが、デフ付きなら前からパッと見たときの印象は少し変わるかもしれません。

●アクリルガッシュ

アクリルガッシュ ジェットブラック

私が今まで使った塗料の中で最も黒くなったのは、アクリルガッシュのジェットブラック(JET BLACK)でした。
このJETはジェットエンジンのジェットではなくて、真っ黒という意味のJETです。

これを吹き付け塗装すると、表面のディテールがわかりにくいほど真っ黒になってしまったことがあり、逆にグロスワニスを混ぜてツヤを足さなくては、他の模型と感じが合わずに使えないほどでした。

未施工 アクリルガッシュ
未施工の個体です。 ジェットブラックを筆塗りしたもの。

吹き付けほどではありませんが筆塗りでも黒くなり、いくらか目立たなくなります(小さい模型なので、普通の距離ではもともとそんなにひどく目立つというわけではないです。より何とかしてみようというものでありまして)。
肉眼では、黒い板がそこに付いているという風にしか見えませんが、写真にするとやや有意義な感じです。おヒマなら。

●黒色無双

黒色無双

次は超低反射塗料の「黒色無双」です。
エアブラシ塗りで光吸収率99.3%とのこと(可視光域全反射率0.7%)。

筆塗りだと全反射率1.3%になりますが、小指の爪の1/4程度の面積を塗るので、ここでは筆塗りにします(どうせ切りますし)。
もし最高性能を発揮させたければ、ともかくエアブラシ塗装が必要のようです。

未施工 アクリルガッシュ 黒色無双
未施工の個体です。 先ほどのジェットブラック筆塗り。 「黒色無双」筆塗り。

筆塗りでも、ジェットブラックよりはもう少し黒っぽくなったことが視認できますが、私の塗り方では違いは少しでした。肉眼ではやはり「黒い板がそこに付いている」という感じです。
もし何らかの理由で、実用より「写真写り」が大切なことがあれば、写す角度によっては結構いい感じになります。

未施工 黒色無双
未施工 「黒色無双」筆塗り
アクリジョンと黒色無双

一般的なプラ用塗料の大きさをイメージしていると、黒色無双はドでかいので驚きます。値段も恐らく通常想像される10倍です。

なお、この塗料は非常に剥がれやすいので、よく手が触れるところには向きません。もし定着させようとして上からトップコートを吹いたりすれば、そういうツヤになってしまうので、黒色無双の意味がなくなります。かなり特殊な用途の品になります。


切り取る

塗りで遊んでみまして、少々効果が出ることはわかりましたので、最後に切り取りました。

切り取る箇所

前面パーツを支えているツナギ板を、上下2箇所で切り取ります。

ご覧のように、これをやるとデフとフロントデッキが、細いステー2本だけで煙室枠にぶら下がることになるので、切り取り作業中に折れてしまう可能性も大です。
よって、まずは分解せずにボイラーに付けたまま、下の赤線の部分を表から切り、その後分解して青線を裏側から切りました。ここも表から切れるとよいのですが、場所が狭くて余計なところを傷つけそうで、泣く泣くそうしました。

8620のボディーの分解はC50やC56などと同様ですから、わかると簡単です。交換用のボディーすら売っていますものね。

切り取ったあと

壊さぬよう、周囲を傷つけぬよう、慎重にデザインナイフで切り込みを入れていきました。

下の直線はデザインナイフだけで切り離しました。切り離すと支えがデフステーだけになってしまうため、残りを切る際には力を入れることができません。専用の作業台や治具を作るべきところでしょうが、先を急ぐ上に工夫もせず、力を入れずに切れる超音波カッターも一部使いました。超音波振動により熱で溶けてめくれが起きるので、その修正に力が入ったらあまり意味がありません。

上下を1箇所ずつ切り離さず、両方を共に裏側から少しずつ切り進めていくようにして、最後の最後まで一部でもつないでおけば、もっと楽だったかもしれません。ちょっとこれはわからないです。

ツナギ板を切り取ると、その奥のダイキャストブロックの一部が見えるので、見える範囲の下半分に細く切った薄いプラ板を貼り、黒く塗っておきました。

未施工 切り取った
未施工 切り取り後

実際に取り去ってしまったので、肉眼でも写真でも板はなくなり、きちんとアゴのラインができます。
といってもデフ付きなので、その様子は横からは見えないのですけども。

姿は望んだようになりましたが、加工は単純な割に緊張しました。また、強度面でこれからどうなっていくのかはわかりません。こうやって組み立ててしまえば、特に難は感じませんが、端梁付近を強く引っ張ったりすればどうなるか…ですね(やりませんヨ)。

板を切り取った8620

以上、特に工夫もなく終わります。失礼いたします。

トミックス 9600

ところでKATOの8620の前面にツナギ板を発見した際、すぐ頭に浮かんだのはトミックスの9600でした。もう21年前の製品ですけども、当時の各社の9600の中で唯一、アゴ下がふさがっていました。

当初デフなしも予告されていたため、このままデフだけを取ると、アゴがまったくないのが横からもろ見えになるのでどうするのだろうと思っていましたが、結局発売はなくなりました。ちょっと結果を見たかった気はします。
色々と特色があり、好きな模型ではあります。


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