Nゲージ蒸気機関車2011年のメモ>2011.7.11

「やまぐち号」12系客車

やまぐち号客車 マイクロエース+トミックス

2011.7.11

今春発売されたトミックスのC57 1号機と一緒に「やまぐち号」客車も発売されています。トミックスの模型は2005年に実物がリニューアルされたあとの姿です。
発売後時間が経っているので、お好きな方は入手されていてよくご存知と思います。


「やまぐち号」客車(12系700番台)は、先にマイクロエースから改装前後の両タイプが発売されていました。私は改装前のタイプのみ買ってあったのですが、今回トミックスから改装後の模型が発売されたので、都合よく時期違い・メーカー違いの2種が揃いました。
それぞれの同じ車両を数両ピックアップしてみました。メーカー違いの新旧の姿なので、単なるご紹介です。

全体

スハフ12 702

当初は屋上のクーラーにダブルルーフをイメージしたカバーが付いており、外壁も木造客車風に飾られていました。
1両ごとにイメージとなった場所や時代のテーマがあるという面白い編成でした。

マイクロエース マイクロエース・改装前 
(拡大写真)
こちらは改装前の姿です。模型の車体側面は部材によってツヤの感じが変えられており、見た目に変化があって楽しいです。
トミックス トミックス・改装後 
(拡大写真)
改装後はすべての車両がシンプルな白線入りになっています。

オハ12 703

2003年に津和野側に簡易展望室が付き、外観が変化しています。

マイクロエース マイクロエース・改装前 
(拡大写真)
改装前は車両によってテーマが異なるデザインだったため、外板の木部表現のピッチも先ほどのスハフ12 702とは違ったものになっています。
トミックス トミックス・改装後 
(拡大写真)
車端部の窓が拡大され、雰囲気が大きく変わりました。

オハフ13 701

屋上のカバーがなくなった以外はそれほど外形の変化はありませんが、塗装が変わったために印象は結構異なります。

マイクロエース マイクロエース・改装前 
(拡大写真)
展望室上と車体側面に金帯がきれいに入っています。なお展望室側にはマイクロカプラーをそのまま取り付けることはできません。
トミックス トミックス・改装後 
(拡大写真)
金帯がなくなり、全体にあっさりした印象です。展望室側のカプラーは新型TNカプラーですが、アーノルドカプラー付きの台車枠も付属します。

塗装はどちらもほどよい半光沢で大変きれいです。マイクロエース(改装前)のほうが若干フラット寄りです。

同じ視界に両者が同時に入ることはないはずですが、マイクロエース(改装前)とトミックス(改装後)のオハフ13 701を向かい合わせにすると、高さの具合はこんな感じになります。

マイクロエース

なお床板の高さのアソビによって、この通りにならないことがあるかもしれません。

車端部

スハフ12 702

マイクロエース
マイクロエース・改装前
幌枠の部分には銀色が入っています。
トミックス
トミックス・改装後
幌枠は車体に穴開けのうえ、付属パーツを取り付けます。トミックスの言葉で上級者向けとされています。「穴開け一級」って感じでしょうか。

オハ12 703

マイクロエース
マイクロエース・改装前
マイクロエースは屋根と車体が一体なので、継ぎ目ができないのが特徴です。
トミックス
トミックス・改装後
簡易展望室が付けられた姿です。ヘッドマークも付属します。テールライトは点灯します。

オハフ13 701

最も特徴のある人気車両です。模型でも見ごたえがあります。柵の部分の作り方は両社でまるっきり違っていて興味深いです。

マイクロエース
マイクロエース・改装前
展望台の柵柱は金属のエッチングです。後部に点灯式テールライトが覗いています。
トミックス
トミックス・改装後
柵柱は透明パーツをベースとし、モールドと塗装によって表現されています。テールライトも点灯します。
マイクロエース
マイクロエース・改装前
柵柱の数は実物よりも間引かれていますが、細かい部品ではよくあることで違和感はないと思います。完全にシースルーになっています。
トミックス
トミックス・改装後
柵柱の間は透明板でつながっており、ほんのり向こうが見える感じです。柵柱の数は実物どおりで、光に透かすと非常に細く見えます。

屋根上

実物のダブルルーフ風のカバーの内側を見たことがありませんが、クーラーのキセの外側にキセてあったのですね。

スハフ12 702

マイクロエース マイクロエース・改装前
トミックス トミックス・改装後

オハ12 703

マイクロエース マイクロエース・改装前
トミックス トミックス・改装後

オハフ13 701

マイクロエース マイクロエース・改装前
トミックス トミックス・改装後

床下

Nゲージでは既存品を利用してまとめられることもあり、同じ車両でも各社同一になることは少ないと思います。

スハフ12 702

マイクロエース マイクロエース・改装前
トミックス トミックス・改装後

オハ12 703

マイクロエース マイクロエース・改装前
トミックス トミックス・改装後

オハフ13 701

マイクロエース マイクロエース・改装前 
テールライトはもともと進行方向に応じて自動的に消灯しますが、マイクロエースではさらにライトのOFFスイッチもついています。
トミックス トミックス・改装後

室内(オハフ13 702)

テールライト付きのオハフ13 702のみ並べてみました。どちらも光源を室内に置き、展望室の床に沿ってプリズムを置いてテールライトを点灯させています。
構造上、両社で特に大きな違いはないですね。

マイクロエース マイクロエース・改装前
トミックス トミックス・改装後

ここではモデルにした時期が違っている車両を並べましたが、メーカーによって模型化のアプローチがまったく違う箇所があると本当に面白いものです。 どんな模型にも製造して世に送り出す方々の工夫が感じられます。

C571やまぐち号

機関車も客車も品揃えが充実したおかげで、自宅のテーブルの上で精密な「やまぐち号」を運転できるようになったのですからありがたいです。


●比較した模型


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