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配線のハンダ付け

ハンダ付けは中学校で習うことが多いですが、ほとんどの方はそれっきりになってしまうと思います。
金属キットを組まない人でも、電気配線のハンダ付けができれば何かと便利なことがあります。たとえば古い模型を分解していて、うっかり配線を切ってしまうことがあるでしょう。 また、届かないフィーダーに自分でコードを継ぎ足して延長したりもできます。
道具を正しく使える工作好きの方なら、小学校高学年にもなっていればちゃんとできます。

ハンダ付けの際にはご自分の責任において火災・ヤケドには十分に注意し、作業が終わったらすぐにハンダごてのプラグをコンセントから抜いてください。
こて先の温度は300度以上になるので、畳の上に落とすと焦げますし、プラスチックに触れると溶かしてしまいます。
まわりに小さい子供や動物を近づけないようにしてください。

2018.6.26変更


道具を揃える

ハンダゴテ、コテ台、ハンダ

ハンダ付けにあたって必要なのは、ハンダごて、ハンダ(半田)、こて台とクリーナーです。

ハンダごて
電気配線用なら30W程度のものがよいと言われています。先端は銅色のものと、銀色にピカピカ光っているものがありますが、ちょっとした電気配線用なら後者のほうが楽だと思います。

ハンダ
配線用にはヤニ入りの糸ハンダを使うのが普通です。一般模型工作用や、家庭用として売られているもので大丈夫です。

こて台、クリーナー
こて先は300度以上に熱くなるので、専用のこて台を用意するのがよいと思います。また、こて先はヤニがついたり酸化したりして汚れるので、これをふき取るクリーナーが必要です。 写真のものはコテ台にクリーナーがくっついていて、スポンジに水を含ませてコテ先をふき取ります(加熱したままでOK)。
短時間使うだけなら、灰皿をコテ台にし、濡らしたボロ布でコテ先をふき取ることもできます。

これらはDIYショップ等で、全部セットになったものが2000〜3000円で売られていますが、それで十分かと思います。

金属用フラックスは使いません
金属キットの組み立てでは、ハンダ付けする箇所に金属用フラックスを塗らないとハンダ付けできませんが、電気配線の場合は金属用フラックスは使いません。 金属用フラックスが電線の芯線などを通って染み込んでしまい、内部から腐食するからです。代わりにヤニ入りハンダを使います。ただし、腐食の恐れのない場所では状況に応じて使うのもよいかと思います。


こて先の準備

コテ先のハンダめっき

ハンダごての先端は、いつもハンダで濡れてピカピカしていなければ、ハンダをあてても溶けません。従ってハンダ付けできないことになります。
新しいハンダごてを買ったら、先端が汚れる前にすかさずハンダでコーティングしておきます。

ハンダごてをこて台に置いて電源プラグをコンセントに入れます。数分たつと、こて先がハンダの溶ける温度まで上がるので(少しこて先の色が変わります)、そこにヤニ入り糸ハンダを押し付けて溶かします。こうして先端を薄くハンダで覆っておきます。

ハンダごてに通電したままにしておくと、こて先が酸化したり、ヤニが焦げたりして汚れてきますが、濡らしたクリーナーの上でコテ先をジュッとふき取ればもとのピカピカの状態に戻ります。


ビニール線を金属端子にハンダ付けする

1 芯線を剥きます

ビニール線の被覆をむく

一番簡単な配線は、穴のあいた端子などにビニール線をつなぎ、それをハンダ付けするものです。
ビニール線は、先端から3〜5mmの部分にナイフで軽く切れ込みを入れ(芯線を傷つけないよう)、そこに爪を立てて被覆を剥き取ります。
こうして出た芯線は、1本だけの場合(単芯)と、細い線が何本も束になっていることがありますが、後者の場合はねじってまとめておくと楽です。
※つなぐ場所によっては、ねじらないほうが簡単なこともあります。いずれにしてもハンダをしっかり流せば問題ありません。

2 ハンダ付けするものをつなぎます

端子にビニール線を引っ掛ける

ハンダ付けする端子や芯線が汚れていると、ハンダが付きません。汚れているときは紙やすりなどで磨いて必ずピカピカにしてください。

ビニール線の被覆を剥いた芯線を、端子の穴などに引っ掛けます。
プラモデル用の配線などでは、芯線を長めにしてぐるぐる巻きにしたりしますが、ハンダ付けの場合はあとで熱を加えて取れるよう、引っ掛けるだけにしたほうが便利なことが多いです。

3 ハンダ付けする場所を温めます

ハンダ付けする場所を温める

いよいよハンダ付けです。文章にすると長いですが、3〜4秒で終わりです。

まず、ハンダを流す位置にしっかりハンダごてをあてて、ハンダが溶ける温度になるまで温めます。
温めるといっても、細い電線と小さい端子なら一瞬のことですから、ハンダごてと一緒にハンダを当てても差し支えありません。
この絵では赤く色を付けてありますが、実際には赤くなりません。

端子などに手や体が触れていると、すぐに熱が伝わってヤケドしますから気をつけてください。作業中、ハンダ付けするものをどうやって固定するか、色々工夫が必要です。

4 ハンダを溶かして流します

ハンダを溶かす

温めたところにヤニ入りハンダを付けて溶かします。
コテ先のハンダでピカピカしているところの、なるべくハンダ付けの場所に近いところにヤニ入りハンダをあてると、溶けたハンダが芯線と端子に流れていきます(このときヤニがよい働きをしています)。
ハンダがしっかり流れて、表面が滑らかに、裾がなだらかになるのを確かめてください。うまく流れないようなら、ハンダ付けする箇所が汚れているか、うまく熱が伝わっていないか、ハンダごてが汚れているかのどれかです。
ハンダを当ててからきちんとハンダが流れるまで、絵のようなものなら1〜2秒ですが、何本もの電線が集まっているときはもう何秒かかかることがあります。

5 こてを離して固めます

こてを離す

いつまでもハンダを当てているとハンダが付きすぎて、余計なところまで流れたりするので、適量が流れたらまずハンダを離します。付いたハンダがきちんと流れてからハンダごてを離し、息をフッと吹きかけるなどして冷やします。
この程度のものならコテを離してフッと吹けばすぐ固まりますが、それまで電線や端子を動かさないことが肝心です。

ハンダごては長い道具なので、最初は目標が定まらずに手が震えるかもしれませんが、慣れるとあまり震えなくなります。また、長時間加熱していると、こて先が熱くなりすぎて逆にハンダが付きにくくなるので、そうなったら一度プラグを抜いて冷まします。

なお、ステンレスやアルミには普通の方法ではハンダ付けできません。


よく付いたか確かめましょう

よいハンダ付け

ハンダが付いたように見えても、きちんと流れていなければ、電流が流れなかったり取れてしまったりすることがあります。
ハンダの裾が滑らかになって、電線や金属板に流れており、表面が滑らかになっているかどうかを調べます。

悪いハンダ付け

ハンダが流れずに団子のようになっていると、電流がきちんと流れません。単にヤニが固まってついているだけのこともあります。
また、ハンダごてを離してから固まるまでの間に電線を動かしてしまうと、表面がでこぼこになり、しっかり付きません。


穴のない端子に電線をハンダ付けする

1 端子をハンダめっきします

集電板のハンダめっき

板状の接点や端子にハンダ付けするときは、相手側に穴がなく、電線を引っ掛けられないことがあります。
このようなときは、あらかじめハンダ付けするものをハンダでめっきしておき、それらを重ねてハンダごてで熱を加えて溶かし付けます。

これは集電板の先端をハンダめっきする例です。テンダーや床板などのプラスチック部品を溶かさないよう、必ず取り外して作業します。モーターの端子の場合はプラスチック部分を溶かさないよう、なるべく短時間で済ませます。

2 電線をハンダめっきします

電線のめっき

電線の芯線もめっきします。ハンダごてに少しハンダを乗せて電線をくぐらせるか、ハンダを机などに固定して、そこに電線とハンダごてを持っていって溶かし付けるなど工夫します。

3 ハンダ付けするもの同士を重ねます

電線と集電板を重ねる

めっきした集電板と電線を重ねます。これは片手でやらなくてはいけませんから上手に固定します。また、このあとでハンダごてを当てますから、机などを焦がさないように燃えない敷板を敷いておきます。

4 ハンダごてで溶かし付けます

こてを当てる

ハンダごてに少しハンダを乗せてから、重ねた電線の上に当ててしっかり熱を伝え、電線と集電板のハンダを溶かします。

5 こてを離して固めます

ハンダ付け終了

しっかりハンダが流れたかどうか確認します。


練習したいときは

ラグ板、ユニバーサル基板

ハンダ付け用具を買って、いきなり本物の配線をハンダ付けするのは勇気がいりますね。実際にどのくらいの時間でハンダが付くのか、ハンダが流れるとはどういう具合なのか、付かないときはどんな感じになるのかなどは、実際に練習していかなければ身につきません。

写真で一番上に写っているのは「ラグ板」(ラグばん)という配線用の端子で、電子パーツ店に色々な大きさのものがあります。これはハンダが付きやすいので、電線を引っ掛けてハンダ付けの練習をするには適しています。写真の6Pのラグ板は60円くらいですが、先端の穴と根本のはとめ穴を合わせて24回の練習ができます。
この倍以上長いラグ板もありますが、それでも物足りない方は、下に写っている「ユニバーサル基板」というものを買えば、何百箇所もサークルがありますから気の済むまで練習できます。10センチ四方くらいで300円前後でしょう。本当は、左下の4mmピッチのものが手に入るといいのですが、秋葉原でも売っている店が少なくなりました。普通手に入るのは2.5mmピッチの右下のものなのです。ただし、ラグ板と比べて金属部分の面積が少ないので、ハンダが流れる様子はわかりにくいかもしれません。

4mmピッチ基板は、サンハヤトの43(AT−1S)または44(AT−1W)などが今でも存在します。


このサイトでおもに取り上げている金属キットのハンダ付けは、ここで挙げた電気配線のハンダ付けとは少々違いますが、電気配線のハンダ付けができるようになった方なら簡単に要領がつかめると思います。
金属キットでは、接合部分にフラックスを塗って、ヤニのない金属用ハンダでハンダ付けするのが普通です。フラックスを塗った場所だけにハンダがきれいに流れてくれます。フラックスを使わずに、電気配線と同じようにヤニ入りハンダだけを使ってもうまくつきません。熱を伝える対象が圧倒的に大きいので、30W程度のハンダごてでは十分に加熱できず、こて先も対象に密着するよう削って整えられる銅こて先のほうが好都合です。しかし、それとてケース・バイ・ケースということになります。


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