Nゲージ蒸気機関車2020年のメモ>2020.10.10(タキ3000)

タキ3000

タキ3000(トミー・KATO)

2020.10.10

日本型のボギーのタンク車の中で、初めてNゲージで発売された形式ではないかと思います。
KATOとトミー(トミーナインスケール)が、ほぼ同時期の競作になったのもこの形式が初めてかもしれません。


たまたま、KATOのタキ3000の新しいのを買ったため、それを添えて古いもの同士を比べてみました。KATO、トミーいずれも44年前の初回発売時に入手していますが、どちらも別々の友人が買ってくれたもので、自分ではお金を出していません。あのときは嬉しかった、ありがとう。

全体

KATO(初回)

KATO 初回製品 (拡大写真)
1976年の発売です。会社名とマークは付属の紙シールから好きなものを切り抜いて貼る方式でした。だいぶ傷んできました。
一時期、シルバーとイエローもありました。

KATO(日本石油)

KATO 現行製品(日本石油) (拡大写真)
今はマーク類も印刷済みのため、製品も会社ごとに分かれています。これは日本石油版です。

トミー(初回)

トミー 初回製品 (拡大写真)
1976年の発売です。当時からマーク類は印刷済みでした。

KATO製品は最初から今と変わらぬ水準で、ハッチ周囲の手すりやハシゴ、台枠の手すりなどが一体表現されており、発売当時は本当に驚きました。この構造はその後に発売されるDD13の素地となったそうですね。
当時の「鉄道模型趣味」誌によると、「主要寸法はやや小ぶりの1/152程度でまとめてある」とあります。

トミー製品はホンコン製で、細かい手すり類はないものをモデルにしています。しっとりしたつや消しはなかなかよいです。KATO製品は800円で、当時の他の貨車が500〜550円だったのに比べて高かったのですが(客車並み)、トミー製品は450円と大変安く設定されていました。
石油コンビナートの近くでは、タキが延々と並んで大量に停まっていたものですから、少しでも多く揃えたいときには便利だったと思います。

車高

車高はかなり違うので、両社混結はちょっと苦しい感じでした。
また、当時のトミー製品はホンコン製であり、走行安定性もやや弱かったと思います。

各部

KATO製品の車体の構造やディテール表現は現在の製品でも変わりません。

KATO トミー
KATO トミー(初回)
KATO トミー
KATO トミー(初回)
KATO
KATO
トミー

トミー(初回)

あとの製品では、側面が真っ平らでタイヤ表現のない金属車輪が使われたことがありましたが、初めの頃は黒い輪心パーツがはめ込まれていてアクセントになっていました。

あれこれ

KATO 初回の台車

KATOの初めの頃のロットでは、車輪が鉄の焼結品であり、鈍い灰色の外観でちょっと石にも見える独特なものでした。

細かな欠けのような傷がつくことがあったり、踏面が汚れやすく汚れを取りにくいこともあったりで、私はあまり好きではありませんでした。その後のロットでは銀車輪に変わり、今は黒色車輪です。

初回台車を磁石で吸引

この車輪は磁石に付きました。マグネ・マティックカプラーのマグネットの上を通過する際、軽く速度に影響することがあります。
(なお当時のKATOの他の貨車の片側絶縁車輪で試したところ、車輪は磁石に付きませんが、車軸部分は付きました)

KATO製タキ3000の分解

KATO製品を分解したところです。床が反っているものがあったので、修正ついでにバラしました。

タンク体は上下2分割になっていて、内部にウエイトが入っています。分割線は外から見えるのですが、ちょうどタンクの下側で陰になるため、普通はほぼ気になりません(特に黒車体は)。

トミー製タキ3000のタンク体

トミーのタキ3000が一見謎でして、タンク体外部に部品の分割線が見当たりません。まさか豪快に内部まで樹脂が詰まった一体では…なんて一瞬思いましたが絶対違いますよね(笑)。それなら樹脂を注入するところ、空気を抜く穴の跡がおそらく表にあるはずですから。

継ぎ目

ああ…ここに継ぎ目が。両端部が別パーツになっており、ふたをしているようです。
最初、自分の眼でこの継ぎ目がパッと見えなかったこともあり、何かすごい謎技術が使われているのではと悩みました。

身近にたくさんいたといっても詳しくはないんですけども、ストレートなタンクが好きで、タキ3000は好きなタンク車です。

D51とタキ3000


●比較した模型について


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