大津の名産 ●大津町の名産、とりわけ旅の土産として名高かったのは、大津絵や大津算盤(そろばん)、縫針(ぬいばり)であった。 これらは、大谷・追分の特産品である。 大津の宿場の町中では、酒造や和菓子が名産で、江戸時代後期には19軒の上菓子屋仲間が結成されてる。 また、京都御所の御用達商人も3軒あった。 大津算盤は、慶長17年(1612)、大津一里塚町(現大谷町の西側)の片岡庄兵衛が、長崎で明(中国)から 算盤を手に入れ、改良を加えたことに始まる。材質は、珠がツゲ、ヒイラギ、ウメ、枠がカシ、カキ、黒たん、紫たんなどで、 桁の軸には丈夫な細竹が使用されていた。また枠や梁の裏側(底部)には、作者の居住地と名前が木版印刷された 和紙が貼られているものが多い。 算盤製造は明治期に入って廃れていったが、算盤師の看板や製作道具、宝永2年(1705)銘の算盤などが現存している。 なお製作道具と宝永銘の算盤は市指定文化財。
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