洋ランの自生地、タイ−チェンライ−の
ジャングルを歩いてきました!

 タイ、ミヤンマー,ラオスと接するゴールデントライアングル。
△ チェンライ
 チェンマイ
 今回訪ねたチャンカム村。チェンライより車で1時間の所。

 この地域は、3年前につづいて二度目の訪問になります。前回は初めてでしたので、チェンライ、チェンマイと主に観光が目的で時間の合間にラン屋を覗く程度でした。しかし、今回はオーキッド探索が第一の目的でしたので、まる3日間ジャングルの中を歩きまわりました。結果として暑かったが(この時期がタイでは一番暑い季節とのこと)、とても有意義でした。

< 旅の期間 2000年4月24日-4月30日 >

 3月〜4月が、花の時期との話を聞いていましたので、山々が花で一杯であることを期待して相棒(新里園芸の福田さん)と出発しました。
 エアーチケット、ホテルの予約などすべて自分で計画をたてましたので、旅行社の洋ランツアーより安くあがりました。現地の案内は、前半をタイのラン屋さんに、後半を私の知人(現地のタイ人)に頼みました。この後半が実によかったのです。

< 行 程 >

初日 チェンライのラン屋さんの温室(単なるオープンテラス)で山どり株の中からセレクトしたDen.thyrsiflorumです。
タイには、山どり専門で生計をたてているプロがい
ます。そのような人は、専用の島を持っていて木一
本まで知っているとのこと。日本の松茸採り名人と同じかな。
ある趣味家の栽培場で見たBlc.Alma Kee'Tip Malee'です。青いタッグが付いていて、こちらの展覧会で入賞したとのことです。こちらにもいろいろな展覧会があるみたいです。この趣味家は、ラン管理の専用スタッフを雇っていました。栽培品種は、主にバンダ系で、カトレアを少々とパフィオのブラキタイプでした。
二日目 プロのランハンターが紹介してくれた自生状況です。
↓の所にランが自生しています。紹介してくれた木々は、いずれも古木で、はるか上の方にしか着生していませんでした。この時はそれでも感激して来てよかったなーと思ったわけです。こんな高い木にも釘を打ちつけて上って行くとのことで、釘が打ってありました。
三日目 かねてから、タイ(チャンカム村)にいる友人が私のランキチを知っていて、‘うちの裏山にたくさんあるよ’と言って夢中になる私を不思議がっていました。案内されるまで、巨木から巨木までの何本かをまた見るのかなと思っていたところ、自宅から歩いてでも行ける丘で、低木が茂るこのようなところでした。
日本でいう雑木林という感じで、下草がなく非常に
歩きやすかったです。目の前の木にデンドロ、リンコ、シンビなど、属の違うもの同士が同じ木に着生していました。この風景を見て彼の言う’家の裏山に−’が本当なんだと実感しました。
シンビジュ−ムの着生状態。花の咲いたあとが多く見られ、中には種を付けているものもありました。地上から4m程の所でした。


手の届く範囲に着生していた品種(Clei.arietinum?)。
今回たくさん見た開花状態の品種は、
Den.aggregatumです。ただ、いずれも古木の上の方で人の手の届かぬ所のものばかりでした。鑑賞価値の高いものほど、身近では見られない感じでした。
タイでは、今ジャングルプランツの採取は、厳しく規
制されているとのことです。
これは、Rhyの仲間と思われる幼苗。今回の探索の中で、Rhyの一種が花茎にいっぱいの蕾を付けて開花を待っていました。もう少し時期が遅ければ見られたのですが。いろいろな種類を2,3日で見ようなんていうのは、現地を知らないムシのいい話だなと感じました。

< 今回訪ねた地域での開花時期 >

< 後書き >

  今回旅をしてきて。ここには記していませんが最後の2日間バンコックでありきたりの観光をしました。ランキチの我々にとっては、‘自生地を歩き回る方がよっぽど楽しい’という結論でした。次回は、Dr.田中を誘おうかと−−−。