5月上旬は植え替えの時期です。遅れている方は急いで下さい。植え替えの仕方は、このページの終わりの方です。

5月のポイント

今月の特集ー肥料

 肥料を与えないと花が来ないのか−−−いいえ私の1年間の実験では肥料を与えづとも花が咲きました。ただよりすばらしい花を求めるためには、肥培は必要と思います。それでは、私が今まで使用した肥料に付いて説明します。私のは、初歩的なものと考えて下さい。と申すのは蘭の達人には、コンポスト(植えこみ材料)と肥料の研究に目を見張るものがあるからです。

ハイポネックス

液肥の代表格 ハイポネックスです。洋蘭専用も発売されていますが、私は一般的な何にでも使用出来る5:10:5を使用しています。春から秋まで潅水代わりに週1回ほどの割で与えます。希釈率は、2000倍としてます。他の液肥でも、問題は無いと思います。ただ気を付ける事は、濃度を上げ過ぎて与えてコンポストが乾いた時、鉢内の肥料成分が多く残留して肥料障害の発生です。故に 液肥は、薄めで与える事 です。

固形肥料 グリーンキング

 最近洋蘭展などの即売場で見かける商品です。私は、昨年から一部ですが使用しています。ペレットが小さいので、2〜2.5寸鉢に重宝です。2〜2.5寸鉢の場合ペレットを1〜2個コンポストの上に置きます。似た肥料では、バイオゴールドが有ります。

 この肥料の良い点は、ナメクジが寄ってこない事です。

固形肥料 マグアンプK

以前、茨木の望月洋蘭園でコンポスト上のバックバルブ側にマグアンプが置いてあったのを見て同じようにやってみました。粒子のサイズが大中小とあります。私は大を使用してみました。この肥料は、いつまでも形が残っていて持続性も高いので、冬場の温度を上げれないものには不向きだと思います。私の温室も冬場12〜3度ですので一度の試みで止めました。

 東商の油粕と骨粉の固形肥料

 1年前まで、もっぱらこれを使用していました。まだ一部使用してますが。要にカトレアの場合、成長期に有機肥料を少々与えれば良いと言う結論です。肥料としてベーシックな油粕と骨粉で十分であると考えています。値段も安い。欠点ナメクジを誘引する事と臭いがする。

東商の油粕と骨粉入りの粉末

 上記の粉末タイプです。量の加減がし易いので鉢サイズの種類が多い人には、便利かと思います。欠点は、コンポストの傷みが他のものより早く、ナメクジの誘引と臭いです。即効性は、一番あると思います。 

バットグアノ

 一般のホームセンターなどでは、手に入りませんが蘭屋さんで手に入れることが出来ます。キャッチフレーズは、咲かない株でもこの肥料を与えると花が咲きやすいという事です。そういう意味で花芽形成の時期に、この肥料を与えると効果が有るのかナート。バルブ形成時期(春)は油粕と骨粉で、花芽形成時期(初秋)にバットグアノを少々与える−これで肥料は充分と思います。

肥料の置き場所

 左図の如くバックバルブ側に固形肥料もしくは粉末肥料を置きます。肥料は、潅水時に少しづつ溶けていきます。一般的に油粕と骨粉の持久効果は、約1ヶ月程です。

 要約しますと、固形肥料はバルブの形成期(春)に一度与え、液肥は成長期に、一週間に一度の割合で潅水代わりに与えることです。

今月の特集ー植え替え

 植え替えといっても、鉢増しや株分けなどが考えられます。今回は、私が行っている方法で鉢増しにも,株分けにも利用出来るかと思われる方法です。

植え替え 1

植え替え対象株は写真のように鉢からバルブ1本がはみだした株です。当然花は、終わっていて新芽、もしくは根が動きだした株が最適です。左側をトップバルブと言い、この先に新しいバルブが成長するのです。右側をバックバルブと言って、トップバルブへの栄養補給の役目をしております。
この株は4号の鉢に植わっております。

植え替え 2

 鉢を取った状態です。鉢の取り方は、鉢を壊して取る方法や、ピンセットなどを水苔に差し込んでテコで抜いたりします。

注1、使用器具は必ずリン酸三ナトリウムの飽和溶液に浸けて置くこと。
注2、ラベルを無くさないこと。
注3、トップバルブの新芽を、作業で欠かないように気を付けること。

植え替え 3

トップバルブ側から3〜4本のバルブを付けて匍匐茎にハサミを入れます。必ず3本以上のバルブを付けて下さい。今回は、4本付けました。切り落とされたバックバルブの処理は捨てるなり、もしくは、増やす目的でトップバルブと同じ方法で植え替えるなりして下さい。少々時間はかかりますが開花までもっていけます。

植え替え 4

古い植えこみ材料は、ピンセットなどできれいに取り除きます。
これがトップバルブの植え替え用とする株です。 
植え込み材料がまだ新しい場合は、ほぐさなくても良いです。苗の成長に合わせて鉢サイズを上げていく場合は、古い植え込み材料を残しながら新しい植え込み材料を前へ前へと足していきます。

植え替え 5

植え替えに必要な材料。4号鉢、鉢かけ少々、鉢底用防虫網、支柱、ビニールタイ、水苔(約、使用鉢の倍ぐらいの量)。

鉢サイズは、元々植わってあった大きさにします。(基本的に、鉢は小さめが良いです。)水苔は、使用前に水で戻しておきます。鉢底に防虫網を敷き、鉢かけを入れます。

植え替え 6

まず、根と根の間に水苔を入れます。特にトップバルブの方に多めに入れます。入れる量は左図を参照して下さい。

植え替え 7

次に上図の周囲を水苔で巻きます。匍匐茎が隠れるぐらいで、新芽が伸びる方に多めに水苔を当てます。バックバルブの方には、苔はあまりいりません。

植え替え 8

鉢と水苔の比は左図ぐらいです。手の方がバックバルブで、この方向から鉢の中へ苔に巻かれた株を押し込んでいきます。バックバルブは、鉢の縁にくるくらいが良いです。この時の苔の量で植え込みの固さがきまります。

植え替え 9

左図が植え替え完成の様子です。新芽が苔の上に接していて決して埋もれてたり、浮いていたりしていないこと。新芽が伸びる先にはスペースが確保されていること。又鉢上から1cmほど貯水スペースがあること。

参考、バルブの両サイドに芽がありこの芽のどちらが吹いてくるかは、昨年が右の芽が成長しているなら今年は左の芽が成長し始めます。基本的には、交互に芽が吹いくるようです。この株もその様に成長しています。

植え替え 10

最後に支柱を立て、ビニタイでバルブを固定し鉢に対し株がぐらぐら動かないようにします。バルブがグラグラ動くようだと発根時、根の先がスレて痛むことがあります。そして品種名のラベルをさしておくことを忘れないで下さい。

参考、ラベルの裏側などに、植え替え日や、開花日などの情報を書いておくと良いでしょう。

 

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