列島全域にオオカミが溢れ足のやり場に困る満月の夜。

あたしは水着姿で、自宅から約1km先にある一軒家の二階にあるA子の部屋の窓の外側の屋根に立ち、ガラスに映る多腕生物と睨めっこをしている。

7から19の番号を振られている腕で窓を割った。音がした。パリーン。パリーン。パリーン。パリーン。パリーン。実際には2本しか無い。腕が。

A子は目覚めない。仏像だからだ。あたしは部屋の中へと身を乗り出す。「真っ暗ね。」乗り出せた。

甘い匂いがする。スプリンクラーからペプシ・コーラを撒いたに違いない。

あたしは直立するA子の前に立つ。A子はまぶたを閉じている。目を凝らすと細い紐状の水着を着ていることに気が付く。

さらに目を凝らすとそれが水着ではなくうどんであることが分かった。

あたしは口掃除機を”強”に設定しうどんを吸い込んだ。素っ裸。A子の下半身には東京ドーム全体の芝生をその一点に集めたような黒いふさふさ。

あたしはその中から適当な5本を引きちぎり、持参したヘア・アイロンでそれをストレートにした。

ストレートになった5本のうち4本を、持参した真ん中に穴が開いたパスタ(ブカティーニと呼ばれている)の穴の中へと滑りこませた。

明日の授業では光ファイバーについて話す。あたしは中学の理科教師だ。信号は毛。光ファイバーはブカティーニ。完璧である。

残りの1本はどうしよう。意識は思考に追いつけない。あたしは無意識のうちに自分の陰部に手を突っ込み、目ぼしい1本を引きちぎり、A子のそれとあたしのそれを結び合わせていた。

ニワトリの鳴き声と降り注ぐオタマジャクシが朝を告げたころ、あたしはやっとあたしが何をしていたかに気が付いた。

「愛してるよA子。」「あたしもよ。」それは仏像ではなく生身の女性だった。



あたしはそれからも毎日毎日A子の部屋に夜な夜な通い続け、あたしが愛の結びと呼んでいるそれは日増しに複雑になっていった。

一時期はマフラーやヒグマに似ていたその黒い結びの塊は今では天に向かって伸びる巨大な塔だ。手で支えている。割と重い。

ある日のことだった。あたしが庭のドラム缶風呂に入っているときにその悲劇は起きた。

バターン。バターン。バターン。それは倒れた。倒れている最中に国際宇宙ステーションや人工衛星を巻き込んだ。飛行機も何機か。

倒れた後は地球に巻き付いた。落ちてきたものや倒れた塔に巻き込まれ多数の死者が出た。あたしは世界中の軍から勲章をもらった。

国際宇宙ステーションはA子の家に落ちた。A子は死んだ。

あたしはグチャグチャになったA子の肉と、切り落としたあたしの肉を炒めた。料理店は繁盛した。

A子が残した毛はヘア・アイロンでストレートにし、かつらとして売りだした。イエス・キリストに万引きされた。

あの事故の原因はA子の逞しい毛と、あたしのヒョロ毛のバランスの悪さだった。

あたしは今でもA子のことを愛している。「愛してるよA子。」「あたしもよ。」フライパンの中でA子は言った。

柳田：以上、全国ニュースでした。　引き続きスタジオから柳田がお送りします。
　　　続いては県内で活躍する人々を紹介する中継のコーナーです。　中継先に黒沢さんがいます。　黒沢さーん？

黒沢：はーいこんばんは。　今日は粘土を用いた作品を作り続ける芸術家、吉野さんの工房を取材しようと思います。
　　　何でも吉野さんは１０年前からここの工房で作品の制作に打ち込んでいるそうで、
　　　そのストイックな創作活動から生み出される作品はなんというかその、えーと、まあその…多分なんかすごいです！
　　　私たちも一体吉野さんがどういった方なのか本当に楽しみです。　早速工房に入っていきましょう。

柳田：なるほど。　若干黒沢さんの感想がふわっとしてましたが大丈夫でしょうか？　「多分なんかすごい」とか言ってましたけど。

黒沢：それでは失礼します。　いやぁ、それにしてもいきなり素晴らしい作品の数々が目に飛び込んできました！
　　　本物と同じ大きさで精巧に作られた生き物の作品が所狭しと並んでおります！　本物と見まがうくらいの迫力です！
　　　ここにあるのが北海道の銅像でも知られるクラーク博士の粘土像、そしてこちらは…ゴリラの像ですね！
　　　そしてこちらは…「タンスの角に足をぶつけた人」の像ですね。　こういったユニークな作品も作っているようです。
　　　というわけで吉野さん、ちなみにこの作品を作るのにどのくらいの期間を費やしたか教えていただけますか？　あれ？　吉野さん？？

柳田：ん？　えーと…黒沢さーん、恐らくあなたがマイク向けてるのは吉野さんじゃなくて吉野さんが作ったゴリラの像じゃないでしょうか。
　　　吉野さんという方がそんなにゴリラに似てらっしゃるとは思えないんですけども。

黒沢：え？　・・あっすいません！　あまりの完成度の高さについ顔を間違ってしまいました！
　　　それほど精巧に作られた作品の数々ということですよね？　ね、吉野さん？　あれ、聞こえますか？　僕のこと無視ですか？

柳田：今マイク向けてるのも吉野さんじゃないと思いますよ。　多分それは吉野さんが作ったクラーク博士の像じゃないでしょうか？
　　　恐らく僕の予想では吉野さんそんな遠くを指さしてないと思うんですけども。
　　　黒沢さんマイク一旦降ろして下さい！　マイク強く当てすぎてクラーク博士の鼻にめりこんじゃってるんで！　粘土がめりこんでますよ！
　　　あのー黒沢さん、吉野さんが見当たらないのであれば一度マイクを使わず呼びかけてみたらいかかでしょうか？

黒沢：はっ、これまた失礼致しました。　暗くてわからなくて…それでは一度、マイクを向けずにここから質問させていただきます。
　　　吉野さんはここ１０年この工房にこもって作品を作り続けているそうですね？
　　　…ほう、なるほど、「日々納得のいく作品を作ろうと粘土をこねている」といったことを工房のどこかから吉野さんがおっしゃっています。

柳田：どこかからとか言わなくていいですよ。　元はといえば黒沢さんが顔間違えるのがいけないんですから。
　　　まあとにかく、そういった吉野さんの情熱があってこそ素晴らしい作品ができるんでしょうね。　黒沢さん、くれぐれも失礼の無いよう続けて下さい。

黒沢：はい。　あ、吉野さんここにいらっしゃいましたよ！　やっと見つけられました！
　　　よろしくお願いしますね。　ただお顔をよく拝見しますととても野性的な顔をしてらっしゃいますね。　なんだかゴリラのような…

柳田：だから今まじまじと見てんのもさっき間違えたゴリラですよ！　何回間違えるんですか！
　　　いくらなんでも人とゴリラくらい区別つくでしょ！　声のする方向でなんとなく気付いて下さいよ！

黒沢：すいません！　ちょっと工房が暗くてね、それでわからなくなってますね！

柳田：だとしても間違えすぎですよ！　このままじゃらちがあかないですから、吉野さんに直接向かってもらいましょう。
　　　吉野さんに黒沢さんの肩をポンと叩いてもらって、それでちゃんとインタビュー始めましょう。

黒沢：すいません、粘土触った手で触られるのは衛生的にちょっと…

柳田：黙れ！　あなたが全然吉野さんにインタビューできてないのが悪いんでしょうが！
　　　ずっと待ってるのにゴリラと勘違いされて不衛生扱いされた吉野さんの気持ちを考えなさいよ！

黒沢：いやぁ〜、それにしてもこうしたところに来ると自分も創作意欲というものが出てきますね。

柳田：強引に進めるのやめて下さい！　黒沢さんあなたまだ粘土と人間の区別もついてないんですよ！　創作とか百年早いですよ！

黒沢：という訳でここにあるクラーク博士の像とさっきのゴリラのガラクタ、いや作品を組み合わせて一つの新たな作品にしてみましょうか
　　　クラーク博士のピンと伸びた指をゴリラの鼻に入れて「少年の幼さとの決別」を表現したいと思います

柳田：今しれっとガラクタ呼ばわりしましたよね！？　いいかげんにして下さいよ！？
　　　そんであなたの作品ひどくないですか！？　なんでクラーク博士がゴリラの鼻に指つっこむのが幼さとの決別なんでしょうか！　
　　　「少年」はまだわかりますよ！　クラーク博士の名言からとったんでしょう！　でもそれ以外何もわかりませんけど！

黒沢：柳田さん落ち着いて下さい！　それじゃちょっと今からクラーク移動させますんで　（ぐさっ　「痛っ！」）

柳田：吉野さんに当たってますよ！　あなた今クラーク博士の指で吉野さんに目つぶししましたよ！　今あなたがゴリラの鼻に突っ込んでるその指で！
　　　なんでこういう時だけピンポイントに吉野さんに命中させるんですか！　確信犯ですか！？
　　　とりあえず今痛そうな顔してるのが吉野さんですから早く謝って下さい！

黒沢：あっ！　すいません先生！　非常に痛そうな顔をしてらっしゃいます！

柳田：それも吉野さんの作品だよ！　最初に紹介してた「タンスに足の小指ぶつけた人」の像だよそれ！　どれだけ見間違うんだ！
　　　吉野さん誠に申し訳ございません！　黒沢さんもちゃんと謝って！　ほら、奥さんに手当てしてもらってる人が吉野さんだから！

黒沢：はい！　本当に申し訳ございません！　…あ、これはこれは！　なんとここに等身大のメスゴリラ像がありますよ！

柳田：それが奥さんだよ！　もうお前番組クビ！！

神主：それでは、お祓いを始めます。集中して下さい。

薄幸：は、はい・・・。

神主：お〜は〜ら〜い〜は〜じ〜め〜る〜け〜れ〜ど〜もおおおぉぉぉ
　　　たった〜の〜さ〜ん〜ぜ〜ん〜え〜ん〜でえええぇぇぇ
　　　ど〜う〜に〜か〜な〜る〜か〜と〜お〜もって〜い〜る〜の〜かあああぉぉぉばかやろう。

薄幸：・・・・・・はい？

神主：あっ今集中途切れたでしょ、はい？とか言っちゃったでしょ！？
　　　困るんですよねぇ、そんな風にこちらの指示を無視する人に限って、効果が無かっただのって文句を付けてくるんですよねぇ。

薄幸：あ・・・す、すみませんでした。

神主：ったく・・・続きを行います。集中して下さい。
　　　だ〜い〜た〜い〜わ〜た〜し〜の〜せ〜ん〜も〜ん〜は〜じょ〜れ〜い〜な〜の〜にいいいぃぃぃ
　　　う〜ん〜せ〜い〜アッ〜プ〜を〜お〜ね〜が〜い〜し〜ま〜す〜て〜ど〜う〜し〜ろ〜とおおおぉぉぉ
　　　う〜ら〜な〜い〜し〜に〜き〜けえええぇぇぇこのばかやろう、超ばかやろう。

薄幸：えっ・・・。てかさっきもだけど、馬鹿野郎ってはっきりと聞こえた気が・・・。

神主：ほらまた！また集中途切れた！こんなんじゃ今まで祓ってきた厄が全てあなたに振りかかりますよ！というか振りかかりました！
　　　一度祓い終わった厄を再び祓う、というのはある程度の精神力を必要とするんですよ？
　　　この日本の神主の中でそれが出来ないのは私くらいです。

薄幸：あなただけ！？あなただけは出来ないの！？ある程度の精神力でいいはずなのに！
　　　てか待って、設定がおかしい！私に全ての厄が振りかかるって最早悪意！

神主：今まで私が祓ってきた厄は、適当に色んな神様に助けを求めていたら偶然に祓えたものばかりであり、故にどんな祝詞を言えば良いのか分かりません。
　　　いつも邪念があるままでお祓いしてきましたし。今日はアブノーマルなセックスについて考えながらやってました。

薄幸：うげえええ頭の中は性欲で、口からは金銭欲かよこの神主！！

神主：ちょっと待ちなさい、なんです金銭欲って。今日の祝詞はシヴァ神への願い、という内容だったのですが。
　　　日本語としては確かにお金がああだこうだとは聞こえたかも知れませんが、勘違いしないでください。

薄幸：だから勘違い野郎はあんただって！！なんでインドの女神に助け求めてんの！！
　　　八百万の神様がいるって言われてるこの日本で、どうしてインドまで行っちゃったの！？

神主：シヴァった、それもそうだなハッハッハ。

薄幸：激寒すぎて、そもそもシヴァ神は破壊神だぞ、ってことはどうでもよくなった。
　　　それでは破壊神様に、私に憑いてしまった厄などを破壊するように言えば良かったんじゃないですか？

神主：肩幅の倍程度に脚を開いて、そのまましゃがむようにお願いしていたので無理です。
　　　ちなみに私はパンツをおろした状態で、シヴァの脚の間に仰向けで寝ます。
　　　アブノーマルって言った割に、そうでもない点は謝ります。

薄幸：謝れ、全てに謝れ！！シヴァって慣れ慣れしく呼ぶな！
　　　ああもう、せっかくお祓いに来たってのに、かえって不吉になったわチクショウ！！

神主：まあ私に依頼したのが運の尽き、ってやつですかねハッハッハ。
　　　そして私はシヴァを突く！！！！！

薄幸：シヴァ神よ、こいつを破壊してください。

丘山:　突然なんだけど、たまに夕方のニュース番組の企画で、『探偵の仕事に密着』とかやってるじゃん？
　　　 あーいう『探偵の仕事に密着』とか『ストーカーの恐怖』みたいなの見ると、プロの尾行や撮影の技術はすごいなって思うね。

藤滝:　変なのと並べるなよ！確かにそっちも凄そうだけど。
　　　 でもまぁ俺も見たことあるけど、探偵の技術とか、使う機材の小ささは驚くよね。

丘山:　俺再現したいから、藤滝はちょっと
　　　 『何も知らず妻に浮気されてた悲しい男』やって。いつも通りでいいから。

藤滝:　『いつも通りでいいから』じゃねーよ！浮気する側だこっちは。悲しい男はバリバリの演技でやってやるよ！
　　　 …
　　　 …
　　　 …妻の尾行をした結果は、どうでしたか？

丘山:　旦那さん、こちらへどうぞ。…まずはこの写真を見てください。
　　　 奥さんが男と手を握って歩いているところを撮影しました。タイトルは『不適切な関係』。

藤滝:　タイトルとかいらないです。こっちにそんな余裕無いんで。

丘山:　しかも見てください。
　　　 握った２人の手に重なるように、謎の青白い３本目の手が…。

藤滝:　なんで心霊写真撮れちゃってんですか!?よりによってこの大事な場面で。

丘山:　続いて、相手の男の家に入っていくところを撮影しました。
　　　 写真のココを見てください。円盤状の謎の飛行物体が。

藤滝:　ＵＦＯ撮れてんじゃねーか!?呼び寄せますね！
　　　 凄いですけどソッチはどうでもいいんです。妻の動向を聞きたいんです。　　　 

丘山:　最後に、これを見てください。
　　　 奥さんがバスルームでシャワーを浴びている姿、私バッチリ激写しました。

藤滝:　なんでこんなもの撮れてんの!?これ完全に中入らなきゃ撮れないよね!?

丘山:　シャワーにたくさん開いてる穴の１つに隠しカメラを仕掛けました。

藤滝:　どんな仕掛け方だよ!?どこに向かうか分からないのになんで先回り出来てんだよ!?

丘山:　しかも見てください。
　　　 奥さんの体を隠すかのように無数の青白い手がうじゃうじゃと。

藤滝:　なんで手の本数増えてんだよ!?心霊写真の中でもレベル高そうなモンになってんじゃねーか！
　　　 もうこれうちの妻ヤバいだろ!?

丘山:　これ知り合いのお坊さんに見せてみたら、こう言ってました。
　　　 「誰このブサイク？」

藤滝:　心霊に触れろ！誰の嫁がブサイクだ!?

丘山:　ついでに知り合いの催眠術師に見せてみたらこう言ってました。
　　　 「霊とか俺ジャンル違うし。」

藤滝:　でしょうね！一瞬そっちもいけるのかなと思ったけどやっぱ全然違うよね!?
　　　 
丘山:　ついでに知り合いのＵＦＯ研究家に見せてみたらこう言ってました。
　　　 「霊とか俺ジャンル違うし。」

藤滝:　見せる方の写真違うだろーが！ソイツ向きのやつあったろ！で交友関係広いなお前！
　　 　ていうかなんなんだよコレ!?全然探偵らしさ出てないし挙句の果てには急に風呂撮影してたり無茶苦茶じゃねーか！

丘山:　いやストーカーは時にこういう無茶苦茶なことをしてくるもんだろ。

藤滝:　ストーカーの方やってたのかよ！もういいよ。

トキ：子どもの情操教育には昔話が良いよね？だからアタシが考えた昔話を披露したいと思うの。

　　　「桃太郎」

レナ：自分で考えてないんだったら昔話って言わないよ。もうみんな知ってるからわざわざ言わなくても良いよね？

トキ：チッチッチ！そんじょそこらの桃太郎と一緒にしちゃダメだよ！

　　　「昔々あるところに北川悠仁と岩沢厚治がいました。」

レナ：おじいさんおばあさんポジションゆず！？ベタな感じはしなくなったけど絶対昔じゃないよね！？

トキ：「そんなある日、悠仁はソープランドで命の洗濯をしにマスコミやファンにバレない様にサングラスにニット帽で誰か分からないように隠しながら伊勢佐木町へ、

　　　　厚治はマスコミやファンから特に注目もされないので普通の格好で近所のコンビニにアルバイトへ行きました。」

レナ：コンビ間の扱いの差！！そんで早速情操教育に悪い言葉が出てる！！

トキ：「悠仁が伊勢佐木町でどの店が良さそうかウロウロしていると、赤子を連れた女が近付いてきて。

　　　　女：結婚するんだって？フン。あんだけ散々弄んで…。あの頃は毎晩毎晩アタシとヨロシクしてたくせに。

　　　　　　あっ、この子？アタシ達の子どもよ。私も結婚するんだけどこの子邪魔だからあんた育ててよね。そんじゃ。

　　　　しかし、悠仁は高島彩と結婚するのにこの赤ちゃんは邪魔だったりマスコミやファンの追及を恐れた為、暇そうな厚治に半ば強引に押し付けました。」

レナ：何この昼ドラ的な！？キチンと男の責任を果たしなよ！！そんで厚治も影薄いけど忙しいよ！

トキ：「厚治は幾らかお金を貰い、更に毎月養育費を払ってもらう事を約束した為赤ちゃんを育てる事にしました。

　　　　厚治：そういや名前決めなきゃな…。悠仁が昔付き合ってたあの女の名前は確かモモコだったな…。桃太郎で良いか。」

レナ：厚治は厚治でもう！！桃太郎にしなきゃいけないのは分かるけどそんな投げやりな決め方良くないよ！！

トキ：「そんなこんなで厚治からは厚い愛情を、その間に無事入籍したにも関わらず未だに出て行かない悠仁夫妻からは腫れ物を触るような扱いを受けすくすくと育った桃太郎。」

レナ：絶対性格歪んで育ってそう！！んで悠仁は入籍したなら出て行きなよ！！

トキ：「そんな桃太郎は大きくなって鬼退治をすることになりました。

　　　　桃太郎は世界陸上でやたらテンションの高い実況やら主演したドラマの主題歌を微妙な歌唱力にいい加減我慢できなくなったのです。」

レナ：それ織田！！織田裕二！！織田と鬼って一字違いだけども！何か八つ当たり臭い動機っ！

　　　まあ現代社会に鬼がいるのか甚だ疑問だけどさ。それより悠仁夫妻退治した方が早い気がする。

トキ：「桃太郎は悠仁夫妻に半ば追い出される感じで鬼退治に出掛けました。

　　　長い長い下り坂を通ると、駐車場に犬と雉がいたので仲間にしました。」

レナ：なんか「夏色」っぽい！！猫じゃないのが惜しいし手抜き臭いしっ！！どうでもいいけど猿はどうしたの？

トキ：「猿は幾ら探しても見つからないので、家を追い出されて途方に暮れていた厚治で妥協しました。」

レナ：確かに厚治って意外と猿顔だけど！！悠仁夫妻に家乗っ取られてんじゃん！！

トキ：「そして伊勢佐木町でどの店が良さそうかウロウロしてる織田裕二を発見しました。」

レナ：伊勢佐木町での芸能人の遭遇率高いな！！何か知らないけど切ないからそっとしといてあげなよ！！

トキ：「奢ってくれるって言うのでご相伴に与る桃太郎と厚治。」

レナ：退治はどうしたっ！！こんなもん教育関係者から苦情が来るわ！！もういいよ！

生原：南条先輩！川村先輩から聞きましたよ……野球部やめるってホントなんですか……！？
　　　なんでですか、南条先輩は都立大豆高校野球部になくてはならない存在なんですよ！？
　　　考え直してください、野球部に、野球部に戻ってきてください！！

南条：…………いや…………………誰だよお前……………。
　　　びっくりしたよ、呼び止められて振り返ったら知らない人がいるんだもん。
　　　誰だよお前……怖いよ、全く記憶に無い人がすげぇまくしたててくるよ……。

生原：県立空豆中学２年３組、演劇部員の生原です。

南条：想像を絶するほど関係ない人じゃねぇか。ていうか空豆中学って千葉じゃねえか。
　　　百歩譲って同じ高校なら誰でもいいけど、知らない中学の演劇部員に止められるいわれはねぇよ。

生原：やめないでください、先輩がいなくなったら僕は誰の背中を追いかければいいんですか！

南条：知らねえよ。少なくともお前が追いかけるべき背中は俺のじゃねえよ。
　　　お前は演劇部の先輩の背中追いかけてろよ。背筋伸ばしてあえいうえおあお言ってろよ。

生原：だいたい、何で急にやめるなんて言うんですか、先輩が誰よりも野球を愛してたこと知ってますよ！？

南条：何で知ってんだよ。何で千葉の謎の中学生が東京の俺の野球への愛情知ってんだよ。

生原：毎朝誰よりも早く来て走り込みしたり、誰よりも遅くまで残って投球練習したり！
　　　女子生徒に告白されても「今は野球のことしか考えられない」って言ってフるほど野球を愛していたの知ってますよ！？

南条：何で知ってんだよ。何で無関係のお前が俺の秘密特訓知ってんだよ。
　　　てか、告白されたことは誰にも言ってないし、ましてや場所は密室の用具倉庫だぞ。
　　　何で知ってんだよ、え、監視カメラ的な？後で後輩に徹底捜索させよう。

生原：やっぱり家庭環境が原因なんですか！？
　　　先輩のお父さんがリストラされて心労で入院してしまったことが原因なんですか！？

南条：何で知ってんだよ。何で俺の家庭環境の不和まで知り尽くしてんだよ。
　　　部活動はともかくプライベートまで知られてるとなるといよいよ鳥肌立ってきたぞ。
　　　まさか家にもカメラ的な？後で弟をポテチで釣って徹底捜索させよう。

生原：お金が足りないんですね！？だったら部員全員でカンパします！

南条：やめてくれよ。知らない演劇部の皆さんからお金貰えねぇよ。

生原：カズヤも、ぷーちゃんも、ヨーロッパ先輩も、ホテルニューオータニ副部長もきっと協力してくれます！！

南条：すげぇ、全員知らねえ。特にホテルニューオータニ副部長が全くイメージ出来ねぇ。
　　　ていうかお前の演劇部は何故そこまで俺に対する援助を惜しまねえんだ。
　　　俺、補欠のピッチャーだぜ？野球部にとって全然なくてはならなくない存在だぜ？

生原：とにかくやめないでください、川村先輩もやめないでって言ってました！

南条：川村先輩って誰なんだよ。冒頭からずーっと気になってたよ。
　　　ウチの野球部に川村いねぇし、そもそもウチの学校に川村いねぇよ。
　　　お前に情報をリークしたその川村とやらは一体全体何物なんだよ。

生原：川村先輩はオックスフォード大学３年生です。

南条：お前以上に無関係じゃねぇか。まさか海越えを果たすとはな。
　　　何で東京の俺の情報がアメリカを経由して千葉に伝わってんだよ、何だこのネットワーク。

生原：川村先輩のスリーサイズは８６・５８・８５です。

南条：川村先輩の情報を俺にリークすんな。ていうか川村先輩女だったのかよ。
　　　知らない奴に情報知られてるだけでも怖いのに、知らない人の情報知るのはなお怖いよ。
　　　わかったよ、野球部やめないから帰ってくれよ。これ以上お前と話してるとどうにかなっちゃうよ。

生原：本当ですか！？良かった、川村先輩も天上天下唯我独尊部長も喜びます！
　　　それじゃあ僕は帰りますね！あ、今度南条先輩をモデルにした演劇やるんで見に来てくださいね！
　　　あとお風呂の電球切れそうなんで早めに取り替えた方がいいですよ！それじゃ失礼します！（タッタッタッ……）

南条：……………。

　　　………よし、転校しよう。

のび太：ドラえも〜ん！ジャイアンにいじめられたよ〜！！なんか道具出してよ〜！！



　ドラ：のび太くん…………


　　　　……ボク、もう、秘密道具が出ない体になったんだ………。



のび太：ご、ごめん……。


　　　　保障期間、過ぎたんだったね……。











しずか：ふふんふ〜ん♪


のび太：（ガチャッ）……あっ、しずかちゃん！！


しずか：……キャーッ！！


　　　　のび太さんの　人　で　な　し　！！





のび太：ご、ごめん……


　　　　水道、止められているんだね………











しずか：うわあ、こんな難しい問題を解いちゃうなんて！出来杉くんすごーい！


出来杉：でも、お金が無いから、大学いけないんだよね……


しずか：ご、ごめんなさい……



　　　　世の中って……不条理なのね………









のび太：ドラえも〜ん！またジャイアンにいじめられたよ〜！！なんか道具出してよ〜！！


ドラえもん：……グワァッ………ギャアッ………！！（バタッ）


のび太：ドラえもんっ……！！死んでる……


　　　　僕が、磁気ネックレスをしていたばっかりに……


















のび太『この頃までは、僕らはまだ平和だった。


　　　　それなのに。それなのに…………！！』
















　先生：野比！また宿題忘れたのか！！


　　　　……もともとは廊下だった場所に、立ってろ！！






のび太：（立たされながら）この辺に、校舎があったんだよね……


　　　　 ………あの戦争が起こるまでは……。









ドラえもん：あぁ、どら焼き食べたいなぁ……。


　　　　　　……はは、どら焼きなんて、もう食べられるわけ、ないｎ(ここで充電が切れる)











スネ夫：新しいラジコン買ってもらったよ、いいだろー！！


　　　　……もう、自慢する友達も、いないけどね…………















全員：NO MORE WAR。あの惨劇を、二度と繰り返さない為に。





ジャイアン：We Are The World〜♪（ボエ〜）


　　　　　　We Are The Children〜♪（ボエ〜）


























のび太『この、歌声で、世界は…………！！』


（終）

木下：みなさん！地球が今危機に侵されています！
　　　生活の中で私たちはエネルギーを使い、地球を殺しているのです！
　　　皆さん、耳を澄ませば聞こえませんか生命の声が、地球の叫びが！

山田：いつもの様に学校へ向かう、いつもの様に見慣れた草原を歩くと
　　　汚れた川が目に留まる
　　　でも、そんな事などお構いなしに学校へ向かうのです

木下：そして、お昼時になり弁当箱を開ければその中には塩おにぎりがあるのです
　　　あなたは、生命に感謝することなくそれを口に運ぶ事でしょう
　　　そして塩と砂糖を間違えた事実に驚愕するのです！
　　　思わず噴き出したある意味粉雪ともいえる米粒の数々
　　　それをみたクラスメイトには不潔扱いを受ける事でしょう

山田：もう、お察しかもしれませんが僕たちは砂糖を許しません！
　　　奴が居たから太りゆく生命が現れ、糖尿病ゆく生命が現れるのです
　　　そして、料理下手ともいえる生命達が２択とは思えないほどに
　　　塩と砂糖を間違えゆくのです
　　　僕たちは砂糖を許しません！えげつない自然現象に悩まされればいいと思います
　
木下：まずは、こちらを買いましょう！「驚愕！砂糖の悪事50選」
　　　こちらには砂糖の行ってきた悪事が50個掲載されています
　　　おひとつ３１０円になって…いや、３００円です
　　　砂糖につられました、これも奴らの仕業なのです！

山田：第２章「砂糖が原因説急浮上！佐藤増加の謎に迫る！」
　　　では、今や日本で見ない日はない佐藤ですが
　　　その原因を砂糖とみて調査を行った結果が記されています
　　　直接的な因果関係は無いながらもどこかでつながりを持っている一族の末裔ではないか
　　　という結論で落ち付きました

木下：第８章「黒糖だったらいいじゃない」
　　　では、この本を書くにいたった塩と砂糖を間違えた件について
　　　黒糖なら大丈夫なんじゃないか？という疑問を解消するために
　　　黒糖と塩を並べて渋谷のＯＬを中心におにぎりを作ってもらった結果を載せています
　　　結論からいってしまえば誰一人として間違えませんでした。悔しかったので、最後は黒糖と砂糖で実験しました、やったったわ！

山田：第１４章「シュガーが無いんじゃシューガないな」
　　　は夜中のテンションで書いたので覚えてません！
　　　しかし砂糖に原因がある事でしょう
　　　畜生！ゆるさないぞ！笑っちゃうくらい余れ！各家庭で余れ！
　　　宇宙の果てまで余れ！
　　
木下：第１７章「でもコーヒーは砂糖なしには飲めない」
　　　は少なからずある砂糖の存在意義に関して述べています
　　　「悪事じゃねえじゃねえかよ〜、お前中卒か！」なんて言わないでくださいね
　　　えっ…誰が子供だよぉ！
　　　飲めねぇんだもんシューガないじゃないか！……はっ！くっそぉ！！許さん！許さんぞぉ！

山田：第２６章「ざわわざわわのあいつ」
　　　これはあいつに関して述べています
　　　ただ、あんまり書くことなかったので４行で終わってます

木下：第３４章「角砂糖の角に頭ぶつけた」
　　　では私の実体験をもとにした話を書いてます
　　　まぁ大事には至りませんでしたが、豆腐より痛い事は確かです
　　　遂に砂糖が直接攻撃に出てきました

山田：第４０章「坂東は『さとう』とも読むらしい」では
　　　坂東でおなじみ「坂東英二」と砂糖との因果関係について砂糖を世に広めるために生まれた特殊兵なのではないかとの説を検証したものです
　　　ですが、良く考えたら彼の名字は「板東」だった上に、ゆで卵に砂糖をかけたら美味しくないと言う事が分かり、疑いが晴れました
　　　彼もまた砂糖に踊らされたただの一般ピープルなのです

木下：第４６章「砂糖と死闘する須藤をセット（そっと）」
　　　これは言いたかっただけです
　　　なんか面白かったので言ってみたくなっただけです
　　　すべて！全てはあの砂糖のせいです！
　　　砂糖を恨み、砂糖をこの世から、排除いたしませんか！

山田：…ねぇ、警察来たんだけど
　　　あ、はいすいません。そうですよね、砂糖は何も悪くないです…
　　　えぇ、そうですね、ある種の宗教です…
　　　はい…それはすいません…服はちゃんと着ます
　　　いや、それは違うんですよ…僕たちただの変態なんです

木下：ごめんなさい…。なんですか…？あ、はい僕も同様に変態です…
　　　え？あぁ、すいません…僕の方がちょっと変態です…
　　　そうですね…はい、服は着たくないです…
　　　いや、その…服着るくらいなら捕まった方がましっていうかですね…

山田：はい、大人しく警察行きます

木下：はい、全裸で町を徘徊したいです

中村：はいどーも！1日ソ連です。よろしくお願いします！

山本：四字熟語ってあるじゃないですか。でもね四字で伝えられる内容の限界ってやっぱりあると思うんですよ。
　　　だから、あんなもん滅べばいい！！

中村：どうしました、急にたがが外れましたけど…
　　　でも確かにどう足掻いたってたかが四字ですから限界はあるでしょうよ。

山本：そこでね、八字熟語っていうのを考えてきたんですよ！

中村：八字にした所で限界はあるよ!?多少内容に深みは出るだろうけどさ。

山本：例えばものすごく一般的で平均的な人がそこに居ます。四字熟語で言うならなんて形容する？

中村：まあ、ストレートに「平々凡々」ですかね。

山本：それが八字熟語になると「平々々々凡々々々」って表現出来るんですよ！

中村：圧倒的情報量の無駄遣いだよ！八文字使っても四字の限界下回ってるからね！

山本：でも、語呂はいいでしょ？口ずさみたいでしょ？このリズムで8ビート叩きたいでしょ？

中村：語感だけでごり押しするんじゃないよ！そして一体そこまで平凡な人ってどんな人だよ！？

山本：体の48.8%が男性で残りの51.2%が女性。40%の血液はA型で30%がO型、20%がB型で…

中村：統計データの使い方を著しく取り違えてるな！！それじゃあ「平々凡々」って言うより「奇々怪々」だよ！

山本：確かに「奇々々々怪々々々」でしたね。

中村：余計なフィルターを通さなくていいんだよ！今回に関しては語呂も良くないし。

山本：なら、汚名返上。別の例を出しますよ。

中村：四字熟語使う事に抵抗は無かったん！？滅べばいいって言ったのはどの口だ！

山本：回りを敵に囲まれた。クッソ！どこを見ても敵しかいない！ こんな状況を四字熟語ならなんて形容します？

中村：まぁ、「四面楚歌」ですかね。

山本：それが八字熟語だと「上下左右前後楚歌」になるんですね。

中村：多少情景は思い浮かべやすくなったけど「六面楚歌」で良くない！？数を変えれば代用できたでしょ！

山本：そして、回りを敵に囲まれてまさに「上下左右前後楚歌」という「平々々々凡々々々」な人は
　　　体の5%が「正々々々堂々々々」と立ち向かう訳ですよ。

中村：「喧々々々囂々々々」！！！

二人：どうもありがとうございました！