おか:では、いよいよ後半戦に移りたいと思います。
あべ:さぁいきましょう、6組目はこのコンビの登場です。
「王座奪回なるか」
記念すべき第1回チャンピオンが今回も参戦、もちろん優勝候補の本命だ、
さぁMM−1史上初の、2度目の王座をかけて挑む!
エントリーNo.014 初代MM−1チャンピオン
パピーゲバ
「鼻毛」
杉本:いきなりやけど、鼻毛ってどうしてる?
島田:ホンマにいきなりやなあ。
まあ、ときどきチェックして、出てないようにはして……
杉本:あ、いや、ごめん。俺が鼻毛について語りたかっただけで、
でも、ひとりで語りだすのはなんかアレかな?思って
まあ、社交辞令的な感じで、鼻毛をどうしてるかって聞いただけで
正直なところ、お前の鼻毛には全く興味はないわ。
島田:ほな、聞くなや!!
杉本:…………。
島田:……え?なに?
杉本:いや、聞いてこいよ!!俺は鼻毛をどうしてるのか、聞いてきてくれよ!!
島田:お前、話ふられて答えようとしたら遮られるっていう仕打ちを受けて、
お前の鼻毛の話に興味を持てるか!!
杉本:うん、で、俺の鼻毛の話なんやけど、
島田:結局、自分で語りだしたな。
杉本:なんやろなあ……。奥が、深いなあ……。
島田:お前、鼻毛でなんでそんなしみじみした感じになれんねん。
杉本:で、お前に頼みがあんねんけど
……今度の週末、俺が鼻毛を抜くのに付き合ってくれへんかな?
島田:鼻毛抜くのに付き合うってなんやねん!!そんなもん一人でやれや!!
杉本:あかんねん!!もう鼻毛を抜いても刺激がないねん!!
島田:刺激は十分あるやろ!!鼻毛抜いたら痛いやないか!!
杉本:そういうことやないねん!!
あ、あれやで。別にタダで付き合ってくれって言うてないで?
島田:どういうことやねん。
杉本:10万までは出すわ。
島田:鼻毛抜くだけやのに、どこからそんな金が出てくんねん!!逆に怖いわ!!
杉本:だから、今週末、あのー、ホテルを事前に用意しとくから。
島田:なんで鼻毛を抜くのにホテルを予約すんねん!!
杉本:目隠しとかロープとかそういうのはこっちで用意するから。
島田:待て待て待て!!なんで鼻毛を抜くのに目隠しやロープが出てくんねん!!
杉本:お前が、ホテルのドアをガチャっと開けて入ってくるわな。
そしたら、俺は裸で床に正座して待ってるから。
島田:なんで裸になる必要があんねん!!服を着ろ服を!!
杉本:じゃあ……スクール水着を着とくわ!
胸のとこに3−Cみたいなゼッケン貼ってあって。
島田:それ、完全に女子のスクール水着やないか!!
杉本:水着の下にサポーターをつけてないから、乳首の形がくっきり出てるわ。
島田:知らんわボケ!!
杉本:で、お前は部屋に入ってきたら、俺を椅子に縛り付けてくれたらええわ。
島田:待ってくれ!!……鼻毛を抜くんやんな!?
杉本:あー。目隠しも持ってきては置くけど、
お前には俺の表情を堪能して欲しいから、ここは目隠しはナシでいこう!!
島田:どういうことやねん!!お前の表情の何を楽しむねん俺は!!
杉本:で、椅子に縛りつけられて自由を奪われた俺は、
上半身を必死にぐわんぐわん揺らしながら、
「やめろぉーッ!!やめてくれぇーッ!!クソ!!離せぇーッ!!何をするんだッ!!」
って、必死に叫ぶから
島田:お前が縛らせとるんちゃうんかい!!
「何をするんだッ!!」ってこっちのセリフや!!
杉本:お前は、ピンセットをカチカチ鳴らしながら。
「これが見えるか……。これで今からお前の鼻毛を抜いてやる……」
って言うわけや!!
島田:俺のセリフまで決まってるんかい!!絶対言うか!!
杉本:それを聞いて俺はやな!
「クソーッ!!そんなことさせてたまるかあッ!!」
って口では抵抗してるんやけども、
鼻の穴はグッワーっと開いて、受け入れ態勢万全なわけや!!な?な?
島田:気持ち悪いねんて!!お前の妄想も気持ち悪いし、
そもそも、今お前の目に一点の曇りも無いのが凄い気持ち悪いわ!!
杉本:お前は片手にピンセット、
片手にビデオカメラで俺にじわじわと近づいてくんねん!!
島田:その様子をビデオに撮るんかい!!
杉本:心配せんでも、お前にもダビングしたヤツ郵送するから。
島田:いや、いらんわ!!
杉本:で!お前はピンセットを俺の鼻の穴に入れるわな!
もう、その頃には俺の鼻の穴はヒクヒクするのが止まらへん状態やわ!
で!お前は!鼻毛を抜くと見せかけて、抜くことなくピンセットを手離すねん!!
島田:はよ終わらせろや!!さっさと抜いたらええやないか!!
杉本:お前は叫ぶわけや!!
「おあずけだよッ!!」
もう、俺は狂ったような声で
「きえええええええッ!!抜いてください!!鼻毛を、鼻毛を抜いてください!!」
ホテルの隣室にまで聞こえるような声や!!
島田:やめてくれや!!周りから頭おかしいヤツがおると思われるわ!!
杉本:で!お前はロープを解いて俺の手を自由にさせるねん!そして言うわけや!
「そんなに抜きたきゃ、自分で抜きな!」
島田:俺はそのセリフを今すぐ言いたいわ!!一人で勝手に鼻毛抜いとけや!!
杉本:そのセリフを聞いて俺は悔し涙や!!
お前の命令に逆らえない自分への悔しさやな!!
そして……俺は自分の鼻毛を……抜いてしまうわけや……。
島田:なんか、お前にかけてやる言葉がないわ……。
杉本:「なはああああああっ!!」って俺は心の奥から叫ぶよ!!
もうフロントにまで届くような声や!!
島田:声でかいねん!!なんかあったと思って従業員が飛んでくるやないか!!
もし従業員に部屋に入ってこられたら、俺はどう対処したらええねん!!
杉本:俺はついに鼻毛を抜くんや!!鼻毛の抜ける音が部屋中に鳴り響くねん!!
ブチブチブチブチブチブチブチブチーーーーーッ!!
島田:鼻毛抜きすぎやッ!!いっぺんにナンボほど抜いとんねん!!
杉本:鼻毛を抜いたその瞬間、俺は最高の顔をするよ!!
それを、お前はカメラでバシャバシャバシャ!!って撮って欲しいねん!!
シャッターチャンスを逃すなよ!!同じ顔は二度と出来ひんねんからな!!
もう、あれや。俺の身体に霧吹きで水をふぁーって掛けてくれ!!
島田:どういうことやねん!!
杉本:俺が生涯で見せる最高の笑顔に、
水滴の持つみずみずしさという最高のエッセンスを足すことによって
より作品としての完成度の高さを生み出すことが出来るんやないか!!
島田:気持ち悪いねん!!
杉本:……アカン、興奮し過ぎて鼻毛伸びてきた。
島田:どんな体質やねん!!
杉本:まだ終わりやないで!!
お前は、俺に自分自身の手で鼻毛を抜かさせるという
屈辱的な行為を強要させただけでは飽き足らへんねん!!
島田:とっくに飽きとるっちゅーねん!!
っつーか自分で自分の鼻毛を抜くのは普通やないか!!
杉本:お前は電動の鼻毛カッターを俺の鼻に押し込んで、
あろうことか、その格好で街中に出るように命令すんねん!!
俺は必死で抵抗するよ!!
「出来ません!!そんなこと!!」
島田:じゃあ、やるなや!!
杉本:でも俺はお前の命令には逆らえへんねん。
鼻毛カッターを鼻に差して、
顔見知りの多い商店街で買い物をするように命令された俺は従うしかないわけや。
俺はギリギリのミニスカにノーパンの姿で商店街に出向くわけや。
島田:ミニスカとノーパンはなんの意味があんねん!!
杉本:俺はバレへんように、必死に表情を取り繕うわけやけど、
行き交う人々はなんかあの人おかしいな?って目で見やがるねん!!
島田:そら思うわッ!!ミニスカ履いて鼻には鼻毛カッターやろうが!!
杉本:で!俺が懇意にしてる八百屋さんでや!
マンションの屋上から双眼鏡で様子を見てたお前が無線で俺に指示するねん!
「鼻毛カッターのスイッチを入れろ」
俺の顔は、血の気が引いて青ざめるわけや!!
「出来ません!それだけは許してください!」
って叫びたいねんけど、無線からの指示や!!目の前にいる八百屋の主人からしたら
そんなこと急に叫びだしたら、こいつ頭おかしいって思われるやんか!!
島田:既にみんなお前の頭がおかしいって思ってるよ!!
杉本:俺は、お前の命令に逆らえない自分自身に悔し涙を流しながら、
鼻毛カッターのスイッチ……入れてしまうわけや……。
島田:もうええねん!!悔し涙!!
杉本:ブルルルルーン!!鼻の中で震える電動鼻毛カッター!!
俺は、必死で耐えるんやけど限界に達してしまうんや!!
「お母さあああああああああんッ!!」
島田:お前はどこまでアホやねん!!
杉本:俺はもう気絶や!バターン倒れて、ミニスカートもベッローンや!
島田:下半身丸出しやないかッ!!お前ノーパンちゃうんかッ!!
杉本:……まあ、ここまでを1サイクルとして、
今度は全く同じ状況をお前に体験してもらいたいんやけど
島田:絶対に断るわッ!!ええ加減にせえッ!!
二人:ありがとうございました。
(終)
あべ:ありがとうございました!
おか:大熱演を見せてくれましたね・・・ では審査員のみなさんの感想はどうだったでしょうか?
銀沙灘:すっごい・・・・・鼻毛抜くだけでここまで話が膨らむとは・・・・・。
脱帽ものです。
槍沢:ゲバさんにしては設定やボケの捻りが弱いなと思っていましたが、徐々にアブノーマルに狂っていくのが面白くてずっと笑いっぱなしでした。
細かいシチュエーションまで作りこんでいるのははさすがです。
大爆発するところはないけれど、全体的に高いところを保ったままで面白かったです。
ケース:単純にこの作品が好きか嫌いかと聞かれると、そんなに好きな作品というわけではないです。はまる人はかなりはまるんだろうけど。
ただ、その土台となるところで他の作品を何歩かリードしているので、読んでもそんなに不快には感じなかったですね。
牧原:前半は結構普通かな、と感じたのですが、中盤で凄く引き込まれたんですよね。
でも終盤で、読み手の私の方が息切れしちゃいました。テンションをはいの部分に一定にキープし続けることも素晴らしい技法だとは思いますけどね。
おか:ありがとうございました。では最後はゆーたさんお願いします。
ゆーた:バカなんじゃねえかお前は。1回病院で脳を見てもらったほうがいいです。
ツッコミでもう1歩踏み込んで欲しい部分何箇所かあったんで満点はつけませんが、もうこれは凄い。びっくりしました。
下っぽい部分を周りがどう評価してるかわかんないですけど、これはもう限りなく完璧に近い流れだったと僕は評価します。
あべ:ありがとうございました。
おか:お〜、「完璧に近い」という言葉が審査委員長の口から出ました。
あべ:果たしてどんな点数が出るのか、楽しみですね。では続いては、7組目の登場です。
「念願叶うか」
第1回では優勝候補に挙げられながら5位、第2回ではまさかの準決勝敗退、
その悔しさを乗り越えて2大会ぶりの決勝進出! 目指すはもちろん優勝のみ!
エントリーNo.030 愛と平和と中毒症状
シンナーズ
「どうぶつもりのかくれんぼ」
山上:いきなりで悪いけど僕ね、最近思うんだ。子供たちの本離れが進んでるなあって。
香川:お、確かにな。幼児期に親と子供とのコミュニケーションで「絵本を読んであげる」ってケースが少なくなって来てるみたいだぜ。
山上:最近は共働きも多いしね。それにさ、絵本ってぶっちゃけ下らないじゃない。
香川:また随分不穏な事言うなお前!?全国の絵本作家を否定してる事になるぞ!
山上:だからさ、親御さん達が「子供と一緒に読みたい!」って思うような新しい絵本を考えてきたんだ。
そう、ウサギやカエルや猿を人間に見立てて、葬式させたり相撲取らせたりする社会風刺に優れた鳥羽僧正覚猷な絵巻物をね!
香川:それ鳥獣戯画なんじゃねえの!?鳥羽僧正覚猷言っちゃってるし。絵巻物だし。
山上:・・・じゃあこの案却下ね。作者の鳥羽僧正覚猷は芝刈り機で処刑する。
香川:芝刈り機は首狩り機じゃねえから!処刑とかするなよ!
山上:それじゃ、自分で書いたほうの絵本を紹介するね。『どうぶつもり』って言うんだけど。
香川:へぇ、そっちの方が絶対にいいよ、まともな題名だし。それに、自分の力で描いたヤツなら尚更。
山上:ただ一番のネックは、これ見せた友達に「LSD飲んだ後に絵本書かないほうが良いよ」って言われた事かな。
香川:そこまで内容ヤバいの!?
山上:いやね。そうは言ってもこの本を売り出すために結構頑張ってるんだ。
宣伝にも力入れてるんだよ。芸能人を起用してコメント書かせたりして。
香川:へえ、結構やってんじゃん。
山上:それで、本の帯には『「どうぶつもり」ってどういうつもり!?吐き気がするほど時間の無駄!史上最低の映画でした! おすぎ』の文字。
香川:酷評じゃねえかよ!あとおすぎは分かってないみたいだけど映画じゃねえからな!?
山上:ちなみにお値段は70どんぐり。
香川:何だよ70「どんぐり」って!
山上:どうぶつもりの貨幣単位ね。ちなみに1どんぐりで現在15.7円。今少しどん高。
香川:為替交換も出来るの!?円安ドル高みたいにいうなよ!
山上:じゃあ早速「どうぶつもり」読みまーす。
えーと・・・『「キーッ!ふんづけてやるっ!」おすぎはウサギさんを何度も踏みつけまし・・・? あっ、途中からだ!
香川:ちょっと待て!おすぎが動物を虐待する話なの!?それどころか、なんでおすぎが関与してるんだ・・・。
山上:ゴメンゴメン、ビリビリ。
香川:だからって、おすぎが乱暴してるページ破ってんじゃねえよ!お話飛ぶだろ!
山上:それじゃあ気を取り直して読むね。
『ここはどうぶつもり。たくさんのどうぶつたちがあそんでいます。
「かくれんぼするものこの指とーまれ!」子リスちゃんがみんなで遊ぼうと元気良く人差し指をそらにあげます。』
香川:平和な出だしだねえ・・・。
山上:『ばきーん!人差し指が天井にぶつかってにぶい音がひびきます。
「今のプレイもう一度ご覧頂きましょう」「あー・・・完璧にあさっての方向に曲がっちゃってますねー」
「そうですね。コレは試合続行不可能でしょう」「そうですね。人差し指なんて一番デリケートな部分ですからね」
子リスちゃんはあまりに痛くて泣きだしてしまいました。』
香川:いや、途中の野球中継みたいなやり取りはなんなんだよ!・・・あとリスの手が届く天井ってどんだけ低いんだ。
山上:『もりのどうぶつ達が集まってきて子リスちゃんの指に止まります。』
香川:痛いから痛いから!子リスちゃんは試合続行不可の怪我だから!怪我人の患部に容赦なさすぎだから!
山上:『かくれんぼの始まりです。うさぎさんは木の影へ、おさるさんは木の上へ、子リスちゃんは病院へかくれました。』
香川:子リスの場合は怪我の治療なんだよ!
山上:『ひぐまくんは岩陰へ、アフリカぞうくんも岩陰へ、インドぞうくんも岩陰へ、シロナガスクジラくんも岩陰へかくれました。』
香川:何で巨大な生物が岩陰に集中するんだ!?あとシロナガスクジラは森にいちゃダメだろ!
・・・てゆーか、インド象とアフリカ象は総合して「ぞうくん」で良いんじゃねえの?
山上:ハァ・・・あのねぇ、これだから素人は困るんだ。アフリカ象とインド象とでは全然違うんだよ。
インド象は耳が小さいけどアフリカ象は耳が大きいし、インド象の体型はたる形でアフリカ象はくさび形だし。
香川:象マニアかお前!?どんなこだわりだよ。
山上:そしてインド象には鼻があって、アフリカ象には鼻がない・・・。
香川:あるだろ!あるだろ普通に!象から鼻取ったら使い物にならないからな!?
山上:あと心臓がなくて、骨がなくて、脳がなくて・・・。
香川:もはや生き物として成り立たねえじゃねえかよ!
山上:それで性格的にはちょっと無神経だけど、それ以外は血管が無いね。
香川:何巧い事言っちゃってるんだよ!
山上:『そして、もりのなかまはどんどんかくれます。ハチ公像さんは渋谷駅前へ隠れました。』
香川:いや、そいつ銅像だろ!確かに犬だし、場所が場所だけにしっかり溶け込んで違和感なくなるけど!
山上:『モアイ像さんは渋谷駅前へ隠れました。』
香川:もう出て行け!お前は森から出て行け!ハチ公までは許せたけど、さすがの俺もモアイ像は森の仲間とは認められねえよ!
山上:『おにのハイエナさんとワニさんとハゲタカさんとおすぎさんが舌なめずりをしながら待っています。』
香川:鬼が全部凶暴そうだよ!おすぎが特に!てゆーかやっぱりおすぎが登場する話なんだ・・・。
山上:『「はーち、きゅーう、じゅーう!もういいかーい!」「まーだだよ!」ハイエナさんとワニさんとハゲタカさんがさがしに行きます。』
香川:まだだっつってんだろ!食われる側にも耳を傾けてやれよ!
山上:『「はーち、きゅーう、じゅーう!もういいかしらー!?」「・・・・・・。」どうぶつたちはシカトを決め込みました。』
香川:嫌われてる!やっぱり人間は動物たちに相容れないんだな!
山上:『おすぎはもう探しても大丈夫とおもって、手始めに目の前の木をしらべだしました。』
・・・で、破れたページの後に・・・『ウサギさんはおほしさまになりました。』
香川:話飛んだ!?ココでさっきのおすぎの乱暴が入るのかよ!つーか、そんな近場に隠れてたんだ・・・。
山上:『何かのにおいをかぎつけて、ワニさんとハイエナさんとハゲタカさんがあつまってきました。』・・・ここから後は文章が塗り潰されてるね。
香川:あえて言わなくても何したか大体想像がつくよ!にしても、ちょくちょく話飛ぶなこの話・・・。
山上:あ、ちょっと読める。屍肉を・・・・・・喰ろうて・・・貪り・・・・・・しとったそうな?
香川:いいよ無理して読まなくても!あとなんでちょっと怪談みたいなんだよ。
山上:『それでね、私止めといた方がいい、止めといた方がいいって何度も言ったんだ。でもね、ワニさんもハイエナさんもハゲタカさんもは止めようとしなかった。
すると・・・何かなー、ガタガタガタ、ガタガタガタガタガタ。音がしたんだ。何の音だろうって思ったらウサギさんが頭だけ上げてこっち見てたんだ。
真っ赤な目で・・・。』
香川:何で完全に怪談話にシフトチェンジしちゃってるんだよ!稲川惇二みたいになってるし・・・。
山上:・・・で、全部ただ赤いだけのページが8ページ続くから飛ばして・・・。
香川:恐っ!表現恐っ!読んでもらった子供全員ここで絶対トラウマになるだろ!
山上:『ワニさんとハイエナさんとハゲタカさんはおほしさまになりました。』
香川:襲われたー!もう止めてくれ・・・!俺もうウサギに関わりたくない・・・!
山上:『さて、何事もなかったかのようにかくれんぼは続きます。』
香川:試合続行!?計4匹いなくなったよ!?
山上:『おすぎさんは色々な場所をさがしました。でも、なかなか見つかりません。
「キーッ!」なかなか見つからず、ひとりぼっちで悲しくなったおすぎさんはついに泣き出してしまいました。
そんな時・・・。』
香川:・・・てゆーか、全然可愛そうじゃねえな・・・。
山上:『「まったく使えねーなー、お前は。」「あ、あんたは・・・!!」木の影からピーコさんが姿を現しました。』
香川:出た真打ち!ピーコの出現は予期してたけど、まさかこんな悪そうになってるなんて・・・。
山上:『「キーッ!」「キーッ!」 一緒に探すなかまを見つけたおすぎさんは、とてもしあわせなきもちになりました。』
香川:共鳴!?
山上:『・・・いっぽう、そのころ子リスちゃんは・・・。
「おや・・・?何か揉めているようですね。一体医者は何をしているのでしょうか?」「これは治療と銘打って芝刈り機を売りつける算段ですね。」
「なるほど。それでカルテに『芝刈り機』ってドイツ語で書いてるんですね。」「はい。大竹婦長の話では涌井医師は最近マルチ商法に引っかかった
との事です。」
「そうですね。涌井医師の商売口上に期待しましょう。」
おいしゃさんにしょほうせんを書いてもらいました。』
香川:処方箋に芝刈り機が混ざってるよな!?あともしかして実況と解説者は子リスちゃんをつけ回してるのか・・・?
山上:『いっぽうそのころ岩陰では・・・。
「この芝刈り機超使えね?」「使える使える。ほら、アフリカぞう君の鼻もこの通り。」
なかなか現れないおにに、息を潜めて待っていました。』
香川:むしろ和気藹々としてるだろ!んでもってアフリカ象は芝刈り機で鼻をやられたのか・・・?
山上:『いっぽうそのころハチ公さんは・・・。
「たかし、ウチでは動物は飼えないのよ。」「嫌だ!僕が飼ってやるんだ!渋谷の駅前で寒そうにしてたんだ!ちゃんと世話するから僕が育てるんだ!」
かくれ場所をたかしくんのいえにかえていました。』
香川:見ないうちに新しいご主人が現れてる!
山上:『いっぽうそのころモアイさんは・・・。
「たかし、ウチでは石像は飼えないのよ。」「嫌だ!僕が飼ってやるんだ!渋谷の駅前でモアイってたんだ!ちゃんと世話するから僕が育てるんだ!」
かくれ場所をたかしくんのいえにかえていました。』
香川:たかし君もう見境ねえだろ!てゆーか、「モアイる」って何なんだ・・・。
山上:『いっぽうそのころ鳥羽僧正覚猷は・・・。
「もしかして、カエルとかウサギとか以外におすぎとピーコを描いたら面白くなるんじゃないか・・・?」
あたらしい挑戦をしていました。』
香川:何で鳥獣戯画の作者が今頃になって出てくるんだよ!あとおすピーはマイナスにしかならねえよ!
山上:『いっぽうそのころウサギさんは・・・。
「ずちゃ・・・ぬちゃ・・・べちゃ・・・ズルッ。・・・くちゃ・・・ぬちゃ・・・。」
いっぽうそのころ子リスちゃんは・・・。』
香川:ウサギが活動中だあああ!!
山上:『「いやー、いい買い物しましたね。」「そうですね。芝刈り機7台と洗濯機が5台ですからね。」
「ところで解説のあなただけにお教えしますが、誰かを紹介するだけで儲かる仕事があるんですが・・・。」「なるほど、それは面白そうですね。」』
香川:結局洗濯機まで買わされたのかよ!しかも実況解説もマルチやってるし・・・。
山上:『いっぽうそのころたかしくんのいえでは・・・。
「お散歩楽しいね!ハチ公、モアイ!」
4tトラックを運転しながらたかしくんとたのしい生活を送っていました。』
香川:やっぱり首に縄じゃ太刀打ちできないんだ!石像とか銅像だから!
山上:『いっぽうそのころおさるさんは・・・。
「俺特に目立った事してないからスポット当たらないんだよな・・・。」
自分の立場にとても不安になっていました。』
香川:いいんだよそれで!むしろ隠れる遊びだから目立つことしちゃダメなんだってばよ!
山上:『・・・そうして、おすぎさんとピーコさんはもりの友達をさがしました。でも、けっきょく一人もみつかりませんでした。』
香川:そっか・・・。真面目に隠れてたの一匹だけなのにな・・・。
山上:『そらがあかくなってきました。カラスさんがかあかあと鳴いています。おさるさんが猟銃で撃ち落されています。』
香川:一番真面目に隠れてたのに!
山上:『「結局誰も見つからなかったわね。」 おすぎさんはいいました。
「あぁ、そうだな。・・・ま、こんなもんかーっと。」 ピーコさんはそういうと、ごろんと芝生によこになりました。おすぎさんも、ごろんと芝生によ
こになりました。
そよそよと優しいかぜがふいています。ざわざわと草木が揺れています。
「・・・こんな風に子供のころ、二人で遊んでたわね。」おすぎさんはいいました。
「今じゃ二人とも仕事仕事で休む暇無かったしな。」ピーコさんはいいました。
・・・だれも見つかりませんでした。でもおすぎさんにはピーコさんがいます。ピーコさんにもおすぎさんがいます。
もう二人は一人じゃありません。もう二人ともさびしくなくなりました。
そうして二人は立ちあがると、二人は手を繋いでどうぶつもりを抜けてかえって行きました。・・・おしまい。』
香川:・・・・・・・・・って、何なんだよこの話はああああああ!!
山上:え!?な、何!?
香川:何じゃねえだろ!上手く落としてるつもりかもしれないけど、殆どが腑に落ちねえよ!
動物たちがおざなりになってるしよ!大体、おすピーとかモアイとかワケわかんないのまで参加してたし、大人も恐怖する展開になったりしたし!
しかもやっぱりおすピーが主人公だったのかよ!?ずうーっと主人公ヅラしてウロウロしてたけど!
・・・で?最後に、そのおすぎとピーコが完全に鬼を放棄し
て、いなくなったのはどうしてなんだよ。え?
山上:あの・・・その・・・それは・・・。
・・・・・・「オカマいなく」ってことで。
香川:いい加減にしやがれ!
あべ:ありがとうございました!
おか:こちらもすごかったですね・・・ では審査員のみなさんよろしくお願いします。
銀沙灘:以前見たときよりコンパクトにまとまっていて中身が濃くなった感じです。
ウサギの活動中の音にリアリティがあって。もうここまでブラックなネタは大好きです。
槍沢:まず最初の鳥獣戯画でつかまれ、その後もちょくちょく入るブラックなボケに笑っていたら、
どんどん各動物たちの話が展開してちょっとした群像劇みたいになり感心しそして笑い転げました。
天丼の仕方もうまく構成の優れた完成度の高いネタですごく面白かったです。
ケース:これだけの内容を詰め込んでいながらゴチャゴチャしていないのが素晴らしい。
中盤すさまじくおもしろかったです。ただ、あそこまでグロくはしてほしくなかったかな・・・
ゆーた:今までシンナーズ見てきて1番笑ったかもしれん。そんくらいいいネタでした。
的確にツボを突かれまして、持ち味が生きてます。特に「全部ただ赤いだけのページが8ページ続く」のくだり、
今回審査してて1番笑いました。1時間くらい尾を引きました。凄い表現だなあとw
これが思いつくってことはちょっと病んでるのかなあとか思いまして、その辺の想像も含めて物凄い面白かったです。
これが完璧なネタだとは言えないですけど、笑いの量だと今回1番かもしんないです。
「どうぶつもりのかくれんぼ」っていうかわいらしい名前で、優しいイメージを持つじゃないですか。全部ひらがなだし。
設定とのミスマッチがホントに面白くて。僕はこれが優勝でも多分文句言わないです。いいネタです。べた褒めしてやろう。
あべ:ありがとうございました。
おか:お〜、優勝という言葉が審査委員長の口から出ましたよ。
あべ:つーかいちいち審査委員長って言うのしつこいから!
もうこいつのことは気にせずいきましょう。いよいよ大詰め、8組目です。
「飛躍」
第1回からファイナリスト候補に名前が挙がるも、ここまで壁を突き破れずにいた。
しかし今回は違った、念願叶って初の決勝進出! そのまま勢いに乗って優勝を目指す!
エントリーNo.036 お笑い瞬間湯沸かし器
薬罐部
「芥川ゲーム」
K:どうも薬罐部です!宜しくお願いします。
T:MM−1の舞台ですからね。頑張っていきましょう。
で、突然ですけどね、僕芥川龍之介が凄く好きでね。憧れてるんですよ。
K:確かに突然だね。でもまあいいんじゃないですか。
T:芥川龍之介って知ってる?『蜘蛛の糸』『羅生門』『トロッコ』『芋粥』とかいろんな作品を書いた小説家で、若くして自殺したっていう人なんだけど。
K:知ってる知ってる。それにしても自殺なんてねぇ…悲しいよね。
T:…あっ、一応そのことが憧れの決め手なんだけど。
K:いや何に惹かれてんだよ一体!普通小説家に憧れてるって聞いたらその作品に惹かれたんだと思うだろ!
T:それで、憧れるあまり芥川龍之介を題材にしたゲームを作っちゃったんですよ。今日はそれを紹介しようかなと思って。
K:いやいや。憧れたからゲームを作るっていうのもよく分かんないしさ。
大体、憧れの動機を知ってしまった今となってはそのゲームの内容が危ないものにしか思えないよ!
T:普通の内容だから大丈夫だってば。…じゃあパッケージの裏の説明読むから聞いててよ。
K:パッケージまで作るってどんだけ商品化する気満々なんだよ。まあいいけどさ。
T:えー、「このゲームは芥川龍之介の作品の世界観を舞台としたRPGです。しかもなんと、ゲーム中のナレーションは全て芥川龍之介の声で読み上げられま
す。」
K:いや明らかに収録不可能だろ!誰が騙されるっていうんだよ!
T:「尚、パッケージにもある通り、このゲームはニンテンドーDS(※)専用のソフトです。 ※ 本体色がターコイズブルーの物のみ」
K:色指定ってどういうことだよ!わざわざ買ってくれる人を絞ってるだけだろ!
しかもよりによってなんでそんなマイナーな色のにしか対応してないんだよ!
T:とにかくなかなか面白いからやってみてよ。ちゃんとDSらしくタッチペンを使う場面もあるし。
K:まあやるだけなら構わないけどさ。折角説明書があるんだから操作方法とか、ゲームの進め方みたいなのも教えてよ。
T:あ、大丈夫大丈夫。全体の流れはポケモンと大体同じだから。
K:いやオリジナリティどこ行ったんだよ!さっき自信たっぷりにアピールしてたじゃないか!
…まあいいや。じゃあ始めて下さい。
T:【では、主人公の名前を決めて下さい
→杜子春
禅智内供
カンダタ
自分で決める 】
K:うわ、全部芥川作品の登場人物の名前だよ。しかもカンダタなんて『蜘蛛の糸』で地獄に落ちてた極悪人じゃん。
まあ自分で決めるのが無難かな。自分で決める、と。
T:【名前を入力して下さい】
K:えーと、じゃあ「薬罐部員」にでもしようかな…。字数制限には引っ掛からないよね?
T:字数制限?一応最大5文字ってことになってるけど。
K:じゃあ大丈夫か。「薬罐部員」で決定、と。
T:【薬、罐…
ピーッ 画数オーバーです】
K:いや、なんで画数に制限が設けられてるんだよ!普通字数制限クリアしたら安心するだろ!
…じゃあもう杜子春でいいよ。続けて下さい。
T:【ゲームスタート
ある冬の寒い朝、杜子春は羅生門の上で目を覚ました。
降りる場所を探そうと羅生門の上を歩き回った杜子春は、ふと足元に何かが落ちているのに気がついた】
K:また妙な舞台設定だな。まあいいや。えーと、アイテムか何か見つけたのかな。
T:【チャチャーン 芋粥を手に入れた!】
K:芋粥が落ちてるってどういう状況なんだよ!どう考えても不自然だろ!
T:【チャチャーン 芋粥に手を入れた!】
K:そんでいきなり何やってんだよ気持ち悪い!「に」と「を」が逆になっただけだけど意味は大違いだよ!
T:【杜子春「助かった。手がかじかんで困っていたんだ」】
K:手段を選べよ!そんな勇気ある行動をとる必要に迫られるほど切羽詰まった状況じゃないだろ!
T:【杜子春「これがあると手が冷えたときに便利だな」
芋粥を鞄に入れた!】
K:だから後先考えずに行動するのやめろって!鞄の中がどんな惨状になるかぐらい分かるだろ!
ていうか「芋粥=手を温めるもの」っていう認識をまず正せよ!
T:【羅生門の上を更に歩いていると、門の上から地上に向かって線路が伸びているのに気がついた。
近づいてみると、その一番上にはトロッコがあった】
K:ちょっと待て!さっきから芥川作品のタイトルを適当に登場させてるだけじゃないか!「作品の世界観」って言うほど深い演出じゃないだろこれ!
T:【トロッコに乗りますか?
→はい
いいえ
はい 】
K:なんか「はい」を選ばせたいっていう意図が滲み出てるわ!
…思うつぼってのも癪だし、「いいえ」で。
T:【それでは…トロッコに乗るのを諦めますか?
→いいえ
いいえ
いいえ 】
K:滲み出てるどころじゃなかったよ!事実上「はい」の選択肢しかなかったんじゃないか!
じゃあいいよ、乗るってことで。
T:【ピーッ 先客が居たので乗れません】
K:どうさせたいんだよ!弄ばれっぱなしなんだよこっちは!
大体先客って何者なんだ一体!
T:【チャラララチャラララチャラララ 先客のカンダタが襲いかかってきた!】
K:なんでこんな所にいるんだよ!地獄でもがいてる設定じゃないのかよ!
…でもとにかく戦わないと。とりあえずどんな武器があるか見てみようかな。
T:【武器 →拳
手刀
石頭 】
K:全部生身の攻撃じゃないかよ!丸腰同然だよこんなの!
しょうがない、武器は使えないから道具を見てみよう。
T:【道具 →芋粥
芋粥
道具袋
芋粥
芋粥
芋粥 】
K:これさっきの鞄の中だろ!芋粥まみれじゃないか!
…ん?この道具袋ってのは何が入ってるんだろう。道具袋、と。
T:【道具袋 →糸
針
針山
糸通し
糸切りばさみ】
K:なんで裁縫道具なんだよ!持ち歩いてる理由が全く分かんないわ!
じゃあもう駄目もとだけど拳で攻撃してみるか。
T:【杜子春の攻撃! カンダタに6ポイントのダメージ!
カンダタの攻撃! カンダタは刃物を取り出した!】
K:いきなり怖いわ!なんでそんなに極悪人としての描写がリアルなんだよ!
T:【グサッ!なんと刃には毒が塗られていた!杜子春は毒を浴びた!】
K:ダメージの受け方が遠回りすぎるよ!刺されたことによるダメージが普通真っ先に来るだろ!
T:【杜子春は毒で苦しみ始めた!なんと杜子春は不幸にも毒アレルギーだったのだ!】
K:なんだ毒アレルギーってのは!毒は誰に対しても害を及ぼすものだろうが!
T:【杜子春は体力を回復しようとした。
杜子春は鞄に顔を突っ込んで芋粥を舐め回した!】
K:気持ち悪いんだよやってることが!主人公としての自覚ゼロだろ!まず本能のまま行動する癖を直せいい加減!
T:【針が舌に刺さった! 杜子春に20ポイントのダメージ!】
K:なに自滅してんだ!裁縫道具なんか持ち歩いてるからそうなるんだよ!
T:【カンダタの攻撃!
カンダタが計算問題を出題した!
6×3=□ 】
K:どこでDS要素取り入れてんだよ!無理にタッチペンの出番を作らなくていいから!
T:【杜子春が問題を解いた!
カンダタは仲間を呼んだ!
カンダタの群れが襲ってきた!】
K:なんでたくさん出てくるんだよ!一人いれば充分だよ!
T:【カンダタが全員で石を投げてくる!】
K:もうちょっとましな攻撃あるだろカンダタ!なんでわざわざそんな精神年齢が低く見える攻撃を選ぶんだよ!
T:【ガンガンガンガガガン!「痛い痛い痛い痛い痛い!」
杜子春は逃げた!】
K:いや遅いよ!なんか全弾命中してる雰囲気だったぞ!
T:【逃げる杜子春の前に芥川龍之介が立ちはだかる!】
K:なんでいきなり本人登場なんだよ!訳が分かんないわ!
しかも敵の立場っていうのもおかしいだろ!
T:【迫り来るカンダタの大群!】
K:ああ、もう絶体絶命だ。
T:【カンダタたちが一斉に砂をかけてくる!】
K:攻撃が更にランクダウンしてるじゃんか!極悪人がすることとは到底思えないよ!
T:【杜子春は芥川龍之介を突き飛ばして逃げた!】
K:芥川の扱いが酷すぎるだろ!折角出てきたんだからもう少し見せ場を作ってあげてもいいじゃんかよ!
T:【逃げる杜子春の前には切り立った崖が!しかし上から縄が垂れ下がっている!
登りますね? →はい
いいえ 】
K:誘導尋問じゃないかよ!いいよ登るからさ。
T:【杜子春が登った後からどんどんカンダタたちが登ってくる!】
K:うわ、これ『蜘蛛の糸』の展開じゃん。
T:【カンダタたちが縄を噛み切って杜子春を落とそうと必死に頑張っている!】
K:何始めてるんだいきなり!ていうか杜子春を追い越さない以上明らかに無理だろ!落ちるのカンダタたちだけだよ!
T:【縄が噛み切られ、案の定カンダタたちだけが落ちていく!】
K:案の定って何だおい!ナレーションに主観が入ってるっておかしいだろ!
…それにしてもカンダタたちが馬鹿で助かった。
T:【そして杜子春が後を追って飛び降りる!】
K:いや待て待て!折角助かったのをなんで無駄にするんだよ!後を追う理由がないだろ!
T:【杜子春、絶命
GAME OVER】
K:…なんて終わり方だよ!前代未聞だよこんなの。
T:芥川龍之介の人生を模倣したまでのことだけど。
K:だから自殺なのかよ!結局憧れが表れちゃってるじゃないか!
T:いやー、どうですかこのゲーム。沢山作ったんだけど、どれぐらいの売り上げが見込めるか楽しみだなぁ。
K:そもそも市場に出ることを許されないだろこれ!ゲーム業界そんなに甘くないぞ!
T:芥川ファンには垂涎ものでしょ。
K:その芥川ファンが極めて稀だろうが!芥川ファンに認められるほどの完成度だとも思えないしさ!
T:まあ自分では満足の出来だからいいや。…では折角なのでこの場を借りて宣伝を。
えー、この「芥川ゲーム」を購入して頂くと、もれなく「芥川ゲーム」が10個ついてきます。お得ですので是非是非お買い求め下さい。
K:買い手が少ないことはちゃんと自覚してるのかよ!もういいよ。
両:どうもありがとうございました。
あべ:ありがとうございました。
おか:もう何と言いますか・・・すごく凝ったネタを見せてくれましたね。では審査員のみなさんお願いします。
槍沢:何回か見たことのあるネタですが、見事にアレンジしてきましたね。新しく入れてきたDS要素に爆笑しました。
芥川作品のタイトルを上手く取り入れていて面白かったです。
ツッコミがくどいのと後半普通のRPGネタになっていたり、芥川を登場させた意味がなかったのは気になりましたがすごく面白かったです。
ケース:万人受けを狙うならこのあたりで飽和状態なのかな。
個人的にはもうちょっとコアなところをついたネタも見てみたいと思いますが。
銀沙灘:発想と完成度が非常に高いです。カンタダ、芋粥といったボケのテンドンも上手です。
しかしそんな良質なボケばかりの中に
「拒否できない選択肢」というのはあまりにもベタじゃないでしょうか?
トロッコを出す為にはなくてはなりませんが、
それのためだけに使うボケにしてはちょっと安易なように思えます。
ゆーた:よくこんなネタかけるなあ…。僕蜘蛛の糸のネタ書いてたんで、なんだか親近感が沸きましたがそれはまあ良いとしてですねw
面白いです、展開が好き。特に【そして杜子春が後を追って飛び降りる!】が絵を想像したらホントにバカ以外の何者でもないですよね。
笑いました。全体的にすっきりしていて面白かったですね。ただなぁ…まだ何か足りない。何が足りないんでしょうね。
よくわかんないけどもっと面白くなる気がするんですよね。可能性を感じました。ってことでこの点数です。ご理解下さい。
おか:ありがとうございました。さぁ、ついに残すところあと1組となりました!
あべ:ではいきましょう、ラストを飾る9組目は、このコンビです。
「リベンジ」
前回は決勝で第6位。しかし、優勝のみを目指していた本人たちにとっては決して納得できるものでなかった。
狙うは頂点の座のみ、さぁ前回のリベンジを果たす時が来た!
エントリーNo.019 予測不能のトリックスター
ROKI
「宇宙人」
天田:どうもROKIです!よろしくお願いします!
神部:うんだらまんだらがんだー!うんだらまんだらがんだーうがんだーとらー。
天田:うん、のっけからなに不気味な登場してくれちゃってるのかな君は。
神部:はい?
天田:はい?じゃねえよ!なんの呪文唱えてるんだって聞いてんだよ!
しかもなんか最後ウガンダトラとかなんとか言ってるしさ。
何をやらかそうとしてるんだよ。
神部:ああ、今ちょっと宇宙人をね、呼ぼうかと。
ケチャケチャケチャケチャケチャケチャチャッチャッチャ
天田:さらっととんでもない事言って当然のように戻るなよ!
ってか今度はケチャのリズムですか!
神部:ああ、これは4章ですね。全部で13章まであるんです。
天田:ロードじゃねえんだからさあ。で、なんでまた宇宙人なんぞ呼ぼうとしてるの?
神部:いやさあ、こないだ暇だったからさあ。ちょっと暇つぶしに呼んでみたのよ。
天田:暇つぶしに宇宙人呼ぶって発想も無いと思うが。
神部:したら本当に来ちゃってさあ。呪文なんか適当だったのに。
天田:早々と適当って認めちゃったよ!ってかどんだけ奇跡起こしてんだおまえは。
神部:本当になんかイカかタコかって感じなのな。多分火星人かなんかだと思うんだけどさ。
天田:へえ。で、どうしたの?
神部:来た場所が悪かったんだな。デパートの試着室で試着ついでに呼んだもんだから。
天田:待て待て待て。すると何か?お前試着室の中で怪しげな呪文唱えてたのか?
神部:そういうことになるね。もう何回店員さんに「どうされましたか?」って覗き込まれたことか。
天田:っていうか試着中に暇になるってどういう神経してんだよお前は。
神部:で、宇宙人さんもさあ、テレポーテーションって言うの?そんで来ちゃったもんだから
狭い試着室内に2人きりの状態になっちゃってさあ。
天田:気まずすぎるわそんなの!
神部:しかも試着室出たときさあ。ちょうどバーゲン始まってさあ。
もう宇宙人さん揉みくちゃにされて。
天田:踏んだり蹴ったりじゃねえかよ。
神部:まさに言葉のとおりになったね。で、その日は泣きながら帰っていった。
天田:で、お前はどうしたの?
神部:しかたないからUFOの駐車料金だけ払ってやったよ。屋上駐車場に停めてあった。
天田:また壮絶な光景だな。
神部:で、だ。今度はそういうことが無いように広い場所で呼んだんだけどさ。
天田:なんでまた2回目をおっぱじめたかなお前も。
神部:したら今度は目の前が市場でさあ。ちょうど朝一のセリの時間だよ。
天田:俺はお前の行動に底知れない悪意を感じるんだが。
神部:もうバーゲンの時の2倍以上に揉みくちゃにされてさあ。
天田:そりゃそうだろう。
神部:で、気づいたら姿が見えないのさ。どうしたのかなと思ってふと見たら
いつのまにかボロボロになったそいつがスルメと一緒にセリにかけられてんの。
天田:哀れすぎて言葉も出ないわ。
神部:仕方ないから5万円で競り落としてやったわ。
天田:お前もなに競り落としてんだよ!っていうか5万もすんのかよ宇宙人!
神部:いや、ほら入れ物が丁度良い感じの漆器だったもんで。
天田:なんでスルメイカがそんな高級感あふれる容器に入れられてるんだよ!!
神部:とりあえずUFOまで肩貸してあげたよ。
もうすげえうつろな顔してた。
天田:お前なんかに呼ばれて宇宙人も災難だっただろうよ。
神部:なんかUFOに思いっきりスプレーでラクガキされてたよ。
でっかいドラ焼きみたいになってた。
天田:たしかに似てなくも無いけど!
神部:で、何か悟ったような諦めたような顔で帰ってったね。
天田:そこまでの仕打ちしといて今日また呼ぶつもりなのかお前は。
神部:うん。昨日俺のケータイに「もう勘弁してください(泣)」って送られてきたけど。
天田:宇宙人メールできるんだ!っていうかもうとことん追い込まれてるじゃねえか!
神部:許してやらねえよ。
天田:お前鬼畜だな。
神部:で、だ。いつもならそろそろくるはずなんだけど。
天田:今来られても困るけどね。
神部:まさか拒否られたかなあ。
天田:まあ、そりゃ拒否る気持ちも分かるわ。
神部:UFOまで送ったときにちょっとライターで炙って1口かじったこと根に持ってるのかなあ。
天田:そりゃあたりめぇだよ!何しちゃってんだよお前もよ!
神部:いや、本当にイカみたいな味するのかなあって思って。
意外といけたぞ。
天田:とことん恐ろしいなお前。
神部:ん?・・・あっ。
天田:どうした?
神部:あそこの照明のところに引っかかって炙られてる。
天田:え?あっ!ほんとだ!
神部:さて、じゃあもう少したったらまた味見を。マヨネーズあったかな。
天田:もう帰してやれよ!いいかげんにしろ。
2人:どうもありがとうございました!
あべ:ありがとうございました!
おか:ラストという出番でしたが、堂々と漫才をやってくれました。では審査員のみなさんはどう感じたでしょうか、お願いします。
ケース:設定で十分カバーされていますが、欲を言えば、宇宙人いじめ以上の何かがほしかったと思います。
このままでもおもしろいですが、心には残らなかったですね。それはそれでいいのかもしれませんが。
銀沙灘:宇宙人ってネタにしやすいんですかね・・・?
炙ってかじるなど鬼のようなボケは冴えていたんですが、話がずーっと平坦なままで相対的に見ると低空飛行のままでした。
最後の宇宙人の火炙りなんですが、照明に引っ掛かってるってことは
下に足場みたいなものは無いに等しいわけですから火をつけるスペースはありませんし、
第一、見た事も無い生き物をいきなり「炙ろう」なんて考えをボケ以外、この場合無関係者が持つのは不自然だと思います。
槍沢:同じブロックで宇宙人呼び出すってネタが二つも被るとは……。
それなりにまとまってはいるんですが、ネタが短いこともあって掘り下げ浅く物足りませんでした。
ゆーた:この組も宇宙人ですかw まさかのかぶりですねw それは原点対象でもなんでもないんですけども。
こちらも盛り上げ切れなかったかなという印象です。ツッコミのフレーズは良かったのに、ツッコむ順番がまずかったり、
ここも構成のミスが目についてしまって。ボケに対してまず最初に疑問に思う部分がズレてる部分がある気がするんですよ。
疑問に思う場所はあってるのに、なぜか最初に付け合せのほうにツッコんで、その後に主軸にいったり、
もっと笑いとれるのに何故かいいボケをスルーしていたり、ちょっと雑なんじゃないかと思ったんですよ。
まあ丁寧にネタ書いてるはずだし、本人は気づいてない点もあるかもしれませんけど。
ここで気づいたんですが、「っていうか」が多いんですよ。他の方々のネタと比べて圧倒的に。
それが取ってつけたようなツッコミに見えてしまう原因なんじゃないかなと思うんです。
それに活字にすると同じ言葉が何回も出てくるとちょっと鬱陶しかったりするんでね。
この「っていうか」っていう言葉からは何か焦りが見えるんですよね。「これも言わないと!」みたいな。
僕から言わせてもらうと何をそんなに焦っているんだろうって思うんですよ。
100行あるんだから、最初はスローペースでもいいと思うんですよ。
そんなに急がなくても最後にオチまで無事到着すればいいわけで。
もっと落ち着いてボケを処理するような余裕があっても良いんじゃないかと思います。
厳しいことを言うようで大変恐縮なんですが、力の抜きどころをもう少し考えたほうが良いんじゃないかと思いました。
発想は好きなんですけども。もう一皮むけれる予感です。まだ「面白い」と手放しで言える段階ではないです。
あべ:ありがとうございました。
おか:はい、以上で全9組のネタが終わりました! あとは結果発表のみですね・・・
あべ:ではもうまもなく結果発表ですので、決勝戦出場コンビのみなさん、舞台の方へどうぞお越しください!
結果発表
あべ:さぁ、運命の結果発表の瞬間がやってまいりました。
おか:はい、泣いても笑っても、これですべてが決まります。
あべ:ドキドキしますね・・・・
おか:そうですよ・・・・
あべ:では、ついに発表です! 第9位の方から、1組ずつ発表していきましょう!
まずは第9位は・・・
エントリーNo.025 セブンセブンス
審査員 点数 |
82 |
60 |
84 |
79 |
67 |
72 |
78 |
総合 点数 |
522 |
続きまして、第8位は・・・・
エントリーNo.015 八十八
審査員 点数 |
72 |
70 |
61 |
89 |
87 |
93 |
67 |
総合 点数 |
539 |
続きまして、第7位は・・・・
エントリーNo.010 ローテンション
審査員 点数 |
79 |
83 |
65 |
60 |
79 |
83 |
92 |
総合 点数 |
541 |
第6位は・・・・
エントリーNo.019 ROKI
審査員 点数 |
78 |
79 |
75 |
58 |
80 |
84 |
95 |
総合 点数 |
549 |
第5位は・・・・
エントリーNo.006 月明星稀 feat.パパ&ママ&結縁さん
審査員 点数 |
95 |
80 |
69 |
98 |
71 |
72 |
86 |
総合 点数 |
571 |
そして、第4位は・・・・
エントリーNo.013 デブガリズム
審査員 点数 |
96 |
90 |
85 |
76 |
77 |
85 |
71 |
総合 点数 |
580 |
あべ:さぁ、以上第9位から第4位まで発表いたしました・・・
残るはあと3組、ベスト3に入ったのはパピーゲバさん、シンナーズさん、そして薬罐部さんです!
おか:来ましたね・・・ まずはパピーゲバさん、事前の優勝者予想でもトップでした。さぁ2度目のMM−1制覇なるのでしょうか!?
あべ:そしてシンナーズさん、こちらは念願の初優勝がかかります。
そして薬罐部さん、初の決勝進出にしてベスト3までやってきましたよ! このまま一気に頂点までいってしまうのでしょうか!?
おか:さぁ、ではそろそろいきますか。
あべ:はい、いきましょう! では優勝コンビの発表です、第3位、第2位、そして優勝を一気に発表いたします!
ついに、2代目MM−1王者が発表される・・・・
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