X子:さぁ、前半6組のネタ披露が終わりました。
   先ほど山下さんが「この後リリコミンストレルショーですよ」とおっしゃっていましたが、
   決勝戦のネタ順的には別のコンビです!

Y美:ネタ順並び替えちゃうから仕方ないね!リリコミンは10組目まで待ってね!
   というわけで、7組目は決勝3回目のこのコンビです!



エントリーNo.015

ボルケーノ
サポートセンター
藤滝: 実は今困ってることがあってさ、俺のパソコンにメールがちゃんと届かないんだよね。

丘山: …
    ……
    ………
    …………分かった。俺が今日メールしてやるから。大丈夫、お前は1人じゃないって。

藤滝: ちげーよ!メールは着てるんだよ!何か「読みとり失敗」みたいなメッセージが出て受信できないんだよ。

丘山: 大丈夫、俺が送ってやるから。「このメールを見たら7日で死ぬ」とか送るから。

藤滝: 寂しい人にすんじゃねーよ!それなら来ない方がマシだよ!
    じゃなくてメールの受信自体に不具合が起きてるみたいなんだけど、直し方が分かんないんだよね。

丘山: じゃあ、サポートセンターみたいなところがあるからそっちに聞いてみないと。状況説明して原因を調べてもらってさ。

藤滝: そうなんだけど、元々パソコンとか全然詳しくないから、電話してもどう言ったらいいか分かんないんだよね。

丘山: あ〜、じゃあ今のうちに練習して、説明したい内容まとめといた方がいいよ。
    ちょっと電話掛けてみて、丘山サポートセンターに。

藤滝: 不安しか感じねーよ。ソコ掛けて大丈夫だろうな?じゃあいいよ、丘山サポートセンタに聞いてみるから。
    プルルル、ガチャ。もしもし。

丘山: 丘山サポートセンターです。音声案内に従って進めてください。
    パソコンに関する相談は1を、電話に関する相談は2を押してください。

藤滝: なるほど。俺は1を押せばいいんだな。1をポチッ。

丘山: パソコンに関する相談ということですが、もしかするとこの先、長くなるかもしれません。
    トイレはお済みですか?

藤滝: いーよそんな心配は。電話してる時点で大丈夫だよ。

丘山: 「行きたい」という方は1を、

藤滝: なんで押させるんだそんなの!?ほっとけそんなの。

丘山: 「大だ」という方は2を押してください。

藤滝: なんでそこまで答えなきゃいけねーんだよ!?
    しかも「行かない」って選択肢がねーじゃねーか!もういいよ1で!ポチッ!

丘山: 次の質問です。

藤滝: 結局トイレ行く時間ねーじゃねーかよ!なんで答えさせたんだ!?

丘山: 「洋式だ」という方は1を、「和式だ」という方は2を押してください。

藤滝: どんだけ掘り下げてくんだよ!?トイレ行かねーんだよ別にこっちは!1でいい!ポチッ!

丘山: パソコンに関する相談ということですが、具体的にどの項目ですか?
    インターネット接続に関するお問い合わせは1を、メールに関するお問い合わせは2を、

藤滝: じゃあもう2だ。ポチ。

丘山: ウィルスに関するお問い合わせは3を、

藤滝: いや終われー!最後まで聞かないと次いかないパターンかこれ!?

丘山: 気になる先輩を振り向かせる方法については4を、

藤滝: 関係ねーの混ざってんじゃねーか!どこの女子中学生だ!?

丘山: 「さっきまで大丈夫だったけどやっぱりトイレ行きたくなってきた」という方は9を押してください。

藤滝: いいっつのだから!どんだけトイレの心配すんだよ!?
    だから2!ポチッ!

丘山: 「先のことを考えて不安になることがある」YESなら1、NOなら2を押してください。

藤滝: どういう意味があるんだ!?いいよ1で、ポチッ。

丘山: Bタイプにたどり着いたあなたにおススメなのは『苦手克服コース』。苦手な科目だけを重点的にサポートします。

藤滝: 何のフローチャートだったんだコレ!?どこのゼミのパンフレットだよ!?

丘山: ただ今、担当の係員を呼び出しています。そのままお待ちください。
    ♪わたし待〜つ〜わ、いつまでも待〜つ〜わ

藤滝: 保留音『待つわ』かよ。待ってんのはこっちなんだよ。

丘山: お電話ありがとうございます。あなたの苦手を得意科目に・Bタイプ担当の丘山です。

藤滝: なんでキャッチフレーズあんだよ!?パソコンのサポートセンターでしょ!?
    メールについての質問したいんですけど。

丘山: はい大丈夫です。その前に確認なんですが、お客様の押していただいた番号、1・1・1・2・1、で宜しいでしょうか?

藤滝: …確かそうだったと思います。

丘山: ピッ。…では私の『ギザギザハートの子守唄』の次にお客様の『待つわ』が予約されましたので。

藤滝: なんでカラオケ番号になってんだよ!?しかもそれが『待つわ』だったのか!?
    カラオケどうでもいいんですよ。メールがちゃんと届かなくなってしまって困ってるんですけど。

丘山: メールが届かないんですね。ではまず原因を絞りたいので、幾つか質問に答えてください。
    友達はいますか?

藤滝: いるよ!じゃなくて受信できなくて困ってるんですよ!メールを開くと『読みとり失敗』みたいなメッセージが出るんです。

丘山: ………。

藤滝: ちゃんと届くように直したいんですけど、どうしたらいいんですか?……もしもし?

丘山: ♪ちっちゃな頃から悪ガキで、15で不良と呼ばれたよ〜

藤滝: カラオケの番来てんじゃねー!消せ消せ!
    なんで仕事中にカラオケ大会やってんだよそっちは!?

丘山: え〜、はい、消しました。

藤滝: いいですか?それで、とにかく、急にメールが届かなくなったので、どうしたらいいのか聞きたいんですが。

丘山: あれ?お客様、曲はじまってますよ?

藤滝: 『待つわ』歌わねーよ!消しとけそれも!

丘山: ではちょっと調べますので、お客様の大好きなこちらを聞いてお待ちください。
    ♪わたし待〜つ〜わ、いつまでも待〜つ〜わ

藤滝: 別に俺好きじゃねーよ。そっちが勝手に流してんだろ。

丘山: ガチャ。
    「カンニングだろうと受かればいい・Gタイプ担当の鈴木です。」

藤滝: 誰だー!?なんか新しいやつ出てきたぞ!

丘山: あっすいません、どうも電話の繋ぎ方間違えたみたいで。Bタイプ担当の丘山です。

藤滝: 今とんでもないキャッチフレーズの人いたんですけど!?なに不正まで手広く揃えてんですか!?

丘山: では、これからお客様のメールの設定を直したいと思いますが、場合によっては話が長くなるかもしれません。
    トイレはお済みですか?

藤滝: だからいいっつーの!何回聞けば気が済むんだ!?

丘山: 「行きたい」と言う方は1を、「大だ」という方は2を押してください。

藤滝: なんで押させるんだよここでも!繋がってる状態で押したら電話ヘンなことになるだろ!?
    で案の定「行かない」という選択肢ねーし!

丘山: とりあえず押してください。

藤滝: いいんだな!?この電話途切れたりしないんだな!?じゃあ1をポチッ!

丘山: 「カンニングだろうと受かればいい・Gタイプ担当の鈴木です。」

藤滝: 鈴木に繋がってんじゃねーか!何がしてーんだこの会社!?

丘山: 「Yahoo知恵袋に問題打ちこんでくれれば、すぐに正解出しますので。」

藤滝: aicezukiじゃねーか!ほっといてやれよもう!どうでもいいからBタイプ担当に戻して!

丘山: 「分かりました。」
    …はい。あなたの苦手を得意科目に・Bタイプ担当の丘山です。

藤滝: 何で今Gタイプに繋いだんですか?

丘山: すみません。Gタイプの評判が良くないので宣伝しとこうかと。

藤滝: 世間の評価が正しいんだよ!客がまともで助かったな、むしろ。
    メールが受信できるよう直したいんで、ちゃんと説明してください!

丘山: はい。ただ、こちらも一緒に操作しながら説明したいんですが、今左手に電話・右手にマイク持ってるせいでマウスが使えないんです。

藤滝: マイク置けー!いつまでカラオケ引きずってんだよ!?

丘山: では私が1回操作をしてみますので、よく見ていてください。
    同じようにやれば直るはずですので。

藤滝: いや電話だからソッチ見えないんですけど!?言葉で言ってください言葉で。

丘山: カチッ…カチッ…カチッ…カチッ…カチッ。
    はい、このように操作してみて下さい。

藤滝: だから見えないんですよ!?何をどうやったんですか今!?

丘山: …はい、良くできました。直ったようですね〜。

藤滝: 何が見えてるんですか!?コッチ何もしてないんですけど!?

丘山: 無事終わったようでなによりです。またのご相談お待ちしております。
    ♪蛍の〜光〜 窓の雪〜

藤滝: 終わったー!やっぱり丘山サポートセンター役立たずだった!
    これだけ時間使って結局全然練習になってねーぞこれ。

丘山: そうか?…じゃあ俺が責任もって直し方を調べて、明日までにメールしとくから。

藤滝: だからそれが受信できねーんだよ!もういいよ。


X子:ありがとうございました。
   いやぁ、当然の決勝といった感じのネタでしたね。

Y美:では、さっそく審査員の方々からのコメントをいただきたいと思います。
   KKジハードさん、いかがでしょうか?

 
・見事です。『漫才を見させてもらった』という点では11組中一番だったと思います。
 ボケの盛り込み方も緩急のつけ方も完璧で、想像してて違和感のほとんどない完成度の高い漫才でした。
 冒険心や斬新な展開という点ではまだいまひとつという感じなのですが、その部分を引いても問題はない感じです。
 伸びしろも感じるので、ここからさらに磨かれていくと思うと恐ろしいです。
 僕の番にはSadsの「忘却の空」を入れてください。


X子:おおー。完成度高い&伸びしろもある、ってこれ以上無い褒め言葉じゃないですか。

Y美:続きまして、スリーオールさんはいかがでしょう?

 
・以前このネタを審査させていただいた時、まるで数学の解答の過程を見ているような無駄のない展開に圧倒されました。
 今回改めてもう1度読んだ印象としては、展開の美しさはその時と変わらず素晴らしいのですが、
 ボケとしてもう一盛り上がりほしかったです。
 トイレやカラオケのボケも巧く作られてはいるものの、ボケとしての威力は今ひとつでした。
 面白かったのは確かですが、この決勝の審査においてさらに突き詰めて検討した時に、物足りなさを感じました。


X子:なるほど・・・MM−1の決勝ともなると、ボケの威力に関してもシビアにならざるを得ないわね。

Y美:それではラスト、火田辻正さんにもお話をうかがってみましょう。

 
・自分のネタなのですが、折角なのでココにもなるべく客観的なコメントを載せたいなと思い、
 兄に、読んで審査してくれるよう頼みました。その結果送られてきたのがこちら↓です。

   ボルケーノの定番に思える丘山の練習ネタですが
   一見自然な流れをひたすら不自然なセリフでぶち壊していく丘山は今回も絶好調ですね
   冒頭の「俺が今日メールしてやるから」のくだりが実は複線になっていて
   原因特定の為の質問で「友達はいますか?」とひっぱってくるのは流石だなと思いました

 もっとけなせや キモい兄弟やないか


X子:ほほう・・・ご親族に感想を伺うとは斬新でね。
   じゃあ、私も親族に感想を伺ってみましょう。ねぇY美。私、どう!?

Y美:どう、って言われても・・・

   さて、どんどん参りましょう。

X子:続いて、8組目はこの方たちです!



エントリーNo.025

whitewhite
陰の国、スペイン
前田:スペインに行った時の話しますね
安正:いつになくオラオラ系ですね
前田:スペインに行ったということは、スペインに行ったということなんですけども
安正:因数分解できる話し方やめましょうか
前田:まぁ、スペインは風景がいいんですよ
安正:スペインは風景がいいという売り文句は聞いたことないですけども
前田:見渡す限りヨーロッパ
安正:でしょうね
前田:右見てもヨーロッパ、上見てもヨーロッパ
安正:青空は世界の物です
前田:でもそこまでヨーロッパヨーロッパしてない感じもありまして
安正:批判ですか?
前田:違いますよ。例えば水飲むと「あー、ヨーロッパだなあ」って感じがするんですよ
安正:あ、日本とは水の硬度が違うって聞きますね
前田:でもスペイン周辺の地図見ると「あれ、本当にヨーロッパなのかなあ?」って感じがするんですよ
安正:それはヨーロッパの地理に弱いからじゃないですかね
前田:まあ、それを含めてヨーロッパってことですかね
安正:最序盤でまとめにかかろうとするのやめましょうよ
   さっきからスペインに行ったっていう感じが全然出てないんですけど
前田:(スペイン)
安正:うわっ、スペインだ
前田:で、まあスペインの有名な観光スポットを回ったんですよ
安正:あ、本当にスペインの話に移るんですね。安心しました
前田:まず水の都ヴェネツィアに行きまして
安正:あれ、ヴェネツィアってイタリアの都市ですよね?
前田:そうなんですか?
安正:本当に地理に弱かったんですね。あれ、スペイン行ったんですよね?
前田:(スペイン)
安正:うわっ、スペインだ
前田:で、まあバルセロナでパエリア食べたんですよ
安正:ヴェネツィアがかき消されましたけどもね
前田:そしてまあ、ベルギーといえば闘牛じゃないですか?
安正:あれ、ベルギーの話でしたっけ?
前田:そうなんですか?
安正:これに関しては地理関係ないですよ。あれ、スペイン行ったんですよね?
前田:(スペイン)
安正:うわっ、スペインだ
前田:それで、サグラダ・ファミリアって知ってますか?
安正:闘牛どうでもいいんですね。結構メイン張れる話になると思ってたんですけども
前田:サグラダ・ファミリアっていうのはフランスの凱旋門の事なんですけども
安正:違いますよ
前田:そうなんですか?
安正:サグラダ・ファミリアっていうのはスペインのサグラダ・ファミリアですよ。あれ、スペイン行ったんですよね?
前田:(オランダ)
安正:あれ、オランダですか?
前田:いや、スペインですよ
安正:あれですかね、「スペイン」って表記したけど、こっちのブラウザだと文字化けして「オランダ」って見えちゃったんですかね
前田:それで(スペイン)マドリードにある(スペイン)安めのホテルに(スペイン)泊まったんですよ(スペイン)
安正:牽制球がすごいですね
前田:夜景もきれいでして(スイス)
安正:ボーク入りました
前田:(ノルウェー)(リトアニア)(オーストリア)
安正:押し出しで1点入りましたよ
前田:(スペイン)(スペイン)(スペイン)  (JACK POT!)
安正:ラスベガスの話ですか?
前田:さっきからスペインの話しかしてませんよ
安正:後、今のでジャックポットならさっきのホテルのエピソードもジャックポットですよね
前田:で、朝食に新鮮なトマトを食べたんですよ
安正:お、いいじゃないですか。そういうの聞きたいんですよ
前田:(ポルトガル産)
安正:逆輸入してんじゃないですよ
前田:そしてまあ、ベルギーといえば闘牛じゃないですか?
安正:一旦妥協しましょう。二日連続で闘牛行ったんですね
前田:一日目に見たときだいぶ興奮しましてね。もう一回見たくなったんですよ
安正:まあ、何回も見る機会なんてそうそう無いですからね
前田:すごいですよ闘牛。見渡す限りのヨーロッパ
安正:風景じゃなくて牛見ましょうよ
前田:下見てもヨーロッパ、後見てもヨーロッパ
安正:硬い床と非常口ですよ
前田:観客席見たらアジア
安正:ツアー客が来てたんですかね
前田:(スペイン)
安正:今何も疑ってませんでしたよ
前田:それで、帰国の時間が訪れたんですよ
安正:あらお早い
前田:スペインから日本の便っていうのは少ないので早めに空港ついたんですよ
安正:へー、そうなんですね
前田:で、僕パスポート持ってないんですけど
安正:ちょっと待ってください
前田:(スペイン)
安正:それで解決する問題じゃないです。えっと、スペイン行ったんですよね?
前田:パスポート無いのにスペイン行けるわけ無いでしょう、何を言ってるんですか
安正:てめえいい加減にしろよ
前田:パスポート無いのにスペイン行ってたら大問題ですよ、何を言ってるんですか
安正:てめえ散々さっきまでスペインの話してただろうがよ
前田:一言も言ってませんよ
安正:どのタイミングで記憶失いやがったてめえ
前田:何急に怒り始めてるんですか、まだ13行目ですよ
安正:終盤に入ってんだよ
   っつうか、13行目まででもしっかりスペインの話してんじゃねえかよ
前田:(フィンランド)
安正:今は文字化けだかボークだかどうでもいいんだよ
   めちゃくちゃいいやがってどうすんだよこれ。収拾つかねえじゃねえか
前田:(オチ) (オチ) (オチ)
安正:JACK POT!


X子:(はい、ありがとうございましたー)

Y美:それ括弧付けただけじゃん!! リスペクトするならもっとちゃんとやろうよ!!
   まず、銀沙灘さん、いかがでしょうか?

 
・「安正:いつになくオラオラ系ですね」「安正:因数分解できる話し方やめましょうか」「安正:でしょうね」
 「安正:うわっ、スペインだ」「安正:牽制球がすごいですね」「安正:押し出しで1点入りましたよ」
 オレ、ツッコミでこんなに爆笑したの初めてですわ。今大会で一番面白かったです!!


X子:おお・・・ここで「一番面白かったです」来ましたよ!

Y美:続きまして、スリーオールさんはいかがでしょう?

 
・このネタ譲ってほしいです。

 気になったのは、(スペイン)という表記が「スペイン然としている」的なニュアンスでとったらいいのか、
 それともメタ的な表現方法なのかが曖昧だったというところです。
 ブラウザとか文字化けなどのセリフが登場すること、JACK POT!の説明の付けやすさ等を考慮すると後者だと思うのですが、
 個人的には前者でまとめてもよかったのかなと思います。
 でもこれって結局「自分のネタとして作るならそうする」という話であって、
 whitewhiteさんのネタとして捉えれば後者の方が相応しい気もします。
 何が言いたいのかというと、要はとても素晴らしい作品でした。


X子:おお・・・「譲ってほしい」「とても素晴らしい」が来ましたね・・・

Y美:それでは最後に翔さん、いかがでしょうか?

 
・前田:(スペイン)
 安正:うわっ、スペインだ

 これって3回も続けてやったら飽きるんですよ。で、4回目がオランダになっている
 当たり前と思われるかもしれませんが笑いに関しての嗅覚が素晴らしいと思いますよ
 その後も要所要所でスパイスを入れていて最後までワンパターンにならずに漫才していますからね
 本当にいちいち二人の会話がツボに入ります
 でもオチはちょっと嫌いです


X子:なるほど。新しいことやりながらも基本がしっかりしていたのは評価できるポイントよね。



Y美:さて、どんどん参りましょう。

X子:続いて、9組目はこの方たちです!



エントリーNo.032

有機丸アポロ
アンディに捧ぐ
遠山:どうも、有機丸アポロです。よろしくお願いします。

出雲:よっしゃ頑張っていこう、若若男男にウケるネタをしていこう。

遠山:にゃくにゃくなんなんって何だよ。老若男女にウケたいよ、なんで若い男にターゲット絞ったんだよ。

出雲:ウンコって面白いですよね?

遠山:ひでぇなコイツ。にゃくにゃくなんなんの中でも一番次元の低い小2男子に狙い定めやがった。

出雲:ウンコの何が面白いって、1文字変えるとチンコになるっていう……。

遠山:もうやめよう、見てらんない。せめてもっと万人受けする話題を話そうぜ。

出雲:万人受けな。だったら聞いてくれよ、俺こないだ遂に免許取ったんだよ。

遠山:落差すげぇなオイ。直前までウンコチンコほざいてた奴の発言とは思えねえよ。

出雲:あ、勘違いしないでよ?免許と言っても沼ソムリエの免許じゃないからね?

遠山:まず沼ソムリエという珍職業を知らないからな。勘違いようが無いからな。
   まぁ、何にせよ免許取れたことはめでたいな。

出雲:ホント嬉しいよー、これでかつて悲惨な死を遂げた親族達の魂も報われる。

遠山:深くは聞けねぇよ。すげぇ気になるけど深入りは出来ねぇよ。
   だったらさ、せっかくだから今度2人でドライブにでも行こうぜ。

出雲:……どらいぶ……?え、ドリカムのライブに行こうってこと……?

遠山:そんな略し方どこで覚えたんだ。いや普通にドライブだよ、お前運転でさ。

出雲:いや、そんなん言われても俺は車の運転とか出来ないし。ピット作業しか出来ないし。

遠山:それ出来る方が大したもんだけどな。どういうことだよ、運転免許取ったんだろ?

出雲:ああ違う違う。俺が取ったのは、フグ調理師免許。

遠山:…………………ん?

   ん? ん……………ん!!? んんん!?

   んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!??

出雲:あ、フグで思い出したんだけどさ。フグで有名な山口県はガードレールが真っ黄色で……。

遠山:いやいやいやいやいやいやいやいや待たれぇ―――――――――――――い!!!
   え、何なの!?不意に俺を疑問符の坩堝にぶっ込んだと思いきやまさかのトリビア!?
   え、フグの調理師免許!?自動車運転免許じゃないの!?フグ!?

出雲:そりゃそうだよ、運転免許なんてあっても鍋敷きくらいにしか出来ないじゃん。

遠山:運転が出来るよ!!自動車を乗り回せるという素晴らしい利点があるよ!!

出雲:車なんか要らないよ、俺にはオオワシがいるもん。

遠山:え、お前普段オオワシに乗って移動してんの!?そんな世紀末みたいな移動手段持ってんの!?

遠山:国産オオワシだけどな。

出雲:国産車みたいに言うな!!外国産のオオワシとかパッと来ねえよ!!

出雲:今日もここまでオオワシで来たからね、今駐車場に停めてるけど。

遠山:え、今駐車場にオオワシいんの!?人1人乗せれるサイズの国産オオワシがいんの!?
   やべぇ、漫才なんか放り出して見に行きたい!!俺の子ども心が燃え上がるぜ!!

出雲:それより話を戻しますけどね、山口県にはふぐ以外にも押し寿司という名物が……。

遠山:山口の話に戻すな!!お前山口県の観光特使かなんかか!

出雲:そんでふぐも押し寿司も、最終的にはウンコになるんですよね。

遠山:にゃくにゃくなんなん忘れろ!!ウンコの話題はコロコロコミックに任せとけや!!
   え、待って!?そもそも何でフグ調理師免許なんて取ろうと思ったの!?

出雲:何でって……じゃあ逆に聞くが、お前はフグも捌けないような奴を大人として認められるか?

遠山:認められるよ!!フグ捌けなきゃ大人じゃねぇなら日本はネバーランドだよ!

出雲:やっぱ大人と言ったらフグの調理かアーク溶接だよな。

遠山:お前の中の大人どんだけ狭き門なんだよ!!難関すぎんだろ!!

出雲:それにお前だってさ、身内が次々とフグ毒にやられて死んでった時はフグ調理師免許があればって思っただろ?


遠山:そんな経験ねぇよ!!何をそんなサイコな話題で共感得ようとしてんだ!

出雲:俺は忘れないよ……10年前の「出雲一族フグ丸呑み祭り」の惨劇を……。

遠山:なんだそのカルト行事!ひょっとしてさっき言ってた悲惨な死を遂げた親族ってそれの犠牲者!?

出雲:次々とフグを丸呑みしては、血を吐いて死んでいく親族達……。

遠山:一族丸ごとバカまみれなんだな?その一族にしてこの出雲ありなんだな?

出雲:もしも……もしも誰かがフグ調理師免許を持っていたら……あの悲劇は起こらなかったはずなんだ……!!

遠山:そもそもそんな行事をやらなければ確実に起こらなかった悲劇なんですけど。

出雲:やらざるを得ないだろ……いとこの漢検4級合格のお祝いだったんだから……。

遠山:それしきのことで!?漢検4級は命を賭してまで祝うレベルじゃねぇよ!!

出雲:そんないとこも今じゃ立派なアーク溶接技師さ。

遠山:大人だ!!狭き門をくぐり抜けた大人だ!!

出雲:残念だな、その一部始終を収めたホームビデオが空き巣に盗まれてなければお前に見せてやれたんだけど。

遠山:逆に良かったよ!空き巣もよりによってとんでもないババ引いちゃったな!ご愁傷様!

出雲:どうだ、これで俺がフグ調理師免許を取ろうと思った理由がわかっただろう。

遠山:わかっちゃったよ、出雲一族の奇っ怪さもついでにわかっちゃったよ。
   まあ、でもよくよく考えるとフグ調理師免許取るってすげぇことだよな。

出雲:まぁ、つっても俺が取ったのオートマ限定だけどな。

遠山:え、フグ調理師免許にオートマとかマニュアルあんの!?フグのどこにクラッチ付いてんの!?

出雲:それでも相当難しいからね。沼ソムリエになるのと同じくらい難しいからね。

遠山:難しさが一切合切伝わってこない!何故ならば沼ソムリエが全くわからないから!
   ていうか、フグ調理師免許ってどうやって取るんだ?試験的なの受けるの?

出雲:どうやってって、そんなの教習所行って取るに決まってんじゃん。

遠山:…………………お?

   お、おお!?おっ……おお、おぉぉ!!?

   おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!??

出雲:あ、ちなみにさっき話に出たいとこなんですが、先日めでたくトルクメニスタンの男性と結婚を……。

遠山:待たれぇぇぇぇぇ―――――――――い!!!待ぁぁぁぁぁたれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――――い!!!
   お前のいとこの国際結婚なんて「昨日あんま寝てねえから」って報告並みにど―でもい―んだよ!!つーかいとこ女だったのな!!
   え、教習所あんの!?フグの調理課程を教えるためだけの教習所があんの!?ニッチすぎやしねぇか!?

出雲:あるよ、都内に2000件くらいあるよ。

遠山:そんなに需要あんのかよ!!一般の自動車教習所より多いじゃねぇか!!

出雲:ちなみに山口県にはフグ調理師教習所は1件もありません。

遠山:意外!!いや、そもそもフグ調理師免許教習所があることがおかしいと思うけど!!

出雲:代わりに山口県にはオオワシ教習所が80000件あります。

遠山:オオワシに免許とかいんのかよ!!なんだそのおびただしい件数、山口県の主な移動手段はオオワシなのか!!

出雲:あと10年もすれば日本中の主な移動手段がオオワシになるという説が。

遠山:その説の提唱者連れてこい!!金属バットでケツバットしてやる!!
   ちょっと待てよ、そのフグ調理師免許教習所とやらでどんなこと習うんだよ!!

出雲:まぁ、フグを捌くのに向いてる包丁の選び方とか、適した服装とか。

遠山:毒の取り方習わねえの!?なんでそんな外枠ばっかり教わってんの!?

出雲:あとビデオとか見せられたね。
   フグ調理師免許が無いばっかりにフグを丸呑みしていった人々が次々死んでいくビデオを。

遠山:あれ、それ出雲一族フグ丸呑み祭りじゃね!?盗まれたビデオ転売されてね!?

出雲:いやぁ、酷い惨状だったよ。何でわざわざフグ丸呑みしようと思ったのかね。

遠山:いとこが漢検4級取ったからだってさ!数分前のお前が教えてくれたぜ!

出雲:あとは「かもしれないフグ調理」とか習ったな。

遠山:かもしれない運転的な!?なんだよその「津市役所」ばりに語呂悪い心掛け!

出雲:フグを捌いてたら中からおばあちゃんが飛び出して来るかもしれない。

遠山:かもしれない運転とごっちゃになってるじゃねぇか!フグは交差点じゃないんだよ!

出雲:ひょっとしたら捌かないでフグ丸呑みしても死なないかもしれない。

遠山:死ぬよ!!その考えが祟って出雲一族イナゴみたいにバンバン毒死してったんだろ!?

出雲:どうせここでフグの毒を取ったところで人は誰しもいずれ死ぬのならば、
   俺のしようとしていることに意味など無いのかもしれない。

遠山:急にどうしたんだよ!!序盤でウンコチンコ言ってたヤツが何をいきなり命について語ってんだよ!!怖いわ!

出雲:で、学科を終えたらいよいよ路上教習ね。

遠山:何でフグ調理すんのに路上に出る必要があるんだよ!!何だ、実演販売でもすんのか!!

出雲:路上に落ちてるフグを拾って捌くんだよ。

遠山:路上に落ちてねぇよ!!そんな空き缶感覚でフグは転がってねぇんだよ!!

出雲:山口県の路上にならフグが落ちているかもしれない。

遠山:かもしれなくねぇよ!!お前の山口に対する情報がどんどん適当になってきてんだけど!!

出雲:そのフグを拾って食ったオオワシの死骸が山口県中に落ちているかもしれない。

遠山:お前さては山口バカにしてんだろ!!山口ナメんなよ、尊王攘夷起こされんぞ!?

出雲:そう、人1人乗せれるオオワシだって死んでしまうんだ、生きるってなんだろう、命ってなんだろう、宇宙になりたい……。

遠山:だから急にどうしちゃったんだよ!!何なの、情緒不安定なの!?それともただのやべぇヤツなの!?

出雲:そんで人は生きている限り、必ずウンコをするんですよね。

遠山:にゃくにゃくなんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――――――――ん!!!
   お前男子をナメんなよ!!昨今の小2男子は大人がゲロ吐くほど笑いに対してシビアだかんな!!
   もういいよ、だいたい漫才師のお前がフグ調理師免許取ったところで何の意味も無いだろうがよ!!スカポンタンが!!

出雲:そうか、じゃあ今度は沼ソムリエの免許を取れるように頑張るわ。

遠山:いいかげんにしろ!!!

2人:どうもありがとうございました。

遠山:それじゃあ今からオオワシ見に駐車場に行ってきます!!バイビー!!


X子:ありがとうございました。
   あぁ、遠山さん本当に行っちゃいましたね・・・

Y美:では審査員の方にお話を伺いましょう。夏草さん、いかがでしょうか?

 
・これはテキスト漫才として完璧な形に近いですよ。
 強いて指摘するなら、フグ調理師免許レベルのインパクトに対して遠山が過剰反応過ぎたことかな。
 オチの大胆な試みも嫌いじゃないです。


X子:おお!夏草さんの口から「完璧」の言葉が出ましたよ!これは高得点が期待できるかも!?

Y美:続きまして、翔さんはいかがでしょう?

 
・国産オオワシとか漢検4級とかオートマ限定とか単語単語が光っているなぁ
 とにかくこの人も自分のスタイルを貫いてネタを書くんでまず外れがないですよね
 ボケの一つ一つがメガトンパンチ級に重いから笑いが途切れないですし、構成も完璧
 欠点を言いたくても欠点らしい欠点がないんですよね。いやぁ、面白いわ
 重ねボケの天才ですねホンマに


X子:おおー。こちらも大絶賛のようですねぇ。

Y美:それでは最後に火田辻正さん、いかがでしょうか?

 
・免許取ったと言っておいて実はフグ調理の免許だったなんて、なんて面白いボケなんでしょう。
 例えるなら、ちょびバトN2期C大会セミファイナルAブロックの最初のネタのボケくらい面白い。
 http://www5a.biglobe.ne.jp/~tyobi/20/cb-C02ka2.html
 審査しづらいわ!ネタとしての使い方全然違うし、何なら『免許と言っておいて車のことじゃない』なんてよくあるボケですけどやっぱり審査しづらいわ!
 だってデジャブどころの話じゃないですもの。どうしても思い出すんですもの。
 やったわ!俺のや!俺の面白いやつや!(声:笑い飯西田)

 …まぁ悪ふざけはさておき(特に審査に関係ないので)。

 (以下省略)


X子:あっ・・・

Y美:あ、あー・・・



   さ、さぁ!どんどん参りましょう。

X子:続いて、10組目はこの方たちです!



エントリーNo.048

リリコミンストレルショー
悪原 銀、桃太郎を朗読する
悪原:むかしむかしあるところに! むかしむかしあるところに!!

町々:どうも、リリコミンストレルショーです。よろしくお願いします。

悪原:おじいさんがいて、おじいさんがいて、おじいさんがいました! そう、桃太郎です!

町々:……あ?

悪原:おじいさんは山へ芝刈りに、おじいさんは川へ洗濯に、おじいさんは桃太郎で家にいました! 桃太郎は家でじっとしていました!!

町々:あぁ、三人目が桃太郎なんだな。

悪原:おじいさんが川で洗濯をしていると、川上からおじいさんが、おじいさん〜おじいさん〜と流れてきました!

町々:うん。さては、登場人物の全員がおじいさんの漫才がやりたいんだな? 俺もう多分ついていけないと思うけど、やって良いぞ。

悪原:おじいさんがおじいさんを拾って家に持ち帰っておじいさんを割ってみると、中からおじいさんが現われました! おじいさんはおじいさんに桃太郎と言う名前をつけました!

町々:良くわかんないけど桃太郎二人になったな。

悪原:おじいさんとおじいさんと桃太郎に育てられ、桃太郎のおじいさん、あっ二人目の桃太郎のおじいさん、いや二人目って言っても最初の三人の中の二人目じゃなくて、川で拾ってきたほうの二人目の桃太郎のおじいさんはすくすくと育ちました!

町々:だいぶ混乱が始まったな。あとおじいさんこれ以上育てると老衰で死ぬと思うぞ。

悪原:ある日のことです! 桃太郎が「おじいさんとおじいさんと桃太郎さん! おじいさんを苦しめる鬼ヶ島の悪いおじいさんをやっつけにいってきます!」と言いました!

町々:じじい同士の争いが始まるのか……。

悪原:あっ、そうそうちょっと頼みがあるんだけどさ! 俺さ、『桃太郎』っていう昔話がやりたいんだよね! やっていい!?

町々:その申し出は最初にして欲しかった。

悪原:で、おじいさんは旅に出る二人目の桃太郎に、おじいさん達を連れて行かせました! さあ、桃太郎の旅が始まります!

町々:きびだんごポジションのおじいさん出てきたな。てか、もうこれ以上ジジイ増やすなよ。何か古参兵しかいない軍隊みたいになったぞ。

悪原:桃太郎が森の中を歩いていると、茂みの中からおじいさんが現われました!

町々:犬のことか?

悪原:「すみませんが桃太郎さん、少々お時間頂けないでしょうか。不躾なお願いで大変申し訳ないのですが、そのお腰につけておられるきびだんごを一つ私に分けていただけませんでしょうか」

町々:このジジイ妙に教養あるな。だけど、お前きびだんごなんて貰って無いだろ。

悪原:桃太郎はおじいさんを一刀両断にすると先を急ぎました!

町々:殺した!!

悪原:桃太郎が森の中を歩いていると、今度は茂みの中からおじさんが現われました!

町々:ほんの少し若い奴出てきたな。猿の奴か。

悪原:桃太郎はおじさんを一刀両断にすると先を急ぎました!

町々:問答無用で殺した!!

悪原:桃太郎は茂みの中のお兄さんを一刀両断にしました!

町々:じかに殺しに行った! 殺人鬼だなこいつ!!

悪原:桃太郎はおじいさんにのって鬼ヶ島へやってきました! 他のおじいさん達は乗り切れないのでその後を泳いできました!

町々:遠泳大会みたいだな。

悪原:鬼ヶ島に辿り着いた桃太郎を待ち受けていたのは……桃太郎でした!

町々:ん? ん?

悪原:始めの方の! 三人のおじいさんの! 桃太郎!

町々:いたね、そんな奴。

悪原:にらみ合う桃太郎達と桃太郎!

町々:多勢に無勢過ぎないか?

悪原:そして! 桃太郎達と桃太郎は! 鬼ヶ島でいつまでもいつまでも! 幸せにくらしましたとさ!

町々:は?

悪原:めでたしめでたし! ……ドゥルルルヒャッホォーッ!

町々:……えっと、ちょっと待てよ。……終わりか?

悪原:そうかそうかあー! なんだ! この優しい幸せな夢から覚めたくないんだな! わかるぜその気持ち! 素敵な物語だったんだもんな! わかるわかる!

町々:いやいやお前自分の桃太郎過大評価しすぎだろ。あと、何だよその円満すぎる終わり方は。

悪原:そりゃあおじいさんだもんよ! 暴力は振るわないよ! 年だから!

町々:一刀両断にしてたのは何だったんだ。

悪原:ノリだよ!!

町々:かもしれないと思ったよ。

悪原:でさでさ、この桃太郎を近所の幼稚園の生徒達の前で披露することになったんだよね!! いやー、俺子供に人気あるから! 参っちゃうね!

町々:マジかよ……!

悪原:でも俺緊張しいだからさ! 練習したいんだよ! 人前で喋るのって恥ずかしいんだよ! 今だって死にたいくらい恥ずかしいんだぜ!

町々:楽しそうで微塵もそうとは思えねえよ。

悪原:じゃあ俺桃太郎読みやるから、お前幼稚園のクソガキやれよ! 頼むぜ! お前のクソガキっぽさにかかってるからな!!

町々:お前実は子供大嫌いだろ。

悪原:ポレポレポレポレーッ! クソガキどもォォー!! 貴様ら全員をショルダーバッグにぶち込んでやろうかァァーッ!! トッポロプェーッ!!

町々:登場時から子供にトラウマ与える気かよ……。

悪原:さあみんな! むかしむかしあるところに! むかしむかしあるところに! フハハハハ、むかしむかしあるところとは、具体的に言うと10万飛んで49年前だ!!

町々:ちょっとデーモン閣下なアレンジかかったな。

悪原:おじいさんとおじいさんと桃太郎のおじいさん、あっ、『桃太郎』という話をやります! いいですか! 俺は今から、『桃太郎』という昔話を語り聞かせます!

町々:早めに気づけたな。

悪原:おじいさんは山へ芝刈りに! おじいさんも山へ芝刈りに! 桃太郎のおじいさんは家でじっとしていました!

町々:でも子供には良くないと思うんだよなこの桃太郎……。

悪原:すると、川上から大きなおじいさんがおじいさん〜、おじいさん〜と流れていきました! そう、流れていきました!! どこまでもどこまでも!!

町々:……あっ、おじいさん二人とも山行ってたから!

悪原:さようならおじいさん! お達者でおじいさん! 海に流れ着いたおじいさんは島へと姿を変え、オノゴロ島となったのはそのまた別のお話!

町々:急に日本神話みたいなの挟まれたぞ。

悪原:ある日のことです! 家でじっとしていた桃太郎のおじいさんは、「おじいさんとおじいさん! おじいさんを苦しめる鬼ヶ島の悪いおじいさんをやっつけにいってきます!」と言いました!

町々:始めに予備の桃太郎いて良かったな。

悪原:おじいさんとおじいさんは、桃太郎のおじいさんにおじいさん達を連れて行かせました! さあ、桃太郎の旅が始まります!

町々:まあ体裁はさっきと同じだな。

悪原:では、ここで桃太郎のおじいさんに登場していただきましょう! どうぞぉ!!

町々:は?

悪原:そう言うと、桃太郎役の全裸の園長先生が入ってくるんだよね! やっぱり視覚的に現物がいた方がクソガキにも分かりやすいもんな!

町々:……どうして丸裸なんだよ!

悪原:はああ!? お前、何言ってんの!? 桃太郎の世界だぜ!? と言う事は桃尻の世界だぜ!? そりゃあみんな尻も出すだろう! 尻が出たら後はもう全部脱ぐだろ! それはもう生まれたままの姿だよ! 性の解放だよ!

町々:どんな理屈なんだよ! そうか……この桃太郎の登場人物全員裸だったのか……そこまでは汲み取れなかったわ……。

悪原:ま、そこで抜き身の日本刀持った全裸の園長先生が登場するんだぜ!

町々:怖えよ!

悪原:客席を通って出てくるから盛り上がるぜ!

町々:園児達にパニックが起こるわ! そして園長先生はそこまでノリノリで協力してくれんのかな……。

悪原:桃太郎が道を歩いていると、茂みからおじいさんが出てきました! で、ここで全裸の教頭先生が入ってくるんだよね!

町々:教頭もかよ! この幼稚園終わったな……。

悪原:で、まあなんやこらあって、まあズバーッとなりました!

町々:伏せた! さてはこれ、本当に一刀両断やってるな!

悪原:で、桃太郎が道を歩いていると、茂みからおじさんとお兄さんが出てきました! で、ここで教頭先生の弟さんと教頭先生の息子さんが全裸で出てくるわけよ!

町々:遺族来たよ……。

悪原:で、まあ一刀両断しますよね! そりゃあね!

町々:犠牲者増え続けてんな!

悪原:最後まで生き残っているのは全裸の俺と全裸の園長先生だけよ!

町々:じゃあ園児も皆殺しかよ!? もうお前やめろよ! 猟奇的にも程があるわ!

悪原:その後は全裸の園長先生と美味い酒を酌み交わして、家に帰って、幸せな気持ちで寝るぜ! あー、楽しい!! あーーーーーーー楽しい!!!

町々:嘘だろ……。

悪原:……どう?

町々:……は、犯罪予告じゃねえか! もういい!

二人:どーもで。

悪原:ルッピャッポォォォーーーーッ!! 楽しぃーーーーッ!! たぁぁのぉぉぉしいぃぃぃぃーッッ!!


X子:ありがとうございましたぃぃぃぃーッッ!!

Y美:せめて「ましたぁぁぁぁーッッ」でしょうよ・・・

   さて、銀沙灘さん、いかがでしょうか?

 
・ああもうこのへんの漫才師みんなツッコミ面白すぎ。なんすか予備の桃太郎って。
 一刀両断の三段オチなんか今大会のボケの中で一番笑かされました。
 でもって実質二度同じ話をしてるのにそれを感じさせない構成や展開。
 清々しいくらい黒い!


X子:おお、今度は「今大会のボケの中で一番笑かされました」来ましたねぇ!

Y美:続きまして、夏草さんはいかがでしょう?

 
・むかしむかしあるところに! むかしむかしあるところに!!(ばたばた)
 奇跡が起こってますね。
 それはさて置き、おじいさんだらけの桃太郎を古参兵しかいない軍隊に例える単語センスは脱帽ものです。
 「早めに気付けた」「予備の桃太郎」もいい。面白い。
 ラストの狂気も心地良い。


X子:ほうほう、こちらもベタ褒めな感じですねぇ。

Y美:それでは最後、プロデューサーの山下 銃さん、いかがでしょうか?

 
・こいつら二週目あたりから俺の手を離れて勝手に漫才やり始めたので、もう何も言いません。好きにしてくれ、ほんともう。


X子:ほほう・・・暴れん坊の扱いも大変ですねぇ・・・



Y美:さて、次でラストです。

X子:11組目はこの方たちです!



エントリーNo.023

茨木からの刺客
呪いの手紙
土屋:土屋と土方で茨木からの刺客です。よろしくお願いします。

土方:お前呪いの手紙って知ってる?

土屋:確か、封を開けたら中から貞子が出てくるやつだよな?

土方:違うよ!文中の句点(。)という句点から大量に這い出てくるんだよ!

土屋:でもそれだと貞子のサイズ小さくない?

土方:だから怖いんじゃねえか!普通の大きさの人が紙から這い出てきても何も怖くねえだろ!

土屋:まあ確かに普通の大きさだったらどんな身なりでどこから登場しようが「普通の人かな?」って思っちゃうか。

土方:例えば夜中にテレビの画面から這い出てきたとして、それで怖いか?

土屋:全然怖くないし、むしろ体調を心配しちゃうな。

土方:そうだろ?水道水と消費期限切れのパンを優しく振舞ってあげちゃうだろ?
   あとさっきから貞子貞子言っってるけど、貞子じゃなくて卑弥呼だよ!

土屋:あれ?それって昔の日本の女王とかじゃなかった?

土方:邪馬台国の女王のことか?あれは小野妹子だよ!

土屋:あれ?それは性別がよく分からないでおなじみの歴史上の人物じゃない?

土方:それは剛力彩芽だよ!

土屋:それだ!聞いたことある!
   呪いの手紙で卑弥呼が出る時間って確か決まってたよな。満月の夜だっけ?

土方:卑弥呼が出るのは15日の日曜日だよ!

土屋:そうだそうだ。じゃあ満月の夜がジェイソン男か。

土方:違う違う!ジェイフォン男だよ!

土屋:満月の夜に馬のかぶりものして、ネギを振りまわしながら追いかけてくるんだよな?

土方:ただの変なやつじゃねえか!ある意味では怖いけど命の危機は感じねえ!
   ジェイフォン男は満月の夜にホッケーマスクをつけてチェーンソーで森林を伐採し出すんだよ!

土屋:ジェイフォン男超怖え!人類の未来に恐怖を与えてくるとは・・・

土方:そしてジェイフォン男の決め台詞が「お前らボーダフォンに乗り換えやがって!」な。

土屋:まあそれはしょうがないよな。時代はボーダフォンなんだから。
   今やボーダフォン以外の携帯持ってる人なんかいないだろうな。

土方:で、呪いの手紙の話に戻すけど、呪いの手紙をモチーフにした映画あるだろ?

土屋:トイレのバタコさん?

土方:違うよ!それ夜中に誰もいないはずのパン工場のトイレの扉を開けるとバタコさんが出てきて怪力で投げ飛ばされるっていう怖いやつじゃねえか!
   だいたいタイトルにバタコさん入ってる時点で卑弥呼じゃないって分かれよ!

土屋:正解なんだっけ?

土方:「ドラえもん のび犬と恐竜」だよ。

土屋:それだ!タイトルにバタコさん入ってないし絶対それが卑弥呼出るやつだ!
   あの映画、卑弥呼登場時の歌がまた怖いんだよな。
   (貞子登場時によくかかる歌のメロディで)来る、しっこ来る〜、しっこ来る〜

土方:そんな尿意に襲われてそうな歌じゃねえよ!全然怖くねえし!
   (貞子登場時によくかかる歌のメロディで)クルム、きっとクル〜ム、きっとクル〜ム

土屋:クルム!?クルム伊達公子!?卑弥呼役がクルム伊達公子なのかな?

土方:で、俺この前DVD借りて初めて見たんだよ。もう1日レンタルで100回ぐらい見たな。

土屋:1日でそんな見れるか?

土方:頑張って早起きして昼の2時から見始めたし、1回見るごとの休憩も30分ずつしか取ってねえから。

土屋:ああ、そんだけ頑張って見たなら余裕で時間足りるな。

土方:お前はのび犬と恐竜見たことある?

土屋:実は俺20回しか見たことないんだよ。

土方:少ねえな!じゃあ見てないも同然のお前に俺が話してやるよ。
   ある日ドラえもんが家に帰ると「呪い」と書かれた手紙が。
   手紙を開くと流れ出す音楽!

土屋:おっ、ようやく卑弥呼登場か。

土方:(貞子登場時によくかかる歌のメロディで)来る、しっこ来る〜、しっこ来る〜

土屋:さっき俺が間違えて歌ったやつ!?

土方:手紙を置いてトイレに駆け込むドラえもん。

土屋:尿意に襲われてるな。あれ?ドラえもんってロボットなのにトイレ行くの?

土方:あいつロボットだと思うか!?食欲、睡眠欲、さらに猫とデートするという性欲まで兼ね備えてんだぞ!?

土屋:そうだな!そんな無駄だらけなロボットいねえな!じゃあドラえもんって何なの?人間じゃあ・・・ないよな?

土方:妖怪だよ。メガネ甘やかし猫フェチブルーハワイまみれ妖怪。

土屋:妖怪なのか。というかホラーの主人公が妖怪でいいのか!?

土方:妖怪が主人公であることで2倍怖くなるんじゃねえか!

土屋:そうだよな!主人公が妖怪であることで逆に卑弥呼の恐怖が薄れるなんてことは有り得ないよな!

土方:で続きな。
   トイレから出てきたドラえもん。そして手紙を開くと流れ出す音楽!

土屋:クライマックス来る?満を持して来る?

土方:(貞子登場時によくかかる歌のメロディで)来る、やっぱ来な〜い、やっぱ来な〜い

土屋:来なかった!その日が15日の日曜じゃなかったのかな?

土方:次の日。ドラえもんが家に帰ると「呪い」と書かれた手紙が。手紙を開くと流れ出す音楽!

土屋:さすがにもう来るでしょ?3度目の表示キーってよく言うし。

土方:(貞子登場時によくかかる歌のメロディで)来る、やっぱ来な〜い、やっぱ来な〜い

土屋:あれ?また?

土方:なんと手紙の本文に句点が使われてない。安心したドラえもん。しかし!差出人の名前を見ると・・・「ほっしゃん。」!
   (貞子登場時によくかかる歌のメロディで)クル〜ム、きっとクル〜ム、きっとクル〜ム
   「ほっしゃん。」の「。」からおそらくクルム伊達公子が演じていると思われる卑弥呼登場。

土屋:ほっしゃん。とドラえもん交友あるの!?
   ドラえもんとほっしゃん。は同一人物だと思ってたから別々に出てきてビックリだな!

土方:小さくて怖いのですぐさまビッグライトで人の大きさにするドラえもん。

土屋:やっぱ小さい方が怖いもんな。

土方:「ワン!ワン!」
   「ガルルルルネクストドア!ギャルルルルソネ!」
   卑弥呼に怯えて吠えるのび犬と恐竜。

土屋:ドラえもんと同等の主役といえるのび犬だ。さすがに主役というだけあって恐竜よりも全然目立ってるな。

土方:長い髪でドラえもんに這い寄っていき話しかける卑弥呼。
   「わらわの髪を切って奉れ!今日髪を切りに参ったら第3日曜でどこも休みだったのじゃ!
    15日で既に第3迎えてるとは思わぬわ!」

土屋:15日の日曜ってそういうことだったんだ!?
   というかカットスキルのない人間に女の人が「髪を切れ」と命令してくるとかこれ怖すぎる!
   失敗して怒られると考えるとゾッとするな・・・

土方:ここで満月が昇り出す。四次元ポケットからホッケーマスクとチェーンソーを取り出し装備するドラえもん。

土屋:ドラえもんはジェイフォン男だったの!?

土方:「チェーンソーで髪切りましょうか?」とドラえもん。
   「頼むわ・・・」と卑弥呼。

土屋:まあハサミよりも切れ味の良いチェーンソーの方が切ってもらう側からしたら安心だよな。

土方:(貞子登場時によくかかる歌のメロディで)来る、しっこ来る〜、しっこ来る〜
   「失礼。」とトイレに駆け込むドラえもん。

土屋:また尿意に襲われるシーンか。

土方:トイレの扉を開けるとそこにはバタコさんが!

土屋:パン工場じゃないのにトイレのバタコさん不意に出てきた!友情出演!?

土方:バタコさんの怪力でドラえもんが22世紀に投げ飛ばされて映画終了。

土屋:時空さえも超えて飛ばすとはバタコさん怖え!バタコさん怖いで映画終わったよ!?

土方:バカ!バタコさんはドラえもんを22世紀へ逃がしてあげたんじゃねえか!そして卑弥呼を封印したんだよ!

土屋:なるほど!ドラえもんがトイレから帰ってくる待ちという状態にすることで卑弥呼は身動きがとれない訳か!

土方:のび犬と恐竜面白いだろ?

土屋:ああ。トイレに駆け込むドラえもんの滑稽さとか特に面白かったな。

土方:全然面白さ理解できてねえじゃねえか!一番面白いのはのび犬が犬なのにメガネかけてるところだよ!もうやめ!

二人:どうもありがとうございました。


X子:ありがとうございました。
   いやはや、どちらがボケなんだか・・・

Y美:夏草さん、いかがでしょうか?

 
・俺の中のゲシュタルトがえらいことになってますよ。
 たまに「あえて的を外した」ってのが露骨に垣間見えてるツッコミがあったのが気になったけども、
 お見事。面白い。


X子:おお・・・これまた夏草さんから絶賛のコメントが来ましたねぇ。
   今回だれが勝つのか、全く分からなくなってきましたよ!

Y美:続きまして、火田辻正さんはいかがでしょう?

 
・ボケ数ハンパない。

 土方:…だいたいタイトルにバタコさん入ってる時点で卑弥呼じゃないって分かれよ!
 土屋:正解なんだっけ?
 土方:「ドラえもん のび犬と恐竜」だよ。
 土屋:それだ!タイトルにバタコさん入ってないし絶対それが卑弥呼出るやつだ!

 それじゃねぇ!…ただただボケ続けているだけというわけでもなく、フリや天丼など、かなりちゃんと作られているようです。
 前半は、2人の間では土方がツッコミ担当のちゃんとした漫才をやっているという体になっているので、
 この前半の間に、見てる人が「土方へのツッコミ担当」に作りあげられてしまうんですよね。
 そこにきて後半、土方ボケの土屋バカ、が続くので、もうこっちの『ツッコみたい欲』が止まらないですね。
 ただ、これだけボケ返し続けているのに「3度目の表示キー」だけスルーなのは「あれ?」と思いました。
 あと、「のび犬」も喋る漫才だと考えると通用しないのが残念です。


X子:おおー。こちらもなかなかの絶賛度合ですね。

Y美:それでは今回ラスト、山下 銃さんのコメントで締めましょう!

 
・メガネ甘やかし猫フェチブルーハワイまみれ妖怪! バカか! お前らバカ二人か! あーもう乾杯! わっしょーいって言って乾杯! 唯一無二の漫才見せてもらいました! バカか!
 結構、展開ごっちゃごちゃしてついてけないとこ(終盤特に)あったんですが、要所要所のクレイジーなボケがすげえ面白いです。爆発力ではこの大会で一位、二位を争うんじゃないでしょうか。
 なんでちっちゃいとこわいんだよw 普通に大きさにするなよw あーもうバカ! バーカバーカ!


X子:山下さんが悪原さんばりに壊れた!山下さんが悪原さんばりに壊れた!!!(ばたばた)

Y美:お姉ちゃんも壊れた・・・





いよいよ、結果発表!!