X子:さて、まず4組のネタが終わりました。
Y美:続いて5組目は、このコンビです!
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斬新な発想で二度の準優勝を成し遂げた奇才が同門対決を制して決勝に舞い戻った。
長く険しい栄冠への道を歩んだ異端の踏破者がついに未踏の頂に立つ!
エントリーNo.039 「眠くなるガムっぽい」
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Frontal lobe sheep shipment center
前田:トリプルゼータ トリプルゼータ トリプルゼータ
安正:始まってますよ
前田:すいませんちょっと寝てました
安正:多分ですけど「Zzz」ってそんな読み方じゃないですよ
前田:最近夜寝れないんですよ
安正:それは良くないですね
前田:布団入ってね、目瞑るんですよ。あー、寝たなーと思って目開けると30秒も経ってないんですよ
安正:それ貴方の名前がつく病気になるかもしれませんよ
前田:目開けると8時間くらい経ってる寝方したいんですけどなんかありますかね?
安正:ちょっとそれは分かりませんけど、寝るために羊を数えるとかは聞きますね
前田:Let's counting sheep
安正:思いがけたら即実践
前田:144 288 432
安正:あんまり羊をグロス単位で数えない方がいいと思いますよ
前田:なんてこった
安正:羊144頭一気に来たらどう思います?
前田:トラックに詰め込んでいったんで別に何も
安正:出荷で想像してたんですね
前田:まとめてトラックに詰め込んだ方が作業が楽に進むんでね
安正:じゃあそれはそれとしてね、ちょっと数えにくく無かったですか?
前田:確かに288から432に行く時の繰り上がりが大変でしたね
安正:多分なんですけど144をずっと足していくよりは1をずっと足していく方が簡単だと思うんです
前田:1 2 3。 …!!!
安正:気づいて頂けて何よりです
前田:Let's counting sheep one by one
安正:一つずつが「one by one」だそうですよ
前田:(まぶたが無い)
安正:ちょっと
前田:1 2 3 4 5 6
安正:無駄ですよ
前田:何が無駄なんですか、前頭葉羊出荷センターの仕事を邪魔しないでくださいよ
安正:貴方最初になんて言いました?
前田:トリプルゼータ トリプルゼータ トリプルゼータ
安正:私が悪かったです
前田:おかしいな、さっきトリプルゼータを三連呼した時は寝れていたはずなのに
安正:貴方夜寝る時はどうしてるんですか?
前田:布団に入って目を瞑りますね
安正:目を瞑る時ってまぶたはどうなってます?
前田:閉じてますね。 …!!!
安正:いつまぶたが無くなったかは知らないですけど、まぶたはある方がいいと思いますよ
前田:まぶた まぶた まぶた まぶた
安正:横山やすし師匠の魂は今ここに生きている
前田:(まぶたがある)
安正:見つかったみたいです
前田:Let's counting sheep one by one with eyelid
安正:「eyelid」がまぶたみたいです
前田:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
安正:いい調子ですよ
前田:15 16 17 18 19 2021 2022 2023
安正:おっと
前田:一台のトラックの荷台に詰めた羊が皆圧死している
安正:そりゃ2023匹の羊が入る容量のトラックは無いでしょうからね
前田:おかしいな、21匹目を詰めた時にあるはずのスペースが急に無くなったんだよな
安正:それです
前田:?
安正:18からもう一度数えてもらってもいいですか?
前田:18 19 2021
安正:そこ
前田:…!!!
安正:あるはずのスペースが開けられていないんです
前田:なんてこった
安正:一気に西暦クラスの数字になっちゃいましたからね
前田:ただ僕にはここにスペースを開ける力はないようです
安正:あらま
前田:どうしよう、このままだと前頭葉羊出荷センターが機能不全になってしまう
安正:これずっと言ってなかったんですけど
前田:お、何か前頭葉羊出荷センターの希望になるアドバイスが?
安正:こういうのって羊が柵を飛び越えるイメージで一匹ずつ数えていくんですよ
前田:…!!!
安正:量は増えちゃいますけど柵を飛び越えるだけなら羊が圧死することもないと思いますよ
前田:前頭葉羊出荷センターなんて本当は必要無かったんだ
安正:はい
前田:Let's counting sheep one by one with eyelid without…
安正:どうしました?
前田:前頭葉羊出荷センターって英語でなんて言えばいいんですかね?
安正:全部日本語で言えばいいんじゃないですかね
前田:…!!!
安正:「よーし、羊を数えるぞ」で済む話なんですよ
前田:これで全て解決しそうだ、何度もお手数をおかけしました
安正:いえいえ
前田:じゃあ独特の空気を出すために行間を開けますね
安正:あんまり手の内ばらすもんじゃないですよ
前田:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
安正:いい調子ですよ
前田:15 16 17 18 19 2021 2022 2023
安正:ここはしょうがない
前田:2024 2025 2026 2027 2028 2029
安正:はいはい
前田:2030 2031 2032 2033 2034 2035
安正:はい
前田:2036 2037 2038 2039 2040 2041
安正:…
前田:2041 2042 2043 2044 2045 2046
安正:これはこれで気が狂っている
前田:2047 2048 2049 2050 2051 2052
安正:数字を増やしていく人に相槌を打つ漫才ってなんですかこれ
前田:2053 2054 2055 2056 2057 2058
安正:何が独特の空気ですか、ボケでもなんでもないですよこれ、ちょっと
前田:2059 2060 2061 トリプルゼータ トリプルゼータ トリプルゼータ
安正:おやすみなさい
X子:ありがとうございましトリプルゼータ トリプルゼータ トリプルゼータ
Y美:こらこら司会業の途中で寝るんじゃない!!
けうけげんさん、いかがでしょうか?
・(まぶたがない)じゃねぇよ。「まぶた まぶた まぶた」じゃねぇよ。(まぶたがある)じゃねぇよ。
いつもより狂気控えめなんですが、それがこのネタに効果的だったのかめちゃくちゃ笑いました。
「名前のつく病気」「eyelid」「全部日本語で言えばいい」など、ひとつひとつのくだりに爆弾が仕掛けられていて隙がありませんし、
単純な設定だからこそフレーズのオリジナリティが存分に発揮されていてズルいです。
気になったのは 2021のくだりがぱっと見わけわかりづらいことくらいです。それも大して気にはなりません。
今回単純に一番笑った彼らに優勝してもらいたいので、最高得点をつけさせて頂きます。
X子:おお、ここで「最高得点」宣言が来ましたね!
Y美:大変お待たせいたしました。「八十八」などでおなじみの雷電さん、いかがでしょうか?
・いいですよ、独特の空気出てます。
最初のグロス単位で数える件はハマりませんでした。
そこでちょっとハードルを下げてしまい、行間を空けてからの(まぶたが無い)で噴き出しました。これはもう思惑通りですかね。やられました。
ありがちな使い古された設定で、ここまで斬新な世界観を作り出せるのはお見事です。
X子:おお、こちらもかなりの高評価の模様ですね!
Y美:ゆーたさん、いかがでしょうか?
・もっと見たかったという点以外はもはや圧巻の内容だったと思います。巧い。
X子:またもや1行コメント!確かに、もっと見たい作品ではあったわねー。
Y美:さて、どんどん参りましょう。
X子:続いて、6組目はこの方たちです!
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2006年1月にスタートしたMM-1。そのすべてを知る時代の証言者にして男女漫才の長。
幾度跳ね返されても挑み続けた遥かな王座。9年越しの夢を今度こそ叶えろ!
エントリーNo.035 「十四度目の正直」
天体観測
華麗なるカレー
ミヤ:先日大雨の中、一人でコサックダンスを公園で踊っていたら原因不明の風邪をひきまして
翔:こんなに分かりきっている原因が他にあるでしょうか
ミヤ:その時に思ったんですよ。
「あぁ……カレーが食べたいな」って
翔:重いよ。もっと病人らしいものを欲しがりなさいよ
ミヤ:いや、それぐらい私はカレーが好きなの! 好きすぎて本場のスロバキアまでカレーの勉強に行ったからね!
翔:本場のほの字もねぇよ。カレーがあるのかさえ怪しいわ
ミヤ:あっ、そういえばお土産を渡し忘れたわ。はいこれ、モラドー焼きね
翔:モラドー焼きって何だよ! モラドーすら知らねぇのに更に焼いちゃったのかよ!
ミヤ:お好みでカレーとかをかけてもオツなものよ
翔:おっ、ちゃんと本場で得るものがあったんだな。ありがとう、美味しくいただくわ
ミヤ:まぁ陶器なんですけどね
翔:ガッチャンじゃねぇんだから。陶器バリバリ食べれませんからね
ミヤ:ここで突然ですが私がおススメする美味しいカレー屋さんベスト3を発表します!!
翔:おっ、マイペースだね。でも今後の参考になるかもしれないし一応聞いておこう
ミヤ:まず第3位! ベルギーにある……
翔:まさかの国外。100歩譲ってもスロバキアじゃないとは
ミヤ:『オチーン』というお店のベルギーワッフルカレー味です!!
翔:まさかカレーがメインじゃないとは。そして店名が卑猥
ミヤ:ここのベルギーワッフルは絶品ですよ。シットリとしていて甘さ控えめな感じで何とも言えません
翔:少しはカレーに触れてくださいよ。ランキングがブレちゃいますよ
ミヤ:第2位! チョモリンコム共和国にある……
翔:どこだよ!! 世界地図に載ってねぇ地名を挙げるんじゃねぇ!
ミヤ:『オチンチ』という店のベルギーワッフルカレー味です!!
翔:またベルギーワッフル!? そして店名が卑猥!! さっきの店名とちょっと似ているし!
ミヤ:ここのベルギーワッフルは最高です。アッサリしているのに濃厚な感じが何とも言えません
翔:だからカレーに触れろって。いつからワッフルランキングになったんだよ
ミヤ:そして栄光の第1位! 北海道の札幌の……
翔:おっ、ようやく日本ですか。しかも北海道だし! これでワッフルだったら怒るからな!
ミヤ:コンビニで売られているカレーヌードルです!! おめでとうございます!!
翔:あー。美味しいよねー。でもー、北海道の札幌以外でもいくらでも売れてるからねー。ばかー
ミヤ:確かメーカー名は『オッチン』でしたっけ?
翔:日清に恨みでもあんのか。日清みたいなイントネーションでオッチンって言うんじゃねぇ
ミヤ:ここのカレーヌードルは賛辞の言葉しかありません。麺のモチモチ感が何とも言えません
翔:さっきから何にも言ってねぇな。ボキャブラリーがひどい。そして相変わらずカレーには触れないのね
ミヤ:以上のベスト3で私がどれだけカレーが好きなのかは伝わったと思うんだけど
翔:ワッフルとカップヌードルと下ネタが好きなんだなってのは伝わりました
ミヤ:でも! 私は満足していないわ! そう、私の夢は究極のカレーを作ること!!
翔:海原雄山にでも任せておけよ
ミヤ:こう見えても私は料理学校に入学したくて料理学校のパンフレットをたくさん食べてきた女よ!?
翔:ヤギかよ! 行動がオテンバ過ぎるわ!
ミヤ:だから料理の知識とかめちゃくちゃあるし、片岡鶴太郎と握手したことだってあるんだよ?
翔:後半全然料理と関係ないな! あと全然羨ましくないのは何故なんだろう!
ミヤ:というわけで今日はこれからカレーを作っていきたいと思います
翔:いやいや漫才しましょうよ。せっかくのMM−1ですから
ミヤ:舞台の左をご覧ください! ひろちょびさんにお願いして舞台の上にオッチンを作ってもらいました!
翔:キッチンな! うわっ、本当にキッチンある……
ミヤ:ということで今からカレー作りますからね。はい、これネクタイです
翔:エプロンじゃねぇのか。これから料理するのにキッチリ正装しちゃうのかよ
ミヤ:さぁ、ということでまずはお米を炊きましょう。カレーにはご飯がないと始まりませんからね
というかカレーにご飯は常識ですからね。ご飯を軽視する人間は後で指を詰めてもらいますからね
翔:怖ぇよ! ていうかさっきまでお前が完全に軽視していたじゃねぇか!
ミヤ:お米はコシヒカリは用意しました
翔:あら、高級米じゃないですか。新潟産ですか?
ミヤ:いえ、チョモリンコム共和国産です
翔:また出やがった! 聞いたこともない国のお米なんか使いたくないんですけど!
ミヤ:漢字で言うと腰光ですね。パッと見て徳光に見えますね
翔:どうでもいいわ!
ミヤ:あら、お米の色が紫なんですね
翔:それもう米じゃねぇよ!!
ミヤ:さぁ、炊飯器にお米とお水を入れまして、炊き上げます!
翔:洗わないの!? こんなに怪しい色なのにお米洗わないの!?
ミヤ:大丈夫です。これは無残米ですから
翔:無洗米じゃなくて!? 無残なの!? やっぱり悲惨な感じ!?
ミヤ:スイッチを押して、と。よし、じゃあいよいよカレー作りに取り掛かりましょう
翔:逃げるからな! 試食の際にはダッシュで逃げるからな!
ミヤ:今日は鶏肉があるので一般的なオチンカレーにしましょう
翔:チキンな。君はどんだけオチンという言葉が好きなんだい
ミヤ:申し訳ないけど、そっちの隅っこにある粉を取ってもらえる?
翔:おっ、カレー粉から作るカレーですか。本格的ですね。これは期待できるかもしれませんね
ミヤ:薄力粉と強力粉お願いします
翔:思っていた粉と違った! ……薄力粉と強力粉いうことはナンかな? ご飯炊いたのにナンを作るのかな?
ミヤ:申し訳ないけど、そっちの隅っこから♯取ってもらえる?
翔:お前、ベルギーワッフル作る気だろ!! ♯なんてベルギーワッフルの時しか使わないもんな!
♯ っ て な ん だ よ !
ミヤ:音楽記号的に言えば半音上げる、ね。料理記号的にはベルギーワッフル作るからモラドー焼きを破壊しろっていう意味ね
翔:モラドー焼きを破壊する意味は!?
あと、ワッフルじゃなくてカレー作ろうよ! お米炊いたんだしさ!
ミヤ:私、ご飯にベルギーワッフルかけて食べたいんだけど
翔:かからねぇよ! ご飯にベルギーワッフルはかからねぇよ!!
ミヤ:ミキサーで液体状にしますから大丈夫です
翔:そこまでして食べたいか!? ていうかお前がカレー作るって言い始めたんだろ!
ミヤ:ハッ。そうだったわ……勉強しに行ったドイツのニョクナムおじさんに言われた言葉を思い出したわ
翔:スロバキアどこいった。あとニョクナムおじさんって何だ
ミヤ:「兩位演員配合得天衣无縫。」って言ってたわ
翔:一つも理解出来んわ。ていうかこれドイツ語じゃないんだけど。漢字なんだけど
ミヤ:あっ、ニョクナムおじさんはチョモリンコム共和国出身だからね
翔:チョモリンコム共和国って漢字使うんだ! また一つどうでもいい知識が増えてしまった! で、何て言ってたんだよ?
ミヤ:カレーは飲み物だって
翔:そんなウガンダっぽいことを! ニョクナムおじさんってウガンダの親戚か何かなのかな!
ミヤ:よし、カレー作りを再開しましょう! まずはじゃがいもを切りましょう!
翔:おぉ。燃えていますね。じゃあオレがじゃがいもの皮をむいておくね
ミヤ:へぇ。じゃがいもって皮むくんだ……
翔:無知にもほどがあるじゃねぇか!! よくそんなんで料理学校入りたいとか言ってたな!
(ピピピピピ)
ミヤ:おっと、お米が炊けたようです!
翔:もう!? さっきスイッチ押したばっかりじゃん! 多分ふやけてもいないよ!?
ミヤ:国産とチョモリンコム共和国産の違いですよね
おっと見てください、綺麗なスカイブルーの色です!
翔:炊けたら紫からスカイブルーになるの!? 色は綺麗だが食欲はクソも沸いてこない!
(ピピピピピ)
翔:今度は何の音!?
ミヤ:あぁ、お湯が沸いたんですよ
翔:野菜を茹でるための? なら早く皮むいて野菜を切りましょうよ
ミヤ:いやいや、このお湯を注いで……カレーヌードルの完成です!! よし、究極のカレーが出来た!
翔:結局ラーメンかよ!! いい加減にしろ!!
X子:ありがとうございました。はい、キッチンの撤収急いでー!!
Y美:ページを切り替えるタイミングを5組目から4組目に変えてしまったから準備大変だったのよね……なーんて、とてもメタな話。
さて、藍殿TTさん、いかがでしょうか?
・持ち前の読みやすさと今回はボケの威力がマッチしててとても面白かったです。
前半 特にワッフルあたりで散々笑って、さらに後半の#で追い打ちをかけられました。#でワッフルは面白すぎる。
強いて難点を挙げるならば、舞台にキッチンなど”何か”を持ち込むネタはどんなめちゃくちゃなことをするのかとハードルが上がってしまうので
別のアプローチの仕方でも良かったんじゃないかということだけです。
X子:ありがとうございました。そうよこっちも大変だったんだからね!
Y美:では銀沙灘さん、いかがでしょうか?
・天体観測もだんだん新しい試み仕掛けてくるなあ……。
舞台にキッチンを用意してもらうという飛び道具がまさにそれ。
更に後半は料理のテンプレに則りつつも、ちょくちょく脱線する事で読む側を退屈させません。
でも、何度も登場したチョモリンコム共和国は、
カタカナの面白さでしか勝負できないボケですし、似たボケのスロバキアとケンカになるので削った方がいいかもしれません。
残すならスロバキア削って初っ端から出した方がいいかも。
気になって「モラドー焼き」でgoogle検索したら「もしかして:モドラー焼き」って聞かれたんですけど、あの。
X子:もしかして:なるほど、ありがとうございました。
Y美:もしかして要らないでしょ、それ…
雷電さん、いかがでしょうか?
・凄く綺麗な漫才を見たなー、という感じがします。これまでの組を見て、ボケ・ツッコミがブレない正統派な漫才が逆に新鮮で、技量を感じます。
「モラドーすら知らねぇのに更に焼いちゃったのかよ!」などのツッコミも的確。
しかしチョモリンコム共和国に対する「どこだよ」→「世界地図に載ってない」っていう箇所は少々一人よがりなツッコミになってしまったかな、といった感はあります。
読み手側としては、実在するマイナーな国名なのか架空の国名なのか分からない状態で、ツッコミの翔さんも「どこだよ」と言っている時点では読み手側と同じ立ち位置ですが、
「世界地図に載ってない」と断言されるとそこで読み手側を少々突き放してしまうかな、と。だいぶ細かい事言いますけどね。
でもとても面白いですよ。繰り返しになりますが、とにかくブレない。とても安心して読み進められました。
X子:ふむふむ、何だかんだで好印象のようですね!
Y美:さて、どんどん参りましょう。
X子:続いて、7組目はこの方たちです!
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目の上のたんこぶの言霊が消えて決勝に初進出。
名だたる強豪に競り勝ち完璧な、いや完碧な有終の美を飾れるか?
エントリーNo.045 「静かなる薫風」
ENDGREEN
京都の果てまで連れてって!
武田:どうも、よろしくお願いします。
まず最初に自己紹介しますと僕が武田完で隣にいるのが三浦碧。
二人合わせてENDGREENです。よろしくお願いします。
三浦:ねえ、ねえ完君、完君。話があるんだけどさ! 私、京都旅行に行きたいから完君に引率してほしいの!
武田:どういうことかな碧ちゃん? 引率って修学旅行みたいになってるけれど。
三浦:うん! 私、修学旅行に行きたいの!
武田:碧ちゃん、修学旅行は学生だけに許された特権だよ。
三浦:でもさ、中学の修学旅行は真面目に見てなかったからなにも思い出がなくて……。だからもう一回修学旅行に行きたいんだ!
武田:手厳しいことを言うけれど、それは真面目に見なかった碧ちゃんの自業自得だよ。
三浦:バスや新幹線ではずっと寝てたし、興味ないから見学でもサボってたし。
武田:勉強で行っているんだからちゃんと見ないとだめでしょ。
三浦:それに熱が42度あったし。
武田:じゃあそれが原因だね。ごめんね碧ちゃん。碧ちゃんの学習意欲に問題があると決めつけて。
そりゃ、意識朦朧としていたら京の街の趣には興味持てないよね。
三浦:だから、京都の思い出は全長100メートルの怪獣とマシンガン片手の女に追いかけられたことしかないんだ!
武田:悪い夢を見ていたんだね。
三浦:それを退治するんだからやっぱり陰陽師ってすごいよね! さすが京都!
武田:碧ちゃん、その地獄絵図は現実には起きてないからね。
京都ならではの光景じゃないからそこを誉めたたえられても京都の人たちも反応に困るからね。
旅行に行きたいのはわかったけれど、普通に京都を観光するだけじゃだめなのかい?
三浦:でも、私は修学旅行気分を味わいたいの!
だから完君は先生になって引率して! それからバスガイドさんと運転手さんとクラスメイト全員の役も演じて!
武田:碧ちゃん、僕は一人何役をこなせばいいんだい? クラスメイトって言われても演じようがないよ。
三浦:ちゃんと卒業アルバム持ってきて教えてあげるよ!
武田:だからと言って細かい演技指導は求めていないよ碧ちゃん。クラスメイトの個人情報教えてもらっても困るからね。
三浦:そうそう、あとから知ったんだけれど、修学旅行中に勇気君がなっちゃんに告白して付き合ったんだ!
それがすごくロマンチックだったから絶対見たいの! 完君、演技お願いね!
武田:碧ちゃん、本編を始める前からスピンオフを求めないでよ。
三浦:なっちゃんの家は消防士の一族、勇気君の家は放火魔の一族で親同士はすごく仲が悪いんだ!
武田:碧ちゃん、クラスメイトの補足説明はいいよ。
トリッキーすぎるロミオとジュリエットに興味引かれるけれど、京都には関係ないからね。
三浦:それでバスガイドさんはね……
武田:碧ちゃん、いよいよ困るよ。一期一会ですれ違っただけのバスガイドさんの再現を求められてもいよいよ困るよ。
三浦:大丈夫だよ。セリフ量少ないし!
武田:そういう問題じゃないんだけれどな……。
三浦:簡単だよ。私を追いかけてきて「右手に見えますのが……マシンガンでございます」って言えばいいんだ!
武田:悪夢に出てきたのはバスガイドさんだったんだね。
三浦:それから、運転手さんに「助けてください! 怖い! 怖い!」って助けを求めたら、
その運転手さんがなんと陰陽師で「破アッ!!」って気合を入れて追い払ってくれたんだ!
武田:もし本当に運転手さんにそう駆け寄ったなら、気合を入れたんじゃなくて、「はあ?」っていう呆れを含んだ疑問符だったんじゃないかな。
碧ちゃん、修学旅行気分を味わわせてあげたいけれど僕には荷が重いよ。
三浦:じゃあ、引率や演技はいいから、完君は京都旅行のアドバイスをしてよ。
武田:まあ、それぐらいだったらいいけれどさ。まず京都に着いたらどこに行きたいのかな?
三浦:東京ディズニーランド!
武田:これまでの前提を覆さないでよ碧ちゃん。QとAが分離していないからね。
なんで京都の話から関東を象徴するテーマパークに行きたくなったんだい。
三浦:だってよく考えたら京都よりディズニーランドが楽しいそうだもん。
武田:修学旅行気分って目的はどうしたんだい碧ちゃん?
楽しみたいなら最初からディズニーランドに行けばいいんだから、一旦京都まで話を広げた意味がないよ。
三浦:でも、離れてみて初めて魅力を再発見するってあるでしょ?
武田:倦怠期の恋愛みたいなこと言わないでよ。そんなこと言って当て馬にされた京都に謝ろうよ。
三浦:でも、京都もディズニーランドもそんなに変わらないと思うんだよね。シンデレラ城も金閣寺も似たようなものだし。
武田:全然違うよ。三島由紀夫がシンデレラ城を題材に小説書かないでしょ。
三浦:ディズニーシーは京都のとなりにある琵琶湖だし!
武田:せめて滋賀として認識してよ。
三浦:なによりディズニーランド自体が太秦村だし!
武田:じゃあ、太秦村に行こうよ。京都にある本物の太秦村に行こうよ。
あのさあ、碧ちゃん。京都に行きたいならちゃんと京都に行こうよ。
三浦:でも、京都に行っても観るところがなにもないでしょ。
武田:そんなことないよ。たくさんあるから修学旅行で行くんだからね。
三浦:たしかに昔はそうだったけれど、今は違うでしょ!
武田:どういうことかな、碧ちゃん?
三浦:だって私が修学旅行に行ったとき、あの全長100メートルの巨大怪獣が京都の街を燃やしつくしたじゃない!
武田:そういえばそんな悪夢も観ていたね。碧ちゃん、それは碧ちゃんの夢だからね。悪夢を引きずらないで。
三浦:……夢? え、じゃあわけもわからず逃げ惑う私を追いかけ、安全な場所に避難させてから
「右手に見えますのが……マシンガンでございます」って怪獣に立ち向かっていったバスガイドさんも夢!?
武田:夢だよ、碧ちゃん。
サイコキラーかと思いきやものすごくいい人だったんだねバスガイドさん。
三浦:「やめてバスガイドさん! 相手は怪獣よ!」って止める私に
「へへ、そんなことわかってるわよ。でも、京都の女にはやらなきゃいけないときがあるのよ。
ここはあたしがおとりになるからあなたは遠くの安全な場所に逃げなさい! それがあたしのできる最後のことよ。
……あたしさあ、何の目標もなくバスガイドになってなにやってんだろ……って思ってたけどようやくわかったんだ。
あなたたち未来のあるヒヨっ子に生き様を案内<ガイド>するのが使命だったのよ!
行くわよ! 右手に見えますのが……マシンガンでございます」って言ってくれたのも!?
武田:全部夢だよ。怪獣が夢である以上は全部夢だよ。
そして、さっきの説明とは裏腹にセリフ量が膨大だよ。求人広告の「軽作業」並の詐称だよ、碧ちゃん。
三浦:そんなバスガイドさんの仇を取って怪獣を退治してくれた近江洋二運転手の活躍も夢!?
武田:もれなく夢だよ。運転手さん、近江洋二っていうんだね。だから夢の中で陰陽師になっちゃったのかな?
三浦:「臨・兵・闘・者・大・丈・夫・かい・先・生・この・子・体・調・悪・そう・です」って九字で払ってくれたのも夢!?
武田:夢だよ。何もかもが夢だよ。そしてなにより九字というには字余りが目に余るよ。
これは雑感だけれど、バスガイドさんと違って運転手さんは実際にかわされた会話が元になって夢に登場しているんだね。
三浦:……もしかして「ぶぶ漬いかがどす?」って言ってた芸妓さんも夢なの!?
武田:それは夢とは言い切れないかな? ステレオタイプな京都イメージだから実際にあってもおかしくないし……。
いやでも、修学旅行で芸妓遊びはしないだろうからきっと夢だと思うよ。
三浦:そんな……
「古より伝わる京の都の伝統を守るのがうちら芸妓の役目どす。
あんまり暴れはるとうちが許しませんえ。怪獣はん、ぶぶ漬いかがどす?」って言ってぶぶ漬けひとつで立ち向かった芸妓さんまで!?
武田:確実に夢だね。碧ちゃんの夢の中で京女は勇ましく挑んで勇ましく散っていくんだね。うっかり好きになりそうだよ。
三浦:じゃあ、キラキラと輝いていつまでも永遠に続くと思えた。今となっては懐かしいあの青春の日々までも……
武田:夢……なのかな? ねえ、碧ちゃん。ここにきて夢の解釈を変えてこないでよ。そんな詩的な使い方しないでよ。
とにかく、怪獣関係のすべては夢だからね。現実には起こってないからね。
三浦:そんなあ……。京都に行ったらもう一度見られるって楽しみだったのに!
武田:どれだけ深く夢を引きずっているんだい、碧ちゃん。
ていうか、碧ちゃんの認識では十数年前に京都の街は壊滅させられてるんだよね? なにもう一度壊滅することを期待しているんだい?
三浦:あ、でも太秦映画村で私の見た夢を映画化できるかな!
武田:無理だよ、碧ちゃん。太秦映画村はモンスタームービーには対応していないからね。
三浦:あーあ。これで本当に京都に行ってもなにを楽しみにすればいいのかわからないや……。
武田:そんなにしょげないで碧ちゃん。普通にお寺や名所を巡ろうよ。それだったら僕も勉強して引率もしてあげるから。
三浦:そうだね! ……あ、そうだ! 勇気君となっちゃんの告白もあったんだ!
武田:ああ、スピンオフも頼まれていたね。まあ、恥ずかしいけれど告白の演技ぐらいなら付き合ってあげるよ。
三浦:本当に! 嬉しい! だって、勇気君の告白がすごいんだよ! 大文字山の「大文字の送り火」を放火で「大好き」って字にして焼いて伝えたんだって!
武田:舌の根も乾かないうちに申し訳ないけれど、前言は撤回するよ碧ちゃん。いくらなんでもその告白ダイナミックすぎないかな?
三浦:ほら、勇気君って放火魔の一族だから燃やすことにかけてはスペシャリストなんだ!
武田:放火魔の一族の血の濃さを見くびってたよ。
三浦:完君! しっかり演技してね!
武田:碧ちゃん、演技で言い表していい範囲を逸脱しているよ。
それに僕は放火魔の一族血を引いてないし、倫理的にも物理的にもやりたくないよ。
三浦:えー! じゃあ、京都に行く楽しみがなくなっちゃったじゃない! 完君に相談して損した!
武田:僕が悪者なのかい? なんだか釈然としないけれど、じゃあ、この埋め合わせにディズニーランドに遊びに行こうか?
三浦:うん!
武田:よかった。機嫌直してくれた。
三浦:じゃあ、完君。ディズニーランドの大文字山であるビッグサンダーマウンテンに放火してね!
武田:碧ちゃん、やっぱり考え直させてもらうよ。いい加減にしようか。
二人:ありがとうございました。
X子:ありがとうございました!
Y美:まずけうけげんさん、いかがでしょうか?
・深夜のシンドロームに犯された僕の誘いを受け入れて頂きありがとうございました。なんかごめんなさい。
ENDGREENの魅力って、どんなネタでも後味がいいんですよね。読んだ後二人への好感がちゃんと残るっていう。
ちょっとディズニーランドのくだりで中弛みした感はあったんですが、それ以外のやりとりはほぼ完璧でした。
ほぼ夢の話という、一歩間違えばしっちゃかめっちゃかになりかねないテーマを調度よく収める技量は流石ですし、
何より京女のくだりが大好きです。バスガイドの印象がひっくり返るところなんかもう個人的ベスト展開です。
バスガイドや舞妓さんが非常に良かった反面、運転手さんはそれほどでも無かったです。九字は笑いました。
その他にもちょいちょいフレーズにムラはあったんですが、非常に満足感の残る漫才でした。
これが今回のMM−1のトリで良かったです。ようこそに始まりエンドで終わるという。
X子:なるほどなるほど。……ちょっと私たちにケンカ売られたのは気のせいかな?
Y美:さ、さぁどうかな…
続いてマグネッツさん、いかがでしょうか?
・こう、最後にしっかりとした漫才が置かれていると安心感がありますね。
(べ、別にひろちょびさんに何か言いたいわけじゃないよっ!)
安定感のある楽しい漫才でした。強いて言えば少しツッコミが理屈っぽすぎた部分があったかなというところです。
かっこいいバスガイドさんがツボでした。
X子:ありがとうございました。………うん、絶対ケンカ売られてるよね!?
Y美:変なネタをやるあたし達が悪い!変なネタをやるあたし達が悪い!!
…えー、藍殿TTさん、いかがでしょうか?
・感覚として1/3くらいが「夢だよ!」でツッコミが済みそうですけど、そうはならないボキャブラリーが良かったと思います。
トリッキー過ぎるロミオとジュリエットとか陰陽師とか面白かったです。
少し思ったこととして、夢オチが嫌いって人がいるように 夢の中の話だって分かると読む方もある程度そう割り切るのでちょっとボケがパワーダウンしちゃうのかなぁと。
X子:ありがとうございました。ベテランとしての腕も光っていたわよね。
Y美:さて、どんどん参りましょう。
X子:続いて、8組目はこの方たちです!
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超越したイマジネーションより繰り出される漫才が革命を起こし、前回は見事王者に輝いた。
プレッシャーを跳ね返し、危なげなく決勝に進出。史上初の連覇へ死角はない!
エントリーNo.042 「ケヴィンと愉快な何かたち」
Kevin Haloweld with culture deadness club
CARigurashiのスウェッティ
ケヴィン:Kevin Hakloweld with culture deadness clubです
多脇汗症の乙女:よろしくお願いします(脇汗どばー)
ケヴィン:今回は美少女と漫才だからワクワクしてたのに
台無し
多脇汗女:すみません
私生まれつき緊張すると脇汗がすごくて
ケヴィン:ふざけんな
多脇汗女:すみません
MM-1ともなると、緊張してしまって
でも、もう落ち着いてきたので、大丈夫だと思います
ケヴィン:何がふざけんなって、キャラが被ってるんだよ
俺も緊張するとだめなんだよ(脇汗どばどば)
多脇汗女:うひゃーーー(脇汗うひゃうひゃ)
ケヴィン:最近車が欲しいなと思うんですよ
多脇汗女:何事もなかったように
でも私も車欲しいなって思います
ケヴィン:でも車買うってすごく怖いじゃないですか、緊張するじゃないですか
多脇汗女:考えるだけで脇汗がドバーっと
ケヴィン:ということで緊張しないように練習をしたいので、あなたは店員をやってください
多脇汗女:ちょ、ちょっと待ってくださいよ
車を買うってだけでも怖いのに、売る側だなんて夢のまた夢
ケヴィン:お願いしますよ、やってくれないと話が進みません
多脇汗女:わかりました、わかりました
あぁ 脇汗が
ケヴィン:いよいよ車を買うぞ
ここに来るまでずっと脇汗が止まらなかった
脇汗の跡を辿ればおうちに帰れる
多脇汗女:今日も車を売るぞ
この仕事についてからずっと脇汗が止まらない
15kg痩せた
ケヴィン:すみませーん車を買いたいんですが
多脇汗女:はい、ただいま伺いますのでそちらの席についてお待ちください
ケヴィン:わー席がぐっしょり
多脇汗女:ウォーターベッド仕様となっております
ケヴィン:なんてゴージャスなんだ
やっぱり車屋は敷居が高いなあ
多脇汗女:お待たせしました、どんな車をお探しで?
ケヴィン:乗れるのがいいです
多脇汗女:大前提
ではこちらに展示してある最新のミニバンなど如何ですか?
ケヴィン:ふむふむ、何が新しいんですか?
多脇汗女:こちら環境に配慮しまして、随所に草を編み込んでおります
ケヴィン:いまいち伝わってきませんね
多脇汗女:たとえばこちらのハンドル、従来の物ですと灰を水で固めて作っていたのですが
ケヴィン:従来って酷かったんだな
多脇汗女:このタイプですと灰80%の草20%と、とても環境に優しい
ケヴィン:全然わかんないな
緑っぽければエコだと思ってそうだな
多脇汗女:エンジンも草と鉄が50:50となっております
ケヴィン:燃えませんかね
多脇汗女:やや燃えます
ケヴィン:ややならいいか
他に特徴はありますか?
多脇汗女:エアバッグが有りません
ケヴィン:あれずっと邪魔だと思ってたんで助かります
他に特徴はありますか?
多脇汗女:デザインがすごくかわいいです
ジバニャンを作った人と一緒の人が作ってます
ケヴィン:恐ろしい仕事の幅
多脇汗女:それにちなんで今なら妖怪もついてきます
ケヴィン:新車に曰くをつけないでくださいよ
他におすすめの車は無いですか?
多脇汗女:そうですね、こちらのテレビデオなんかどうでしょうか
ケヴィン:車を、車を勧めてくださいよ
多脇汗女:ちょっと一旦脇汗を止めないと大変なことになるので、車の事を忘れないと危ないので
ケヴィン:確かに床板が腐って穴だらけですけども
それにしてもなんで旧時代の遺産を
多脇汗女:このテレビデオ、今年出た最新型で環境への配慮がすごいんですよ
ケヴィン:まずテレビデオがまだ進化してることに驚いてるよ
多脇汗女:従来のテレビデオは長時間起動すると、すすが気に成ったじゃないですか
ケヴィン:従来の日本の技術、燃えカスに支えられすぎだろ
多脇汗女:こちらはその対策として、一時間ごとに電源が切れるんですね
ケヴィン:長時間起動の方を犠牲にするとは
多脇汗女:スペシャル番組の録画の方は、諦めていただく感じで
ケヴィン:完全に退化だよ、すすまみれでもいいからFNS歌謡祭を見せてくれよ
多脇汗女:あとこちらのワゴンタイプの
ケヴィン:お、脇が乾いたのも束の間か
多脇汗女:テレビデオなんですけども
ケヴィン:脇カッピカピです
多脇汗女:こちらの特徴としてはやっぱり、タイヤがついてることですかね
ケヴィン:ちょっと汗ばんできましたけども、
テレビデオ要らないんでそろそろ車の話に戻りませんか
多脇汗女:わかりました、それではこちらのバスなんかどうですか
ケヴィン:戻ったけど普通に要らねえよ
多脇汗女:それではこちらのセダンはどうでしょうか
ケヴィン:おっこれは見た目もかっこいいですね
これはどんな特徴を持ってるんですか?
多脇汗女:事故防止装置がついています
ケヴィン:安全への配慮かあ
多脇汗女:例えば車の前に人が飛び出してきた、脇汗で溺れてしまうような瞬間ですよね
ケヴィン:我々にしか伝わらない比喩ですよ
多脇汗女:そんなときでも安心
こちらの車体は反発性が違います、ぶつかった瞬間、相手は安全なところまで吹き飛ばされてしまうというわけです
ケヴィン:より危なくなってますよね
多脇汗女:50kmは飛びます、ギネス申請中です
ケヴィン:50km飛んで生還できる人いるんでしょうか
多脇汗女:飛ばした距離を競う競技も出来ます、オリンピック申請中です
ケヴィン:各方面に申請するんですね
多脇汗女:話題性は売り上げに繋がるかなと
ケヴィン:危険性の周知には繋がると思うので止めません
多脇汗女:あと録画機能なんですが
ケヴィン:急にテレビデオの話に戻らないでくださいよ、汗腺が混乱するんで
多脇汗女:ドライブレコーダーを標準搭載してるって話をしようとしたんですが
ケヴィン:失礼しました、運転状況を録画するアレですね
恥ずかしさと車の話だと気づいたことによる脇汗2倍効果が来ました
多脇汗女:あとデザインがすごくかっこいいです
向井理を作った人と一緒の人が作ってます
ケヴィン:この車、神の手で生まれたのかな
多脇汗女:車名も負けず劣らずかっこいいです、「マザーファッカー」
ケヴィン:神を犯してんじゃねえよ、恐れ知らずかよ
あとそれをかっこいいと思うかは、意見が分かれる
多脇汗女:どうですか、こちらの車
ケヴィン:うーん、気に入らないポイントもあったけど、でもやっぱり見た目がかっこいいんだよなあ
多脇汗女:まあ車は見た目が8割、草が2割っていいますからね
ケヴィン:伝わらない環境配慮混ぜてこないでくださいよ
多脇汗女:でも気に入られたみたいですし実際に乗ってみますか?
ケヴィン:えぇ、いいんですか、脇汗まみれにしちゃいますけど
多脇汗女:大丈夫ですよ、すでに私の脇汗で錆びまくりなので
ケヴィン:安心だけど、安心できない
多脇汗女:エンジンも錆びまくりだしやや燃えています
ケヴィン:やっぱり草も配合されてるのかよ
多脇汗女:あとエアバッグも錆びてます
ケヴィン:邪魔なもの付けた上に錆びてるのかよ
もういいよさすがにそんなの乗れねえよ、こんなとこで買えるか
多脇汗女:車を売らずに済むと思うと脇汗が引いた
ケヴィン:車を買わずに済むと思うと脇汗が引いた
って両者ともに全然だめじゃねえか いい加減にしよう
二人:どうもありがとうございましたー
X子:ありがとうございましたー(冷や汗)
Y美:何故冷や汗!?
銀沙灘さん、いかがでしょうか?
・絶妙な空気感が醸し出されていました。
「!」使わない2人の口調と、一文一文区切ったテンポの良さでしょうか。
そしてボケ・ツッコミのレベルの高さは流石現役チャンピオンといったところ。2014年にテレビデオて。
ただ、全編を通して脇汗設定は脇汗である必要があったのかなと疑問でした。
緊張してる事を表現する記号としては役立ってましたが、それ以上の意味も面白さもなかったので、
後半は一捻り加えると、「多脇汗女」の名前も活きてくるネタになります。
X子:ありがとうございました。
Y美:雷電さん、いかがでしょうか?
・脇汗の設定、バカバカしさ、とても好みです。ただ、本筋のボケが少々物足りない部分があったかな、と。
「草」など、パンチに欠けるように思います。脇汗の設定で枠組みが既にぶっ飛んでる訳ですから、展開やボケももっとぶっ飛んだ方向に持っていってもよかったのかもしれません。
「向井理を作った人と一緒の人」などの発想は良かったです。
X子:なるほど。今回どこまでいくのか気になるところね。
Y美:最後にご本人、マグネッツさん、いかがでしたでしょうか?
・前々回は四人漫才、前回は二人漫才、ってことで今回は一人漫才だーってことで書いてたんですが、
さすがにそれは漫才ではないぞ、ということになりまして、同じ性質を持った人間二人という部分だけが残りました。
結果的に一人漫才よりはマシなネタになったんじゃないかと思いますがどうでしょうね……。
X子:ここだけの話、最初「ピンネタ」届いたからね!
Y美:あはは…
さて、続いてはMM−1初の敗者復活を勝ち抜いた組の登場となります。
X子:見事、敗者復活を勝ち抜いたのはこの組です、どうぞ…!!
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果たして敗者復活はどの組なのか…!?