第15回MM−1グランプリ





THE FINAL ROUND!!











X子:はいどうもー!
   今回も決勝戦の司会を務めます「乙女の方程式」です!

Y美:よろしくお願いしまーす!
   決勝進出できても結局あたしたちが司会やるんだね!?

X子:というわけで本当にさっそくですが参りましょう。

Y美:決勝戦トップバッターはこの組です。どうぞ!


エントリーNo.033

ミルキーケース騎士団
誇り高き戦士に捧ぐレクイエム
啓介:はいどーもー!! ミルキーケース騎士団です、よろしくお願いしまーす!!

ミル:………。(機能性の薄い露出度高めの甲冑を纏って登場)

啓介:つーわけでね、現代人の啓介と、ファンタジー世界からやってきた女騎士のミルさんとで漫才やらしてもらってますけどもー。

ミル:……くっ、殺せ!!

啓介:どうしたどうしたどうしたどうしたどうした!? 
   何がどうした相方さんよ、開口一番自殺宣言する漫才師見たことねぇぞ!?

ミル:緊張し過ぎて、バミリの位置から若干ズレたところに立ってしまった……殺せ!!

啓介:死ぬこたぁねぇよ! それしきのおっちょこちょいごとき死んで償うこたぁねぇよ!

ミル:立ち位置を間違えるなど騎士の名折れ!! さぁ殺せ、さぁさぁ殺せ!!

啓介:死に対して積極的すぎるわ!! この程度のミスで折れるとか、騎士の名ぺらっぺらだな!!

ミル:私の顔面にアツアツの黒蜜を塗りたくったあげく、ヤギとキスさせてから殺せ!!

啓介:何の刑罰だ!! なんでプラスアルファのペナルティを求めてんだよ!
   ミルさん、死ななくていいから。漫才開始数秒で死にたがるとかロケットスタートが過ぎるよ。

ミル:す、すまない、取り乱してしまったな……。
   あとでお詫びに、お湯をかけられたゴブリンのモノマネをしてやろう。

啓介:いらねぇよ! 元ネタがこの世にないモノマネされても困るだけだよ!

ミル:あの女騎士界隈随一の仏頂面、『デスマスクのメーテル』が噴き出したほどのクオリティだぞ?

啓介:どこの誰だよ!! 異名の格好よさと裏腹に由来がしょうもないソイツ誰だよ!!

ミル:何はともあれ、頑張って漫才して客人達を笑わせよう!
   私は博多華丸・大吉さんのような漫才師になるために、こっちの世界にワープしてきたんだ!!

啓介:芸風が違いすぎるだろ! 華大さんツカミで死にたがらねえよ!

ミル:いやはや! それにしても今日は、黒豚の化物を単騎で撃破出来そうな客人が多いな!

啓介:聞いたことない客いじりだ!! それ言われたお客さんも喜べばいいのか!?

ミル:撃破出来る、撃破出来る、ひとり飛ばして撃破出来る。
   飛ばされた貴様は豚のエサだ!! 丸太を1000回素振りして出直してこい!!

啓介:何てこと言うんだ! なんで笑いに来たのに急に特訓メニュー組まれなきゃなんねぇんだ!!

ミル:ハッ! し、しまった……新人女騎士歓迎会のノリで客人をいじってしまった……!!

啓介:歓迎会とかあんの!? 想像以上に女騎士の世界って和気藹々としてんな!?

ミル:女騎士界隈随一のドM、『黒薔薇のイザヴェリ』をいじる感覚で客人をいじってしまった……!!

啓介:ソイツ騎士に向いてなくね!? また異名がやたら格好いいのがムカつく!!

ミル:よりにもよって客人を豚のエサ扱いしてしまうなど女騎士の名折れ!! くっ、殺せ!!

啓介:またかよ! 女騎士の誇りがどうのこうのじゃなくて単純にミスが多いわ!!

ミル:私の全身にアリを這わせた後にアリクイに食べさせ、ヤギとキスさせてから殺せ!!

啓介:だから何なのその独特の処刑! なんで必ずヤギとキスさせんの!?

ミル:殺したくないなら最悪ヤギとキスさせるだけでも構わない! キスさせろ!

啓介:もうただの特殊性癖じゃねぇか!! ただのアブノーマルプレイの要求じゃねぇか!!

ミル:出来ればオスのヤギがいい。欲を言えば黒ヤギで、交尾を2回以上経験したことのある……。

啓介:うるせぇし怖ぇよ!! フェチを前面に出してくんじゃねぇよ!!
   頼むから真面目に漫才しようぜ……冒頭から2回も死に急ぐ漫才ってどこに需要があるんだよ……。

ミル:女騎士の誇りが傷つくくらいであれば、私は喜んで死を選ぶ!!(キリッ)

啓介:誇りが傷つくハードルが低すぎるんだよ!! ヤギとキスしたがってる時点で誇りもクソもねぇよ!!

ミル:そうは言うが啓介だって、ツッコミの誇りが傷つくくらいなら死を選ぶだろう?

啓介:選ばねえよ!! まずツッコミの誇りって何ぞやって話だよ!

ミル:漫才始まって立ち位置ついて、センターマイクの高さがイマイチしっくり来なくて「くっ、殺せ!!」

啓介:言わねぇよ!! 高さがしっくり来なかったら普通にマイク上げ下げ調整するわ!!

ミル:「首から下を腐った野菜に埋めて、ロバとキスさせてから殺せ!!」

啓介:プラスアルファ処刑やめろ! 普通に殺されたいわ、いや殺されたくないけどよ!!

ミル:「出来ればメスのロバで、欲を言えば白いロバで交尾は未経験……」

啓介:こだわりねぇよ!! 一生ロバとキスしてやんねぇからな、ロケ来ても断るからな!!

ミル:まぁ自ら死を選ばないにしろ、啓介の方が私より先に死ぬ可能性もあるだろう?

啓介:まぁ、それはそうだけど。すぐ殺せ殺せヤギとキス言うやつに言われたくはないけど。

ミル:ある日突然ゴブリンに教われて死ぬかもしれないし、デビルマジシャンに人形に変えられて死ぬかもしれないし。

啓介:ソイツらこっちの世界にいないから大丈夫だよ! なんだデビルマジシャンって、怖っ!!

ミル:だからお前が私より先に死んだ時のために、私はお前の葬式で読む弔辞を考えてきたんだ。

啓介:余計なお世話だよ。散々死にたがっておいて俺が先に死ぬ前提の準備されてもよ。

ミル:そんなことは言わず、とりあえず聞いてみてはくれないか?
   いいだろう? 聞かないのであれば殺せ。

啓介:選択の余地ねぇ! コイツ自らを人質に取りやがった!!
   わかったよ、変な弔辞されたら死んでも死にきれないし。今のうちに確認させてくれよ。

ミル:おお、ありがたい。後でお礼にすねを強打したゴブリンのモノマネをしてやろう。

啓介:お礼になってねぇよ! やるならちゃんと読めよ、俺は霊体になったつもりで聞いてるから。

ミル:心得た。コホン、あーあー……ころせー、せー、せーせー……。

啓介:なんつう言葉を発声練習に使ってんだ。公園とかでネタ練習できねぇな。

ミル:よし、それでは……。
   「皆の者。本日は亡き相方のために集まって頂き、心より感謝つかまつる」

啓介:堅ぇなオイ。「皆の者」から始まる弔辞とか史上初だろコレ。

ミル:「いやはや、それにしても今日はデビルマジシャンの魔術を跳ね返せそうな客人が多いな!!」

啓介:何客いじりしてんだ!! 何デビルマジシャン再登場させてんだ!!

ミル:「端から跳ね返せる、跳ね返せる、ひとり飛ばして跳ね返せる。
    飛ばされた貴様は木偶人形だ!! 今すぐ聖なる森で修業してマジックシールドを身につけてこい!!」

啓介:やめろやめろぉぉぉっ!!! 流石にこんな暴挙されたら死んでる場合じゃねぇぜ!!

ミル:な、なんだいきなり!? さては私を殺すつもりなのだな、そうなのだな!?(わくわく)

啓介:なんで殺されることに期待してんだ!! サイコパスじゃねぇか!!
   お前、葬式で参列客いじるのは絶対やっちゃダメ!! 何ツカミでひと笑いとりにいってんだ!!

ミル:そ、そうか、私はなんて罰当たりなことを……くっ、殺せ!!

啓介:それも絶対言うなよ!? 人が死んでる場所で殺されたがるのはマナー違反だからな!?
   もうそこのくだりは飛ばしていいから。弔辞の本文に入って。

ミル:心得た。
   「見てるか啓介? 今日は葬式だから、いつもより露出の少ない甲冑を着てきたぞ」

啓介:喪服着ろよ。葬式で甲冑ガシャンガシャン言わせてたら坊主のお経に影響出るだろ。

ミル:「まさかお前が、ツッコミの誇りを傷つけられて死を選ぶとはな……」

啓介:あ、俺結局それで死んだんだ。参ったなー、死ぬなら老衰か巨乳による圧死って決めてたんだけどなー。

ミル:今でも思い出す。お前の渾身のモノマネ「芋を食うゴブリン」がスベった直後の「くっ、殺せ!!」を。

啓介:俺のレパートリーにねぇよ! そりゃ死にたくなるほどスベりそうだわな!!

ミル:「あのあとお前は両手両足を麻縄で縛りつけ、砂利の上でのたうち回りながらロバとキスをしていたな……」

啓介:異常すぎるよ。弔問客の顔色が気になるよ、みんな白目剥いてんだろうな。

ミル:「私はそれを見ながらヤギとキスをしていたな……」

啓介:何やってんだよ!! お前死ぬとか関係なくただただ性癖を満足させただけじゃねぇかよ!!

ミル:「まさか私がヤギとのキスに夢中になっている間に、お前がロバごと暴走トラックに轢かれるなんて……」

啓介:事故じゃねぇか!! 俺自ら死を選んでねぇじゃねぇか、プレイ中の事故じゃねぇか!!

ミル:「どうだ? ロバと一緒に入る棺桶の中は」

啓介:なんでロバと一緒に詰められてんだよ!! ロバの葬式も兼ねてんの!?

ミル:「今日はお前の遺言通り、参列者ひとりひとりにロバを連れてきてもらったぞ」

啓介:俺イカれてんだろ!! 葬式会場ロバの臭いでエラいことになってんじゃねぇの!?

ミル:「そんなことより啓介、覚えているか? 私達がはじめてMM−1に出た時のことを」

啓介:あ、今まさにの話!? ちょっと時間軸がよくわかんないことになってるんだけど!!

ミル:「あの時、何度も人生に絶望して本気で死のうとしていた私を、お前は止めてくれたな」

啓介:え、「くっ、殺せ!」って本気で死のうとしてたの!? 本気の絶望をブリッジ間隔で繰り出してたの!?

ミル:「お前の『それしきのおっちょこちょいごとき死んで償うこたぁねぇよ』の言葉に、私が何度救われたか」

啓介:何に救われてんだ! 特に手応えもない軽いツッコミが心の支えになってたのか!!

ミル:「あと、覚えているか? コカトリスの丘で数百体のカエルの化物と対峙した時のことを」

啓介:覚えてないってか知らねえよ!! こっちの世界の出来事じゃねぇもん!!

ミル:「あの時はカエルが出す毒粘液を、イザヴェリがわざと浴びにいっててんやわんやだったな」

啓介:ドMの黒薔薇!! なんで葬儀でまったく知らない人の性癖聞かされなきゃなんないんだ!!

ミル:「そんなイザヴェリから弔電が届いているので後で読ませてもらう」

啓介:どういうこと!? 別世界からどうやって弔電送ってきたの!? 電報局はどれだけ優秀なの!?

ミル:「しかし思い出すな……カエルをバッサバサと斬り倒していく私達……しかしイザヴェリが捕まり……。
    私達の甲冑も毒粘液で溶かされ、組伏せられ、屈辱にまみれ……くっ、殺せ!!」

啓介:思いだし殺せ発動してんじゃねぇよ!! やめだやめだ、こんな弔辞で成仏出来るかってんだ!!

ミル:お、怒ってるのか啓介!? マイクで殴っていいぞ、確か近くにヤギのいる施設があったぞ!?(わくわく)

啓介:殺さねぇしヤギともキスさせねぇよ!! なんだヤギのいる施設って、本当にあんのか!!
   何だよ、結局ずっと殺されたがって漫才ムチャクチャじゃねぇか! どうやってオチつけるんだよ!

ミル:……………………くっ、オトせ!!

啓介:自分でオトせ!! いいかげんにしろ!!

ミル:ご清聴、心より感謝つかまつる!!


X子:ありがとうございました。
   うーん、作者はいったいどなたなんでしょうねぇ…?

Y美:いきなりそこ焦点にしちゃう!?
   では、今回も審査員の方々からのコメントをいただいていこうと思います。
   初審査員となる8823さん、いかがでしょうか?

 
・色物なキャラクターに高水準のネタを持ってきていて面白かったと思います。
 序盤はキャラクターの濃さに良くも悪くも圧倒されましたが、葬式の件から一気に勢いがついた印象です。
 同じフレーズを何度も持ってきていても、シンプルな言葉を選んでいるからくどさを感じさせないのも良かったです。
 それまでの流れで少々エンジンのかかりが遅かったのがもったいなかったと思います。
 もっといろんなパターンのネタを見たいと思えるユニットだと感じました。
 

X子:ありがとうございます。このコンビに今後があるかどうか、注目ですね!

Y美:今後ってどういうことなのよ…
   続きまして、久々の予選審査員を務められるFANさん、いかがでしょうか?

 
・面白かったです。序盤からフルスロットルで面白かった。
 殺せ!が多すぎて中盤以降の殺せ!はあんまりハマらなかったかな、ぐらいです。
 

X子:なるほど、確かにすごい勢いだったわね!

Y美:…では、もうお一方、この方にも伺うことにしましょう。
   けうけげんさん、いかがでしょうか?

 
・もうバレッバレでしたが僕の覆面です。そりゃバレるよね、まんまハルマトメリーのフォーマットだもんね。
 口裂け女と漫才、メデューサと漫才が頓挫した結果、たどり着いた相方が女騎士でした。
 ぶっちゃけオチの「くっ、オトせ!」を言いたかっただけのネタにしてはなかなかの出来だったのではないでしょうか。
 

X子:や っ ぱ り ! !

Y美:おい!





Y美:…さて、どんどん参りましょう。

X子:続いて、2組目はこの方たちです!



エントリーNo.019

チアノイズ
ゾン1(100)
ゾン:チアノイズだ。よろしく頼む。
   みんなの心を温めたいから、昔話を読むぞ。

矢野:とてもいい考えだな。

ゾン:今日は昔話の力を借りて、お前らを熱中症で殺す。

矢野:どこまで温める気だよ。とても悪い考えだな。

ゾン:それではいくぞ、「浦島太郎」。

矢野:定番だな。

ゾン:昔々あるところに、浦島太郎と言う一人の若者が居ました。

矢野:居るわな。

ゾン:浦島太郎は、死んでしまいました。

矢野:どうしたんだよ。

ゾン:次の話いくぞ。

矢野:終わりかよ。若者が居て死ぬだけの話、なんだよ。心、温まりようがない。

ゾン:「桃太郎」。

矢野:これもまた定番だな。

ゾン:昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが居ました。

矢野:これもまた居るわな。

ゾン:おじいさんは山で、おばあさんは川で死んでしまいました。

矢野:全然理由とかないのかよ。

ゾン:「金太郎」。

矢野:主役出てこないまま終わりなのかよ。

ゾン:昔々、あるところに金太郎という力自慢の若者が居ました。

矢野:そうだな。

ゾン:金太郎は、自らの力に溺れて死んでしまいました。

矢野:何が起きたんだよ。

ゾン:「かちかち山」。

矢野:何が起きたかは教えてくれないのかよ。

ゾン:昔々、あるところに、死んだタヌキと死んだウサギが居ました。

矢野:もう死んでるのかよ。いよいよどうしようもねえな。

ゾン:「鶴の恩返し」。

矢野:そろそろ死なない話が聞きたいんだけどな。

ゾン:昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが居ました。

矢野:居るだろうな。

ゾン:おじいさんがそこら辺を歩いていると、一匹の鶴が罠にかかっているのを見かけました。

矢野:そこら辺、ってなんだろうな。

ゾン:※鶴はまだ生きていました。

矢野:そうだな、注釈が要るな。

ゾン:おじいさんが、罠を外してあげると、鶴は一声鳴いて空に飛んでいきました。

矢野:やっと心温まるくだりが出てきた気がする。順調に話が進んで嬉しい。

ゾン:おじいさんが家に帰ると、おばあさんが死んでいました。

矢野:嬉しくないぞ。でもどうせそうなると思ってたぞ。

ゾン:ある日の朝、おじいさんの家を、一人の若い女が訪ねてきました。

矢野:何事もなく進んじゃうのかよ。でも、確かに、支障がない。

ゾン:若い女は「少しの間、ここに泊めてください。代わりにここで機を織りますので。」と頼みました。
   おじいさんは、寂しさもあって、快諾しました。

矢野:そりゃまあ、伴侶に先立たれちゃあな。

ゾン:若い女が使っていた機織り機は、爆発してしまいました。

矢野:急展開やめろよ。中国製かよ。

ゾン:おじいさんも、爆発してしまいました。

矢野:なんでだよ。

ゾン:おじいさんは、中国人だったとさ。

矢野:それでもなんでだよ。俺が言えたことじゃないけど、差別がひどい。

ゾン:「かぐや姫」。

矢野:長々話したのに結局、全員死んで終わったな。

ゾン:昔々、あるところに、竹を切って生活しているおじいさんと、おばあさんが居ました。

矢野:もう、いつ死ぬかの問題になってくるよな。

ゾン:おじいさんが竹を切ると、竹は死んでしまいました。

矢野:死の頭数を稼ぐの、やめような。

ゾン:おじいさんが竹を切り続けていると、黄金に光る一つの竹が見つかりました。
   おそるおそる竹を殺してみると、中から玉のようにかわいい女の子が出てきました。

矢野:おそるおそる殺すって言葉、心境が不明すぎるだろ。

ゾン:おじいさんが家にその子を連れて帰ると、おばあさんが生きていました。

矢野:確認しておかないといけないもんな。

ゾン:二人はその子に「かぐや姫」と名付けて、大事に育てることにしました。

矢野:死なないように育てて欲しいな。

ゾン:かぐや姫はすくすくと育ち、街中で有名な美女になりました。

矢野:順調だな。

ゾン:おじいさんとおばあさんの屋敷には、かぐや姫を一目見ようと沢山の若者がおしかけ、
   その多くが死んでしまいました。

矢野:呪いだろうか。

ゾン:おじいさんは、血の付いた竹槍を置くと、かぐや姫に尋ねました。

矢野:お前の仕業かよ。切った竹を凶器として利用するなよ。

ゾン:「かぐやや、お前を気に入る男は多いが、お前には結婚する気はないのか?」

矢野:どの口が。どの口がそんなことを言うんだよ。

ゾン:かぐや姫は答えました。「ありません。私は二人のそばに居れればそれでいいのです。」

矢野:育ての親としては複雑な心境になる言葉だが、このおじいさんは手放しで喜びそうだ。

ゾン:おじいさんは、嬉しさのあまり、昇天しそうになりました。

矢野:取り留めたな。

ゾン:しかし、それでもかぐや姫を狙う男は数多くいました。そしてその多くが死んでしまいました。

矢野:男ってバカだな。

ゾン:ついに、帝までもがかぐや姫を一目見ようと屋敷を訪れました。
   さすがのおじいさんも、竹槍を持つことができません。

矢野:そうなるわな。

ゾン:帝は月に食べられてしまいました。

矢野:だから急展開やめろ。

ゾン:そう、かぐや姫は月出身だったのです。

矢野:そんな真相解明、納得しねえぞ。

ゾン:かぐや姫は言いました。「おじいさん、おばあさん、私は月に帰らねばなりません。」

矢野:言うタイミング本当に今でいいのかよ。月が怪物だって判明したところだぞ。

ゾン:それを聞いたおじいさんの体は、バラバラになってしまいました。

矢野:せめて納得のいく展開を作れよ。ここまで積み上げてきたお話、なんだったんだよ。

ゾン:おばあさんは、耳が遠かったので、一命をとりとめました。

矢野:かぐや姫のさっきの言葉に、何が込められてたんだよ。

ゾン:そこに、月の使者が迎えにやってきます。

矢野:おばあさん、何が起こったのか少しも理解できてないだろうな。可哀相に。

ゾン:月の使者は、鬼に食べられてしまいました。

矢野:どっから出てきたんだよ。

ゾン:しかし、鬼は月の使者に内側から食べられてしまいました。 

矢野:月の使者って怖いな。

ゾン:こうして、かぐや姫は、月の使者とともに、土に還っていくのでした。

矢野:月に帰れよ。何当然のように死んでんだよ。当然っちゃ当然な気もするから怖いが。

ゾン:以上が俺の昔話だ。

矢野:こんなんで心温まるかよ。冷え切ったわ。

ゾン:まあ、実は熱中症対策で薄着にしてる人を、凍死させるための昔話だからな。

矢野:騙してたのかよ。いい加減にしろ。


X子:ありがとうございました。実に死にたくなるネタでしたね!

Y美:いや、その感想はおかしすぎる。

   前回優勝者でもある決勝審査員の、さん、いかがでしょうか?

 
・最近のネット長文、サイコキャラ多過ぎ。
 こちらは序盤はそんなに期待してなかったのですが、鶴の恩返しからぐんぐん伸びてきました
 死へのパターンが多くなっていって「次はどう殺すんだろう」とワクワクしました。なんだこの文章
 「でも、確かに、支障がない」と「帝は月に食べられてしまいました」で手叩いて笑いました
 

X子:そうね、なかなかそれ言わないだろって台詞がサラッとあって面白かったわね。

Y美:続いて8823さん、いかがでしょうか?

 
・パターン化した展開の中で笑いを生み出せていたと思います。
 理由が分からないまま死んでいくのが不謹慎ながら面白かったです。
 その中で情報を付け加えていくことで輪をかけて面白くなっていったと思いました。
 長い尺を使ったかぐや姫の件で少々グダった感じがありました。
 

X子:なるほど。パターン化は重要よね。

Y美:では最後に作者であるマグネッツさん、いかがでしょうか?

 
・ホイルマンさんの影響を受けて書きました。
 

X子:そこ!?そこなの!?



Y美:さて、どんどん参りましょう。

X子:続いて、3組目はこの方たちです!



エントリーNo.030

天体観測
スピーチ
ミヤ:どーもー! 血を血で洗うコンビ、でお馴染の天体観測ですー! よろしくお願いしますー!

 翔:オレ達、そんなVシネみたいなコンビだったのかよ。昨日一緒にソリで滑って遊んだじゃない

ミヤ:好きな四字熟語は『全員悪役』です!

 翔:アウトレイジじゃないんだから。でも、確かにあなたは悪役ですよ。昨日ソリでもの凄い勢いで民家に突っ込んで行きましたからね

   それはもう凄い速かったですよ。あなたの人生を見ているようでした。

ミヤ:ちゃんと全力で謝ってきたもん!

   『ソーリー、ソーリー』って!

 翔:誠意って何かね

ミヤ:ところで! 聞い! て! 欲! しいこ! とがあるん! です! にょ!

 翔:どんな区切り方だよ。最後の方、噛んでるし

ミヤ:今度、結婚式に出席するんだけど、そこで乾杯の音頭と友人代表のスパークをすることになったの!

 翔:スピーチな。お前の頭はスパークしているようだけど

ミヤ:で、私は友人代表なんてやったことないから今日は翔ちゃんに聞いてもらいたいわけ!

 翔:あぁ、なるほど。ちゃんと書けているか確かめて欲しいと

ミヤ:その通りです。ちゃんとこの食パンに書いてきましたから。全部で12枚あります

 翔:何故パンに書いてきた。暗記パンかよ

ミヤ:じゃあ読みます

   「栄養成分表 エネルギー381`カロリー タンパク質12グラム 炭水化物53グラム」

 翔:それは食パンの袋に書いてある奴だろ! 誰が結婚式でパンの栄養について聞きたいんだよ!

ミヤ:結婚にはエネルギーが必要だって言うことよ!

 翔:タンパク質と炭水化物はいらねぇよ!!

ミヤ:では改めまして

   「皆様。只今ご紹介を預かりました新婦の優子の友人代表でスポーツさせて頂くミヤです」

 翔:スピーチだって言ってるだろ。式場で勝手に動き回るんじゃないよ

ミヤ:「本日は足元の悪い中、無事に結婚式が行われたことを嬉しく思います」

 翔:なんで雨降ってる想定なんだよ。そこは当日にならないと分からないだろ

ミヤ:「新郎新婦の希望により、初デートで行ったカラオケボックスにて式を挙げられて本当に良かったですね」

 翔:カラオケボックスで結婚式やってんのかよ!! 宴会の2次会じゃねぇんだぞ!

ミヤ:「新婦の優子は私が小さなころからずっと一緒に居た、言わば戦友というやつです」

 翔:何と戦ったんだよ。そこは親友じゃねぇのかよ

ミヤ:「私が小学生の頃に一緒に戦ったクマの死骸。今でも大事に保管しています」

 翔:クマと戦ったの!? そして勝ったの!? そして保存してるの!?

ミヤ:「あの時の優子の流血、今でも忘れません」

 翔:凄まじい過去だな。本当に血を血で洗うような出来事だ

ミヤ:「あとは中学生の時に戦ったトラ。高校生の時に戦ったヒョウ。大学の時に戦ったクジラ」

 翔:なんでそんなに猛獣とばっかり戦ってるの!? お前らどんな日常なの!?

ミヤ:「最近ではグッピーとの死闘。この戦いは今でも忘れることは出来ません」

 翔:最近が1番しょぼいな! グッピーと死闘ってどういう状況で起きたんだよ!

ミヤ:餌の奪い合いよ!

 翔:魚類と争うなよ! 哺乳類としての誇りを持て!

ミヤ:「学生時代は持ち前の運動神経の良さを活かして手芸部のエースとして活躍した優子ですが」

 翔:手芸部じゃ活きてこねーよ

ミヤ:「新郎とは手芸部の全国大会で出会ったと聞いております」

 翔:手芸部の全国大会って何だろう? ボタンの早付けとかかな?

ミヤ:「待ち針をお腹に何本刺せるか? という大会で62本刺して3位だった優子」

 翔:どんな大会だよ!! 精神異常者の集まりかよ!

ミヤ:「その大会でお腹に待ち針を3725本刺して優勝したのが何を隠そう新郎です」

 翔:天文学的数字!! そんなに刺さるなんて気持ち悪い! いや、62本刺すのも気持ち悪いけど!

ミヤ:「お互いがお互いに惹かれ交際がスタート。当時、優子はこの出会いを心を矢で打ち抜かれたようだと表現していました」

 翔:惹かれる要素がねぇよ。あと、心で矢っていうより腹に針が正しいな

ミヤ:「しかし、この交際は順調には行かなかったのは皆さんもご存じのとおりです」

 翔:なんか苦難でもあったのか。まぁ、変人カップルだし仕方ないね

ミヤ:「腹部から原因不明の大量出血で新郎が入院してしまったのです」

 翔:分かり易い原因があるだろ!! 考えられる要因ただ一つ!! 

ミヤ:「優子は毎日毎日新郎のお見舞いに行こうと思いました。しかし、優子にも悲劇が襲ったのです」

 翔:なんだなんだ。お見舞いに行けなかったのか

ミヤ:「夕方から水戸黄門の再放送が始まってしまったのです」

 翔:すこぶるどうでもいいな!! お見舞いに行けよ!! 彼氏が入院してるんだからよ!!

ミヤ:「水戸黄門の魅力には勝てずにお見舞いを諦めなければならない毎日。優子はこの出来事を悪夢のような日々だったと表現していました」

 翔:悪夢っていうより悪魔のような奴だな!

ミヤ:「そんな日々が8年も続きました」

 翔:そんなに入院していたの!? 8年間出血しっ放し!? 8年間水戸黄門見っ放し!? 

ミヤ:「しかし、とある些細なきっかけで新郎は退院することが出来たのです」

 翔:些細なきっかけ?

ミヤ:「新郎が病院内で行われる忘年会に向けてかくし芸を練習してた時の事です」

 翔:楽しそうだな、オイ。退院する努力をしろよ

ミヤ:「その際に誤ってセメダインを腹部に落としてしまいました。するとなんと傷口が塞がったのです!」

 翔:接着剤で治るのかよ! その病院は8年間も何をやっていたんだよ!  

ミヤ:「こうして退院した新郎と水戸黄門に飽きた優子の交際は改めて続いて今日に至る訳です」

 翔:結婚までのエピソード薄っ!! この夫婦がバカってことしか分からなかったぞ!!

ミヤ:「優子はこの出来事をOne for All , All for Oneと語っていました」

 翔:なんで英語なんだよ!! この状況だと全く意味わかんねぇし!

ミヤ:「話は変わりますが、結婚とはソリ滑りのようなものだ、と誰かが言ってました」

 翔:誰もそんなこと言ってねぇよ 

ミヤ:「最初は楽しいけど、徐々に大変なことが待ち受けて最後は民家に突っ込んでしまうという意味です」

 翔:民家に突っ込んだのはお前だけだろ!! 

ミヤ:「ですので、新郎も優子も民家だけには気を付けてください。本当にケガしますから。私のようにお腹から血が出ますから」

 翔:お前も出血かよ! セメダインでくっつけとけ!

ミヤ:「これから二人は手と手をもぎ合って生きていくことになります」

 翔:取り合ってだろ。梨みたいに言うんじゃねぇよ

ミヤ:「しかし結婚というのは楽しいことばかりではありません。時には楽しいこと。時には嬉しいこと。時には幸せなこと。時にはあっはっはってなることがあると思います」

 翔:全部ハッピーじゃねぇか。お前の頭の中じゃねぇんだから

ミヤ:「そんな時は水戸光圀の顔を思い出してみればいいと思います」

 翔:なんで水戸黄門の顔を思い出すんだよ 

ミヤ:「水戸光圀はこう言いました。『この紋所が鼻に入らぬか』と」

 翔:目だよ!! 鼻には入らねーよ! あとそれを言ってるのは黄門様じゃねーからな! 

ミヤ:「この言葉をいつも胸に刻んで夫婦生活を営んでください」

 翔:歩んでだろ! その言い方だとやらしいぞ!

ミヤ:「それではそろそろ乾杯に移りたいと思います。飲み物を順番に電話で頼んでください

 翔:そう言えばカラオケボックスだったな!! 順番にじゃなくていっぺんに頼め!! 時間かかるから!!

ミヤ:「優子、新郎! 今日は本当におめでとう!」

 翔:ずーっと気になっていたけど、新郎じゃなくてちゃんと名前で呼んでやれよ!

ミヤ:何言ってんのよ! 新郎っていう名前なのよ!

 翔:変な名前!!  

ミヤ:「最後になりますけど、優子。これからも親友として、そして私の実の母親としてよろしくお願いします」

 翔:お前の母ちゃんの結婚式だったのかよ!! じゃあお前が友人代表じゃおかしいだろ!!

ミヤ:「おっと、ここで2時間が過ぎてしまいました。解散でーす!」  

 翔:せめてフリータイムにしておけよ!!


X子:ありがとうございました。こちらクーポン券になります。

Y美:カラオケ屋の対応!?

   けうけげんさん、いかがでしたでしょうか?

 
・これまた安心感が凄い。終始平均点以上のフレーズを繰り出せるのは経験のなせる技ですな。
 ツカミのソリのくだりがめっちゃ面白かったです。昨日何やってんだよ、何いちゃついてんだよ。
 ネタ自体も「栄養成分表」「餌の奪いあい」のような切れ味鋭いフレーズが多く良かったのですが、
 「お足元の悪い中」「母ちゃんの結婚式」のような使い古されたベタなボケも多く、ムラが目立ちました。
 上手い言い間違いボケも面白かったんですが、パンチの面では少し物足りなかったかもしれません。
 何かもうひとつ印象的な展開やフレーズがあれば、ネタ全体が一段階グレードアップ出来たように思えます。
 

X子:ふむふむ、ありがとうございます。

Y美:FANさん、いかがでしょうか?

 
・ミヤ:「待ち針をお腹に何本刺せるか? という大会で62本刺して3位だった優子」
 ミヤ:「最初は楽しいけど、徐々に大変なことが待ち受けて最後は民家に突っ込んでしまうという意味です」
 >面白いボケ。
 
 いつもよりボケにムラがあるかなあという感じなんですが、ところどころに力強いボケが見られてよかったです。
 

X子:ありがとうございました。私もその2ボケはかなり笑ったわね。

Y美:3回連続で予選から審査を務めます藍殿TTさん、いかがでしょうか?

 
・素晴らしい安定感でしたが、そこから更に突き抜けるようなところは無かったですかね。
 数字を活かしたボケ(天文学的だったかはさておき)とか良かったですが割と軽めのボケが続いた印象です。
 全部ハッピーでほんわかしたり、「グロ!」と思うところがあったり感情的には揺さぶられるものが多かったですね。
 

X子:なるほど、天体観測だけに、ね…



Y美:さて、どんどん参りましょう。

X子:続いて、4組目はこの方たちです!



エントリーNo.031

街が悲しく見える
川で溺れる少年を助ける
町賀:町賀香菜です

志久:志久ミエルです。街が悲しく見えるです。よろしくお願いします

町賀:漫才ではベタかもしれないけど川で溺れる少年を助けるのってかっこいいよね

志久:確かにかっこいいね

町賀:ここでやってもいい?

志久:別に止めはしないよ

町賀:じゃあミエルちゃんが溺れている少年見つけて。その後私が助けるから

志久:分かった。あ、川で少年が溺れてる!

町賀:ちょっと待って、判断が早過ぎやしない?

志久:えっ、どういうこと?

町賀:少年が溺れている場所は川に見えるかもしれないけど、確証が無いのに川と言い切っていいんでしょうか?

志久:そここだわるの?

町賀:私最初に「川で溺れる少年を助ける」って言ったけど

志久:溺れていればどこでもいいでしょうが

町賀:でも、さすがに泥沼とか氾濫原では助けたくないよ

志久:氾濫原はよく分からないけど字面的には入りたくないよね

町賀:まずミエルちゃんには、そこが川であることを証明してもらいたいの

志久:証明って何すればいいの?

町賀:定義として地上に降った雨を下流に流す為の水路が川だから海に繋がっていれば川、陸に囲まれていたら池もしくは沼だよ
   だから少年が溺れている場所の外周を回ってきた後に川だと宣言してもらえる?

志久:外周回ってくる間に少年が溺れ死ぬと思うんだけど

町賀:外周回ってくる間に溺れ死なないタイプの少年が溺れればいいんだよ

志久:いねえよ。そんな奴いたら川の中にいても助ける必要ないでしょ

町賀:じゃあ先に外周を回って、川と証明された場所で少年が溺れればいいんだよ。とりあえず走ってきてよ

志久:分かった。えっほえっほ、えっほえっほ、えっほえっほ・・・・・・。海だ
   えっほえっほ、えっほえっほ、えっほえっほ。香菜、海に繋がってたから川だよ

町賀:あのさぁ、ミエルちゃんが走っているときに思ったんだけどグーグルアースで調べればすぐ分かるよね

志久:それ早く言ってもらえる

町賀:まだミエルちゃんの背中が確認できる頃に気付いたよ

志久:走り始めじゃないの。直ちに止めろよ

町賀:ミエルちゃんが走っている間、溺れる者に藁投げて本当に掴むかどうか実験してたよ

志久:鬼畜かお前

町賀:とりあえず今度は、川と思わしき場所で溺れている少年を見付けたらグーグルアースで確認してね

志久:分かった。あ、川と思わしき場所で少年が溺れてる!
   グーグルアースによるとこの場所は・・・川だ。さぁ、少年助けて

町賀:判断が早過ぎやしない?

志久:私はちゃんとグーグルアースで確認したよ

町賀:そうじゃなくて、溺れている人物が少年に見えるかもしれないけど、確証が無いのに少年と言い切っていいんでしょうか?

志久:えっ、そこも確証必要なの?

町賀:ボーイッシュな少女という可能性もあるよ

志久:可能性として低いでしょ

町賀:私は「川で溺れる少年を助ける」というベタな設定をやりたいの
   川であることが証明されたら、次は溺れている少年と思わしき人物の下半身を脱がすよ

志久:性別確認の為だけに露出させるな

町賀:そうでなきゃちんちんの有無は確認できない

志久:香菜の行動そのものがかなりベタから逸脱してるんだけど

町賀:もしボーイッシュな少女の場合私は怒りのあまり少女の女性器に結構強めに指を突っ込んだ後、放置してその場から立ち去るよ

志久:少女であるだけで行動が鬼畜だな。少年であることにこだわり過ぎだろ

町賀:よし、もう一回やろう

志久:分かった。あ、(さっきグーグルアースで確認済みの)川で少年と思わしき人物が溺れてる!

町賀:(ザバーン) (ぬがしぬがし)

志久:香菜にとってはこれがベタらしいです

町賀:ちんちん!!

志久:ベタの為なら恥も捨てるのか

町賀:よし、助け・・・・・・しまった

志久:どうかした?

町賀:ちんちんの有無だけで少年と判断していいんでしょうか?

志久:充分確証あるでしょ

町賀:もしかしたら性転換した元女かもしれない。だから少年と思われる人物の戸籍謄本を確認しよう

志久:性転換した元女とか稀過ぎるよ。というか役場まで行って確認してる間に溺れ死ぬよね

町賀:それなら川の近くに役場庁舎を移転させましょう。これなら川と役場を往復する時間を短縮できるよ

志久:川で溺れる少年を助けるのにそこまでするのかよ。もう香菜の出す案に理解が追い付けなくなってきた

町賀:じゃあ、この後どうするか分かりやすく纏めるね
   @川の近くに役場庁舎を移転する
   Aミエルちゃんが溺れている少年らしき人物を見つける
   B私が少年らしき人物の名前を聞く
   C役所で戸籍謄本を見て男だった場合
   Dちんちんを助ける

志久:最終的に助けるの男性器になってるじゃねえか

町賀:とりあえずやってみるね
   すみません、この役場庁舎なんですけどノーパンしゃぶしゃぶの店をやりたいので移転してもらえますか?

志久:お前そんなに下半身の露出が好きなのか

町賀:あ、OKですか

志久:どうしてそれで了承もらえるんだよ

町賀:私自身も下半身を露出して頼み込んだ甲斐がありました

志久:ただの変態じゃねえか。それで了承する役場の奴らも酷いけど

町賀:さぁ、早く見つけてよ

志久:あ、(さっきグーグルアースで確認済みの)川で少年と思わしき人物が溺れてる!

町賀:(ザバーン)
   君、名前は? △△××っていうんだね。ちょっと役場に行ってくるよ

志久:少年と思わしき人物、死なないように頑張れー

町賀:すみません、△△××さんの戸籍謄本見たいんですけど。あ、水浸しで役場に来てすみません

志久:それは謝るべきことだね

町賀:あぁ、そうですか。じゃあ川に行こうっと
   (ザバーン)

志久:お、遂に助けるか

町賀:ねぇ△△××、名前の漢字ってどう書くの?

志久:確認できなかったのかよ

町賀:『とう』は藤じゃなくて東なんだぁ〜。私と一緒だね

志久:そんな会話してないでさっさと助けろ。あと町賀香菜って名前に藤も東も入ってないだろ

町賀:どうも役場の方、再び水浸しにしてすみません
   あ、そうです。この間の露出狂です

志久:悪い意味で名前が知れてるじゃないの

町賀:△△××さんの戸籍謄本はこれですか。男ですね。ありがとうございます
   (ザバーン) これでちんちんがあれば間違いなく少年だね。 (ぬがしぬがし)

志久:今までのやりとり的にただ変態が脱がしてるだけだよね

町賀:ちんちん!! よし、ちんちんがあるから助けるよ

志久:どの漫才師もここまで来るのにこんなに行数かからないのにどうしてこうなった

町賀:よし、助けたよ

志久:次は意識の有無の確認だね

町賀:でも私、この後については興味無いんだけど

志久:やってよ。その後までやらないと助けたことにならないよ

町賀:じゃあ川の近くに病院も移転させましょう

志久:病院もかよ。もういいよ

二人:どうも、ありがとうございました


X子:ありがとうございました。皆さんはちゃんと助けてあげてくださいね!

Y美:藍殿TTさん、いかがでしょうか?

 
・面白い題材を面白く調理していましたね。
 ボケとボケの間とかバランスとか非常に受け入れやすく整えられていてすんなり笑えました。
 一部ですがツッコミなのか相槌なのか中途半端だったとこに詰めの甘さがあったかと。ちんちん!
 

X子:ちんちん!

Y美:おいアンタが復唱するなよ…

   2回連続で決勝審査員を務めます雷電さん、いかがでしょうか?

 
・「Dちんちんを助ける」で噴き出しました。少々粗さを感じる部分もあったのですが、全体的には凄く好みです。「溺れる者に藁投げて本当に掴むかどうか実験」のダークさとかも。
 オチが雑に感じてしまいましたが、それ以外は特に減点要素も無かったかと思います。
 

X子:おお、「特に減点要素も無かった」ということは超高得点なのでしょうか!?

Y美:では最後にマグネッツさん、いかがでしょうか?

 
・「Dちんちんを助ける」じゃねえよw
 屁理屈系のネタでしたが、バカバカしくて面白かったです。
 でもこのスピードでやるなら150行ぐらいは欲しかった気がしますね、もう一展開ぐらい欲しい気がします。
 

X子:ありがとうございました。全員ちんちんって言いましたね!!

Y美:何に興奮してるのよ…




Y美:さて、どんどん参りましょう。

X子:続いて、5組目はこの方たちです!

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