第20回MM−1グランプリ
THE FINAL ROUND!!
X子:はいどうもーキャ◯メルアンセムですよろしくお願いしますー
渡○さーんはーい頑張る時間だどっこいしょーそのいk
Y美:雑に時事ネタをいじるなー!!
第20回MM-1グランプリ、スタートです!
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エントリーNo.052
惑星Daydream
犬がキャーと泣いた日
arisa:惑星Daydreamです。
kento:よろしくお願いします。
arisa:そろそろ犬でも殺さなきゃと思ってて。
kento:導入から物騒かよ。
arisa:どんな種類の犬を殺すかとか、いろいろ考えなきゃいけない。
kento:そんな義務はない。
arisa:日本人の三大義務。納税、兵役、犬殺し。
kento:三段落ちと見せかけて二個目から間違ってるんだけど。
arisa:日本は徴兵制度を復活させるべき。
kento:議論を呼ぶからやめろ。
arisa:本題に戻るね。犬を殺す上で決めておかなければいけないこと。
kento:本題も本題で広げたくねえな。
arisa:まず犬種。何マンにするか。
kento:もうドーベルマンに決まっちゃってるだろ。
arisa:内面読み男かよ。
kento:内面読み男じゃねえよ。
arisa:ドーベルマンを殺してもチワワより罪の意識が薄い。
kento:ちょっとだけ分かる差別するんじゃねえよ。
arisa:続いて場所。これはもう定番の。
kento:定番あるのかよ。
arisa:もちろん、猫カフェ。
kento:ミスマッチが過ぎるだろ。
arisa:猫を無視して犬を殺す。そこに生まれるカタルシス。
kento:なんだよカタルシスって。なんだよ。
arisa:そして最も大事なのは、誰と、ですよね。
kento:メシ食うときの話じゃねえんだぞ。
arisa:世界中の穀潰しが集まる掲示板で人を募ったんだけど。
kento:世界中の穀潰しが集まる掲示板ってなんだよ。
arisa:収入がある人間特有の文体が全部禁止ワードに指定されてるの。
kento:収入の有無で文体が変わるのかよ。
arisa:収入のある人間は、目の色合いに歪みがない。
kento:文体の話は。
arisa:収入のある人間は、金のためなら衒いもなく生き物を殺せる。
kento:お前は金のためですらないだろ。
arisa:収入のある人間は、収入のない人間のことを見下している。
kento:文体の話しないならもう次行けよ。
arisa:世界中の穀潰しが集まる掲示板には優しい人が沢山いるの。
kento:ぬるま湯に浸かっているんだね。
arisa:本当に優しい。蚊も殺せないぐらい優しい。
kento:じゃあ犬殺しの伴侶には向いてないだろ。
arisa:人間が出来てるっていうのかな。とにかく素晴らしい人たちなの。
kento:潰された穀のことも考えてやれよ。
arisa:そこで犬を殺す人を募ったんだけど、めっちゃ叩かれた。
kento:穀潰しにすらも。
arisa:でもね、一人だけ連絡をくれたの。
kento:穀潰してそう。
arisa:Panasonicの副社長さんでね。
kento:穀潰しとけよ。
arisa:収入の全てを妻ではない女につぎ込んでるから、実質穀潰しなんだって。
kento:穀潰しかよ。
arisa:最近は重役会議にも呼ばれないとか。
kento:何をしているんだよ。
arisa:「才能は枯渇する」って熱弁してた。
kento:熱弁するなよ。
arisa:この人、ビジョンが見えないな、って思いました。
kento:犬殺す人を募ってる穀潰しにすら言われるとはね。
arisa:未来に繋がる犬殺しがしたいの。非建設的な犬殺しはしたくない。
kento:理解できない美学だよ。
arisa:その次は世界中の穀潰しが集まるマッチングサイトに登録してみた。
kento:どこに需要があるんだよ。穀潰しと穀潰しがくっついてどうするんだよ。
arisa:ヒモを飼いたくて穀潰しを装うキャリアウーマンとかが結構いたりするの。
kento:世の中がちょっとしんどく見えてきた。
arisa:そこで私は再会を果たす、あの副社長と。
kento:果たすなよ。大体妻も浮気相手もいるんじゃねえのかよ。
arisa:「性欲は枯渇しない」って熱弁してた。
kento:熱弁するなよ。
arisa:なんか2回寝たら15万貰えた。
kento:犬殺しと別ベクトルの最悪の話やめろよ。
arisa:対象を穀潰しに限らないことにした。
kento:最初からそうしろよ。
arisa:世界中の副社長が集うパーティに潜入した。
kento:なんでオチの読めるところに行っちゃったんだよ。
arisa:初の上流階級のパーティはとても楽しかった。ミシュラン4つ星のシェフの提供する料理はとても美味しかったし、
美女がたくさん居てなんか凄くキラキラしていた。ホリプロスカウトキャラバン特別賞獲ったとか言ってた。
kento:なんかほんのちょっとずつランク低いの嫌だな。
arisa:そこで私は再会を果たす、小学校の同級生と。
kento:小学校の同級生なのかよ。
arisa:小学校の時あたしをいじめてた、同級生。
kento:辛い扉を開けるなよ。
arisa:あたしはすぐに目をつけた。被虐趣味があるということは、犬殺しの才能があるということ。
kento:お前過去とか全然引きずらないのかよ。
arisa:彼も大人になり、なりふり構わず被虐趣味を振りかざす人間ではなくなっていた。
kento:まあ、副社長だしな。
arisa:感情のこもっていない謝罪は鉄の味がした。
kento:急にわかんない比喩で怒りを表現するなよ。
arisa:形式だけの謝罪なんて良いからあたしと一緒に犬を殺せよ。そう言い放った。
kento:パーティ会場でかよ。
arisa:彼は目を輝かせた。
kento:三つ子の魂百までかよ。
arisa:かくしてあたしはパートナーを見つけたのであった。あとは実行に移すだけ。
kento:いじめられっ子がいじめっ子と手を組んでもっと弱い者をいじめる様は、人間の浅ましさを感じさせる。
arisa:因みに実はパーティーにはPanasonicの副社長も来ていた。
kento:待ってたよ。
arisa:彼は誰とも喋らず隅っこの方で大人しくしていた。
kento:熱弁の才能を発揮しろよ。枯渇しない性欲でも可。
arisa:よく躾のできた犬のようで、とても良かった。とっても可愛かったよ。また寝たいな。お金なんかくれなくてもいいよ。
っていうかこっちから連絡してるのになんで連絡くれないの?もしかして奥さんにばれちゃった?
この漫才見てたら連絡ちょうだい。ね。ね。
kento:あ、帰ろう。
arisa:惑星Daydreamでした。
X子:ありがとうございました!
Y美:では、審査員の方々からのコメントをいただきたいと思います。
彼。さん、いかがでしょうか?
・面白かったです。絶対に被らないボケ、絶対に被らない設定、
結局漫才の中で犬を殺さずに終わった優しい世界。
テンポ、リズムも良く、楽しんで読めました。
ボケの強度とツッコミの切れ味が少しでも落ちたら、
見てられない漫才になりかねないのに、
そこで勝負できるの、すごいなと思います。
X子:なるほどなるほど。
Y美:けうけげんさん、いかがでしょうか?
・これチアノイズじゃない?マグネッツさんはおちんちんとゼロモラルに取り憑かれてるんですか?
淡々としながらもフレーズ一撃一撃でブチ抜いてくるスナイパー感が凄いのなんの。
「穀潰しにすら叩かれた」「2回寝たら15万貰えた」など一撃必殺レベルのフレーズを惜しげもなくばらまくじゃないすか。
「待ってたよ」のような簡潔なツッコミもツボを抑えたものが多く、ボケの強烈さと喧嘩しない塩梅。
現時点で完成度高いのですが、何で犬を殺したいのかという理由が簡単でいいから欲しかったのと
ドーベルマンや猫カフェの下りも最終的に回収してくれたら気持ち良かったなぁという部分が心残りです。
今大会におけるフレーズの打率に置いては1番だったかもしれません。犬殺す漫才なのに。
X子:犬殺す漫才って何なのよって話ですね。
Y美:では作者のマグネッツさん、いかがでしょうか?
・なんか結局チアノイズやないか!とか、チアノイズからコミカルさが抜けてより終わってるやないか!とか、そういう感じがしますよね。。。
MM-1サイコパス女枠に殴り込みたいと思います。
X子:ありがとうございました。
Y美:さて、どんどん参りましょう。
X子:続いて、2組目はこの方たちです!
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エントリーNo.043
海洋ブリザード
終わりなき旅
藤林:どうも、海洋ブリザードです。よろしくお願いします。
横田:よろしくお願いします。いきなりなんですけど、いつかこのネタもオチというか、終焉を迎えるわけじゃないですか。
藤林:…始まってすぐネタの終わりのこと考える奴があるかよッッ!
ちょっといきなりどうしたんですか。猪木だったら間違いなくビンタしてますよ。
横田:でも実際、事実じゃないですか。僕らのネタもそうだし、今回のMM−1グランプリだって同じですよ。
いつかは優勝者が決定してフィナーレを迎えるわけですよ。
藤林:まあまあ、そりゃいつまでも優勝者決めずにじらし続けるとは考えづらいからね。
横田:そして、いつか僕らの人生も終わりを迎えるじゃないですか。
藤林:なんで今そんな切ないこと言う!? このタイムリーな時期にそんな新興宗教教祖感出そうとして大丈夫?
横田:最終的に、この地球もいつかは終わるとされてますからね。
藤林:マジで何の説法の時間!? 徐々に話のスケール広げてるところ申し訳ないけど。
横田:だから、この「終わり」という存在は常につきまとう命題なわけですよ。
それなのに、それなのに! その運命から逃れようとしてる不届き者を見つけてしまったんですよ。
これはまさに運命への冒涜! 宿命への反逆とも言うべき危険分子と言っても過言ではない!
藤林:頼むから怪しいヨガ教室とか開くなよお前。
それで、お前のいう終わらない危険分子って一体何よ?
横田:…3.14って知ってるか?
藤林:…3.14は知ってますよ。知ってるけど…終わらないってそういう意味、なの?
横田:お前、「こいつ、とうとうそれ言いやがった…俺もう知らねぇからな…」みたいな顔すんなよ。
堂々と胸張ってていいんだよ! いつか誰かが言わなきゃいけないことを俺らが言ったってだけのことだろ!
藤林:そんなタブー視されるようなこと言ってないわ!それ以前の問題だよ!
ストレートに言うけど、円周率っていうのはあれよ、延々終わらないやつだよ?
横田:終わらないっていうお前の意見もよくわかる。お前は悪くない、お前はまだ洗脳が解けてないだけなんだよ。
藤林:洗脳とかじゃないんだよ! むしろお前が何かに取り憑かれてるだろ!
あのな、円周率って超高性能のコンピュータで計算しても未だに終わらないの。
むしろ終わらないもの界隈の象徴みたいなとこあるし。
横田:まあまあ、確かに俺の勇気ある行動がそう簡単に受け入れられるとは自分でも思ってないよ。
だから今日は俺が、最後の数字は何かを暴いてやろうじゃないかと。
藤林:これに関しては勇気とかそういう話じゃ無いと思うんだよな…
ありもしない数字予想しても何の生産性もないじゃないですか。別のテーマで話しましょうよ。
横田:いや、わかる。わかるよ、お前も辛いよな。
藤林:何も辛くないわ! 俺のことどう見えてんだよ。
暴くとか言うけど無意味じゃんか。結局存在しないものを暴くって難しいだろと言ってるの。
横田:…さっきからなんでそんな頑なに拒否するんだよ!
いつもは「居酒屋の店員やりたい」とか言ったら素直にお客さん役やってくれるじゃんよ!
今日だけかたくなに俺の提案に応じてくれないのは怪しいぞ! 目を覚ませよ!
藤林:むしろお前が目を覚ませよ! 居酒屋店員と円周率の話を一緒にされても困るだろ。
まぁいいや、このままじゃ話も平行線だし、今日はあなたの妄想に付き合ってあげますよ。
横田:やっと素直になってくれたか、ありがとな。
じゃあ早速俺が円周率の最後の数字を暴いていくから、お前はお客さんやって。
藤林:何のお客さんだよ! お前さっきの居酒屋店員の話から引っ張られてんじゃねぇか!
横田:「ちょっとそこの店員さん、小数点以下200桁ちょうだい」みたいなことだろ!
藤林:どういう店なんだよ!挽き肉200gみたいな感覚で200桁売らないだろ!
とりあえず横で聞いてるからお前の考えた通り話してみろや!
横田:言われなくとも真相に切り込んでいきますよ!
といっても、選択肢は最初から1〜9の9通りしか存在しないわけよ。既にだいぶ絞れてる。
藤林:絞れてるっていうのかなこういうの…
横田:しかも、4と9は縁起が悪いのでこの時点で選択肢から外れます。
藤林:そんな駐車場みたいな理由で勝手に省くなよ! 数学って縁起とかで答え決まるもんじゃないだろ!
横田:いいからいいから。 まず、「1」の場合。
藤林:場合分けしたところで一体それはどうなんだ、という…。
横田:3.14159265……61!!
藤林:………。
横田:………。
藤林:………………。
横田:………………な?
藤林:何がだよ! 何をもっての「な?」なのかわかんねぇよ! 随分余韻を楽しんでたけども!
横田:なんつーかこう、高1の夏に初めて洋楽を聴いた時のような、あれに似た感情だよな。
藤林:湧いてきてねぇよそんな背伸びした男子みたいな感情! あるとすれば怒りだ怒り! この数分が無駄になりつつある事への怒り!
横田:今、実際に数字を口にしてみて、改めて初心に帰るというか、そういう心境に至るなぁ
藤林:気のせいだ気のせい! まず算数の初心に帰れお前は!
横田:まぁとりあえず1で終わるパターンに中々の手応えを感じたところで、「2」の場合を考えてみましょうか。
藤林:手応えとかじゃないんだよな…数学なんだからビシッと答え決まるはずだろ…
横田:3.14159265……62!!
藤林:……。
横田:あーっと、これは…完全に若さが空回っちゃったパターンかな〜
藤林:若さってなんだよ!別に若さゆえとか無いだろ結局数字なんだから!
横田:わかるのよ、とがってセンス出したいのもわかるんだけど、そこじゃないでしょって言いたいね。
藤林:そのちょいウザ評論家やめろお前! なんで最後が2だとセンス出したいんだよ!
横田:でもここから諦めずに続けていけばきっとよくなると思う。
だからこれに懲りずにずっと続けなさい、終わりがないんだよこの世界は。まるで円周率のようにね…
藤林:一人で長々何言ってんだ! よさげな雰囲気でまとめたけども!
そもそも円周率に終わりがないとか言っておきながらお前が今まさに終わりの数字探してんじゃねぇか!
破綻してる! 話が!
横田:この調子で「3」の検証に行ってみましょうかね。
藤林:いやマジでこの不毛な検証どこまで続くの?
横田:3.14159265……63!!
なるほど…これはね、個人的に結構しっくり来てますよ。
藤林:だからわかんないんだよしっくりとか! そんなニュアンスで決まる事じゃないだろって!
横田:これは具体的なシチュエーションをイメージした方がわかりやすいかもな。
例えばプロポーズする時とか、「僕が円周率を最後の数字まで言えたら、結婚しよう」って言うじゃん?
藤林:どんな約束だよ! そもそも最後の数字無いんだから一生叶うことないだろ!
横田:「3.14159265……63!!結婚しよう」「はい!!!」
藤林:アホ夫婦じゃねぇか! なんで二つ返事でOKなんだよ!
横田:「ほら、給料3.14ヶ月分の指輪」
藤林:誰も欲しくないよそんな円周率にちなんだ指輪!
横田:「僕らの愛は永遠に続くんだ。そう、円周率のように…」
藤林:…だからその永遠をお前が終わらせようとしてたんだろうが!
なんなら最後の数字を自分で言ったうえでプロポーズしたんだろ! 今日2度目の破綻だよ!
横田:これが最後「2」だったら上手くいってないからね!
「3.14……62!!結婚しよう」「あーっとこれは…完全に若さが空回っちゃったパターンかな〜」
藤林:さっきのお前じゃねーか! そんな評論家感出してる奥さん嫌だろ!
横田:別のシチュエーションで見ても劇的に違いが出るからね。
他だと…ほら、入院中で手術を受けなきゃ助からないのに嫌がってる子供がいるとするだろ?
藤林:まぁ、ドラマでそういうシーンもよく見るけども。
横田:そこに、子供の憧れであるプロ円周率選手が来てくれるわけよ。
藤林:誰だそいつ! そんな職業あるか! こういうのは大抵スポーツ選手とかに憧れるんだよ!
そもそも円周率選手はどうやって3.14で飯食っていくんだよ!
横田:「ほーら、サイン入りの3.14だよ」「わぁ、ありがとう!一生の宝物にする!」
藤林:サイン入りボールみたいなノリで渡したそれは何だよ! 数字の羅列に勝手に名前を書くな!そしてそれを宝物にするな!
横田:「君、手術を受けたくないんだって? じゃあ、僕と約束をしようか。
僕が今から円周率を最後の桁まで全部言えたら、手術を受けるんだよ。」
藤林:言い終わる前に面会時間終われ、もう。
横田:「3.14159265……63!!」「…僕、手術受けます!」
最後が3だからこそ、きっと勇気を与えられると思うんだよ。
藤林:ならねぇよ! なんで最後が3だと勇気もらえるんだよ!
横田:最後が違ったら子供も態度変わるからね。
「3.14……61!」「…あの夏、初めて洋楽を聴いた時のような、あれに似た感情だ…。」
藤林:その洋楽例えのくだりそんなに浸透してんのかよ! 入院中の子供に洋楽の楽しさ教えてどうすんだ!
なんで3がそんなに持て囃されてるのか謎のままだよ!
横田:さっきからなんなんだよ、横から全部否定してきて!
お前あれか、目の前で最後の数字が暴かれて洗脳が解けるのが怖いのか!? びびってんのか!?
藤林:そんなんじゃないわ! ばかばかしすぎてむしろ呆れ気味だよ!
そもそも円周率なんてあれだろ、「π」使っておけば基本どうにかなるもんだろ!
横田:「π」? なんだそれは、まったくもって初耳だが…
藤林:そんな興味深げな感じ出すほどでもないだろ! πも知らずに円周率語ってたんかい。
とにかくπを使っとけば3.14の最後がどうだとか基本考えなくて済むの! 不毛なんだよここまでの話が!
横田:…なるほど、そういうことだったのか!
つまり、“3.14159265・・・・・・6π” これが真実か!
藤林:そういう使い方する記号じゃねぇわ! ややこしい数字作るなバカ!
…あと1の時からずっと気になってたけどよ、なんで最後の1個前が全部6なんだよ!
6までわかってたら次の数字おのずと導き出せるだろ!
横田:おい、やめとけ! 俺のことはどう言ってくれてもいい、だが6だけは!6だけは責めないであげてくれ!
藤林:なんでそんなに6をかばうんだよ! 6にどんな思い入れがあんだお前。
結局この話に何の説得力もなかったわ! 終わりだよ終わり!
横田:まぁ、円周率の終わりは解き明かせなかったけど、漫才の終わりはこの辺にしておこうか。
藤林:いいかげんにしろ。
横田:…あ、そういえば√2の最後の数字も隠蔽されてるな! 今度はこの真実を…
藤林:今いい感じに終われたとこだろうが! マジでいいかげんにしろ!
二人:どうもありがとうございました。
X子:ありがとうございました.14159265358979...
Y美:なんでよ????
FANさん、いかがでしょうか?
・設定、かなりいいですね。そこからの展開も面白かったです。
円周率の最後の数字を……というところに持っていくまでが少しくどかったように思います。本筋をもっと見たかったです。
X子:なるほどなるほど。
Y美:彼。さん、いかがでしょうか?
・センスで勝負してくる感じ、すごく良いですね。
センスだけじゃなくて、61の洋楽とか、62の若さがから回るとかを後半うまく絡めて、
構成的な面でも笑いどころを作ろうとして、それがしっかりハマっているのも良いと思いました。
それだけに最初のくだりがちょっと長くてノッてくるのが遅いのがもったいなかったかなと、
結局は円周率の最後の数字がテーマなんで、もっとスッと入って、
65.66.67.68.60なんかの検証も聞きたかったなと思いました。
もっと長く見たかったです。
X子:そうねー、その辺も見てみたかった!
Y美:藍殿TTさん、いかがでしょうか?
・正統派なしゃべくり漫才で面白かったです。着眼点が素晴らしい。
なにより、ネタの題材がすごく好きなんですけど、「えー!?3で辞めちゃうの!?」という感じはありました。
もっと見たい(厳密には総量このままでもっと先に進んで欲しい)と思っちゃうネタでしたね。
X子:ありがとうございました。
Y美:さて、どんどん参りましょう。
X子:続いて、3組目はこの方たちです!
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エントリーNo.022
エバーグリーン
痴漢
3人:エバーグリーンですお願いします
井島:僕ちょっと憧れてるお仕事がございまして。それが駅員さんなんですよね。
制服も格好いいですし、やっぱ良い声で「次は〜新宿、新宿です」とか言いたいじゃないですか
安奈:でも大変そうじゃない?電車ってトラブル多そうだし、アンタ痴漢の対処とかちゃんとできるの?
井島:まぁ確かにそれは大変そうですね。最近だと触らない痴漢とかいろいろな痴漢の犯罪が増えてますし。
大崎:じゃあこの場で練習しましょう!僕が痴漢をやりますんで!僕に痴漢をやらせてください!
井島:お前にしか役が割り振られてねえじゃねえか。どんだけ痴漢やりたいんだよ
じゃあ僕が駅員やるんで安奈さん被害者で
大崎:・・・・ハァハァハァ・・・
安奈:ちょっとなんですか!やめてください!
大崎:ハァハァ・・・・イタチ・・・
安奈:なに?なに?離れてください!警察呼びますよ!
大崎:ハァハァハァ・・・ヨークシャーテリア・・・・
安奈:なんなんですか!もうずっと何言ってるんですか!
ちょっと駅員さん!助けてください!
井島:どうされました?
安奈:この人、痴漢なんです!
大崎:ハァハァハァ・・・スイカ・・・・
井島:痴漢ですか!?
安奈:ずっとさっきから私の尻を取ってくるんです!
大崎:ハァハァハァ・・・スミレ・・・
井島:尻を取ってくる?どういうことですか?
安奈:しりとりです!ずっと私の耳元でハァハァ言いながらしりとりしてくるんです!
井島:どういう痴漢!?え!?まず痴漢なんですかこれは!?
安奈:これが俗にいう、触らない痴漢です!
井島:僕の知ってる奴と違うんですけど!ちょっととりあえず嫌がってるんで離れてもらってもいいですか!?
大崎:お姉さん!良い言葉尻してるねぇ!
井島:どういう価値観!?
っていうかちょっとやめてもらってもいいですか?あの人嫌がってるんで!
大崎:ハァハァ・・・・・電信柱
井島:誰の尻でもいいんですか!?俺の尻でもいいんか!?
大崎:ハァハァハァ・・・カナブン
井島:「ン」がついても負けじゃねえんか
大崎:ハァハァハァ・・・堅い縄
安奈:もう逮捕してくださいよこんな人
大崎:ハァハァハァ・・・透明な縄
安奈:まだ尻取ってるじゃないこの人もう!ふざけんな!
大崎:ハァハァハァ・・・長い縄
井島:なんなんですかさっきから!
堅い縄だの長い縄だの何で縄に拘るんですか!?
大崎:わかりませんか!?今ぼく、縄で縛られてるんですよぉ!!!!
井島:意味が違うだろ意味がぁ!気持ち悪いマジで警察に突き出すからな!
大崎:ハァハァハァ・・・・なわとび
井島:何で急に縛るのやめて飛び始めたんだよ
安奈:もう警察呼んでくださいお願いします!本当に怖い!
大崎:ハァハァ・・・!委員会!
安奈:いい加減にもう尻取るのやめてよ!
大崎:フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ!!!!!
井島:きっしょ!!今度は何だよ!
大崎:君、今僕が「いいんかい」って言った後「いい加減に」って言ったよね?
僕の言葉尻、取ってくれたよねぇ!!!
安奈:キャーーーーーーー!!!!
井島:どう生きてきたら培われる性癖なん!?
安奈:もういい加減警察呼んでください!
井島:今呼びましたから安心してください!
安奈:キャーーーーー!!!!
井島:今度はどうされました!?
安奈:私が今「警察呼んでください」って言った後駅員さんが、「今呼びましたから」って
井島:誤解です誤解です!誰もかれもが尻を取ろうとして会話してないんで!
あなたもおかしくなってますから落ち着いて
大崎:ねぇねぇお姉さん!ここに桃味のバブリシャスがあるんだけどさぁ
こういうお菓子の類のことを一般になんて言う?
安奈:・・・ガ、ガム・・・?
大崎:何味か英語でなんて言う?
安奈:ピーチ・・・?
大崎:こういうお菓子の類のことを一般的になんて言う!?
安奈:なんですか!?だからガムって言ってるじゃないですか!
大崎:あぁもう!そうじゃなくて!お菓子の類の名称だけ言って!
安奈:ひぇっ!ガ、ガム・・・!
大崎:何味か英語で言って!
安奈:ピ、ピーチ・・・
大崎:もう一回二つの単語を繰り返して!
安奈:え!?なんで・・・
大崎:もういいからこのお菓子の類の名称は!?
井島:おい語尾を「ム」「チ」「ム」「チ」にしようとすんなや!!
安奈:キャーーーーー!!そういう意味だったの!?本当に気持ち悪い!
大崎:ハァハァハァ・・・だってぇ、触りたいじゃぁん、ムチムチな言葉のお・し・り。
井島:流石にキショすぎるからその想像力を活かしてクリエイティブに死んでくれ!
大崎:あぁもうダメだ興奮が止められないよ!!
リンゴ!ゴリラ!ラッパ!パンツ!・・・・ハァハァハァハァハァハァ!!!
井島:もう普通に一人でしりとりしてるだけじゃねえか!
大崎:ああああああああああ言葉尻オナニーきもぢいいいいいいいんんんんん!!!!
井島:きもぢわりいいいいいいいんんんんんんん!!!!!
安奈:もうやだ本当に気持ち悪い!ねぇ、警察はいつ来るんですか!?
大崎:可愛いねぇ君はしかし。
安奈:まだ尻取ってる!いい加減にして!
大崎:手も可愛いねぇ!食べちゃいたい!
安奈:だから気持ち悪いからやめてください!
大崎:良いおっぱいしてるねぇ!揉ませてよ!
井島:もうしりとり以前に普通にセクハラだわ!普通にダメなこと言ってるから!
ってかもういいわ!何で駅員やりたいって言っただけでしりとりでオナニーする奴相手にさせられなきゃいけないんだよ!
大崎:ハァハァハァ・・・ヨーグルト
井島:いやもうコント終わり!コント終わったから!
大崎:ハァハァハァ・・・ライオン
安奈:本当にトラウマになるからやめてほしい!
大崎:ハァハァハァ・・・・いい加減にしろ
井島:こっちのセリフだわいい加減にしろ
3人:どうもありがとうございました。
X子:た…た!!!
Y美:尻を取るな。
けうけげんさん、いかがでしょうか?
・なんか倫理観のある井島君久々な気がします。育てる会といいプラコミュといいみんな憑き物取れたんか。
まずシステムが明かされた時の期待感たるや。しりとりネタ自体はベタベタの範疇なのですが
「痴漢」「性癖」と掛け合わせることで一気に異常性が出て唯一無二の設定に仕上がっている。
「言葉尻」「縄で縛られている」など上手い部分もあれば終盤の普通のセクハラもあり、テクニックを浴びせていただきました。
気になった点としては、「ムチムチ」は行数を使った割には爆発力が足りなかったかもしれません。
また、例えば「る攻め」をするとか、しりとりのワードに全て共通点があるとか
そういうギミックがあと1つくらいあると、よりいっそう読み手を驚かせる余地が生まれたかもしれません。
とは言え面白さと技術が高い地点で噛み合った名作でした。倫理観捨てなくても面白いじゃーん。
X子:ん…ん…ンジャメナ!!
Y美:無理やり尻を取るな!!
マグネッツさん、いかがでしょうか?
・杏奈の字が変わってるところに、妙な寂しさというか、誰も元に戻れない感を感じました。。
設定の時点で面白く、それを巧く活かせていたと思います。変化が欲しいと思ったところで入って来たムチムチの下りがやや弱かったのが惜しいところ。
X子:ろーねー。
Y美:適当に知りを取るな!!
とれいんさん、いかがでしょうか?
・バカですねえ。仕掛けもバカだし言葉選びも絶妙なバカで
好きなネタです。終盤の被害者役がおかしくなっていくのも
いい展開だと思います。面白かったです。
X子:…っすよねー!
Y美:さて、どんどん参りましょう。
X子:続いて、4組目はこの方たちです!
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エントリーNo.012
こけまみれコオロギ
お誕生日プレゼント
○どうも、こけまみれコオロギです。よろしくお願いします。
★お前に俺のお願いを聞いてほしい。
○何?引き受けるかどうかは事によるけど。
★俺の牛を逃がしてほしい。
○え、お前の牛を逃がす!?
どういうこと?
★ちょっと事情があって牛を逃がしてほしいんや。
○何の説明にもなってへんわ!
お前んちって牧場か何かっけ?
★普通のアパートやわ。
○牛はどこ?
★アパートにおるで。
○アパートに牛は住めんやろ。
★1LDKの「D」におるで。
○狭っ。
牛って臭くない?苦情とかはないん?
★アパートがペットOKやからお互い様やわ。
わざわざその為に引越したんやから。
○他を牛が圧倒してるやろ。
そもそもなんで牛なんて飼い始めたん?
★俺だって好きで飼い始めたわけちゃうんや。
○自らの意思以外で牛を飼い始めることってある?
★俺1ヶ月前に誕生日やったんやけど、親友から「なんか好きなもの奢ったるわ」って言われたから
「腹一杯肉食いたい」って答えたんや。
そして、3日後、この状態や。
○親友あほ過ぎるやろ!
クーリングオフや!クーリングオフ!
★いや、俺も説明不足やった。日本語は難しいと言うことや。
お前も気を付けとかんと牛送られるで。
○聞いたことない脅しやわ。
その親友、牛なんてよく買ったな。むちゃくちゃ高いやろ。
★なんか1頭買いは安いらしい。
○それ焼肉店が安い理由やから!個人で恩恵受けるの無理やから!
★さすがにあんまり高級牛は買えんかったみたいで、N-5ランクらしいわ。
○N-5て何!?
A-5,A-4,A-3…N-5て何!?
★Nの中では最高級ってことや。
◯あの記号ってCくらいまでちゃうの?
★裏ルートでの仕入れやから内緒な。
○そんなまずい肉に興味ないから。
★でもな!でもな!食感は松茸に似てるらしい!
○せめて噛みきれないとかであってくれ。
★あいつのことを攻めんといて
「Nー5でごめんよ。」って泣いてたし。
○もっと謝るとこあるやろ!泣くな!
良いやつか悪いやつか分からんな。
★完全に良いやつなんや。すんごいピュアなだけで。
だからあいつを傷付けへんように逃げられたことにしたいんや。
○なるほど、お前もピュアの犠牲者ということか。
★よーし!協力してくれるってことで、さっそく作戦会議やな。
◯ちょっと待って!まだ引き受けたわけちゃうから!
★お願い!食事の支給はするし!
◯そういう問題ちゃうで。
まぁ、とりあえず話聞くところからにさせて!
★ありがとう。
まずは牛の紹介や。
名前はワーク・ライフ・バランス。年齢は5歳。
○名付けに「仕事」って単語入ることある?
★体調、よい。
○日によるやろ。
★BMI、46.8か46.9
○そこそんな重要ちゃうから。牛の基準知らんし。
★好物は人の食ってるカップラーメン。
◯確かにおいしそうに見えるけど!
★あと、大きな翼と獲物をがっしりと掴む爪と鋭いクチバシと
恐竜のような硬い皮膚とほんの少しの優しさ。
○!!!!
★は、無い。
○無いんかい。
ほんの少しの優しさくらいはあってほしかった。
★以上。
◯結局得られたのは変な名前っことだけか。
★次に逃がすルートについて相談したい。
○玄関からで良いんちゃうの?
★来たときより大きくなってもう玄関からは出せんのや。
○1ヶ月でデカくなりすぎやろ。
★来たときでドアサイズぴったりやったからな。
郵便屋さんと一緒になんとか押し込んだ。
○その郵便屋さんに何か特別手当付けてあげて。
じゃあ窓とかは?
★2階やし、小窓。
○防犯とおしゃれさがアダとなっている!もはや密室空間やん。
★ただ1つだけ方法がある。空や。
○空?屋根破壊する気?
★いや、このアパートは大型動物に対応できるように2階は屋根がないんやで。
○牛レベルは大家の想定範囲内かい!
でも屋根なくても牛が出るのは難しいやろ。
★207号室の室田さんに協力してもらってほしい。
室田さんの飼っているあの大きな翼と獲物をがっしりと掴む爪と鋭いクチバシと
恐竜のような硬い皮膚とほんの少しの優しさを持つチビちゃんに手伝ってもらうしかない。
○室田さんどえらいモンスター飼ってるやん。
ワーク・ライフ・バランスくんが持ってないもの全部持ってるし。
あと、絶対でかい。
★チビちゃんの翼があるから雨風を防げてるみたいなとこはあるな。
○でか!
そんな化け物をどう利用したらええねん。
★プランとしてはお前がチビちゃんに乗ってロープで俺の家の中に入って、
ワークにロープをかけて吊り上げるイメージ。
○壮大!
★ただ、ワークはいつもテーブルの下で寝てるから好物でおびき出す必要がある。
○人の食ってるカップラーメン!
★そう!だからお前にはワークの前でカップラーメンを食ってもらいたい。
○カップラーメンをお願いされて食うことなんて初めてやわ。てか食事支給ってこれかい!
お前んちで作って食えばええんか?
★いや、俺が留守の場合、ワークにもしものことが無いように電気ガス水道は止めてるから無理や。
○牛中心の生活!
心配し過ぎやろ。
★親友のことを思うとワークに傷を付けられんわ。
◯その親友は食べる目的で渡してるけどな!
じゃあカップラーメンはどうすればええねん。
★室田さんちでお湯を入れてからチビちゃんにまたがってほしい。
○初対面な上に化け物飼ってるやつからお湯借りたくない!
そして絶対こぼす!
★後入れのスープはカップの上で温めて、食べる直前に入れてほしい。
○もはやおいしく食べることを目的にする気ないから。
★チビちゃんにまたがったらシートベルトを締め、荷物は網棚に置いてほしい。
○あんの?
お湯の入ったカップラーメンは網棚に置くべき?
★あ、搭乗中は飲食禁止な。
○上で飲食しても良い生き物なんておらんから!
★これで準備万端!
と、言いたいところやけど、チビちゃんの飛行能力はバッタと同等。
○もはやジャンプ!根本的に作戦練り直しやんけ!
さっきから無茶苦茶ばっかりで全然進まんけど、なんやかんや言うて
ほんまは逃がしたくないんちゃうか?
★そんなわけあるか!あー逃げてほし!
◯嘘つけ!僕なら来た瞬間追い返すわ!
本気で嫌なら1ヶ月も我慢できんやろ!
★う、確かに。いつの間にか愛着が沸いて手放したくなくなってたかもしれん。
出張の時はワークの臭いが恋しくなってた。
ワークが独り暮らしの物寂しさを埋めてくれてたことに今気付かされた。
○やっぱりか。なんかお前が牛に対する愛情を捨てきれてない感じがしたわ。
じゃあもう逃がす必要はないな。
★ありがとう。
これからもワークと一緒に電気ガス水道無しで生きていくわ。
◯ワークライフバランス!!
X子:ありがとうございました。
Y美:FANさん、いかがでしょうか?
・「俺の牛を逃してほしい」ってすごいな、見たことない導入。
こけまみれコオロギさん、毎回ずっと面白いですが、今回が個人的には一番おもしろかったです!!雰囲気からボケから全部が全部おもしろい……
「それ焼肉店が安い理由やから!個人で恩恵受けるの無理やから!」が最高です。
文句なしでこの点数をつけさせていただきます。
X子:おお!超高得点が期待できますね!
Y美:とれいんさん、いかがでしょうか?
・これは凄いですねえ。
まずボケもツッコミもまともな人間同士の会話なのに
そこに1つ「特異な状況」を
置いただけでちゃんと漫才を成立させてるのはお見事です!
ボケも状況の説明以上の変なこと言わせてないのにちゃんと面白いし
ツッコミもちゃんとかゆいところに手が届いてて
大変素晴らしかったです!
X子:素晴らしい!!
Y美:けうけげんさん、いかがでしょうか?
・普段生活しててどんなタイミングで「友達から貰った牛を逃がす」なんて漫才の発想が降りてくるんすか。
奇抜な設定の漫才って設定紹介がピークになって広げきれず尻すぼみになる事が少なくないんですが
このネタは牛、友人、部屋、室田さん、チビちゃんと全ての要素を十二分に活かしているのが凄い。
個人的に素晴らしいと思うのが「腹一杯肉食べたいと言ったから牛を貰った」という動機です。
単純にボケとして面白いですし、これのおかげで「牛を逃がす」という奇抜な設定に格段に説得力が増しました。
「N−5でごめんよ」「体調、よい」「牛中心の生活」などフレーズも強くオチも綺麗。読み応え抜群でした。
現時点でも素晴らしいんですが、強いて難癖をつけるならもう少し回収出来るボケがあったかなと。
基本的にワークを逃がす作戦が主なので、ワーク側の反応の想定を書いても面白いかもしれません。
また、チビちゃんの「ほんの少しの優しさ」も見たかったかな。ラーメンこぼしても許してくれるとか。
とはいえ読み物としての完成度が凄まじい傑作でした。伊坂幸太郎作品読み終えたような読後感です。
X子:いやはや、比較的べた褒めが続きましたがどうなるでしょうか!
Y美:さて、どんどん参りましょう。
X子:続いて、5組目はこの方たちです!
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エントリーNo.029
谷町六十九丁目
相談
谷崎:どうも、谷崎と町田で谷町六十九丁目と申します
よろしくお願い致します
町田:ちょっと相談がありましてね
谷崎:どないしたん?
町田:デリヘルを呼んでみたいと思ってるんやけど
谷崎:おい話題、おい!
町田:ああ、すんません、みんな見てるってのに
谷崎:気づいてくれたんならええよ
町田:派遣型風俗店を使ってみたいんやけど
谷崎:言い方の問題ちゃうねん
かしこまった言い方してもソレはソレやん
町田:ミッドナイト・トラベラーのことなんやけど
谷崎:真夜中の旅行者、いやかっこよくないよ?
何そのスタンド能力みたいな言い回し
町田:俺的にはデイタイム・トラベラーでもええねんけど
谷崎:いや昼から呼ぶ気やん
町田:デイドリーム・ビリーバーやから
谷崎:いっぺん黙ろか?
デリヘルを夢として追いかけるのやめてくれへん?
町田:まあもちろん一定のラインは超えへんように相談するつもりや
谷崎:ほんなら聴くだけ聴こか
町田:ああいう店は家に来た女の子が好みと違ったら
チェンジ言うて他の女の子と交代してもらえるシステムがあるやろ
谷崎:あるみたいやな
町田:俺な、好みじゃない女の子が来た時に気使って
チェンジ言われへんようなると思うねん
谷崎:なるほど
町田:でも決して安くないお金払ってるのに
そこで妥協したら俺はベッドの片隅で膝を抱えちゃうわけやん
谷崎:落ち込み方は知らんけども
町田:ベッドの下で斧を抱えちゃうわけやん
谷崎:都市伝説のやつ
町田:ベッドリーム・ビリーバーやから
谷崎:お口もいだろか?
言いたなったらなんでも言うてええんちゃうで?
町田:だから今日はチェンジって言う練習をさせて欲しいねん
谷崎:わかった、ほなちょっと個性的な女の子やったらええねんな
町田:そうそう、ブスな子やってくれたらええねん
谷崎:ハッキリ言うなや!
こっちが個性的って気使った言い方してんのに!
町田:あーまだかなー
谷崎:ピンポーン
町田:はーい、ガチャ
谷崎:初めましてー、ふーふーふー!
さくらんぼシスターズのふー!ふー!
まいにゃんでふー!ふー!ふー!
今日はよろひふお願いしまふー!
ふー!ふー!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:ふー!ふー!
ふー!ふー!
ふー!ふー!
ふー!ふー!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:ふー!ふー!
ふー!ふー!
ふー!ふー!
ふー!ふー!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:ふー!ふー!
ふー!ふー!
ふー!ふー!
ふー!ふー!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
汚いとこやけどどうぞ
谷崎:いけてまうなや
町田:でも俺ぽっちゃり好きやし
谷崎:今はチェンジする練習なんやろ?
今のでOK出したら後で膝抱えちゃうよ?
町田:それは嫌や
谷崎:ほな頑張ろうや
町田:ほなもうちょっとヤバい女の子にしてくれへん?
もっとチェンジって言いやすい女の子
谷崎:しゃーなしやで
町田:あーまだかなー
谷崎:ピンポーン
町田:はーい、ガチャ
谷崎:やっほーい!
さくらんぼシスターズのシドヴィシャ子だよ!!
背中に3LDKの理想の間取りのタトゥーを入れてるし
体中に1000個ピアスつけてるの!
よろしくねー!!!!!!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:3LDKのタトゥーには風水で金運が良くなる位置にピアスつけてるんだ!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:飛行機に乗る時は保安検査で一回全部ピアス外してるんだよ!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
夜中やから静かにあがってな
谷崎:いけてまうなて!
町田:俺パンク好きやし
谷崎:やとしてもやろ
あとパンク好きやったらチェンジぐらい言える気概もっとけよ
町田:なんか俺、お前のこと相方として尊敬してるから
ちょっとヤバイ女の子演じられたぐらいじゃ、嫌いになられへんねんな
谷崎:絶対褒めるタイミング間違ってるで?
町田:もっとヤバイ女の子で来てくれや
谷崎:めんどくさいな
町田:まだかなー
谷崎:ボカーーーーーン!!!
町田:はーい、ガチャ
谷崎:はじめまして、こんばんみ!!
さくらんぼシスターズから来たドア爆破山ビビる大木さん大好きっ子だよ!
ドアを爆破するプレイが大好きなの!
今一番爆破したいドアはビビる大木の家のドアだよ!
よろしくねー!!!!!!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:あたしドア爆破以外のプレイはNGだから、基本一人でしてね!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
お風呂場のドア、やっちゃおっか!?
谷崎:脳死んどんけ!?
町田:俺もビビる大木さん好きやし
谷崎:お前一個のプラスで他のマイナスカバーしすぎやねんて!
町田:でも一個でも良い面を見つければ、それで苦手な人との人間関係も上手くいくやん!
俺はそれを新社会人に伝えたいねん!
谷崎:そんなもんクソアカウント作ってツイッターでせぇ!
今そんなメッセージ性いらんねん!
・・・
あとお前・・・・
なんで徐々に考える時間短かなっとんねん!!!!!
ヤバイ奴ほど迷えや!!!!
町田:俺頑張るからもう一回だけチャンスくれ!
谷崎:ほなもう飛び切りヤバイ奴するからとっととチェンジ言え!
町田:わかった!病気の子供たちの為にも、俺絶対チェンジって言う!!!
谷崎:お前がチェンジ言うたとこで病気の子供が手術受ける勇気でるかー!!!
町田:あーまだかなー
谷崎:ワンワーン
町田:はーい、ガチャ
谷崎:ワンワンワン!
ワンワンワン!
浄土真宗スーパードッグスから来た、犬です!
しかもオスだよワンワンワン!
よろしくね!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:ワンワンワン!
ワンワンワン!
プードルのくせにめちゃくちゃデカいキモい品種だよ!
ワンワンワン!
ワンワンワン!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:ワンワンワン!
ワンワンワン!
よだれが毎秒2リットル垂れてるよ
ワンワンワン!
ワンワンワン!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:ワンワンワン!
ワンワンワン!
オレンジとエメラルドグリーンの縞々模様だよ!
ワンワンワン!
ワンワンワン!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
谷崎:ワンワンワン!
ワンワンワン!
タイムスリップしたキリスト教ミラクルキャッツに僕の親を殺されかけているから
下半身から徐々に透けてきているよ!
ワンワンワン!
ワンワンワン!
町田:・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
チェンジ
谷崎:おー、やっと言えたやん
町田:ウチのマンション、ペットあかんねん
谷崎:いやプレイ相手の基準としてはいけてたんかい!
もうええわ
X子:ありがとうございました!!!
Y美:では、審査員の方々からのコメントをいただきたいと思います。
けうけげんさん、いかがでしょうか?
・これ優勝なんじゃないですかね。デリヘルネタ優勝しちゃうんじゃないですかね。
何が凄いって、終始自分で設定したハードルの高さを上げまくっては越えていくところですよ。
まいにゃんの下りなんか間を開けまくって期待感煽っての「いけてまうなや」は端的ながら大正解過ぎます。
谷崎への「もっとヤバい子」というフリも、毎回ちゃんとヤバさを底上げしてますし
「保安検査でピアス全部外す」「お風呂場のドア、いっちゃおっか!?」などワードセンスもキレッキレ。
正直題材がド下ネタって部分以外に減点理由が見つかりません。序盤が少し冗長かなってくらいです。
どう審査されるか全くわかりませんが、少なくとも僕は今大会最高得点をつけさせていただきます。
X子:おお、「今大会最高得点」発言出ましたよ!
Y美:藍殿TTさん、いかがでしょうか?
・手数こそ周りと比べて少なめですが1個1個が力強く面白かったです。
徐々に考える時間が短くなってるとかは完全に意識の外にあったものをツッコまれた感覚で 見事でした。
悩んだあげくに出てくる言葉がホント絶妙なラインで、ただただ笑いました。
本人的には不本意かもしれませんが、長文ネタでのボケの見せ方を完璧に掴んでおられるので、非常に参考になりました。
あとどんな犬でも絶対可愛いだろうと思ってるので、ここまで的確に犬をキモくできるのも凄いですね。
X子:いや本当大胆に仕上げてきたわよね。
Y美:作者の彼。さん、いかがでしょうか?
・風俗の姫たち、ありがとう。
X子:ありがとうございました。
Y美:さて、どんどん参りましょう。
X子:続いて、6組目はこの方たちです!
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