単管小屋

(工事期間2009年1月19日〜2月4日)


1年前に畑に作った耐火シート張りのテント小屋ですが、シートが紫外線で劣化しぼろぼろになり、手狭でまた寒い風が周りから入り込む事から改造を思い立ちました。
シート小屋

ところで、更地に建築物を作るにはたとえ10u以下でも建築確認申請が必要な事がわかり、会社勤めをしていた時法務まがいの仕事をしていた私としては法律違反をしたくはありません。改めて建築基準法を見ると建築物とは「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、以下略」とありますので、今度作るものは、建築物に該当しない「土地に定着しないで、屋根だけの工作物」とすることにしました。

基礎で地面に固定しないため、風で飛ばされないよう自重のある単管で骨組みをつくることとし、単管同士が互いに支えあうため安定性が増す四方ころびの構造にする事にしました。また屋根はビニール波板で張ることも考えましたが、風情がないため板張りとすることにしました。
早速材料の調達にホームセンターに出かけたところ、杉の野地板を見つけ、これを屋根材にする事にし、その他不足する単管やクランプをそろえました。 

前作業として、野地板への鉋掛け。扉の作成、桟木の刻みをしましたが、久しぶりの鉋掛けも刃を研いだらすいすいと捗りました。扉は1×4材と野地板で作りました。
扉と屋根材の加工

建て方 初日
四隅に束石を置き、水平と矩を出した後、骨組みとなる単管を組み立てます。四方ころびは水平、垂直部分がないため、傾斜計がたよりでしたが、無事組み終えました。
骨組み

次に屋根張りのため四隅の単管に、桟木クランプで桟木を固定します。
桟木の固定

右面の屋根を下見板張りで行い、縦桟で補強します。真ん中にあるのは窓で、杉板の代わりにアクリル板をはめ込んであります。
右面の屋根張り

左側の屋根工事が終わったところで暗くなり、本日の作業はここまでとなりました。
左面の屋根工事完了

2日目
後面の屋根張りをまず行いました。

正面の扉付けと屋根張りをする前に屋根最上部の開口を覆う屋根を現物合わせで取り付けました。この小屋全体の形は「しころ屋根」と呼ばれるものであることが後で分かりました。オリジナルと思っていたのですが先人は偉大です。

前面が完成した所でまたもや暗くなり、2日目が終了しました。扉枠は上部を桟木クランプで単管に固定し、下部は地面に埋め込んだ枕木で固定してあります。
外部完成

3日目
地面と屋根の隙間は田圃の畦用塩ビシートを張って風除けをしました。これで、隙間風はほとんどなくなりました。また入口扉上の庇と屋根との接合部は雨漏れを防ぐため銅板を接着しました。
地面と屋根の隙間をうめる

内部の様子で、窓があるため結構明るいです。今まで使っていたシートや農器具や資材を早速詰め込んであります。
内部の様子

またもや暗くなってきたのですが、杉板が3枚余っていたので、スノコを作り、床代わりに置いてみました。これで畑作業の休憩時に地面に座らなくても良くなります。
内部にスノコを置く

以上3日掛りで小屋は一応完成です。後日外部を防腐塗装して本当の完成になります。

最後に仕様ですが、単管は全て2mもの、間口は下部が1.5m、奥行き2.8m、高さ1.9m 
扉は幅0.6m、高さ1mとかなり小さいですが補強用単管の位置の関係でいたし方ありません。

後日談
野地板なのでしょうがありませんが、節がかなりあり、ここから雨が滲みこみ小屋の中が雨漏りする事が分かりました。
この防止策として銅板でパッチ当てしましたが、その数は100に近く結構手間が掛かりました。


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