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若い母親のあなたへ 10


  やる気を育てる



 「もっとやる気になってくれたら……」
 何を、が問題ですが、やる気を育てる方法を考えてみましょう。
 というのは中学・高校時代、突然やる気を失い、その後の人生に暗雲を予想させる子どもが、少なくないからです。このやる気は、小学校六年までに育てられます。
 こう聞くと、
 「じゃあ、やる気を出すように言わなくっちゃー!」
 と考えるかも知れませんが、命令して育つものでもありません。
 やる気とは、本来神さまが人間の中に置かれたもので、私たちの役割は、神さまに協力してどのくらい伸ばせるか、ということです。

第1は、話を徹底的に聞く。

 「もう勉強したの?」「先生のお話し、聞いていなくちゃーだめよ!」
 いわゆるお説教が、やる気をなくさせます。
 まず話を聞きましょう。最初から最後まで聞く。話の腰を折らないこと。
  • 驚いたふうに、あるいは初めて聞いたふうに聞く。
     「フーン、それで?」「そうなの……ヘーエ」
  • 子どもの立場で聞く。
     イエスさまも私たち罪人のようになられましたね。
 「なんだ、こんなつまらない話!」なんて思ったりしてはいけません。お母さんを喜ばせようとして実にいろんなことを覚えてくるようになるものです。
 お母さん、あなたもそうでしょう。
 「うまい飯を作れよ!妻の役目だ!」って言われるより、「どうやって作ったの?」と聞かれる方がやる気になるでしょう。

第2に、子どもを聞き上手にする。

 お母さんの方から伝えたいこともありますね。でも聞いてくれなければ・・・。
 ところで、子どもがテレビを見ているときの集中力はすごいものがあります。なぜ? 簡単です。
 興味があるからです。もし子どもにとって興味のあるテーマを持ち出したら、目を輝かせて、話を聞くんです。
 どんなテーマが? 私はよくお風呂の中で、こんな話をしました。
 「○○ちゃんが生まれたときは、こんなに小さかったよ。手はこんなに小さかったなあー」
 聞いてくれました、目を輝かせて。
 お母さん、あなたの子ども時代の失敗談などもいいですよ。この手の話を子どもは大好きです。
 こうしてお母さんの話は聞くものだ、と思うようになれば、しめたもの。

第3に、ほめましょう。

 通信簿を見たときの反応。
 「なに、これ?」「アンタ、先生の話、聞いてるの?」「ああーバカ!」「学校なんかやめてしまいなさい!」
 成績が良い場合には・・「あした、雪が降るわ!」「だれが点をつけたの?」「体育なんか100点とったって・・・」――ひねくれた見方ではないでしょうか。
 もしお姑さんが、あなたに対してこんな反応をしたらどうでしょう。上手に料理ができたとき。
 「だれに作ってもらったの?」「あした、雪が降るわー」
 味付けがよくできなかったときには、「なに、この味!!???」「主婦なんでしょー」「あなたいったい何年やってるの?」
 やる気が出ますか? こんなことを言う人もいますね。「なぜできないのか、理由を言ってごらんなさい、エッ」――やる気になる方がおかしいのです。
 ほめられると人は図に乗る、と言います。この図に乗るというのが、まさにやる気です。ほめることこそ大事なのです。
 どんな人にもいいところがたくさんあります。字が上手であるとか、すなおであるとか。
 頭をなでながら、「よくやったね」と言ってあげましょう。

第4に、叱る時はきちんと、またユーモアで叱るのも効果があります。

 小学生の高学年になると、ユーモアが分かるようになります。
 「あら、これはあひるだわ!」(通信簿に2ばかり並んでいるとき)
 皮肉にならないように。スマートに。皮肉の多い人は、概してひねくれた部分があるようです。
 また悪いことをしたときには、はっきりとそれを悪いこととして告げ、被害者にも神さまにも、謝るように指導しましょう(叱り方についてはこのシリーズ7参照)。

第5に、読書好きの子どもにするには、まずお母さんが本を読んであげることです。

 読書をよくする子は、成績が良いようです。かといってテレビを禁止し、本をあてがえばいいというわけではありません。
 テレビを見る時間を家族会議で決め、お母さんが本を読んであげるのがいいんです。
 聖書絵本から入っていったらいいでしょう。絵の中を指差しながら、お母さん、あなたなりの表現で。
 だんだん活字を追いかけるようになります。そんなときには、かつて見た絵やテレビの画面が、イメージを作るのに助けになります。

第6に、物事に熱中できる環境を作る。

  • へたに声をかけない。
     「あら、○○ちゃん、(どこで何をしているのかしら?)」
     と、ふと思うことがあります。テレビを見ている場合もあれば、おもちゃで遊んでいる場合もあるでしょう。
     これは集中しているときであり、やる気を出しているときです。声をかけるならコマーシャルになったとき、おもちゃ遊びでも一段落したときです。
     下手に声をかけないでください。本を読んでいるときに、「寝ながら本を読む人がいますか!」「ちょっと、これ、手伝って、ねえー」
     お母さん、あなたはいつも机に向かって背筋を伸ばして、何も口に入れないで、本を読んでいますか。
     突然、「こっちに来てエー、手伝ってエー」と言われ、中途で物事をやめなければいけないとき、どんな気持ちがするでしょう。特に集中しているときに。
  • いつも満足感でいっぱいにすることをしない。
     満腹感があるときは、だれでも眠気を感じます。つまりやる気が出ません。
     腹八分目です。食事も、お小遣も、おもちゃも。
     他の子より少し少なければ、よく考えるし、貯金も覚えるし、忍耐力もつきます。

第7に、個性を発見する。

 私は語学が好きです。苦にならずに勉強できます。
 というのは初めて接した英語、その先生がとてもすてきだったから。
 もうひとつは好奇心が強いこと。
 さて、人間は興味あることのためには、犠牲を惜しまないものです。プラモデルの組み立ての時間を忘れ、異性に高価なプレゼントを買います。
 大成した人は間違いなく、その興味を発展させてくれた援助者を持っています。万事はやる気から始まります。
 お母さん、あなたの子どもにとって、あなたは鍵となる人物です。
 「神は御心のままに、あなたがたのうちに働いて志(やる気)を立てさせ、ことを行わせてくださるのです。・・・それはあなたがたが・・・世の光として輝くためです。」(ピリピ人への手紙2:13〜16)

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