勝利教会インターネットチャペル

十代の子を持つあなたへ


8.長い目で見る


 韓国の金雄鎔(キム:ヨンウン)さんを、ご存じでしょうか。
 日本のテレビ局(万国ビックリショー)にも、出演しました。当時4才8ヶ月でしたが、知能指数は200、3ケ国語を話し、高等数学を解き、韓国のアインシュタインと言われました。
 さて、それから20数年経った今、彼はいったいどうしているでしょうか。16歳のとき、大学入学資格検定試験を受けましたが、2,763人中、2,420番でした。
 その後、地方の大学を出、現在は平凡なサラリーマンです。一時は精神的に不安定になり、家の中に閉じこもりっきりでした。
 「10で神童、15で才子、二十歳過ぎればただの人」 のことわざを、まさに地で行ったような人です。まことに人というのは、長い目で見なければ分からないものです。
 しかし、そう言われて頭で分かっても、周囲につられて塾通いの毎日と、詰め込み主義のワンパターン。みんなと同じにやっておけば万事無難……。
 そんな風に流されてしまわないために、大切なポイン卜をいくつか押えておきましょう。

第1に、人生は地上だけではなく、永遠です

 その永遠は、天国と地獄の2つしかありません。天国に行けなければ、地獄です。
 さて、子どもは大人と違って、先を見越して行動しません。
 以前私たち夫婦がまだクルマを持っていなかった頃、おまけに子どもたちが小さかった頃は、外出すると、帰りは子どもたちが電車の座席で気持ちよく寝てしまいました。おんぶしたり抱っこしたりと、大変でした。
 目一杯遊んでしまい、帰りの体力を残しておかないのです。親とはまことにありがたいものです。地上の人生を終えたとき、あなたの大切な子どもさんが、ありがたい親(神さま)に、天国へと迎えに来てもらえることがなければなりません。
 たとえ子どもといえども、罪人は罪人です。はっきりと罪を悔い改めて、永遠のいのちをいただかねばなりません。神さまはあなたに子どもを預けられましたが、永遠のいのちを与える教育をしなければ、親の任務を十分に果したとは言えません。
 幼い頃は当然のように教会に来ていても、十代に入ると反抗します。本人の信仰が必要です。あなたの真剣な祈りと、天国を待ち望む生活をあなた自身が見せることによって、子どもは永遠の命を得るでしょう。
 「あなたの純粋な信仰は、最初あなたの祖母ロイスとあなたの母ユニケのうちに宿ったものです。」(第2テモテ1:5)

第2に、目に見えない世界を生きることが人間の誇りです

 「私たちは見えるものにではなく、見えないものにこそ目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです。」(第2コリント4:18)
 今は、モノが非常に豊富になりました。そればかりでなく、欲しいものがすぐに手に入る時代です。
 コンビニエンスストアが、あちらこちらにあり、まことに便利です。ローンで、つまりお金が手元になくても、モノを得ることができることを、子どもは既に知っています。
 先ごろ見た新聞では、高校生のおこづかいは、月平均1万5千円だそうです(ちなみに私の場合、中学生のときは百円でした。もちろん貨幣価値を考えなければ、しかし……)。
 生きること、イコール、モノとお金を手に入れること、というのが現代の風潮ではないでしょうか。
 それでは偶像です。十戒を忘れてはいけません。
 「あなたは自分のために何の偶像も造ってはならない。」(申命記5:8〜10)
 イエスさまはこう言われました。
 「受けるよりも与えるほうが幸いである。」(使徒20:35)  有言実行のお方であるキリストは、もちろんその通りになさいました。「それゆえ、神はキリストを高く上げ……」(ピリピ2:9)てくださいました。
 受けることよりも、いかに与えることができるかを家族で考えたいものです。

 アフリカ、南米、アジアなど至る所で、人々は飢えと寒さに震えています。私たちの恵まれた生活は神さまからのものである、と考えるならば、同時に困っている人たちに何をすべきかを考えるべきでしょう。
 たとえわずかでも、そのお小遣いから他者のために費うことは、なんとすばらしいことでしょうか。
 「貧しい兄弟に物惜しみして、これに何も与えないことのないようにしなさい。その人が主に訴えるなら、あなたは有罪となる。……必ず彼に与えなさい。あなたの神、主はあなたのすべての働きと手のわざを祝福してくださる。……『国のうちにいるあなたの兄弟の悩んでいる者と貧しい者に、必ずあなたの手を開かなければならない。』」(申命記15:9〜11)  このようなことは、人間の中身を計る秤であり、天国で使える財産を殖やす道です。
 「自分の行ないに応じて……」(黙示録20:12)

第3に、タレント(才能、能力、得意)探しの十代、という位置付けをしましょう

 神さまはどの人にも、立派な才能を与えていらっしゃいます。よくこういう言い方を聞きます。
 「私には何にもできません。」
 もしこのことばが本当であったら、あなたをお造りになった神さまは、なんといい加減なお方でしょう。そのような神さまなら、信じるに値しません。
 ただし、それぞれに与えられている種類や分量には、違いがあります。このことについては受け入れる必要があります。
 神さまには不公平はありません。もし5タラント与えられているなら5タラントを稼ぎだすことができるし、またそうしなければなりません。もし2タラントなら2タラントを稼ぎだせば、それで十分です。
 親の任務のひとつは、子どもが自分のタレントを見つけるように手伝うことです。

 このタレントは各自種類も量も違う所に意義があります。とかく「隣の子と同じに。」と考えやすいのですが、むしろ「ちょつと違う」所を発見するように努めます。
 お稽古事も、いろいろとさせて見ると良いでしょう。子どもが集中しているときに、頭ごなしに叱りつけてはいけません。
 ファミコンが好きなのであれば、コンピューター関係への仕事に将来結びつくかも知れません。
 柔道の極意です。相手の力の方向を見きわめることです。
 「神はみこころのままに、あなたがたのうちに働いて志(興味、好み)を立てさせ……」(ピリピ2:13)  神さまの働きを止めてはいけません。他の人と違う面を持つことにこそ、存在意義があります。
 全く同じで交換可能なら、つまらない人生です。コピー人生と言います。オリジナルの誇りを持たせなければなりません。
 世界で唯一、歴史上唯一の存在であるのが、あなたのお子さんです。もちろん親御さんであるあなたも。悪い所はできるだけ見ないで、長所だけを見るようにしましょう。そしてほめ、自信をつけさせることです。

第4に、異性を見る目を養う

 「知恵のある女は自分の家を建て、愚かな女は自分の手でこれをこわす。」(箴言14:1)。
 「しっかりとした妻をだれが見つけることができよう。彼女の値打ちは真珠よりもはるかに尊い。」(箴言31:10)
 独身時代の大体2倍の時間を、配偶者と共に過ごすことになるでしょう。したがって結婚が恵まれないと、一生の悲劇と言わざるをえません。
 異性を知るための機会を提供し、また演出しましょう。一人っ子、あるいは家族の中に親を除いて異性がいない場合など、配偶者を不適切に選択してしまうおそれがあります。
 異性に関する情報不足が原因です。教会の中の青年会などにおいて、健全な交際を奨励しましょう。
 異性に対する礼儀も学ぶことができます。「若い女たちには・・・姉妹に対するように」(第1テモテ5:2)

 あなたに、そしてあなたの大切な大切な子どもさんに、主イエスさまの祝福をお祈りいたします。

(つづく)



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