桧洞丸

その3        

 

いつも時間に追われて登り、同じ山の登り時間が数分でも短縮していれば満足し、人に追抜かれなければ誇ったりする。

しかし、この山に登って、もっと長いレンジの、そう、季節を待つ事や、季節を味わう事が楽しみたくなっていく。人や自分との競争ではなく花や葉との共存の時間を過ごす事で得られる満足感が 山にはある。

 

4月になるとツツジの開花が始まる。先ずは低い山で楽しんで、段々と花と共に上に登る。仏果山、小丸で1週間そしてこの桧洞丸を5月初旬から何度か訪れ、そして締め括りはここから蛭が岳までの延々の花見だ。

凄く贅沢かも知れない。

また、変な理屈になるかもしれないが山は平等だと思う。展望園地から頂上まで花が届くのに略1ヶ月掛かる。その間にどんな忙しい人でも一回は行けるはず。決して頂上のツツジだけが美しい訳でなく、それぞれがその時々や、その場所々で精一杯楽しませてくれる。

だから、山は皆に公平で、そしてこの山はその要因が豊富に残っている。

展望園地からはゆっくりと花を楽しみながら登る。登り始めて直ぐ左の斜面に ミツバツツジが群生している。ここが一斉に開花したときは、木道付近の景観に勝るとも劣らないものである。

さらに進むと崩れ落ちた道になり、迂回の為の木組の階段が右側に設置してある。それを登ると右手の森に上の写真の切り株が見える。(一寸探すのは大変かも) 少し登ると朽ちた大木が正面にありその先が上段のシロヤシオを撮った1300m付近である。

この辺りからシロヤシオの本数が多くなってくる。


展望園地付近 

ブナとシロヤシオ

倒木とミツバツツジ

山ツツジ

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