畦ガ丸(畦ヶ丸)

紅葉(11月4日)

単独行は危険が多いのでグループで山を楽しもうと『気心の知れた』と言うか、私の我侭を聞いてくれる連中を、5月から山登りに誘い出した。

5月は大山の見晴台を目指したが4名の中の最高齢者が『心臓が』とか『気持ちが悪い』とかで、脱落しケーブルを利用した。しかし、我々が下社に到着すると 、お茶屋で元気に食事をしていた。

今回はそれ以来の山登りになった。当然、前出の高齢者の方には内緒で、3名で 畦ガ丸(畦ヶ丸)に向かった。

7時にJRの厚木駅に集合のスケジュールを組んだが、私のチョンボで日曜ダイヤを見ないで平日ダイヤで案内してしまった。結局、集合時間が少し遅れた。

それでも久し振りに会う仲間の会話は弾み、”あっ”という間に西丹沢に着いた。

メンバーには話さなかったが、前回の大山の経験から、本日の目標地を『善六の*タワ』と決めて歩き始めた。しかし、皆には頂上を目指していると 、目標を設定させた。

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砂防ダムの登り階段は、やはり段差が大きく閉口した。しかし、砂防ダムの向こう側は、本当に畦が丸を象徴する場所だと思った。白い砂と澄んだ水、紅葉が始まった木々全てが良い。

この山は丹沢山塊において 、また独特の個性を持っている。渓谷沿いの道は歩き易くは無く、沢渡りが多く装備が完全でもやはり危険が伴う。しかし、そこがこの山の登りを楽しくしている。沢渡りの際、どのルートを通れば安全か考えたり、岩の脇の踏み跡等を探して歩くのも面白い。叉、脇ルートに入り2箇所の滝を見る事も良い。

そんなこんなで今は畦ガ丸(畦ヶ丸)にはまりだした。

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メンバーは沢沿いの道を進んだ。途中、木橋が流されていて沢渡りが何箇所もあり、仲間の安全を確保するのに先に渡り、手を差し伸べた。これが可愛い娘であればと一瞬思ったが----

9時に登り始めて本棚滝まで2時間掛かった。一人の時の2倍の時間であった。

時間が掛かった原因の半分は自分にあった(写真を撮るため)が、半分は彼らの休憩時間として必要だった。

途中でリンドウ等が咲いていたので、数メートル先行している彼らを呼びとめて見るように言うが、決して下がってその花を楽しむ事はしなかった。それほど、疲れてしまったようだった。

善六のタワまで来て12時を過ぎたので、『本日はここまでで、終了します。』と言ったら、この後の登坂を覚悟していた彼らは大喜びした。

500mlのビールを3人で分けて乾杯し、食事を楽しんだ。

下山は略標準タイムで西丹沢自然教室についた。ブナ湯を楽しみにしていたが本日も駐車場が一杯だったので諦めて帰途についた。

しかし、至るところで渋滞していて本厚木についたのは下山から4時間後の7時だった。

next(11/11)

*稜線上のピークとピークの凹部を鞍部という。英語は『コル』。鞍部の凹状が穏やかに広がっていると”弛む”という言葉を当て大弛、オオダワ、〇〇のタワといった地名になる。『〇〇のタワ』と呼ぶ場合は比較的小規模な弛みである事が多い。向こう側に移動する為、稜線を横断する所を『峠』。峠は鞍部である事が多い。峠道は生活の為の道だが猟師や山師が必要上山稜を越える所を『乗越』と呼ぶ。(岳人『山の物知りノートより』)