谷川岳から一ノ倉岳

尾瀬の秋色(2006年)

谷川岳から鳩待峠へ(2005年)

スノーシューで一ノ倉沢(2007年)

四阿山へ(2007年)

 

ロープウェイからの眺め

 

天神平駅を降りて (谷川岳、白毛門)

 

10月22日、Tさんとまたまた一緒の山歩きである。先々週、奥さんと乗鞍に行った際、谷川岳の紅葉がズーと綺麗だと聞かされた。今週は黒部の仙人池に行く予定だったが、 テント泊まりで苦労したので小屋泊まりをと、真砂ロッジに電話をしたが出てこられなかったので、無理な山より簡単な方にシフトした。

自宅を5時に出発し、土合口駅に着いたのが8時半過ぎだった。駐車場に車を止めて、谷川岳ロープウェイに乗りこんだ。そして、Tさんとゴンドラの中から盛んに写真を撮った。下の渓谷の方が山腹に比べ紅葉は素晴らしかった。天神峠までペアリフトで登るものと乗り場に向ったが、Tさんが歩きたがったのでその裏側の道を進んだ。

 
   

 

天神尾根から

 

天神尾根ルート

 

ロープウェイを下りると、木道が程よく整備され歩き易かった。これがあの有名な谷川岳かと疑問をもった。それでも、2ヶ月ぶりの本格的な山歩きは、残業続きで鈍った身体には堪えた。

紅葉の限界はゴンドラの終点辺りだった。紅葉を撮る写真は全て下向き、西黒沢渓谷は紅葉が真っ盛りだった。 途中でザンゲ岩をみて熟年女性達がご亭主の懺悔について話していた。

 

腰掛岩(名前不明)

 

ザンゲ岩

 

ヒッゴー沢、オジカ沢ノ頭

 

9時40分過ぎに熊沢穴避難小屋に到着した。人が多いので休まずに通過した。10時15分、天狗の溜まり場に着いた時、後から来た年配の方がこの岩の下は夏には花が一杯咲き、この山では珍しい花 が見れると話していた。

息は上がっていたが、その頃此処にまた来たいと思った。10時50分、ザンゲ岩に到着した。 後から来た人が道標と岩をなでたので、『何故』と聞くと、『ザンゲをしているんです』と応えられ笑った。

 

オジカ沢ノ頭の巻き雲

 

 

木組みの登り階段

 

肩の小屋付近

 

ザンゲするどころか石に腰掛けて息を整えているのは罰当たりなのかもしれない。11時に木組みの階段下に着いた。急に激しい運動をして気持ちが悪くなっていた。

11時10分西黒尾根道との合流に立つ大道標が見え、直ぐに肩の小屋が見えた。Tさんにジョッキーを空けるまねをして小屋に入った。450円で発泡酒を購入、乾杯は頂上迄お預けにした。

 

 

トマノ耳(1963.2m) と西黒尾根

 

マチガ沢、茂蔵岳

 
 

小屋の中は外観より広く感じ、入り口右には展望室?があった。宿泊は2階になるのだろうか。小屋の外にはベンチがあり絵を描いている人もいた。何れも東側の風景を楽しむ事になる。トマノ耳は目前にある。

11時20分にトマノ耳に到着した。Tさんが用意してくれた枝豆と燻製は少量しか食べれなかった。しかし、お酒はキチンと飲み干した。空が真っ青で遠くまでよく見えた。万太郎山まで稜線上に細い道が続いていた。あそこにも次回は行ってみたいと思った。

 
 

万太郎谷

 
 

 

トマノ耳(頂上風景)

オキノ耳(1977m)

 
 

2000mを切るこの谷川岳の景色は3000mの山と比べても遜色がない。寒さのため森林限界が低いのが原因なのだろうか?さて、Tさんのおつまみで少し体力が回復してきた。20分近く景色を楽しんで、次なる頂きに挑戦である。

振り返るとトマノ耳は空に突き出ていた。西黒尾根を羽に見立てると鷲の頭に見えた。天神尾根との違いや、この山の厳しさが納得できた。11時50分、オキノ耳に到着した。

 
 

一ノ倉岳と湯檜曽渓谷

一ノ倉岳とオキノ耳

 
 

ここでは余り休まずに、昼食場所と決めた一ノ倉岳に向った。直ぐに白い鳥居が見えた。富士浅間神社奥の院と 書いてあった。

ここから右側はスッパリ落ちた崖である。積雪時の雪庇には注意をしないと危険である。

 
 

トマノ耳と西黒尾根

 
 

一ノ倉尾根

 
 

一ノ倉へのルートと頂上

 

中芝新道と茂倉岳

 

無積雪のこの時期、ここの石はやたらと滑った。角が丸まっていて表面がツルツルしている。当初は沢山の人が歩くのでその為だと思ったが、この山の石の特徴であるようだ。

ノゾキを過ぎて登りになった。ふくらはぎは左右とも痙攣を起こし、更に右足表側の大腿四頭筋も痙攣を起こした。それでも我慢して登った。Tさんはバテてきたようで休みが多くなった。

 

武能岳

 
 

湯檜曽渓谷と一ノ倉岳を振り返る

トマノ耳と堅炭沢

 
 

13時、一ノ倉岳に到着した。赤い避難小屋の先に道標があったが、下山ルートと決めた中芝新道は故意に切り取られていた。それが何を表すか不安が過ぎった。

Tさんの地図にはルートは破線で時間が書いてなかった。読めない時間なので、『昼食は簡単にし、時間が読めるところに出てゆっくり取ろう』と言った。私はサンドイッチを1枚 と、果物ゼリーで終えた。

 
 

武能岳、笹平

 
 

 

堅炭尾根、芝倉沢

 

中芝新道危険箇所、芝倉沢

 

ところが、Tさんはバーナーを取り出しお湯を作り始めた。私もカップヌードルは持っていたが 、秋の陽はつるべ落としに早いのである。これからは5分、10分が重要だった。

彼が終るまで待っている間に別の2グループが来た。2m四方の小さな避難小屋に入って記念写真を撮っていた。扉が壊れているこの状態では寒さをそれほどしのげないだろうと思う。

 

武能岳

 
 

芝倉沢

芝倉沢

 
 

13時20分中芝新道を下る。他グループはこんなところ下るのかという目で見ていた。最初は笹原の中の道 、笹が厚く積もりよく滑った。しかし 、道ははっきりしていて不安が消えた。13時40分、振り返ると武能岳と笹原が綺麗だった。

一ノ倉岳の頂は直ぐに見えなくなった。笹原を終りなだらかな尾根を過ぎると、急な下りになった。大きな岩をすり抜けたり、岩の窪みに足をかけて少しづつ岩を降りた。また1m位の段差 が続き、両手と腹筋を使い下 った。Tさんは尻をつくので、ズボンが汚れた。

 
 

清水街道合流点

ブナの色が違う、堅炭尾根を振り返る

 
 

14時30分、堅炭尾根を離れ谷に向って下りた。ここは経路不明な箇所があり 、間違えてそのまま崖伝いに歩きかけた。そしてここの表面がツルツルした石はよく滑った。谷に向って下りて危険度が更に増した。そのまま谷に落ちそうな箇所が3箇所位あった。

Tさんがしりもちをついて滑った。しかし、1m位で直ぐに止まった。緊張感が走った。15時15分最難所に到着したようだ。沢を横切るが手がかりは笹の茎だけである。横への移動距離は5m、落差は15m弱、足巾は小さなステップだけ。落ちれば大怪我である。岩に打たれたピトンと残った捨てロープがそ この恐怖を教えてくれる。

 
 

紅葉最前線

 
 

先に渡って、Tさんを待つ。彼が片手だけで行こうとし、バランスを崩した。『両手を使え』と大声で指示する。最後のところで手を差し出すが、彼もプライドがあり自分の力で乗り越えてきた。15時30分、やっと沢に到着した。段々と雲が厚くなり暗くなっていた。沢渡りを数回繰り返し16時5分に国道との合流地点に着いた。 暗くなる前に駐車場に尽きたかったので、食事はしないで急いだ。

看板に8km先とあり、少し歩くと直ぐに7km先になった。7kmを信じたが掛った時間から判断すると8Kmが正解だった。

国道を歩き一ノ倉沢に着いて、その景色の素晴らしさに感動した。左右に広がる紅葉、空に突き出た頂とそそり立った壁の荒々しさ。そして点々と見える白い岩。この山に魅了される人 の気持ちが分かったような気がした。そして、林の中のブナの健康的な白は丹沢のそれと余りにも違っていて別の木にしか見えなかった。

今回は日帰りを考えていたので中芝新道を下りたが、茂倉岳から土樽に下り、そこから電車で戻る方法もあったと、後で気付いた。次回は地図を購入してじっくりルートを検討しようと思う。

 
 

<交通> 

相模原〜八王子バイパス〜青梅〜縦貫道〜関越自動車道

<コンビニ>

水上ICを下って直ぐ左にセブンイレブンがある。そこからさきにはコンビニがないのでご注意を願います。

 

<経路>

相模原〜3時間半〜谷川岳ロープウェイ〜30分〜天神平〜〜

<費用>     9950円

八王子バイパス     250円(二人のため片道分)

縦貫道と関越自動車  3850円(二人のため片道分)

燃料代(170km)    2500円(二人のため片道分)

谷川岳ロープウェイ   1000円

駐車料金         500円

ビール           450円

晩飯(うどん)       700円

昼食            700円