八ヶ岳

3月、冠雪の八ヶ岳は梅雨の時期に見た山とは全く違う。山の頂きの白さは雪とは違う。丹沢で経験した冬山とは勿論異なる。

初めて登る氷の山、自分のアイゼンはしっかりとあの氷に食らいつくのか。ピッケルは滑って行く身体を止める程の機能があるだろうか。そもそもあの白い氷の山は自分を受け入れてくれるのか。滑落し下界に近い氷壁の岩でこなごなになってしまうのか。不安がいっぱいだった。

今でも、あの緊張感と頂きの白さは忘れる事はない。

 

    

   

   

 

  赤岳鉱泉内部

3月18日(日)

7時過ぎに自宅を出発し、雪の八ヶ岳に2度目のチャレンジです。『雪は道に所々で残っている程度』と聞き車を使用した。11時頃に美濃戸山荘に着いたところでてんぷらうどんを食べた。まだ11時30分、余り早く山荘に着いてもと思い北沢から登った。13時30分に白河原に着くと段々と視界が広がり阿弥陀岳が見え、行者小屋に着いた時は雲一つ無い天気になった。綺麗な景色に後ろ髪を引かれる思いで山小屋に向かって出発した。途中の中山乗越展望でさらに八ヶ岳のパノラマを楽しんだ。

小屋では4000円余分に払い個室に泊まった。部屋は6人は泊まれる広さで真中にコタツがあった。ひょっとして『ウッチャンの赤岳登頂部』の誰かもこの部屋で泊まったかも---。食堂に行くとこんなに雪があるのに70人もいた。

翌朝は6時30分に出発した。赤岩の頭へ通常より40分遅い2時間で到着、この景色の素晴らしさを何とか伝えたい。更に硫黄岳に行くと風が強くなってきて指先の感覚がなくなってきた。こんなに温かい(山荘付近で1月に来た時は氷点下15度、昨日は5度で20度の差)のにやはり尾根は違う。装備に不備があれば相当辛い縦走になってしまう。硫黄岳から横岳へは高度感のある縦走になった。人一人しか通れない細い尾根でしかも両側はばっさり落ちて踏み外せばさようなら。

ここで威力を発揮したのがピッケルだった。先端を雪に打ち付けると手がかりになり三点確保が容易に出来た。丹沢では使う機会がなかなかないが非常に便利なので雪の丹沢は持参した方が良い。

何とか横岳に登り地蔵の頭までは赤岳や富士山・北岳を眺めながら縦走を楽しんだ。また、尾根では風が強くお湯を沸かす場所の確保ができない。カップラーメンもあったが今回メロンパンをもっていたのでそれと魔法瓶のお湯で昼食を取った。

尚、北沢下山中に足を滑らせ骨折をしてしまいました。

FRONT