わんだふるはうす 森戸海岸線を行く

神奈川県立近代美術館 葉山

横須賀から大磯まで、湘南の海岸沿いを東西に走る国道。それがルート134号線。葉山御用邸前交差点を左に折れると、逗子・渚橋まで曲がりくねった細い道が海岸沿いに続きます。それが県道207号・森戸海岸線。いかにも葉山らしい風光明媚なこの道路を、2005〜2006年にかけて、ワンダフルハウスが走破しました。このコーナーでは、「神奈川県立近代美術館 葉山館」をご案内いたします。


三ヶ岡山が近づいてきました。この先のカーブを左に曲れば近代美術館です。 昔懐かしい丸い赤ポストを発見! 葉山には、あちこちに残っています。
「神奈川県立近代美術館 葉山」が見えてきました。2005年7月9日〜8月28日まで展示されていた「アンテスとカチーナ人形〜現代ドイツの巨匠とホピ族の精霊たち〜」
ネイティブ・アメリカンのホピ族が精霊として信じる300を越す神々の姿をあらわしているものがカチーナ。儀式や祭で様々な役割と共にホピの人々によって仮面や衣装をつけて歌い踊られメッセージを伝えてきた大切な存在が人形として再現されているのがカチーナ人形。
このカチーナ人形に魅せられたドイツの画家ホルスト・アンテス(1936〜)のコレクションと油彩や版画などが展示されていました。
神奈川県立近代美術館 葉山
鶴岡八幡宮の境内にあり、1951年に開館した「神奈川県立近代美術館 鎌倉館」は国内で最も長い伝統を誇るモダン・アート・ミュージアム。1951年開館という歴史は国立美術館4館よりも古く、「鎌近(カマキン)」の愛称で親しまれています。年々増えるコレクションと大型化する展覧会企画に対応しきれず、1984年に北鎌倉に別館を開館。2003年、葉山に新館を建設しました。ここは、明治24年に旧有栖川宮邸が建設され、大正2年に高松宮別邸として継承された土地です。 道路を隔てた山側、奥に入った所に山口蓬春記念館があります。日本画家・山口蓬春(やまぐちほうしゅん1893〜1971)の画業を紹介する美術館で、蓬春の晩年の自宅でありアトリエであった土地建物です。
正面入口は建物左側にあります。ワンダフルハウスは、正面入口から美術館へ入らず、屋外彫刻を眺めながら奥へ進み、美術館の建物を回りこむようにして、海側へ抜けることにしました。 階段を上ると、中庭を隔てて左にエントランスホール。右にミュージアム・ショップ、レストランが別棟のように存在します。手前右側と左奥に屋外彫刻が見えました。
彫刻家の毛利武士郎さんは、2004年に死去。81歳。東京美術学校(現東京芸大)彫刻科を卒業。戦後彫刻界の代表的存在の一人でしたが、1960年代に美術界から遠ざかってからは作品をほとんど発表せず、“沈黙の彫刻家”と呼ばれていました。
吾妻兼治郎「YU−4」。代表作「YU(有)」シリーズの一つ。作品「MU(無)」は偶然アトリエの床に崩れて散らばった板の群からの発想であり、作品「YU」は、無の対立概念からの発想により創り出された作品。
エントランスホール。地下1階には、美術図書室があります。レストラン、ミュージアム・ショップ、美術図書室は、展覧会を見なくても利用可能。美術に関心がない方でも、葉山方面にお出かけの際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。 反対側にあるミュージアム・ショップ。 美術家が特別に作ったオリジナルグッズが販売 されています。
ミュージアム・ショップ隣りにある、全席オーシャンビューの館内レストラン 「オランジュ・ブルー」。左端に散策路に降りる階段があります。
ここから散策路のスタート。階段を降りて海沿いの道を歩きます。 休憩用の東屋(あずまや)がありました。
おっ! 一色海岸のサーファーです!
こんな所に舟が置いてあります。実はこれも屋外オブジェなのです。 ワンダフルハウスは東屋で海を眺めつつ休憩しました。東家を囲む船を型取った西雅秋氏の彫刻作品「大地の雌型から」は、この場所で製作されました。
西雅秋「大地の雌型より」。西雅秋は、大地に掘った溝を鋳型にした作品や、鉄の原型を水中、地中、大気中に放置し、自然の作用によって生じる変化を留めた作品など、自然と深く関わった作品を制作してきました。この作品は、葉山最後の木造舟がコンクリートで抜かれて加わりました。葉山の土地にちなんで、海に生きる人々の生に共感を寄せ、その生活を記憶するために造られたものです。
さらに進むと、三ヶ岡遺跡がありました。美術館の建設に伴い、この地にあった三ヶ岡遺跡が発掘調査され、主に古墳時代から平安時代(4〜10世紀)にかけての集落跡・製塩跡が発見されました。 三ヶ岡山が見えました。美術館正面に周り込んできたわけです。ここにも屋外オブジェを2点発見。
富樫一「ハーモニーU」。 
大磯町在住の彫刻家・保田春彦の作品「地平の幕舎」。右後方に見える大きな石は…
李禹煥(リ・ウファン)「項」。李禹煥は韓国生まれ、日本大学文理学部哲学科卒業。以来日本に在住。彫刻「関係項」シリーズは 石ころと鉄板が同時に置いてある 彫刻シリーズで、原美術館横浜美術館の屋外にも「関係項」シリーズの作品が展示されています。
向こうに見えるのが正面入口。手前に水飲み場がありました。おっと、これも作品のようです。ホセイン・ゴルバの「愛の泉」。ホセイン・ゴルバは、イラン生まれ。イタリア在住の後、現在は東京に在住。フィレンツェ・ボーボリ公園にも水飲み場の作品が設置されています。
ワンダフルハウスは、水を飲むことにしました。このペダルを踏めば、水が出ます。 水の出口に人面が!
水が出ました! 大変実用的な彫刻です。しかし、今は8月。水がぬるくてマズいです。ワンダフルハウスは、口直しにオランジュブルーでアイスコーヒーとランチをいただくことにしました(^Q^)

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