憧れの’30年代に、できる限り近つ゛きたい。この服で働く時の動きにくさは、女の特権

ワンピースひとつデザインするにも、思いはいつも’30年代。
「昔のまんま、再現したいと思ってます。何かをプラスして今風に、なんてこと考えていません。皆がそんな格好するわけじゃないから、そういう人がいたっていいと思う」
流行に関係のない服作り。受ける側にも、それを望む人たちがいる。
「こういう姿(写真では、黒の水玉シルクスーツ、白のリボン付きブラウス、白いモヘアのカーディガン、ネックレス、コサージュ)で働いてもらいたい。ちょっと動きつ゛らいほうがカッコいいの。おしゃれして働くなんて、女の特権なんだから。男と女は同じじゃいけない」
私たちがGパンと引換えに失った女らしさを、外側からでも取り戻していってほしいという願い。さらにこう続く。
「身体は覆われているほうが、露な時より、色っぽいと思うんです」

ELLE JAPON 1984年10月号より

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