エミリオ・プッチ銀座店

EMILIO PUCCIの店舗としては、世界で18店目、日本初の路面店となるエミリオプッチ銀座店が2004年11月26日、東京銀座の晴海通り沿いにオープンしました。パリやロンドンなどの店舗とほぼ同規模で、建築家ティツィアーノ・ヴダフィエリとデザイナーのレナ・パッソアによる世界共通のコンセプトに基づいた内装になっています。

場所は、テイジンメンズショップの隣り(4℃)の隣りです。1Fにはバッグやシューズ、スカーフ、ネクタイ(16800円)などの小物が、2Fには服が並んでいます。オープンを記念して、VIVALA(イタリア・カプリ島付近にある小さな島の名)柄の復刻プリントスカーフに「Ginza」のロゴを入れた限定アイテムが発売されました。私ワンダフルハウスは2階でメンズのプリントシャツを見せていただきました。ワイドスプレッドカラーの長袖とオープンカラーの半袖とスタンドカラーの七分袖の3種類ありました。お値段は6万円くらいです。

EMILIO PUCCIは、色鮮やかで大胆なプリント「プッチ柄」で 知られるイタリア人デザイナー。プッチ家はフィレンツェの貴族。1914年、ナポリ生まれ。ミラノ大学へ通った後に渡米し、オレゴン州ポートランドのリード・カレッジで社会学を学び帰国。1941年、フレッツェの大学で政治学の博士号を取得。第二次世界大戦中はイタリア空軍でパイロットを務め、その後、政治家としてイタリア議会に10年間在籍。高校時代オリンピックのスキーチームの選手だったエミリオは、1947年、スイスのツェルマットで自分でデザインしたスキーウェアを着ているところを「ハーパース・バザー」誌のカメラマンに撮影され、その写真を見た同誌のファッションエディター、ダイアナ・ヴリーランドがエミリオに電話して女性用の冬服を依頼した。この作品はニューヨークで売り出され、スポーツウェアのデザイナーとして評判を高める。大胆で鮮明な色使いのプリント柄で有名になり、1960年代にマリリン・モンロー、エリザベス・テーラー、ジャクリーヌ・ケネディらによってアメリカでブレイク。1964年、今はなき伝説のエアラインブラニフ航空のフライトアテンダントの制服、1970年大阪万博のイタリア館のコンパニオンの制服1971年アポロ15号のエンブレムまで手がけ、”プリントの王子”と呼ばれて不動の地位を築く。1992年、エミリオが亡くなった後、娘のラウドミア・プッチがデザインを手がける。2000年LVMHグループに参加。それまでエミリオプッチはイタリアの家族的経営に誇りを持ち、富豪でもあるため、商業ベースで事業を拡大する方針はとらず、限られたバイヤーがフィレンツェのプッチ城を訪れ、その場所でファッションショーを見て買い付けを行うという方式をとっていたが、これ以降、世界的な規模で事業を拡大する方向に転換した。2001年秋冬からジュリオ・エスパーダがアーティスティック・ディレクターに就任。ラウドミア・プッチはイメージ・ディレクターとなる。 2003年春夏からクリスチャン・ラクロワがアーティスティック・ディレクターをつとめている。2004年ブランド創設の基となったスキーウェアコレクションをロシニョールとの提携により再開した。


わんだふるはうす私物

ワンダフルハウスはプッチ独特の鮮やかな色のパターンに魅せられ、ネクタイを中心に集めています。幾何学的で独特のテキスタイルプリントは”プッチ柄”と称され、あまりにも有名です。この手のプリント柄は、派手で軽薄になりがちですが、エレガンスさを残したところに、エミリオ・プッチの人気の秘密があるのでしょう。プリントの所々にEmilioのサインが散らばっているのも魅力的です。日本の金子功と共に、プリント柄でエレガンスを表現することに成功した、数少ないデザイナーの1人であるといえます。左の2本は1970年代のヴィンテージで、現在市販されているクリスチャン・ラクロワによるデザインではなく、エミリオ・プッチがまだ生きていた頃のネクタイです。右から2番目は1980〜90年代の物と思われます。一番右は2004年にユナイテッドアローズで購入しました。現在のタイは昔のタイに比べると、5mmほど太く、長さも10cm程度長くなっています。
年代によりタグのロゴタイプが違うのも興味深いです。古いものは筆記体で味があります。大文字と小文字の組合せの時代を経て、全て大文字になりました。現在のタイプは無機質でクールな感じがします。

こちらは1970〜72年頃の作品です。デザインが素晴らしく、色の配色も良く、まさに王道だと思います。ベースのゴールドとジオメトリック柄のパープルが特に際立ち、派手さとシックさが完璧に融合しています。パーフェクトなネクタイです(^‐^)

雑誌で見るプッチコレクター

押田比呂美さん
Precious 2005年3月号 別冊付録 Story 2004年5月号
「PUCCI! We love you.」という名のこの付録は、高級感のある質の高い小冊子で、見ていてその豪華さに圧倒されます。表紙は、エミリオ・プッチがデザインしたパターンでおそらく一番知られているであろうVIVARA柄のプリント。マリリン・モンロー、ジャクリーン・オナシスからニコール・キッドマン、ジェニファー・ロペスまで、過去から現在までのセレブリティの着こなしを紹介し、プッチコレクターでもあるスタイリストの押田さんがフィレンツェにあるプッチ宮殿に住むラウドミア・プッチを訪問。押田さんの私物公開。2005年春夏新商品の紹介。プッチ百科事典などパーフェクトな内容です。 「40代的エミリオ・プッチの取り入れ方」で押田さんが初心者でも失敗しないコツを伝授。黒入りの柄がお勧めだそうです。黒入りアイテムなら他の部分を黒にすれば絶対失敗しないからとか。

甘糟記子さん
Style 2004年9月号 DOLCE FECCIA MARO
「甘糟記子のDolce Vita」VOL.10は「プッチに学ぶ色彩学」。「プッチへの愛は私の芸術的向上心を伸ばすエネルギー」と語る甘糟さんが惜しげもなく自らのプッチコレクションを披露。イタリア留学時はフィレンツェのプッチのお店から徒歩で1分の所に住んでいたそうで、服や小物だけでなく、カタログまでコレクションしてしまう様は金子系に通じるものがあります。 2001年ミラノ・サローネでカッペリーニ社、パトリック・ノルゲとコラボレーションしたソファや椅子に”プッチ柄”が蘇り、デザイン界の話題になりました。この椅子(31万円)が甘糟さんがオーナーをつとめるDOLCE FECCIA MAROにあります。

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