流行に左右されることのない、ひかえめな服を作っていきたい

ぼくは自分の本当に気に入った服しか作れないから、流行はほとんど気にしません。見ただけでびっくりするような服も、それはそれなりにいいかもしれないけれど、自分で作ろうと思いません。
だから、この春も女らしく、やさしい服をデザインしました。生成りと黒、その他も渋い色ばかり。プリント柄は水玉。以前から、水玉模様は大好きだったんです。やさしくて、大人っぽくて、どちらにも感じられるところがいいと思いますね。素材はシルクか綿がほとんど。合繊はデシン風にして扱っています。ビッグなシルエットや、ミニスカートは作りません。今回はスポーティーな感覚の服も発表しましたが、着こなしはあくまでも女らしさを意識しています。
服を作るとき、ぼくはきゃしゃで小柄な女性、それも気持のやさしい、おとなしい人に着てもらいたいと考えます。
でも、少女っぽい服は好きにはなれません。
どこか一か所、くずれたイメージのあるファッションにひかれるんです。
ものすごく女っぽい服を作ってみたい、っていうのが、今の気持ち。
これからも、自分の形をくずさないで、はやりに左右されない服作りをしていくつもりです。

女性自身1978年1月19/26日合併号より

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