わんだふるはうす 聖夜のルコント青山本店に行く

ブッシュ・ド・ノエル
クリスマス・プディング
フルーツケーキ
anan 1978

イエス・キリストの誕生を祝うクリスマス。綺麗に飾ったクリスマスツリー、心のこもったプレゼントやカード。そして忘れてはならないのがクリスマスケーキです。2007年12月24日、ワンダフルハウスは、青山1丁目にあるパティスリー・ルコントとブラッスリー・ルコントで、フランスやイギリスに古くから伝わる素朴で可愛らしいケーキを味わいながら、楽しいイブを過ごしたのでした(^Q^)

青山ツインビルのエスカレーターを降りると…
クリスマスツリーがありました!\(^○^)/ ツリーの右側にフランス菓子のパティスリー・ルコント。
この場所まで、東京メトロ銀座線・半蔵門線「青山1丁目」ツインビル側改札から10数秒。都営大江戸線「青山1丁目」改札からでも1分かかりません。
ツリーの左側にフランス料理のブラッスリー・ルコント。先にこちらに入ります。 「メリー・クリスマス!(^O^)/」「これはこれは、ワンダフルハウス様…」
おっ! フランスのお惣菜が…(^Q^)\
ケーキもあります(^Q^)\
こちらが、ムッシュー・アンドレ・ルコントに隠されたクリスマスケーキです。
2つとも、246沿いのライトアップされた場所にありました。
「さすがにワンダフルハウス君、よく見つけたね。クリスマスケーキおいしいよ〜(^Q^)」と語る、写真のお方こそ、日本にフランス菓子を広めたアンドレ・ルコントさんでございます。右の写真は、1979年の東京サミットの直後に撮影されたもの。パティシエ・シマの島田進さんの私物で、1979年8月28日にルコントさんから贈られたサイン入りの大変貴重なものです。この年、ルコントさんが菓子だけでなく出張料理もやりたいと、マキシム・ド・パリにいた島田さんを呼び戻し、東京サミットでは、ジスカール・デスタン仏大統領主催晩餐会で、ルコントさんが料理を、島田さんがデザートを担当しました。ワンダフルハウスは、この写真が撮影された2年後の1981年にルコントデビュー。初めて六本木店2Fのサロン・ド・テに行ったら、「おいしいよ〜(^Q^)」などど言いながらケーキのサンプルが乗ったトレイを持ってきて、1つ1つケーキの名前を教えてくれたのでした。そして2回目に来店すると、そこにルコントさんとフランス語で談笑する伊丹十三さんの姿が…。伊丹さんは1968年ルコント開店時からの客で、日本人が「パティシエ」や「パティスリー」という言葉を誰も知らなかった時代、既にフランス菓子の真髄に迫っていたのでした。ルコントさんは、伊丹監督の映画「タンポポ」(1985年)に”太った外人”役で1シーンだけ友情出演しています。
ワンダフルハウスは、予約していたクリスマス・ディナーをいただくことにしました。
ルコントさんが遺したレシピに基づいてメニューが構成されています。デザートにクリスマスケーキをいただきましょう。
南フランス生まれの炭酸入りナチュラルミネラルウォーター「ペリエ Perrier」(330ml 630円)。 カルシウムをたっぷり含んでいて、カロリーゼロのヘルシーな飲み物です。ワンダフルハウスのようなノンアルコール派は、フレンチならペリエを注文されるといいと思います。天然の炭酸入りで、脂っこい食事によく合います。イタリアンならペリエと同じタイプの「サンペレグリノ S.Pellegrino」をお勧めします。ブラッスリー・ルコントでは、レギュラーウォーター(浄水システムを通した水)は無料で、ミネラルウォーターは「エヴィアン Evian」(500ml 630円)もあります。
「アミューズ・グール Amuse Gueule」の登場です。「アミューズ・ブーシュ」、単に「アミューズ」とも言います。「喜ばせる一口」という意味。居酒屋で出されるお通しのようなものです。
おおっ!これは?(^O^)\ お惣菜のショーケースの中にあった「クリスマス限定 トリュフ入り白ソーセージ Boudin blanc truffe」(1本 1260円)です!\(^○^)/ フランスでは、このトリュフ入り白ブーダンをクリスマスに食べる習慣があります。生のブーダン・ブラン・トリュフでクリスマスディナーの始まりです。
フランスの惣菜屋や肉屋で、クリスマスのみの限定商品として発売される「ブーダン・ブラン・トリュフ(トリュフ入り白ブーダン)」。ひき肉(仔牛、鶏)とトリュフのソーセージで、そのまま食べれば、はんぺんのようなふんわりとした優しい食感(~Q~) フライパンで炒めて食べても美味です。
おおっ!これも… お惣菜のショーケースの中にありました!「パテ・ド・カンパーニュ Pate de Campagne」(1枚 1050円)。豚肉のパテです。フランスでは「復活祭のパテ」など祭りのためのご馳走として豚肉のパテが食べられました。そのままだと味わいが単調になるるため、中にピスタチオナッツを混ぜ込んであり、これが良いアクセントになっています(^Q^) 作り方はこちらでどうぞ。。
「鴨肉の軽い燻製バルサミコソース Magret de canard sauce a la vinaigre balsamico」。フランスでは、フォワグラを取り出された後のカモからは胸肉が切り出され、magret de canardとして売られています。フランス産の鴨を桜のチップで燻製にかけ、バルサミコ酢・赤ワイン・砂糖・醤油を入れて煮つめたバルサミコソースでいただきます。上質な鴨肉に、美味なる自家製ソース。クセになる美味しさです(^Q^) パンとバターが運ばれてきました。ルコントといえばパンも有名で、クロワッサンとブリオッシュは1968年の開店時から発売されています。
上質のバターを使った「クロワッサン Croissant」(210円)。 卵とバターをたっぷり使った雪だるまの形のパン「ブリオッシュ Brioche」(210円)。
このパンは、ブラッスリー・ルコントのグランシェフである神田シェフの自家製で、「プチパン」といいます。店では発売されてないものです。 茶色い点々がまんべんなく入っている全粒粉が混ざったパンですね。フランス粉も入っているそうです。とはいっても、いわゆるフランスパンではなく、食感はふわふわ軽ーい食感なのです)^Q^(
「南伊豆産伊勢エビのホウレン草包み ブイヤベース仕立て Enveloppee de Langouste de epinard a la Bouillabaisse」伊勢海老からあふれ出るコクと旨み、サフランの香りが溶け込むプロヴァンス地方の名物料理「ブイヤベース」風スープの登場です。伊勢海老1尾がど〜んとのった贅沢な1皿!\(^O^)/ 南伊豆は全国でも有数の伊勢海老の産地で、色・つや・味と三拍子揃っています
おおっ!(^O^)\ この白いマヨネーズのようなふわっとした物体は!? 「カレイのすり身とじゃがいもを合わせたブランダッドでございます」。いつも驚き料理を出してくれる神田シェフが、カレイのブランダッドを出してくれました。ブランダッドとは、塩ダラとオリーブオイル、ニンニク、ポテトピューレ、生クリーム、牛乳で作る南仏の郷土料理。カレイのブランダッドは超珍しいですね。 身の詰まった伊勢海老です。プリッとした食感!…そしてブランダッドの上品な味わいが口の中に広がります(^Q^)
フランス・プロヴァンス地方ニーム。ここでよく食べられている鱈(タイ)のピューレ「ブランダッド・ド・モリュ」は様々な料理にアレンジされています。街のレストランでもブランダッドを使った料理は人気メニューの一つ。牛乳、生クリームを入れ煮立たせたら、たっぷりのブランダッドを入れます。 なめらかになるまで混ぜるのがシェフのこだわり。まろやかさが増し、ブランダッドのコクもより深くなるのだそうです。
「フランス産セップ茸の香りをつけたフォアグラのソテー オレンジソース Foie gras de canard saute pafume au cepe sauce orange」
「おおっ! これは!?(^O^)」「こちらは、リンゴのコンポートでございます」 「このコンポートは、先日パティシエ・シマの島田シェフに復刻していただいた’70年代のルコント六本木店の焼きりんごに似ていますね」
フランスの松茸といわれる天然キノコきのこ「セップ cepes」の香りをつけたフォアグラのソテー。セップは栽培が不可能で、すべてが天然物。とても貴重な茸なのです。香りも素晴らしいものがあります。 松茸に勝るとも劣らない、なんともかぐわしい香り…(^Q^) セップは、イタリアではポルチーニと呼ばれています。
フォアグラにオレンジソースは、フランスでは定番の組み合わせ。香ばしくコクのあるフォアグラと甘酸っぱいオレンジは絶妙な相性なのです。 フォアグラとリンゴの相性も抜群です!(^Q^) フランスから空輸で仕入れる新鮮なフォアグラのステーキ。甘酸っぱいリンゴのコンポートとも絶妙にマッチしています!
「青森産ヒラメと香味野菜のパイ包み ソースショロン Feuillete de barbue et aromates sauce choron」
黄金色に輝く平目のパイが登場しました。バターの香りが素晴らしい!\(^O^)/ これは、ルコントの名物であるミートパイの魚版といえそうです!
おろして骨を抜いた「ひらめ」と、エシャロットやシャンピニョン等がたっぷりのデュクセルを、パイ皮で包みオーヴン焼きにしたフランスの伝統的料理です。「デュクセル duxelles」とは、シャンピニョンのみじん切りをタマネギ、エシャロットのみじん切りとともにバターで炒めて水分を蒸発させ、旨みを凝縮させたもの。料理の詰め物やソースのベースなどに使います。 ソース・ショロンとは、エシャロット、ワインビネガー、白ワイン、エストラゴンを煮詰め、卵黄、バター、トマト、こしょうを加えたソース。
焼きたてでサクサクした状態のパイを切り分けてみましょう。磯の香りとバターの香りが渾然一体となって、あたり一面に漂っております〜(^Q^)
津軽海峡の寒ヒラメは脂ものっていてこの時期とっても美味です!(^Q^) サクサクとした香ばしいパイ、脂ののった平目、艶やかなソース…見事な一皿です!
ミートパイは、紀元前2000年の昔からエジプトには存在したと言われます。ラムセス2世の墓の壁画にも登場するそうです。それがエジプトに伝わり、紀元前100年頃ローマ帝国に伝わって、タルトのようだったものに、上にも蓋状にパイ生地をかぶせて焼くようになり、さらにヨーロッパ各地に広がっていきます。 ローマ帝国の時代から魚も具に使われていたようで、フランスでも、カーニヴァルから復活祭までの節制期間中は肉が食べられないので、魚を使ったパイが作られていました。
「ワンダフルハウス様、ポルト酒のグラニテでございます」 お口直しのシャーベットですね。お酒が弱いワンダフルハウスでも、これはOKでした。
「熊本県産黒毛和牛のロースト香草サラダ添え ソースペリグー Escaloppe de filet de Boeuf avec Salade de l'herbes sauce perigeux」 「うわ〜!素晴らしい!\(^○^)/ クリスマスのディナーやパーティなんかによく出てくる料理 ローストビーフです!」 聖夜のディナーのメイン、熊本産黒毛和牛ローストビーフの登場です。
日本国内で一年を通じて牛の放牧が行われ、牛肉を安定供給ができるのは、北海道の一部と熊本だけです。熊本は、阿蘇に代表されるように、水と緑に恵まれた大自然王国。この黒毛和牛は阿蘇で大切にのびのびと育てられたものです。上質の牧草をたっぷり与えられ、肥育期間も短くしていますから、無駄な脂肪分が少なく、健康的で柔らかい肉質が生産されているのです。黒毛和牛は塊のままローストすることでジューシーに仕上がるのだそうです。
絶妙な火加減でローストされています! 上にかけられているソースをご覧下さい。これが本当のソース・ペリグー。本場ぺリゴール産のフレッシュ・トリュフがたっぷり入っています!\(^○^)/
ソース・ペリグーというのは、刻みトリュフのソース。フランス一のトリュフの名産地ペリゴールにちなんだ物です。 柔らか〜い黒毛和牛のロースト。口の中でとろける旨さ(^Q^) ソースとの相性も抜群の逸品です! ところで、ローストビーフ(フランスでは「Rosbif ロスビフ」)は、イギリスから伝わった料理。そしてイギリスのクリスマスに欠かせないのがクリスマスプディング。ドライフルーツとナッツとケーキをラム酒で固めたような代物で、味がかなり濃いです。イギリスでは10月下旬頃からスーパーの店頭に並び始めますが、ぶっちゃけた話、そのような安物はあまり美味しいものではありません(>_<) 「ワンダフルハウス様…」
「ルコント特製デザート Dessert Maison」
「ワンダフルハウス様、デザートですが、この中からお好きなケーキを1つお選びください」「おおっ!(^O^)\」
「パリ・ブレスト Paris-Brest」 「バレンシア Valencia」
「タルト・オ・フレーズ Tarte aux Fraises」 「ドーム・ショコラ Dome Chocolat」
「シャルロット・オ・ポワール Charlotte aux Poires」 「ムース・オ・フレーズ Mouss aux Fraises」
「レアチーズケーキ Gateau fromage Cru」 「フォレ・ノワール Foret-noire」
「クリームチーズケーキ Cream cheese cake」 「ガトー・フランボワーズ Gateau Framboise」
「サバラン Baba」 「クレーム・ダンジュ Creme d'Anjou」 おっ!壷に入っているので中身が見えません。
お皿に盛られると、こんな感じになります。クレメダンジュは、牛乳を乳酸醗酵させて軽く固めただけのふんわりしたフレッシュチーズ「フロマージュ・ブラン」に生クリームでコクを出し、メレンゲを加えてさらにふわふわにしたもの。ルコント特製の蜂蜜とブルーベリーソースでいただきます…水分がかなり残っていて、この甘味とふわふわの食感は快楽的…(~Q~) 一口頬張るだけで幸せになります↑)^Q^(↑
そして、クリスマスディナーのデザートの真打ち登場です。1年のうち、12月1日頃から25日までしか店頭に並ばない、クリスマス限定の「プチノエル」。ブッシュ・ド・ノエルを、そのまま一人分の小さなサイズに縮小したものです。左から「ショコラ(ノン・アルコール)」「グランマニエ」「モカ」。

フランスでクリスマスケーキといえば、薪の形をしたビュッシュ・ド・ノエルが一般的。12月に入ると、どこのケーキ屋さんでも、こぞってこのビュッシュ・ド・ノエルのミニタイプ「ビュシェット」を店頭に並べます。「ビュシェット Buchette」とは、「小さなビュッシュ(薪)」という意味。
「プチノエル・ショコラ Buchette au Chocolat」(630円)クリスマスのビュッシュ・ド・ノエルのミニバージョン、ビュシェットです。これは、チョコクリームの「ビュシェット・オー・ショコラ Buchette au chocolat」。ノンアルコールタイプ。
ココアのビスキュイの間にチョコレート・バタークリーム。具はオレンジピールとコニャックに漬け込んだレーズン
「プチノエル・モカ Buchette au Moka」(630円)これは、コーヒー味のビュシェットです。ビスキュイの間にコーヒー味のバタークリームが入っています。周りのクリームも同じバタークリーム。具はリンゴのコンポートと、コニャックに漬け込んだレーズン。
「プチノエル・グランマニエ Buchette au Grand Marnier」(630円)ビスキュイに、オレンジのリキュール「グランマニエ」が染み込ませてあります。中に入っている具は、リンゴのコンポートとオレンジピール。
この中から例えば「タルト・オ・フレーズ」と、コーヒー・紅茶・エスプレッソの中からエスプレッソを選ぶと、このようにサーブされて、ブラッスリー・ルコントのクリスマス・ディナーはフィナーレを迎えます。しかし、WONDERFUL HOUSEのクリスマス・ディナーは、クリスマス・ケーキの真髄に迫るべく、まだまだ続くのでした。「それでは、アレを持って来てください」「かしこまりました」
大変お待たせしました。ワンダフルハウスが買ったルコントのビュッシュ・ド・ノエルを公開いたします。1931年生まれのアンドレ・ルコントさんが1968年12月17日に六本木に最初の店を開いてから、この暮で39年目のクリスマスを迎えました。あの頃、本格的なフランス菓子店が無く、開店直後のクリスマスはフランス大使館などからビュッシュ・ド・ノエルの注文が殺到して、てんてこ舞い。いざ出来上がってみると、入れる箱や包装紙が無いのに気がつきました。切羽詰まって靴の箱を手配してみたものの、いくらなんでもと考え直し、ホテルオークラの小野正吉さんに相談したら、箱屋を教えてくれて、拝み倒して一晩で作ってもらったそうです。
それでは箱を開けてみましょう… 「ワンダフルハウス君、君にクリスマス・プレゼントを用意したよ。フランス大使館に行ってごらん」「フランス大使館!?(゚O゚)」

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