フランス菓子 Maison Wenikoの四季

2011年6月
ルバーブといちごのコンポート入りヨーグルトムース

リュバルブ(Rhubarbe)の季節がやって来ました。市場に出回る旬は夏の手前。リュバルブとはタデ科の多年草で、日本ではルバーブという名で知られています。酸味が強く、繊維の多い茎の部分を食用とします。リュバルブのコンフィチュールをヨーグルトやフロマージュ・ブランに混ぜて食べたり、タルトに敷き込んで焼くと、とても美味です。

2011年6月第2週

わんだふるはうす、パントコート前日のメゾン・ベニコへ行く

「フランスでは復活祭から7週間目の日曜日を聖霊降臨祭(パントコート)といいます。イエスの復活・昇天後、祈っていた使徒たちの上に神からの聖霊が降ったことを記念する祭日です。本格的な春が訪れる時期であり、翌日の祭日を合わせて3連休になるため、観光シーズンの訪れとなる時期でもあります」
「2011年のパントコート(Pentecote)は6月12日(日曜日)。その前日にパントコートのためのお菓子コロンビエを予約したので、水戸のMaison Wenikoへ向かっているところなのです」
「ワンダフルハウスは1時間ほど早く到着しました…」
「おーっ!新作がいっぱい出てる!(^O^)\」
「ほぅ、これが”和製グレープフルーツ”と呼ばれる灘オレンジのゼリーですか(^-^)\」
「これはこれはワンダフルハウス様、お早い御到着でございますね」
「本日はコロンビエを御予約でしたね。Wenikoシェフが作っているところでございます」
「おー!コロンビエに何か塗って、テッカテカに光らせています★彡!(^O^)\」「あちらの作業はAbricoterでございます」
「アブリコテ?あの光る液体の正体は?(゚-゚)\」「Confiture d'abricot(コンフィチュール・ダブリコ)とNappage neutre(ナパージュ・ヌートル)を1:1で合わせてGlacage a l'abricot(グラッサージュ・ア・ラブリコ)というアプリコットジャムの上がけを作り、沸騰させたものを、コロンビエの表面に刷毛で薄く塗っているのでございます。次に塗るGlace a l'eau(グラス・ア・ロ)を塗りやすくするためのコーティングです。味を付けたり、艶を出して表情を付けたり、表面を保護したりする役割もございます」
Mousse de yaourt avec la compote de rhubarbe et de fraises
ムース・ド・ヤウールト・アヴェック・ラ・コンポート・ド・リュバルブ・エ・ド・フレーズ
ヨーグルトムース(ルバーブと苺のコンポート入り)
472円
「ワンダフルハウス様、コロンビエが出来上がるまでの間、新作のヨーグルトムースを御賞味ください」
「ほぅ、これがルバーブのコンポートですか(^-^)\」
「これは凄い!繊維が崩れてドロドロになる一歩手前まで火を通しています!(゚O゚)\」
「ワンダフルハウスさん、リュバルブは苺との相性が抜群なのです。私は苺にヤウールトを入れて、リュバルブのコンポートをタップリのせ、苺をつぶしながら食べるのが好きです」
Compote de rhubarbe
ルバーブのコンポート
「ほぅ、これがルバーブのコンポートですか(゚-゚)\」
Confiture de rhubarbe
ルバーブのコンフィチュール
「私にはコンポートもコンフィチュールも同じものに見えてしまって、見分けがつかないのですが…(゚-゚:)\」
Compote de rhubarbe
ルバーブのコンポート
糖度22〜30%程度
Confiture de rhubarbe
ルバーブのコンフィチュール
糖度65%程度
「コンポートとコンフィチュールの違いは糖度です。リュバルブはコンポートやコンフィチュールにして、フランスでとても親しまれているのです。コンポートとは果実では砂糖やシロップやアルコールで煮た甘煮のこと。コンポートとコンフィチュールは、それぞれ糖度の違いで分けられますが、国によって糖度が何%か定義も違います。フランスではコンポートは糖度50%未満、コンフィチュールが糖度60%以上となっています。フェルベール式コンフィチュールは糖度65%。ちなみに日本の定義では糖度40%以上でジャムになります」
「果実は既に10〜15%の糖分を含んでいるので、調理時に加える砂糖の量は、使用する果実の量とほぼ同量にすると約65%ということになります。コンフィチュールにする場合、500gの生のリュバルブを下処理すると、400gに目減りしてしまうので、加えるグラニュー糖の量も400gということになります。このコンポートの場合ですが、下処理済みの生リュバルブ400gにつき100〜150gしかグラニュー糖を加えていないはずです。糖分÷総重量=糖度…したがって糖度は22〜30%台前半になります」「難しすぎる(゚-゚:)\…ルバーブのコンポート+ヨーグルト=これは感動的な美味しさです!(^Q^)」
「おおっ!? 底の方に苺のコンポートが見えました!(^O^)\」
Compote de fraises
いちごのコンポート
「ほぅ、これが苺のコンポートですか?少しドロドロしていますね(゚-゚)\…しかし、苺の風味と食感がそのまま残っていて、ヨーグルトとの相性は抜群です!(^Q^)」
Compote de fraises
いちごのコンポート
「もう一粒いちごのコンポートが出てきました。これは綺麗な形をしています(^-^)\」
「ゴロンとした大粒のいちごのコンポート…これは美しい!\(~O~)/」
「口に入れると、やさしい甘さがトロリと広がります。コンポートはフレッシュな果実とも、コンフィチュールとも異なる美味しさなのです(^Q^)」
Gelee de nada orange
ジュレ・ド・ナダ・オラジュ
灘オレンジゼリー(和製グレープフルーツゼリー)
472円
「涼しげな透明の感触に魅かれて、つい食をそそられるお菓子にゼリーがあります。ゼリーというと、いかにも爽やかなシャキッとした言葉ですが、これは英語(jelly)で、フランス語ではジュレ(gelee)と柔らかく発音するようですね(^-^)\」「元々はラテン語のゲラータ(gelata)から出たものだということで、『凍らせる』『凝固する』という意味があるのです」
「おっ、これは何ですか?(^-^)\」「ワンダフルハウス様、そちらが灘オレンジでございます」
「これが和製グレープフルーツと呼ばれる灘オレンジですか?(゚-゚)\」「Wenikoシェフが柑橘類を仕入れているのが、四国西部愛媛県西宇和地方の佐田岬半島にございます柑橘専門農家『完熟屋』さんでございます。西宇和地方は、その温暖な気候によって一年中美味しい果物が出来ます。灘(なだ)オレンジは河内晩柑、美生(みしょう)柑、宇和ゴールドなどとも呼ばれていますが、佐田岬半島で出来た物だけが灘オレンジと言われ、特に高級品として扱われているのでございます」
「私が解らないのは、こういったゼリー(私は”夏のぷるぷるゼリー”と呼んでいます)と…(゚-゚)\」
Gelee de coings d'Alsace
ジュレ・ド・コワン・ダルザス
かりんのジュレ アルザス風
1575円
2011年2月
「2月に発売された『かりんのジュレ アルザス風』みたいなジュレと…(゚-゚)\」
「あそこにあるお中元の見本…(゚-゚)\」
夏のギフトセット
3500円
「右下に見えるパート・ド・フリュイ…」
Pates de fruits
パート・ド・フリュイ
杏と青リンゴで4個入 525円
パッションとフランボワーズで4個入り 525円
「日本人である私たちにとって、これらは全てゼリーであり、違いがよくわからないというのが本音なのです」
島田進のポワソン・ダブリル Weniko風
(いちごとミントと黒胡椒とピンクペッパーのポワソン・ダブリル)
製作 Weniko
2011年4月1日
「それは、私が御説明申し上げましょう「おっ?ポワソン・ダブリル氏じゃないですか?(^-^)\」

わんだふるはうす、在りし日のルコント青山本店へ行く

パティスリー・フランセーズ・アンドレ・ルコント青山本店
2007年6月
「日本ではゼリーについて、既に徳川時代以前から知られていました。九州は熊本の産に水前寺苔というのがあって、これを干して浅草海苔のように半紙状にし、水に戻して、小型の短冊形に切り、お吸い物に入れたり、酢の物にして使われていたそうです
「水前寺苔は当時の茶人や料理の通人の間では、なかなかに珍重されたものらしく、これは水に戻せるゼリーの一種だったようです
オレンジゼリー
ルコント青山本店
2007年6月
「古今から清楚な舌触りと、何ともいえない淡泊な風味は、洋の東西を問わず喜ばれ、ゼリーはお菓子にも料理にも使われるようになったのでしょう
「では、ゼリーはなぜ固まるのでしょうか?(゚-゚)\」「ゼリーの原料には、動物性のものと植物性のものがあります。動物性のものは、『魚や肉の煮こごり』…あれがゼリーの典型です。動物の骨、軟骨、皮膚、腱などにはゼラチンという物質が含まれていて、これが固まる原因となります」
「ゼラチンは、タンパク質の一種で、動物の組織を水で長く煮ていると、抽出することができます。水に放つと膨張するという特徴があり、15%の水分を含む紙状にしたり、または粉末にしてあります」
グレープフルーツゼリー
ルコント青山本店
2007年6月
「ロシア産の蝶鮫の浮袋から採ったゼラチンは、昔から食用のものとしては最高とされていましたが、現在では色々な材料から得たものがあり、全く無臭な良い物ができています」
「料理用には2gぐらいの板状のものがあり、何枚というのが分量になっています。また、粉末のものも市販されています」

再びメゾン・ベニコへ

灘オレンジゼリー
(和製グレープフルーツゼリー)
「粉末ゼラチンは、小匙約2分の1が、板ゼラチン1枚の分量に当たります」
「ゼラチンは良質のものを使い、冷水で柔らかく戻してお使いください。また煮る時は低めの温度で沸騰させないように。煮立ててしまうと粘り気が弱くなってしまいます」
灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のコンフィチュール 灘オレンジゼリー
(和製グレープフルーツゼリー)
「ん? これは何ですか?(゚-゚)\」「ワンダフルハウス様、灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のコンフィチュールでございます」
灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のコンフィチュール 灘オレンジゼリー
(和製グレープフルーツゼリー)
「ジャム&ゼリーとよく並び称されるように、ジャム(コンフィチュール)もゼリー(ジュレ)の一種なのです」

Confiture de nada orange
コンフィチュール・ド・ナダ・オラジュ
灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のコンフィチュール
1050円
Gelee de nada orange
ジュレ・ド・ナダ・オラジュ
灘オレンジゼリー(和製グレープフルーツゼリー)
472円
「ジャム(コンフィチュール)がゼリー(ジュレ)の一種ですって!(@_@)\」
灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のコンフィチュール
「植物性のゼリーの原料にはペクチンがあります。果物が固まるのは、このペクチンと、果物に含まれている酸、そして砂糖の3つが、適当な割合に混和された時に起こります」
Confiture de fraises
コンフィチュール・ド・フレーズ
いちごのコンフィチュール
大 1050円
小 630円
「いちごジャムもペクチンの作用でゼリー化したものですが、メゾン・ベニコのコンフィチュールは、基本的に一切のペクチンを添加していませんので、ご覧のようにゼリー化していません」
「トロッとした液体と共に、苺がそのままの形で残っている…いつ見ても摩訶不思議です(@_@)\」
「砂糖に漬け込む時や煮込む時にレモン1個分の絞り汁を加えます。これは酸化と変色を防ぐだけでなく、レモンの強い酸味が果実の風味を引き出し、さらにゼリー化するペクチンの働きもするのです」

Confiture de nada orange
コンフィチュール・ド・ナダ・オラジュ
灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のコンフィチュール
1050円
「おっ?こんな所にオレンジのマルムラードが3つもありますよ?右端が灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のマルムラードですか(^-^)\
灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のコンフィチュール
「オレンジの皮がギッシリ詰まっています! これは灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のマルムラードです!(^O^)\」「ワンダフルハウスさん、これはマルムラードではありませんよ。コンフィチュールです」
何ですって!? 柑橘系のジャムをマーマレードと呼ぶように、私は柑橘系のコンフィチュールは全てマルムラードと呼ぶのだと思っていました…(゚-゚:)\」「フランスではマルムラードは、柑橘類とは無関係なのです。英語のマーマレード(marmalade)は、シトラス類の皮と果実で作ったものを意味しますが、フランスでは、果実の重量の50%以上の砂糖で仕上げたものがコンフィチュール(confiture)。果実の重量の50%以下の砂糖で仕上げたものがマルムラード(marmelade)なのです」
「それでは、メゾン・フェルベールにはマルムラードは存在しないのですね?」「Marmeladeは、ほとんどありません。ごく一部の例外として、Marmelade d'oranges maltaisesとMarmelade d'oranges maltaises au rhumは作っていますよ」「マルムラード・ドランジュ・マルテーズ?(゚-゚)\「マルタ産オレンジのマルムラードです。ラム酒風味のもあります。他にはMarmelade de mirabelles d'Alsace(アルザス産ミラベルのマルムラード)とMarmelade de quetsches d'Alsace(アルザス産クエッチのマルムラード)もあります。この2つは柑橘ではありませんから、フランスのマルムラードは柑橘とは無関係なのです」
Confiture de Fraises et au Vin blanc d'Alsace Riesling
コンフィチュール・ド・フレーズ・エ・オ・ヴァン・ブラン・ダルザス・リースリング
いちごとアルザスワインのコンフィチュール
大 1050円
「ところで、ゼリーとジャムの違いは?(゚-゚)\」メゾン・ベニコのコンフィチュールは一切のペクチンを添加せず、国産レモンをペクチンの代わりにしています。従って、ゼリーっぽいジャムが無いので説明しにくいのですが…5月に発売された『いちごとアルザスワインのコンフィチュールだけは、レモン汁の他に国産の寒天も使用してトロミをつけたものでしたね」
いちごとアルザスワインのコンフィチュール
おお! これはゼリーっぽい(゚O゚)\
いちごとアルザスワインのコンフィチュール
「ペクチンを使ったゼリーとジャムが違うのは、ジャムの方は必ずといっていいほど、苺なら苺の種を含むことです」
島田進シェフのガレット・デ・ロワ ロッシーニ風のためのイチジクとラム酒のコンフィチュール
特注品
製作 Weniko
2010年9月
「いちじくジャムなら、いちじくの種子状のものを含みます」
灘オレンジゼリー
(和製グレープフルーツゼリー)
いちごとアルザスワインのコンフィチュール
「食感の違いもあります。ペクチンを使ったジャムは、ゼリーよりもいっそうねっとりとしているところでしょう」
「おおっ!? これが“和製グレープフルーツ”と呼ばれる灘オレンジの果肉ですか?…確かにグレープフルーツに似ている!(゚O゚)\」
「和製グレープフルーツといわれるそのお味は?…爽やかな酸味とほのかな苦味…甘過ぎず、サッパリしているので、特に夏は食べやすいです!(^Q^)」
「このように、動物や植物の中にゼリーを作る性質が発見されてから、この性質を逆に利用して、人々はお菓子を作ることを覚えました。ゼラチンを使ったゼリー菓子を食べる時、こんな自然の法則の中にあった化学のことを、ちょっと思い出してみてください」
灘オレンジ(和製グレープフルーツ)のコンフィチュール
「灘オレンジの表皮にあった黒い点々が見えました。どうやら、皮付きのまま薄い輪切りにして調理したようです」
「フェルベールさんは、地中海マルタ産のオレンジがお好きだということですが、“和製クリスティーヌ・フェルベール”といった趣も漂ってきたWenikoさんは愛媛県西宇和地方・佐田岬半島産のオレンジがお好きなようです(^-^)」
「それは南仏のオランジュ・アメールという苦いオレンジに味が似ているからでしょう。その名の通りビターオレンジなのでコンフィチュールに加工するのですが、加工過程でよく煮てあるので、ワンダフルハウスのようなスーパーで売ってるオレンジ・マーマレードの苦味が苦手な人でも美味しく食べられるのです(^Q^)」
「透明な膜のようなものが見えますが、これは?(゚-゚)\」「房の部分でございます」
「ほぅ、左端のピールはなかなか立派な灘オレンジピールですね(^O^)\」
「ワンダフルハウス様、Wenikoシェフがコロンビエを仕込む時、私が驚いたことがございまして…」「何ですか、それは?(^O^)\」「灘オレンジのピールとリュバルブのコンフィチュールを生地に混ぜていたのでございます」「何ですって!? 日本のコンフィズーズ(女性コンフィ職人)がフランスの宗教菓子を大胆にアレンジしようとしているのですか!?(゚O゚)\」
Gelee de coings d'Alsace
ジュレ・ド・コワン・ダルザス
かりんのジュレ アルザス風
1575円
2011年2月
「ワンダフルハウス様、コンフィチュールとジュレの違いでございますが、果肉ごと煮るのがコンフィチュールなのに対し、果汁だけを使って砂糖と一緒に煮るのがジュレでございます」
かりんのジュレ アルザス風
「ですから、ジュレの最大の特徴は透明感。中でも独特の可憐な赤い色が何とも美しいのがカリンのジュレでございます。果汁自体に含まれるペクチンを利用して、砂糖と一緒に煮てゲル化させてあるのでございます」「カリンは果汁自体にペクチンを多く含んでいて、充分固まるのです。コンフィチュールとの違いは砂糖の量。ジュレでは量が増え、果物の75%となります。しかし果汁自体の香りや酸味がしっかりしているため、それほど甘みは感じません」
Pate de fruits
パート・ド・フリュイ
(フルーツゼリー)
4個入 525円
「ところで、パート・ド・フリュイというのは?(゚-゚)\」「ワンダフルハウス様、フルーツのピューレをペクチンで固めたフランスの伝統的なゼリー菓子でございます」
パート・ド・フリュイ
4個入 525円
フランボワーズとパッションフルーツ 青リンゴと杏
「これがフランスのフルーツゼリーですか? 表面にはザラメ糖がたっぷりまぶしてあって、見た目はかなり甘そうですね…(゚-゚)\」
Pate de fruits a la pomme verte
パート・ド・フリュイ・ア・ラ・ポンム・ヴェール
青リンゴのフルーツゼリー
「ワンダフルハウス様、リンゴやアプリコット、マルメロ、洋梨にはペクチンが多量に含まれておりますので、ゲル化してゼリー状となる性質が高いのでございます。昔(1970年代前半まで)はフルーツゼリーを作るのは、この種のフルーツに限られ、しかもペクチンの添加も行なわず、砂糖をフルーツの倍量使用し、20〜30分以上も煮続けて作っていました。この方法で作ったフルーツゼリーは、香りもビタミンも失われた砂糖味の強いものができたものでした」
「今日(1970年代後半以降)では、リンゴから工業的に抽出したペクチンや、レモンから抽出したクエン酸を加えているのでございます。コンフィチュールを作る時と同様に、パート・ド・フリュイの場合も酸味のあるフルーツほど美味しいフルーツゼリーができるのでございます」
「パート・ド・フリュイの糖度はかなり高そうですね!?(゚O゚)\「ゼリーはあまりにも濃すぎるので、糖度計で計っても正確な数値が示されないのでございます」
「おお! アルザスの四角いパイ=カレ・アルザシアンとは正方形のフロランタンですか!?(゚O゚)\」
Carre alsacien
カレ・アルザシアン
315円
「日本ではどこのパティスリーにも置いてあるカレ・アルザシアンですが、私が以前、パティシエ・シマ島田徹シェフから聞いた話では、彼がパリ(ローラン・デュシエーヌ→ピエール・エルメ→オテル・ル・ブリストル)で修業していた頃、一緒に働いていたパティシエたちは誰もカレ・アルザシアンを知らなかったそうです。日本では有名なフランス地方菓子なのにパリで知られていないとは不思議ですね」
「パート・フィユテの上にアマンド・エフィレとアパレイユ・ア・フロランタンを延ばして芯まで濃いキツネ色に焼き上げ、フランボワーズ・ぺパンのコンフィチュールをサンドした日本初のフェルベール式カレ・アルザシアンです
「おおっ!?(゚O゚)\」
コロンビエ・ア・ラ・リュバルブへ続く
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