フランス菓子 Maison Wenikoの四季

2012年水戸聖霊降臨祭菓子祭
PART 3

Festival des gâteaux de Mito pour la fête de la Pentecôte Jeudi 31 mai 2012 au “T's Garden”

わんだふるはうす、聖霊降臨祭から4日後のT's Gardenへ行く

「T's Garden中庭に特設会場を設営し、菓子展覧会という形式で、Maison Weniko 2012年パントコート・オート・パティスリー・コレクションの開幕です」
「バラが最も美しく見えるという夕刻まで待ってショーが始まりました」
最高の素材と技術、芸術的感覚で仕立てられたフランス菓子がセットされています!
Maison Weniko Mito-La Haute Pâtisserie Pentecôte 2012
「日没近くなり、オート・パティスリーの提唱者であるピエール・エルメ氏のマカロンが左後方から強烈な色彩を放つ中で、ショーは始まりました。中段左は『苺とバルサミコと三色胡椒(ポワヴル・ノワール×ポワヴル・ヴェール×ポワヴル・ロゼ)』のコンフィチュール入りコロンビエ。右のコロンビエはネーブルオレンジのコンポート入り。中央のビスキュイ・ルーレはクリスティーヌ・フェルベール氏が2005年のノエルに自宅用に作ったローズ・ド・ノエルを再現したものです。パントコートのお菓子『コロンビエ』を御存知ない方は、leroiboitさんのブログを御覧ください」
Cake aux fraises
ケーク・オー・フレーズ
400円
「ショーのオープニングを飾ったのはケーク・オー・フレーズ。苺のコンフィが透けて見えています」
「ケーク・オー・フレーズは生地の中にホワイトチョコレートを入れたパウンドケーキのアレンジ版。しかも小麦粉、バター、砂糖、卵、ホワイトチョコレート、苺のコンフィ…6つの材料を同量ずつ配合しています」
Charity brownie
チャリティー・ブラウニー
300円
「チャリティー・ブラウニー。1個あたり300円を茨城県災害対策被害本部に寄付させていただきました
「チョコレートとクルミとオレンジのコンフィ入り」
Bretzel
ブレッツェル
157円
「メゾン・ベニコ初のブレッツェルはクッキー生地、国産レモンと茨城県産ピーナッツ風味で登場しました。ゆで卵の黄身を練り込んでサクサク感を出しているそうです」
上 ブレッツェル
中 チャリティー・ブラウニー
下 ケーク・オー・フレーズ
ブラウニーはクッキーよりもソフトで、パウンドケーキよりは重厚かつ濃厚。クッキーとパウンドケーキの中間のような食感ですね」
三色マカロン
(フランボワーズ、ショコラ、パッション)
735円
「3色マカロンの新作はパッションフルーツ」
Macarons aux fruits de la passion
マカロン・オー・フリュイ・ド・ラ・パッション
「バタークリームにパッションピューレを混ぜたクリームを挟んであります」
トリュフ
(パッション、フレーズ)

2個セット 350円
Truffes aux fruits de la passion
トリュフ・オー・フリュイ・ドゥ・ラ・パッション
パッションフルーツのトリュフ
Truffes aux fraises
トリュフ・オー・フレーズ
いちごのトリュフ
「トリュフの新作はパッションとフレーズ」
パッションフルーツのトリュフ いちごのトリュフ
「パッション風味のガナッシュをブラックチョコレートとミルクチョコレート2種の皮膜で被膜で覆ってあります」 「いちご風味のホワイトチョコレートガナッシュの上にトロッと流れるキャラメルを仕込んであります」
Tarte au fromage blanc alsacienne à la confiture
タルト・オ・フロマージュ・ブラン・アルザシエンヌ・ア・ラ・コンフィチュール
420円
「フロマージュ・ブランを使った甘味のタルト・オ・フロマージュといえば、私は1930年代のフェルナン・ポワンのルセットを思い浮かべます。マルジョレーヌみたいに有名ではないですが、このようなタイプのチーズケーキは20世紀最高のレストランのデセールとして存在していました」
「レストラン・ドゥ・ラ・ピラミッドのタルト・オ・フロマージュがフェルナン・ポワンの創作菓子だったのに対して、こちらはアルザスの地方菓子。隣国ドイツのKäsekuchen(ケーゼクーヘン=チーズケーキ)の影響を受けています」
「種入りフランボワーズ・コンフィチュール(Confiture de framboises avec pépins)の層がアルザス度をさらに高めています」
「フロマージュブランと種入りフランボワーズ・コンフィチュールの組み合わせは、ガストン・ルノートルの創作菓子ガトー・シュスを彷彿とさせます。フェルナン・ポワンとガストン・ルノートルとクリスティーヌ・フェルベールの技法を融合させたフランス料理の歴史的に見て非常に興味深いチーズケーキです」
Tartelette alsacienne à la confiture (Linzer)
タルトレット・アルザシエンヌ・ア・ラ・コンフィチュール(リンゼール)
420円
「こちらもアルザスの地方菓子。隣国オーストリアのリンツァー・トルテの影響を受けています」
「フランス文学者 澁澤龍彦氏は一時期、莫大なフランス料理のルセット本を蒐集していました。ある日、彼にしか解らない一定の法則があることに気付いてしまったのか、『なあんだ』と言って、全ての料理本を手放してしまいました。もし、現在彼が生きていて、しかもお菓子好きで、クリスティーヌ・フェルベール氏のルセットを入手してしまったら…『これを作ってください』と鎌倉から水戸に通うことになるでしょう。クリスティーヌ・フェルベール氏のルセットには澁澤龍彦氏をもってしても解読できない“何か”が隠されています。私はルセットをシェフに再現させることで、それを見極めてきたのです」
「そういえば、澁澤龍彦氏の前妻は初期アンアンの堀内誠一氏・金子功氏・立川ユリ氏のファッションページに詩を書いていた矢川澄子氏でした。金子功氏がデザインしていた洋服とクリスティーヌ・フェルベール氏のコンフィチュールや菓子には色の組み合わせ、素材感が共通している部分があって、時々ハッとすることがあります」
Panna cotta à la vanille avec gelée de melon d'Ibaraki
茨城県産メロンゼリーとパンナコッタ
472円
Gelée de nada orange et vin blanc
“Gewürztraminer”
灘オレンジと白ワインゼリー
“ゲヴュルツトラミネール”
472円
「フレッシュな茨城県産メロンゼリーをトッピングしたパンナコッタです」 「和製グレープフルーツと呼ばれる灘オレンジのゼリーといえば…思い出した!…昨年の聖霊降臨祭菓子祭で食べました!」
Gelée de nada orange et gin
灘オレンジとジンのゼリー
472円
2011年6月11日
Gelée de nada orange et vin blanc
“Gewürztraminer”
灘オレンジと白ワインゼリー
“ゲヴュルツトラミネール”
472円
2012年5月31日
「昨年の灘オレンジゼリーにはジンを使っていたそうです。ジンはオランダで生まれた杜松(ねず)の実の香りがするスピリッツ。オランダの医者シルヴィス博士が杜松の実(ジュニパー・ベリー)をアルコール液に浸漬、蒸留して、解熱剤としたのが始まりとされています。トウモロコシ、大麦、ライ麦などを糖化させてから発酵し、連続式または単式蒸留器で蒸留し、杜松などの植物成分をしばらく浸漬してから、単式蒸留器で再び蒸留します。加える植物成分としては、杜松の他に、オレンジやレモンなどの果物、コリアンダーやアンゼリカなどのハーブがあり、各社ごとに植物成分の配合が異なります」 「今年の灘オレンジゼリーにはアルザスの白ワイン『ゲヴュルツトラミネール』を使ったそうですのゼリー。Wenikoシェフが柑橘類を仕入れているのが、愛媛県西宇和地方の佐田岬半島にある柑橘専門農家『完熟屋』さん。西宇和地方は温暖な気候によって一年中美味しい果物が出来ます。灘(なだ)オレンジは河内晩柑、美生(みしょう)柑、宇和ゴールドなどとも呼ばれていますが、佐田岬半島で出来た物だけが灘オレンジと言われ、特に高級品として扱われているのです」
茨城県産メロンゼリーとパンナコッタ
「ミルキーな味わいのパンナコッタは滑らかでとろけるような口溶け。メロンの香りが口の中いっぱいに広がります(^Q^)」
灘オレンジとジンのゼリー
2011年
「ジンは現在では世界的に親しまれているオードーヴィーで、カクテルを作るベースとして欠かせません。今年に入ってから、Wenikoシェフがコンフィチュール作りに多用しています。ジンは元々オランダのジェネピと呼ばれる棘のある杜松の実のオードヴィー『ジェネヴァー』を英語にしたものです。ジンの製造はまさに無色無臭のアルコール、穀物やビートからできたオードヴィー、またはワインに味を付けたと言えるでしょう。これをジェネピと様々なアロマのあるもの(フェヌーユ、オレンジピール、甘草等々)と一緒に蒸溜します」
灘オレンジと白ワインゼリー
「ゲヴュルツトラミネールの香りは果物のライチとほぼ同じと言われています。爽やかな酸味とほのかな苦味がある和製グレープフルーツ=灘オレンジとの相性は?…トレボンマリアージュ級です!(^Q^)」
「ついに、2012年版コロンビエが姿を現しました」
Le colombier de fraises au vinaigre balsamique et au poivre noir ou vert ou rose de la Pentecote
ル・コロンビエ・ドゥ・フレーズ・オ・ビネーグル・バルサミック・エ・オ・ポワヴル・ノワール・ウ・ヴェール・ウ・ロゼ・ドゥ・ラ・パントコート
パントコートのいちごとバルサミコと三色胡椒のコロンビエ
特注品
「苺とバルサミコ酢とブラックペッパーとグリーンペッパーとピンクペッパーのコロンビエですって!?(゚O゚:)\」
Le colombier à l'orange navel de la Pentecote
ル・コロンビエ・ア・ロランジュ・ネーヴル・ドゥ・ラ・パントコート
パントコートのネーブルオレンジのコロンビエ
特注品
「もう1台はネーブルオレンジのコロンビエだ!(゚O゚)\」
Tarte poisson davril à l'orange navel de Wakayama au the Sashima d'Ibaraki
タルト・ポワッソン・ダブリル・ア・ロランジュ・ネーヴル・ドゥ・ワカヤマ・オ・テ・サシマ・ディバラキ
和歌山県産ネーブルオレンジと茨城県産猿島の紅茶のタルト・ポワソン・ダブリル
特注品
2012年4月
「Wenikoシェフは4月のポワソン・ダブリルに続いて、6月のコロンビエにもネーブルオレンジを使ってきた!(゚O゚)\」
パントコートのネーブルオレンジのコロンビエ
「何だこれは!?側面が黄色っぽいぞ!?(゚O゚)\」
「アプリコットのコンフィチュールを塗る代わりに、ネーブルオレンジのコンポートを擦り付けている!(゚O゚:)\」
「従来のフランス菓子には無かった新しい表情を生み出すことに成功しました!(゚O゚:)\」
ネーブル ネーブルといちご ネーブルといちご エピス風味 ネーブルとショコラ エピス風味
大 1050円 大 2100円
2012年4月発売
「ポワソン・ダブリルに使われ、コロンビエにも使われ…どうやら、ネーブルオレンジは2012年度上半期の最も重要なコンフィチュールとなったようです」

Confiture à l'orange navel de Wakayama
コンフィチュール・ア・ロランジュ・ネーヴル・ドゥ・ワカヤマ
和歌山県産ネーブルオレンジのコンフィチュール
大 1050円
「長期間保存することを第一の目的に作られるコンフィチュールには60~65度の糖度が必要とされます。コロンビエというお菓子は長期間保存する必要が無いから、Wenikoシェフは少ない砂糖で仕上げられるコンポート(糖度40~45度)を使ったのでしょう」
和歌山県産ネーブルオレンジのコンフィチュール
「コンポートは、よりフレッシュな味わいを作り上げるためにバタークリームに代わってマカロンの具になったり、グラスデザートの構成の一部になっていたりしています。コンフィチュール・ダブリコをコロンビエの上掛けに塗ってテカテカした艶を出す代わりに、コンポート・ア・ロランジュを擦り付けてゴツゴツした素材感を出してきたのです」
和歌山県産ネーブルオレンジのコンフィチュール
「中央に横たわるネーブルの皮、その前後の正体不明のムニュムニュ、全体を取り巻くゆるいジュレ…ネーブルのコンフィチュールはメゾン・ベニコの柑橘系のコンフィチュールの中でも、最も見た目がわかりやすいコンフィチュールといえるでしょう」
「Wenikoシェフは『アブリコテ』という菓子屋の作業を進化させた『ネヴリコテ』とも呼べる新種の手法を見せてくれました。『アプリコットジャムの上がけ』と呼ばれる『グラサージュ・ア・ラブリコ』(コンフィチュール・ダブリコとナパージュ・ヌートルを1:1で合わせたもの)を塗る代わりに、ネーブルのコンポートをそのまま擦り付けたのです。ネヴリコテは菓子に味を付け、柑橘系の爽やかな素材感を出して菓子に表情をつけ、菓子の表面を保護する役割があります」
Rose de Noël d'Ibaraki
ロゼ・ドゥ・ノエル・ディバラキ
茨城県産フランボワーズ・ジュレのブッシュ・ド・ノエル
特注品
「21世紀アルザス表現主義派の菓子の最高傑作が日本に初上陸しました。T's Gardenさんのオープンガーデン2012の手土産として私がオーダーしたアルザスの伝統的なブッシュ・ド・ノエル『ローズ・ド・ノエル』です」
ブッシュ・ド・ノエルがクリスマスの薪を模しているのに対し、ローズ・ド・ノエルはクリスマスの時期にしか咲かないキンポウゲ科のローズ・ド・ノエル=クリスマスローズ(Helleborus niger ヘレボルス・ニゲル)という白いバラのような花を模しています。この花にはキリスト教の逸話として、貧しい羊飼いの少女がイエス・キリスト誕生を祝福しようと訪れたものの捧げる贈り物もなく途方に暮れていたところ、天使が舞い降りて雪の中から美しい白い花を出し、その花(ローズ・ド・ノエル)を贈り物に捧げるよう告げたという話があります」
「おおっ? 蟻がジーッとビスキュイ・ルーレの中心部を観察していますよ?(゚O゚)\」
「ローズ・ド・ノエルは花びらが真っ白で、真ん中がほんのりローズ色…外側のグラスロワイヤルが真っ白で、内側のジュレ・ド・フランボワーズがローズ色…このブッシュもまったくそうですね! 毎年20種類ほどのブッシュ・ド・ノエルを作るメゾン・フェルベールでもローズ・ド・ノエルは注文が入らないと作られないブッシュで、Wenikoさんが修業していた2005年のノエルには注文が1台も入らなかったとか。なぜなら、ローズ・ド・ノエルは普通の家庭で作られるからです」
クリスティーヌ・フェルベール氏「まだまだアルザスが貧しかった頃、敬虔なキリスト教徒の私たちはキリスト生誕を祝うため、1年の間少しずつ蓄えた贅沢な食べ物で食卓を飾りました。卵を使ったビスキュイ生地のブッシュは贅沢の極みだったでしょう。その上キルシュをたっぷり含ませ、6月に仕込んだフランボワーズのジュレを塗って仕上げたのですから!」
「この日、Wenikoさんが再現したのはビスキュイにキルシュのシロップを打つメゾン・フェルベールのオーダー版のローズ・ド・ノエルではなく、キルシュを原液のまま打ち込むフェルベール家のための1台だけのローズ・ド・ノエルでした」
クリスティーヌ・フェルベール氏「上等のキルシュとフランボワーズのジュレを使うこと。卵黄も卵白も立てるビスキュイは気泡が多く、軽めのふんわりした状態。そこに染み込ませたキルシュは味わいのほとんどを決定してしまうからです。その香りを浮き立たせる2層目のジュレも一緒。ジュレはもちろん自家製のものを使います。ジュレの代わりに果肉の残るコンフィチュールを使うことはお勧めしません。ビスキュイが、とても繊細な口当たりなので素材の形が残ったコンフィチュールの食感は似合いません。種入りのコンフィチュールはもってのほか! 必ず種無しのジュレを使ってください。あくまでも口溶けの良い繊細なハーモニーに仕上げることが大切なのです」
いちごとバルサミコと三色胡椒のコロンビエ
「Wenikoシェフはコロンビエには苺の種入り、果肉入りのコンフィチュールを使ってきた!(゚O゚)\」
バラ T's Garden
いちごとバルサミコと三色胡椒のコロンビエ Maison Weniko
「何故コロンビエにはジュレではなくコンフィチュールを合わせるのでしょうか?(゚-゚)\」
いちごとバルサミコと三色胡椒のコロンビエ
「それはアーモンドを使わないローズ・ド・ノエルのビスキュイ生地とコロンビエのアーモンドたっぷりのローマジパン生地の素材感の違いにあるようです」
クリスティーヌ・フェルベール氏「上等のキルシュとフランボワーズのジュレを使うこと。卵黄も卵白も立てるビスキュイは気泡が多く、軽めのふんわりした状態。そこに染み込ませたキルシュは味わいのほとんどを決定してしまうからです。その香りを浮き立たせる2層目のジュレも一緒。ジュレはもちろん自家製のものを使います。ジュレの代わりに果肉の残るコンフィチュールを使うことはお勧めしません。ビスキュイが、とても繊細な口当たりなので素材の形が残ったコンフィチュールの食感は似合いません。種入りのコンフィチュールはもってのほか! 必ず種無しのジュレを使ってください。あくまでも口溶けの良い繊細なハーモニーに仕上げることが大切なのです」
ワンダフルハウス「上等のオレンジ・コンフィと苺のコンフィチュールを使うこと。アーモンドと砂糖の比率が1:1で卵白を加えて加熱せずにペースト状にしたパート・ダマンド・クリュ(ローマジパン)はアーモンドの風味とコクがたっぷり。そこに混ぜ込ませたオレンジ・コンフィは味わいのほとんどを決定してしまうからです。その香りを浮き立たせる苺のコンフィチュールも一緒。コンフィチュールはもちろん自家製のものを使います。コンフィチュールの代わりに果肉の入らないジュレを使うことはお勧めしません。パータ・コロンビエが、とても存在感のある口当たりなので素材の形が存在しないジュレの食感は似合いません。種無しのコンフィチュールはもってのほか! 必ず種有りのコンフィチュールを使ってください。あくまでも口当たりの良い重厚なハーモニーに仕上げることが大切なのです(^Q^)♪」
Le Colombier de la Pentecôte à l'orange navel
ネーブルオレンジのコロンビエ
Gâteau Porte-Bonheur à l'orange navel
ネーブルオレンジのガトー・ポルト・ボヌール
ネーブルオレンジのガトー・ドゥ・ラ・ペ
Gâteau de la Paix à l'orange navel
ネーブルオレンジのガトー・ドゥ・ラ・ペ
「『Colombier Pentecote』で検索すると『Gâteau Porte-Bonheur』や『Gâteau de la Paix』という菓子名がヒットします。これらは、よく見るとコロンビエと同じ菓子であることがわかります。なぜ同じ菓子なのに3つの菓名があるのか不思議に感じていましたが、leroiboitさんが今年のパントコート直前にUPされた記事1記事2を読んで、コロンビエという菓子の謎が解決しました」
バラ T's Garden
ネーブルオレンジのコロンビエ Maison Weniko
「なんと『LE COLOMBIER』という菓子名はマルセイユのパン・菓子職人の組合に商標登録されていて、組合に加入していない菓子屋は『LE COLOMBIER』という名称を使えないのです!(゚O゚:)\」
Gâteau Porte-Bonheur à l'orange navel
ネーブルオレンジのガトー・ポルト・ボヌール
Gâteau de la Paix à l'orange navel
ネーブルオレンジのガトー・ドゥ・ラ・ペ
「おーっ! 入ってる!入ってる!(^O^)\」
「表面に擦り付けたのと、生地に混ぜたのと…ネーブルオレンジのコンポートがダブルで入っています!(^O^)\」
「しかし、マルセイユ市内やフランス国内ならともかく、日本で『コロンビエ』という名称を使っても差し支えないでしょう(^-^)\」
「リッチなアーモンド生地にフレッシュ感あふれるネーブルオレンジのコンポート…素晴らしい組み合わせです!\(^Q^)/」
Le Colombier de fraises au vinaigre balsamique et au poivre noir ou vert ou rose de la Pentecôte
いちごとバルサミコと三色胡椒のコロンビエ
Gâteau Porte-Bonheur de fraises au vinaigre balsamique et au poivre noir ou vert ou rose
いちごとバルサミコと三色胡椒のガトー・ポルト・ボヌール
Gâteau de la Paix de fraises au vinaigre balsamique et au poivre noir ou vert ou rose
いちごとバルサミコと三色胡椒のガトー・ドゥ・ラ・ペ
「苺とバルサミコと三色胡椒のコンフィチュールがビッチョリと染み込んで、生地が赤黒く染まっています。このようなコロンビエを本場マルセイユ市民が見たら、さぞかしビックリすることでしょう。もっとも、マルセイユ市民の大半がコロンビエという菓子を知らないようです」
Le Colombier de fraises au vinaigre balsamique et au poivre noir ou vert ou rose
avec à l'orange navel de la Pentecote
いちごとバルサミコと三色胡椒とネーブルオレンジのコロンビエ
「おーっ! こちらのコロンビエにもネーブルオレンジのコンポートが擦り付けてあります!(゚O゚)\」
「苺の果肉は潰してあります。粒のままだと均一な食感にならないからでしょう」
「このコンフィチュールはメゾン・ベニコでは販売されず、翌月6月にクルートというパン屋で限定販売されました」
「その時、激しい風が吹き、天上からバラの花びらが降り注ぎました」
Confiture de fraises au vinaigre balsamique et au poivre noir ou vert ou rose
コンフィチュール・ド・フレーズ・オ・ビネーグル・バルサミック・エ・オ・ポワヴル・ノワール・ウ・ヴェール・ウ・ロゼ
いちごとバルサミコとブラックペッパーとグリーンペッパーとピンクペッパーのコンフィチュール
1500円
製作 Maison Weniko
販売 Croûte
2012年6月 
「聖霊が降臨してきた! 蓋と瓶は同じでもラベルが違うと、こうも印象が変わるものなのか!(^O^)\」
Wenikoシェフ御用達のパン屋は京成百貨店をはさんでMaison Wenikoの反対側に位置する『ぱん家 Croûte』。これはそのクルートだけで6月に限定販売された『苺とバルサミコと胡椒(黒・グリーン・ピンク)のコンフィチュール』です。クルートとは『パンの皮』という意味のフランス語。オーナーシェフの大野聡太郎さんは水戸のドンクで修業した方らしいです。
いちごとバルサミコとブラックペッパーとグリーンペッパーとピンクペッパーのコンフィチュール
「黒と緑とピンク…三色の胡椒が見えた!(^O^)\」
いちごとバルサミコとブラックペッパーとグリーンペッパーとピンクペッパーのコンフィチュール
「バルサミコ(Balsamico)とはイタリア語で『香り高い酢』という意味で、イタリア北部・モデナ地方で11世紀から作られている伝統的な醸造酢。ワインとぶどう果汁の濃縮したものを木の樽で熟成させて作ります。香り高い風味とまろやかな甘み、艶やかな黒褐色が特徴。調味料として、オリーブオイルと合わせてサラダのドレッシングにしたり、肉料理や魚料理のソースに使ったりします。他の食酢にはない甘味があるため、ジェラートやイチゴにかけて供するなど、デザートの味付けやトッピングに使われることもあります」
いちごとバルサミコとブラックペッパーとグリーンペッパーとピンクペッパーのコンフィチュール
「これを見たら、4年前にcuisine francaise JJで食べたペッパーステーキを思い出しました(^‐^)\」
Filet de boeuf poele sauce poivre noir
八甲田牛フィレ肉のポワレ ブラックペッパーソース
cuisine francaise JJ
2008年9月
「ステーキの代表であるブラックペッパーステーキをフランス料理界の第一人者であるジョエル・ブリュアン氏に焼いていただきました。フェルナン・ポワン→ポール・ボキューズ→ジョエル・ブリュアンへと伝えられた調理法です。なお、写真のお皿はコースポーションで、アラカルトポーションだと、肉の大きさが倍あります」
八甲田牛フィレ肉のポワレ ブラックペッパーソース
1 牛フィレ肉の両面に塩をし、粒のままの黒胡椒を粗く潰し、手で押さえつけるようにして、たっぷりとまぶす。
2 フライパンにバターを熱し、肉を入れて、強火でセジール(saisir=強火で炒めて肉の表面に薄い煎餅が張ったようにカリカリにすること)し、両面を焼く。焼いている間は常にバターをすくってかけるようにする。
3 焼き上がったら、肉を取り出して休ませておく。休ませることにより、中の肉がロゼになり(血液に火が通り温まる)、落ち着く。
4 肉を焼いた後のフライパンの余分な油を捨て、ブランデーをふりかけてデグラッセーする。
5 生クリームとグラス・ドゥ・ヴィアンドを加えて少し煮詰め、塩・胡椒で味を調える。
八甲田牛フィレ肉のポワレ ブラックペッパーソース
「ステーキを焼く時の火力と焼き加減の関係は
ブルー(レア) 強火→強火
セニャン(ミディアム・レア) 強火→中火
ア・ポワン(ミディアム) 中火→中火
ビアン・キュイ(ウェルダン) 中火→弱火
ただし、網焼き(グリエ)の場合は、一定の火力で熱せられるので焼き方が変わるそうです」
Filet de boeuf poele sauce poivre vert
八甲田牛フィレ肉のポワレ グリーンペッパーソース
cuisine francaise JJ
2008年9月
「グリーンペッパーステーキとブラックペッパーステーキを比べてみると…ソースの作り方に違いがあります。こちらもフェルナン・ポワン→ポール・ボキューズ→ジョエル・ブリュアンへと伝えられた調理法です」
八甲田牛フィレ肉のポワレ グリーンペッパーソース
1 牛フィレ肉の両面に塩をしておく。
2 フライパンにバターを熱し、肉を入れて、強火でセジールし、両面を焼く。焼いている間は常にバターをすくってかけるようにする。
3 焼き上がったら、肉を取り出して休ませておく。休ませることにより、中の肉がロゼになり、落ち着く。
4 肉を焼いた後のフライパンの余分な油を捨て、ブランデーをふりかけてデグラッセーし、白ワインとポルト酒を注いで煮詰める。
5 ある程度煮詰まったところで生クリームとトマトのコンキャッセ(トマトの皮を湯むきし、種を取って荒いみじん切りにしたもの)を加え、さらに煮詰め続ける。仕上り際に粒状のままのグリーンペッパーを加え、塩で味を調える。
八甲田牛フィレ肉のポワレ グリーンペッパーソース
「焼きたてのステーキは中の肉汁が落ち着いていないし、繊維も急激に縮んだままになっているため、レアでもミディアムでも焼いてからしばらく休ませるのがコツだそうです。こうすると中まで余熱が通って、焼けないけれども中心部が温まり、切った時に肉汁が全部出てしまうようなことはなくなるとか」
いちごとバルサミコとブラックペッパーとグリーンペッパーとピンクペッパーのコンフィチュール
「聖書にも度々登場するヴィネーグル。語源はフランス語のヴァン(ワイン)とエーグル(酸っぱい)から来ています。こういうフェルベール式コンフィチュールがまだ存在しなかった’80年代の東京ではヴィネーグルはファッション感覚で使い分けられていて、生野菜から魚料理や肉料理、さらにデセール、はたまたコンフィチュールに至るまで、お洒落感覚で使い分けていた人種がいました。例えばフォションのConfiture de fraises一瓶に苺の果肉入りのVinaigre aux fraises fraichesをスプーン一杯とハチミツを入れ、Poivre noirもPoivre vertもPoivre roseも全部入れてしまおうという感覚です」
いちごとバルサミコとブラックペッパーとグリーンペッパーとピンクペッパーのコンフィチュール
「したがって、このようなコンフィチュールが降臨してきても私は全然驚かないのですが…(^‐^)\」
「1月に発売されるガレット・デ・ロワ以降では最大の宗教菓子であるコロンビエに組み込まれてきたことには驚きました(゚O゚:)\」
島田進クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ会長「エピファニーにガレット・デ・ロワやらずしてパティシエと名乗るべからず」
ワンダフルハウス「パントコートにコロンビエやらずしてパティシエと名乗るべからず」
続く

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